先日、こんなコメントをいただきました。
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長い間ご無沙汰しています。小学生のときお世話になった★の母です。(九九タワーの発案者?です)以降もずっとブログを拝見しておりました。
先生が予言されたとおり中学3年になったとたん猛烈に勉強を始め、無事希望の高校に入学しました。今年高3になります。順調に学校生活も進んでいたのですが、最近「学校は疲れた。朝早く起きて電車通学して、つまらない授業を受けて、緊張して」と言いだし不登校になりました。「受験勉強がしたいのに毎日学校へ行くと疲れて、何もできなくなる。そもそも朝なぜそんなに早く起きなければならないの?塾の自習室で勉強したほうがいい。でも高校卒業しないと大学へ行けないから卒業はする。学校は体育をしたり、友達に会ったり息抜きをするところだ」これが彼の主張です。
奈緒美先生はよく息子さんと人生の話をされていらっしゃいましたね。最近よくそれを思い出します。息子さんが大学受験のとき、友達とキラキラ語り合っていたことも思い出します。まさか、ここにきて、息子が不登校になるとは。
学校は○○高校、といって、息子にはもったいないほどの進学校です。進学校なのに校風は自由で、宿題もありません。でも、とても疲れるのだそうです。時間の拘束や集団授業など。でも私は学校を中退というのは避けたい。ただ、毎日行けないのなら、もう他に方法がないのか、すこしずつ話し合いながら、家族で考えていこうと思います。
先生が予言されたとおり中学3年になったとたん猛烈に勉強を始め、無事希望の高校に入学しました。今年高3になります。順調に学校生活も進んでいたのですが、最近「学校は疲れた。朝早く起きて電車通学して、つまらない授業を受けて、緊張して」と言いだし不登校になりました。「受験勉強がしたいのに毎日学校へ行くと疲れて、何もできなくなる。そもそも朝なぜそんなに早く起きなければならないの?塾の自習室で勉強したほうがいい。でも高校卒業しないと大学へ行けないから卒業はする。学校は体育をしたり、友達に会ったり息抜きをするところだ」これが彼の主張です。
奈緒美先生はよく息子さんと人生の話をされていらっしゃいましたね。最近よくそれを思い出します。息子さんが大学受験のとき、友達とキラキラ語り合っていたことも思い出します。まさか、ここにきて、息子が不登校になるとは。
学校は○○高校、といって、息子にはもったいないほどの進学校です。進学校なのに校風は自由で、宿題もありません。でも、とても疲れるのだそうです。時間の拘束や集団授業など。でも私は学校を中退というのは避けたい。ただ、毎日行けないのなら、もう他に方法がないのか、すこしずつ話し合いながら、家族で考えていこうと思います。
コロナ休暇が長い世代であったのも災いしています。学校がなくても友達と連絡を取り合い、自学自習をしながら楽しそうでした。学校っていったい何なんでしょう。
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★くんのことはよく覚えています。
出会ったのは★くんが幼稚園の頃。
外から見えない空洞の中をビー玉が滑っていく通路を作るのが大好きでした。
まだ小学校にも上がらない子が、何度も何度も改良を重ねながら、真っ暗闇を駆け抜けるビー玉コースターを、作り続けていた姿が目に焼き付いています。
★くんは、じっくり時間をかけて深く思考する男の子でした。
算数が好きで、ただ問題を解くだけでなく、創造性を発揮して、その本質を探ることに夢中になっていました。
以前、虹色教室で、「九九タワー」という、九九をデュプロブロックで表現する遊びが流行ったことがあります。
九九タワーが流行っていた頃の記事です↓
夏休み向けの『難問 算数クラブ』
九九タワーが流行っていた頃の記事です↓
夏休み向けの『難問 算数クラブ』
そのすばらしい数学的な建造物の発案者は、小学生時代の★くんでした。
そんな★くんが、不登校になったいきさつを伺って、胸が痛みました。
学校に行けなくなるまでに、★くんは心身ともに疲れきっていたのでしょう。
不登校を選択してからは、罪悪感、周囲への言い訳、家族の思いへの反発心、自暴自棄になる気持ち、未来に対する漠然とした不安など、さまざまな思いが渦巻き、ほんの少しの間も、ほっとリラックスしたことがないのかもしれません。
そんな時は、身近な人のアドバイスも、愛情も、期待も、心をザワザワさせる雑音でしかないのでしょう。
家族にすれば、★くんの「学校へ行きたくない」発言は、まさに晴天の霹靂だったことでしょう。
皆が羨む進学校に在籍し、その学校は校則も自由で、宿題もない。親しい友達もいる。勉強がついていけないわけでもない。どうして、いきいきと学校に通い、友達と楽しげに語りあわないのか。
卒業まで、あと少しだというのに、我慢できないのか。
それは、わがままじゃないか、甘えではないか。
そう感じても無理ありません。
でも、わたしは★くんはとても我慢強い子だと思うし、(だからこそ難関高の入試で成功したのでしょうし)★くんの主張は、じっくり耳を傾ける価値があると思っています。
(その話は続きの記事の中で、時間をかけて書いていこうと思います。)
颯爽と凛々しい姿で学校に通う★くんも素敵なら、不登校になって、葛藤を抱えて学校に通う意味を自問していく★くんの姿も、何ものにも代えがたく魅力的なものに映ります。
とはいえ、このまま高校中退というのは避けたいですよね。
通信制の学校に籍を移して、卒業に必要な残りの単位を取って、大学の受験勉強に励むのか、なんとか自分に鞭打って、卒業に必要な日数だけでも今の学校に通うのか、など、★くんと一緒にこれからの進み方を探っていけたら、と思います。
ただ、今しばらくは、そうした家族での話し合いは、他所に置いて、★くんが自分の気持ちを感じ取り、自分の本当の思いを聞き取れるように、自分の可能性や将来について真剣に自分と語り合えるように、満足するまで時間を与えてあげるのがいいかな、と感じました。
周囲の大人は、今何もせず、何も考えず、★くんが自分の内面の声に耳を澄ませ終わるのを待つべきだし、★くんが語り出したら、それを終わりまで自分の意見を挟まず聞くべきと思っています。これからどうするかは、そのあとだと思っています。
コメントの中に、「学校ってなんでしょう?」という問いがありました。
わたし自身も学校という名のつくところに通っている間も卒業してからも、何度考えたかしれない問いです。
今回のコメントをいただいてから、他の人々の意見が知りたくて、専門家たちの声を集めた『学校ってなんだろう』という本を手に取りました。
不登校の子の声に耳を澄ます 2 に続きます。
(上のイラストは、息子が親や集団とは異なる自分自身の心の声に耳を傾けたり、自分の価値観を形作っていこうとし始めた時期の姿を詩にしたものにつけるため描いた絵です。↓詩はこちら)
「満足するまで時間を与えてあげるのがいい」という一文に救われました。奈緒美先生の詩、孤独、という言葉、胸にささりました。先生の文、うれしくて何度も読み返しています。