虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉っ子と言葉のしゃべれない子 の 成長を感じて 2

2013-02-28 18:23:37 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

●くんは人への関心が高くなってきたようです。

以前は周囲を遮断するような遊び方をしていたのですが、

お友だちのすることを真似てみたり、他の子とブロック遊びをしているわたしの傍らにやってきて

こちらにもたれかかった状態で、ブロック遊びに参加しようとしたりするようになりました。

★くんのお母さんや☆ちゃんのお母さんとやりとりするのも

増えてきました。

●くんは色と秩序のあるパターンに敏感な子です。

☆ちゃんと★くんと●くんの3人でかわりばんこにコマを取ったり、置いたりする

ゲームをしていたところ、

●くんの番になると、コマを色ごとに整列させいきました。

●くんは工作の時も色のついたポンポンを区分けする遊びに興じていました。

整列させた後で、今度は、赤いコマと青いコマをひっつけはじめました。

☆ちゃんのお母さんが電車のドアを開閉してみせているところです。

☆ちゃんの横で●くんもしっかり見ています。

 

●くんも☆ちゃんもおもちゃを探してうろうろしたり、おもちゃを手に自分の世界に閉じこもったりせずに

人の輪の中で、関わりながら遊ぶ時間が長くなったな、

としみじみ思います。

小さなコインを貯金箱に入れています。

色つきの小さなコインの上に、あんぱんまんシリーズの人形たちを乗せていこうという

姿がありました。

 

●くんには本人がしゃべりたいと思うであろう言葉をうまくしゃべれた

という体験をたくさん成功させてあげたいと考えています。

そのため、●くんのお母さんには何度かダメ出しすることとなり、

どうしたらいいのかわからず混乱しておられるようでもありました。

 

どんな点でダメ出ししたのかというと、

●くんに言葉を教える時点で、お母さんにはそういうつもりは少しもないようでしたが、

どうしても指示や強制の色合いが強くなっていた点です。

 

●くんは人の話を理解できているようですし、

言葉もうながされたら少ししゃべることができます。

でも自発的におしゃべりしようという態度が薄いのが気にかかるところなのです。

「~言ってごらん」「ありがとうは?」「ごめんなさいって言ってね」といった言葉は、

●くんにしぶしぶ口を開かせることに成功していますが、

同時に自分からおしゃべりしようという意欲を奪っているようでもあります。

 

●くんに真似させて「言わせる」のではなくて、

言葉を発すると気持ちいいと感じ、うまくできているという達成感を味わえるように

接し方を工夫する必要を感じました。

 

次回に続きます。

 


自閉っ子と 言葉のしゃべれない子の 成長を感じて 1

2013-02-28 15:12:48 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

いっしょにする活動内容を豊かに (自閉症スペクトラムの子たちのレッスンから)1

いっしょにする活動内容を豊かに (自閉症スペクトラムの子たちのレッスンから)2

いっしょにする活動内容を豊かに (自閉症スペクトラムの子たちのレッスンから)3

 

自閉症の診断を受けている3歳前半の☆ちゃんと診断はまだ受けていないものの

目が合わず、他人との関わり方にさまざまな問題を持っている3歳半ばの●くん、

未熟児で生まれた後遺症から言葉を話すことができない5歳の★くん(自閉症ではありません)の今月のレッスンの様子です。

(前回のレッスンは、↑のリンク先です)

 

☆ちゃん、●くん、★くんのそれぞれが

前回に比べて、ずいぶん成長が見られました。

 

前回までの☆ちゃんはほんの少しの間もじっとしておらず、次から次へとおもちゃをひっぱりだしては

容赦なくそこらじゅうにぶちまける姿がありました。

やりとりの難しさにくわえて、この☆ちゃんの目が回りそうな動きっぷりと暴れっぷりに

☆ちゃんのお母さんはほとほとまいっておられました。

 

☆ちゃんの後ろについて、一日中片付けをしていても

部屋が散らかり放題になるような状態ですから、お母さんの頭の中がパニックに陥るのも

無理がないことでした。

 

が、何とかお母さんに心を持ち直していただき、☆ちゃんとの関わり方を調整していただいたところ、

☆ちゃんの態度は、この1ヶ月ほどで見違えるように落ち着いてきました。

 

☆ちゃんはこのグループの★くんのお母さんが大好きです。

声をかけられると自発的に目を合わせて

ニコニコッと満面の笑みを浮かべていました。

 

ひとつの活動にじっくり取り組めるようになってきて、

少しできるたびに、自分で手をパチパチして、こちらのフィードバックを確かめるように

チラッと笑顔を向けるようになってきました。

どらえもんのマグネットをひとつひとつの枠の中に貼りつけてご機嫌の☆ちゃん。

工作タイムには、ストローの中に綿棒や小さな玉を入れる作業に集中していました。

以前は他人の姿が目に入っているのかわからないような

視線の定まらなさが気になっていたのですが、

お友だちがすることをじっと見ていて自分もやりたがったり、

お母さんの説明にじっくり耳を傾けたりできるようになってきました。

 

手遊びや歌遊びも好きで、いっしょに楽しそうに踊っていました。

 

そうした☆ちゃんの成長ぶりに

いっしょに参加していた他の子のお母さんたちもとても驚いていました。

また☆ちゃんのお母さんも子育てを前向きに楽しめるようになってきたようでした。

 

次回に続きます。

 

 


子どもの長所や美点や魅力を感じ取る時間 

2013-02-27 22:00:27 | 幼児教育の基本

3歳6ヶ月の★くんと☆くんのレッスンです。

★くんが教室に着くなり選んだおもちゃは

『Make´n Break』というゲーム。

「カードを選ぶよ」と言うと、白い形だけで描かれている課題のカードを前に置いて、

「これは、いろいろな色でもいいんでしょ」と言いました。

サイコロを振って、タイマーを合わせて、

がんばって組み上げていました。

 

★くんがこのゲームに触ったことがあるのは、おそらく何ヶ月の前に1度あったかないかで

その時には遊びらしい遊びはしなかったはずなのです。

今日の★くんは、「ぼくは、見たらどうやって遊ぶかわかるんだよ。すごいでしょ」と

言いたげな様子でした。ちょっとお兄ちゃんぽく振舞いたいようです。

 

★くんは自分で見て、自分で判断して、自分で考えていくしっかりさんです。

そうした自分の強みを発揮したい、身近な人に認めてもらいたい、

と感じているようにも見えました。

 

それが、算数タイムの時にはこんな意外な姿を見せました。

「ビー玉を数えて、滑り台で滑らせたい子?」とたずねると、

「はいはい!」とはりきって手をあげる☆くんを尻目に、

「数えられないもん」と★くんが口をとがらせてつぶやきました。

そして、むくれたまんまビー玉類が入っていた袋をザーッと床にぶちまけました。

 

「ごめんなさい」と謝ったり、片付けたりした後で、★くんはやっぱり算数遊びに

参加したくて、ビー玉を数えたがりました。

ちゃんと数えることができますが、間違えているんじゃないかと

ビクビクしています。

そんな★くんの様子を見て、

★くんのお母さんはこんな反省を口にされました。

 

会う人ごとに、「おしゃべりね」「かしこいね」と褒められることが多い★くん。

つい、「そんなことないですよ。まだ数もちゃんと数えられないんですよ」といった

受け答えをすることがあったようです。

また、数を数えまちがえると、「えっ?おかしいよ」と聞きなおして

自信を失わせがちでもあったそう。

 

そのためか、他のことでは積極的に自分から考えようとする★くんが

数に関しては、不安気でイライラした態度で関わる癖がついてしまったようでした。

 

それでも、数遊びを少し続けるうちに

だんだん打ち解けてきて、笑顔がたくさん見られるようになりました。

 

 

身体の動きが少しぎこちない☆くん。

園でも帰り支度などを周囲に手伝ってもらいたがる王子様ぶりを

指摘されているそうです。

 

確かにテキパキと動いたり、

場の状況を読んだりするのは苦手そうです。

 

でも好きなブロック遊びを始めると、ブロックの基礎版をいくつもつなげて、

トンネルを作ったり、Nゲージを整列させたり……と

自分のイメージしたことを展開させていきます。

その姿に大人に頼ったり、迷ったり、ぼんやりしたりする様子はありません。

また、極端に自分の世界に閉じこもることもなく、

わたしやお母さんの意見を取り入れ、会話をしながら

いきいきと遊んでいます。

 

☆くんにはボディーイメージの弱さが感じられるものの

空間の扱いは、実際に目で見て作業するのも、想像上で思い描くのも得意なようです。

「飛行機が作りたい」という☆くんとモーターで回るプロペラがついた

飛行機を作ったところ、連結したり機体に紙を貼ったりする作業を

それは喜んで長い時間していました。

 

★くんと☆くんがいきいきと遊ぶ姿を眺めながら、

ふたりのお母さん方にこんなことを伝えました。

 

「ここでこうして子どもたちの姿を見ていると、

それぞれの子の独自の長所や美点や魅力を感じ取ることができますよね。

お母さんたちにとっての虹色教室で過ごす時間は、

その子ならではのすてきなところに気づいて、確認する時間だな

と思っているんです。

 

たとえば、☆くんの連結、連結……と箱をつなぎながら工作をする時の

いくらやっても飽きないほど夢中になって、幸せそうに作業に没頭する姿は、

将来、きっと自分が心から愛せる仕事を見つけることができるだろうし、

働くことに愛情を注いでいけるだろうな、なんて

未来を垣間見ているようですよね。

 

上手かどうか、速いかどうか、器用かどうかで比べれば

他の子が優れているように見えても、

ひとつひとつの作業をこんなに楽しげに幸福そうに行う子って、

そうした心の使い方をする子って、☆くん以外なかなかいないものです。

そうした自分の子ってすてきだな、魅力的だな、と

子どものありのままの姿から感じる機会って、あまりないんです。

習い事などで、みんなと同じように何かをやらせて、できるかできないかという目で見ると、

その子独自のすばらしさを感じ取る感受性が鈍ってきますから。

 

★くんにしても発達が良くて、頭がいいことは誰が見ても明らかなんですが、

本当にこの子がすてきなところっていうのは、

普段は欠点にしか思われないような部分にあるんじゃないでしょうか。

★くんは大人がやらせようとすることを

できることでも嫌がってしないことがありますよね。

 

そうかと思うと、見て、すごいでしょ、こんなことできるんだよ、って感じに

それまでだれも★くんに教えたりやらせたりしなかったようなことを

自分の頭で考えて判断して披露することがあるし、

そんな時に★くんの顔は一番輝いていますよね。

自発的なところ、できるとわかっていることより難しそうなことに取り組もうとするチャレンジャーなところ、

自分の頭で問題を解決しようとするところ、

負けん気なところ。

そういう★くんの美点は、大人が次々課題を与えて、

反復訓練するだけでは見えてこないものだと思います。

 

そうしたその子だけのいいところを味わうだけ……そういう時間も

とても大事だと思っています」

 

 

 


親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う?

2013-02-27 19:51:00 | 幼児教育の基本

2歳半ばの子と親御さんのかかわりが、

ちぐはぐにボタンを掛け違えたような状態になっているために

子ども自体はしっかりした発達のいい子なのに

困ったちゃんぶりが次第に激しくなっている子を見かけます。

 

2歳代といえば、第一次反抗期の真っ最中ですから、

かんしゃくを起こしたり、泣いたり、「いや!いや!」と何にでも反対したりするのが

普通です。

 

それでも子どもと親の関わりのあり方が

その都度その都度、その子の個性や発達に即したもので

親のおとな心がしっかりと発揮されている状態でしたら、

子どもはわがままを言ったり、かんしゃくを起こしたり、お友だちとぶつかりあう体験を重ねるにつれて

次第にその子なり経験値が上がって賢くなっていくのです。

 

といっても2歳児さんですから、

衝動的にお友だちに手が出ていた子が、

すんでのところで一拍置いて、「我慢、我慢」と沿えられた大人の手に身を預けて

ちょこっと我慢したり、

物を取り合うにしても、

場合によって譲ったり、代替案で満足したりできるようになる程度ですが。

 

先に、

---------------------------

2歳半ばの子と親御さんのかかわりが、

ちぐはぐにボタンを掛け違えたような状態になっているために

子ども自体はしっかりした発達のいい子なのに

困ったちゃんぶりが次第に激しくなっている子を見かけます。

-----------------------------

といったことを書きました。

 

「子どもと親御さんのかかわりが、

ちぐはぐにボタンを掛け違えたような状態になっている」っていったいどういうこと?

 

と気になった方がいらっしゃるでしょうね。

 

具体的な例を挙げると、

「ここではそっと見守ってあげるといい」という時に、うるさいくらいダメ出しをしたり、

 

「褒めながら正しい態度が取れるように誘導すべき」という時に、脅すような口調で注意したり、

 

「これはきちんと厳しく注意すべき」という時に、

「~してくれないかなぁ?」といったおうかがいを立てるような対応をしたり、

 

「これ以上愚図るようなら、クールダウンするように仕向ける」という時に、機嫌を取りながらお小言を続けたりする

といったことです。

 

「1人目ちゃんの2歳児を育てている」という方が陥りやすい

悪循環だな、と感じています。

 たいてい大人相手なら良好な関係を築く力のある常識的できちんとした親御さんです。

2歳児さんは手強いですよね。

 

ただ、だからといって「それなら専門家にしつけてもらおう」と

親子関係がちぐはぐなままで

集団の保育施設に預けるのはよりいっそう関係がこじれるか、心と心が疎遠になるだけなので

お勧めできません。

 

親子の関わりがうまく噛み合っていないと、

子ども自体は機嫌がよくて、周囲と調和して遊ぶ力があっても、

親御さんが声をかけるたびに

だんだん子どもが暴君のように振舞うようになって

しまいには手がつけられなくなっていくことが

よくあります。

またこのまま育っていくと、3,4歳になると

「親の言うことはまったく聞かなくなりそうだな」と危惧されるケースも

多々あります。

 

2歳5ヶ月の★くん。

体格のいいしっかりさん。

遊びに夢中の時も、声をかけると、さっと振り向き、

問われたことに即した答えを言います。

「~作ってみる?」「~してみる?」といったチャレンジをうながす誘いかけには

お友だちと揉めている最中でも、目を輝かせて「ハイッ」とお返事します。

 

この★くんへの親御さんの声のかけ方のひとつひとつが気になったので、

グループレッスン中、気の毒なほど何度もダメ出しをする結果となりました。

 

それでも「どこがどうまずいのか、どのように接したらいいのか一から全て教えていただきたい」と

熱心におっしゃる勉強熱心な方で、

「レッスン中に大人同士でおしゃべりばかりしていると、子どもが落ち着かなくなりますから

後から記事にして伝えますね」とお約束し、今、記事を書いているところです。

 

★くんのお母さんは良識的な落ち着いた方です。

ちょっぴりやんちゃでお母さんを叩き始めることもある★くんに

大らかに優しく接している愛情深い方でもあります。

 

ただ2歳児さんであり、男の子であり、自立心が強くて

きかん気な性質の★くんと、

言葉でこんこんと言い聞かせてしつけようとするお母さんの関わりが

うまく噛み合っていないのです。

★くんのペースに飲み込まれて、

良いように操作されているようでもあります。

 

頭の回転が速いこと、自立心に富んでいて、チャレンジャーな気質は、

悪い使い方をすれば、

周囲を振り回して自分の思うままに操作するのが上手くなり、

怖いもの知らずなので、叱られても同じことを繰り返し、

大人の指示を無視することにもつながりがちです。

 

★くんにしても2歳児ながらに

「ここでしつこく騒いだら、お母さんは折れて自分のわがままが通るだろう」

「お友だちを叩いてもいいもん、お母さんに怒られたって怖くないもん」

「お母さんが話しかけてても知らんふりしておこう」

という処世術をすでに身につけつつあるようでした。

 

★くんのお母さんは誰が見ても何の問題もないようなお母さんです。

叱りすぎることもなく、甘すぎてしつけを忘れることもなく、子どもを拒絶しているわけでもなく

保護しすぎるわけでもありません。

でもどうしてわたしが気の毒なほどダメ出しをしたのかというと、

「その言葉かけはタイミングが悪すぎる」と感じるシーンが

頻繁にあったからなのです。

 

★くんはお腹が空きだすと、何を話しかけても聞く耳持たなくなる食いしん坊な一面がある

ようでしたが、他の場面では比較的、聞き分けがよくて物分りのいい子でもありました。

 

確かに同年代の子同士で力と力のぶつけあえば、

気迫だけで勝っちゃうような体格のがっちりした子です。

 

でも衝動性がそれほど激しくないので、大人が怪我のないように仲裁に入る隙が十分ありましたし、

気持ちを受け止めて、面白そうな提案をすると、「はいっ」といいお返事で

あきらめることもできていました。

 

そこで★くんのお母さんにどんなダメ出しをしたのかというと、

次のような子どもへの接し方の習慣についてです。

 

★くんのお母さんは、

★くんが機嫌よく落ち着いて遊んでいて、

聞き分けも物分りもいい時に限って、見守っていいようなささいなことにも口出しをして

後々、ダダをこねたり、乱暴をしたりする行為に発展しないように

くどくどと脅すように言い聞かせる癖がありました。

 

ところがいったん★くんが駄々をこねて

聞き分けがなくなったとたん、★くんがそれ以上大騒ぎしないように気を使ってか、

まるでご機嫌でもうかがうようように

接していました。

 

夫婦の会話では、相手が落ち着いて自分の話に耳を傾けてくれている

タイミングで、

「こんなことはしないでよ」「あんなこともしないでよ」

とまだ起こってもいない先の安全を確保するために

厳しく相手に釘をさしておくのも有効な場合がありますよね。

 

でも2歳児相手だと、

聞き分けがいい物分りがいい時に、グズグズと未来について脅されたら

大人の話を真剣に聞こうとしなくなるのが

オチなのです。

 

おりこうにしていると、

不快な接し方をされて、

かんしゃくを爆発させると機嫌を取るように大事に扱われる経験値が蓄積してくると、

当然のように聞き分けがいい物分りがいい態度が減って、

わがまま放題の暴君のような振る舞いを増やしていきます。

 

続きを読んでくださる方は次のリンク先に飛んでくださいね。

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 4

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 5

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 6

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 7

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 8

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 9

親子のボタンの掛け違い……はっきり言うべき時におうかがいをたてる?見守ればいい時に厳しく言う? 10


2歳児もわかる算数文章題 『基本の形』  その他

2013-02-27 18:23:02 | 算数


☆2歳児もわかる算数文章題 『基本の形』

☆2歳児もわかる算数文章題 『基本の形』 2

☆2歳児もわかる算数 『基本の形』 3

☆幼児に2ケタの計算を教えるには? 1

☆幼児に2ケタの計算を教えるには? 2

☆幼児に2ケタの計算を教えるには? 3

☆幼児にくり下がりの引き算を教える方法 1
☆幼児にくり下がりの引き算を教える方法 2


☆お給料の計算~♪


国語のテストで0点近い点数を取ってしまうことが……(発達の凹凸のある子のレッスンで) 2

2013-02-27 17:15:51 | 国語

普段の会話では

自分の思っていることを的確に表現することができる★くん。

長文の読解問題も1学年上のものでも

これといったわからない問題はないようでした。

 

でも、いったん「わからない、わからない」と言いだすと、

「問題を読み返せばいいんだな」とか、

「わからない問題は飛ばして、次に進めばいいんだな」といった判断が

できなくなって、

パニック状態に陥るところはありました。

 

そうかと思うと、「わからない時は、どうすればいいんだった?」

「どこらへんに問題の答えがあると思う?」と問うと、

「ここらへんを……」と言って、問題文を指したかと思うと、

「わかったわかった」と続きを解き始めます。

 

★くんは、知的な能力は高い子なのですが、

見本通りに図や文字を写していくといった

アウトプットしていく力が極端に弱いことは、

病院で受けた知能検査の結果からも指摘されています。

 

そうした凸凹ゆえに、頭では理解できていても、できない、ということが

あれこれあるのです。

でも学校に支援をお願いしても

凸凹の凸部分の知能の高さを理由に

困り感に対応してもらえずにいるそうです。

外からは、「できるのに怠けているだけ」「わかっているのに反抗しているだけ」にしか

見えないのですよね。

 

虹色教室でも、すぐに効果がでるようなサポートはできないのですが、

「実際に長文問題を解いてみてできた」とか

「わからないと思って、困ってしまったけれど、落ち着いて、こういう風にしたらできた」といった成功体験

を積ませて、

見ただけで拒絶することがなくなるように

導いていこうと思っています。

 

 

 

 

 


国語のテストで0点近い点数を取ってしまうことが……(発達の凹凸のある子のレッスンで)

2013-02-27 13:39:53 | 国語

発達に凹凸のある小学1年生の★くん、2年生の☆くんのレッスンの様子です。

 

★くんのお母さんから、このところ国語のテストの文章が長くなってきたので、

読むのが面倒なのかテスト自体を放棄してしまうため、

0点近い点数になってしまう……という相談をいただきました。

そこで、

今回の学習時間には、前回に引き続き

国語の長文問題を解いてもらうことにしました。

(国語の話題は後から書かせていただきますね)

 

★くんも☆くんも、工作が大好きです。

ふたりとも「こういうことをしよう」とイメージしたり、

どのような手順で取りかかるのか計画したり、状況を把握しながら

柔軟に物事に取り組んでいくことをかなり苦手としている子たちです。

でも工作に親しむうちに、

工作やブロック遊びの中では、目標に向けて計画を立てて、準備から完成まで

自分の力でやり抜く力がついてきました。

 

☆くんは1年生の後半くらいまで、

ちょっとでも手間がかかりそうだったり、頭を使わなくてはならないような

活動を嫌がって、ゴロッと横になったり机につっぷしたままになってりして、

「え~やりたくない~」と言い続ける癖がありました。

 

自分の好きな遊び以外、何をするにも消極的なものですから、

「やりたくないからやらなくて、やらないからできない、できないからやりたくない」

という悪循環に陥っていました。

 

それが、1年生の終わり頃から、

工作やブロック遊びがだんだん楽しくなってきて、お家でもよく作るようになり、

学校でも先生やお友だちから「工作上手」と一目置かれるようになってきました。

 

工作に関して、自信がついてきた○くん。

急に、それまで嫌がって避けていたことも

積極的にやりたがるようになってきました。

ゲーム類もそのひとつ。

「ゲームをしようか?」と誘うと、初めてする少し難しそうなゲームでも

「する!する!」と大乗り気でした。

 

 

今回は、えれめんトランプとマティックスという計算ゲームをしました。

どちらも初めてのチャレンジですが、楽しく遊べました。

↑★くん、☆くんの自信の源となっている

「自分の中でイメージしたものを、アウトプットできる」という技能です。今回は、戦隊物のカードを作っていました。

 

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それでは国語の学習の様子を……。

 

★くんは知力が高く語彙力もある子です。

ですから1年生のテストが全然わからない、ということはなさそうです。

 

ただ★くんの能力には大きな凹凸がありますから、

国語のテストの形式が★くんの凹にあたる苦手な作業を含んでいる

ことが考えられました。

★くんは、何でも白黒つけたがるところがあります。

何をするにも0か100かで両極端。

 

「難しそう」「面倒くさそう」と感じた時点で、取り組むのを放棄して

白紙に近い答案を出しているのかもしれません。

 

そこで、★くんと☆くんに最レベの国語問題集の小学2年生の最高レベルの問題を

プリントして自分たちで解けるところまで解いてもらうことにしました。

 

どうして国語のテストを白紙で出してしまう★くんにまで、

2年生の難しい問題を用意したのかというと、

ある程度、読む文章が長くて、問われていることの種類が多彩でないと、

どこでどのようにつまずいているのかはっきりしないし、解き方のコツが身につきにくくもあるからです。

 

ただ漢字については習ってないものはできませんから、先に教えておきました。

 

☆くんは少し前まで語彙量の少なさが気になっていた子です。

前回のレッスンでそうした語彙量の少なさを補うために、お家でする取り組みについて

☆くんのお母さんと話しあいました。

<前回のレッスンの様子です>

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 1

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 2

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 3

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 4

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 5

 

このレッスンから2ヶ月半ほど、毎日ではないものの

公文式の小学ドリルの『文章の読解』と

『ちょっと難しい1000の言葉』をお家でしているうちに、

語彙の意味を推測する力がついてきて、

国語の問題が解けるようになってきたそうです。

 

確かに、☆くんは今回テストした国語の読解問題を解く時も、

以前はつまずいていた「どこで」や「なぜ」や「だれと」といった質問に対して、

ちゃんと正しい答えを書きこんでいました。

 

★くんにしても、最初はどこから読み始めたらいいのか、どこから手をつけたらいいのか

混乱していたのですが、

解いていく時、どこを読めばいいのか、わからない時どんなことをすればいいのか

話合った後からは、自分で最後まで解いていました。

 

 

次回に続きます。

 


「自閉っ子のこだわり」 を「能動的に取り組む活動」へと 橋渡しする 中間の活動 5

2013-02-26 15:43:38 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

☆くんは発達の凹凸があるにはあっても

個性の範囲と思われる子です。

目が少し合いにくく、コミュニケーションの取り方がちょっとだけちぐはぐかな?と感じることがあります。

その場の状況を把握するのが苦手なようです。

 

とはいえ、人と関わるのが好きですし、物ややり方にこだわることもありませんから、

大らかに成長を見守って行くだけでいいのかもしれません。

 

☆くんは発達障害等はない子たちの別のグループレッスンにも参加しています。

そこでの☆くんの遊び方と★くんと過ごす時の遊び方を比べると、

「同じ子かな?」と思われるほど指示の通りやすさと意欲の違いが見られます。

 

★くんとふたりで過ごす間の☆くんは、わたしが誘う活動がブロック作りであれ、工作であれ、

積極的に参加して、自分の考えもあれこれ口にしています。

でも、別グループで4人ほどで過ごす時には、

みんなが工作などを始めたり、椅子に座ってお話を聞いたりしている間も、

ひとりでふらふらと歩きまわることがよくあるし、状況の読みにくさが目立つ印象があるのです。

 

☆くんは刺激が多く、処理する情報量が多い場では、

自分をコントロールするのが難しくなるのでしょうか。

☆くんにすると、★くんの活動量の少なさは安心感につながっているのかもしれません。

 

★くんと☆くんといっしょに

今回も前回同様ピクニックごっこやクイズごっこをしました。

それぞれが持ってきたビスケットとクラッカーをティッシュに包んで、その上からさらに大きなハンカチで包んで

ピクニックに出掛けます。

☆くんは、こうした見立て遊びが楽しくてたまらない様子。

★くんは、見立てているという状況がどういうものか

ピンときていないようにも見えましたが、一通りのアトラクションを抜けて

お弁当タイムということでお菓子を広げました。

 

その時、「クイズです!このお茶は誰のお茶でしょう?」と★くんの

ペットボトルを上に掲げると、

★くんが急に手を挙げて、身を乗り出すようにして立ちあがって、

「★くんの!」と元気に答えたのにはびっくりしました。

一度できたことを、何度もやる機会を設けて

成功させてあげる大切さを感じました。

 

☆くんは、★くんの食べているビスケットが欲しくてたまりませんでした。

それで自分のクラッカーを★くんに押しつけるようにしてあげると、

★くんの手からビスケットを奪い取ろうとしました。

★くんは多めにビスケットを持っているのですが、自分の分を分けたくない様子です。

 

そのためふたりの間で無言のお菓子のひっぱりあいが続いていました。

どちらも自分の思いを相手に伝えることができないでいるのです。

それで、それぞれの気持ちを言葉にさせました。といっても★くんは「いやいや」とだけ、

☆くんは「ほしい~」とだけしか言えませんでした。

わたしがそれぞれの気持ちに少し言葉をそえて、ふたりに考えさせていると、

★くんが決心したようにビスケットを☆くんの方に差しだしました。

 

こうした小さなトラブルにていねいにつきあいながら、

自分の気持ちも相手の気持ちもどちらも大切にしながら

問題を解決していく力がついていきます。

 

そうした揉め事の後では、

★くんも☆くんも、「ふたり」でいっしょに何かする、

ということに積極的になりはじめたように感じました。

そのおかげか、ふたりともかなり長い間、工作に取り組んでいました。

 

この日、

帰り際に、★くんに工作で作った舟を手渡してあげると、

★くんが顔をほころばせて、ニコニコしていました。

心底うれしくてたまらない、楽しくてたまらないという様子です。

★くん、とにかく固い無表情でいることが多い子なので、

こんなにかわいらしく幸福そうに笑うのか、と感動してしまいました。

 

☆くんはどの活動も楽しくてたまらない様子でした。学ぶ姿勢もしっかりしていました。

☆くんの遊び方からは、余裕と発展しそうな可能性が感じられました。

ですから次に来た時には、

劇の幕だけでなく、もっとたくさん☆くんが日常で興味を持っていたものについて

お母さんからうかがって遊びに取り入れるといいのかもしれない、と思いました。

 

 

 

 

 


「自閉っ子のこだわり」 を「能動的に取り組む活動」へと 橋渡しする 中間の活動 4

2013-02-26 07:46:07 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 

「自閉っ子のこだわり」 を「能動的に取り組む活動」へと 橋渡しする 中間の活動

というのは、

必ずしも物に働きかける活動だけでは

ないと考えています。

 

何の道具も材料もなくても、自閉っ子の世界を広げていくお手伝いはできるはずです。

 

たとえば、こんな感じです。

 

★くんがバスのドアの開閉にひたすら

こだわっていたことを書きました。前回のレッスンの時に

★くんはバスの中に教室にあるものをあれこれ押し込んで遊んでいたのですが、

ハムスターの人形を出してあげた時に一番喜んでバスに乗せていました。

今回、「バスに入れるのがない。」とつぶやくのを聞いて、

「ハムスター乗せる?」とたずねると、パッと表情が明るくなりました。

自閉っ子たちと遊んでいて、強く感じるのが

こちらとの時間の感覚の違いです。

 

自閉っ子たちは、その場所でずいぶん前にあった出来事も

ほんの数分前にあったことのように鮮明に覚えていることが多いようです。

 

ですから、今遊んでいるものと関係なくても

本人の記憶の中ではリアルにつながっている物があれこれあるのです。

 

そうしたその子が過去に愛着を持ったものを

こちらが覚えておいて(覚えておくばかりでは無理があるので、できるだけ記録しておいて)

過去の場面をそっくりそのまま再現してあげるようにしています。

過去の場面といっても、大人の目から見た過去の場面ではなく

その子のこだわりにそった過去の場面ということですが。

 

すると、自分のファンタジーの世界にこもりがちな子や

警戒心が強くて人を拒絶するような構えが強い子も

そんな風に同じ過去を共有しているわたしに対して頼ったり甘えたりしてくるようになりますし、

ちょっと気を緩めて、新しい体験を受け入れてみようという姿勢が生じてきたり、

わたしが次にすることを期待するような態度が出てきたりします。

 

これまでの話とは反対に、もし身近な大人が、その子が過去に不快に感じた物とか

これまで触れたことがないので不安を覚えるものなどを

子どもを喜ばせよう、何か学ばせようとして

出してくると、自分の世界に閉じこもる態度を強固にすることがあるはずです。

 

自閉っ子は「甘えたい、近づきたい」という気持ちが高ぶると同時に

「離れたい、拒絶したい」という気持ちも高くなることが

多いようです。

そのため、「お母さん」のような

一番甘えたい対象が近ずくほど、たちまちやる気を失って、だらだらと崩れるような態度で過ごしたり、

同じ行動を反復し続けて自分の中に閉じこもってしまったりする

ことがよくあります。

 

そんな悪循環に陥っている時は、子どもによかれと思うことを

あれこれしようとがんばる前に、

遊びが広がらない自閉症の子との遊びを発展させていくこと5

で紹介した

 

「関係発達支援の基本」の 関係欲求をめぐるアンビバレンスに基づく悪循環を断ち切ること

を最初に目指すことが大切じゃないかと思っています。

 

 

 ★くんの話に戻しますね。

★くんはバスの中にハムスターを詰め込んでは、「ドアが開かない、開かない」と言って

ぶつぶつ言っていました。

この「ドアが開かない」という言葉は、わたしに何とかしてほしい、という意味を含んでいるようでした。

 

なぜドアが開かなくなるのかというと、バスのドアの開閉部分に

ハムスターが詰まってしまうからです。

正確に言うと、★くんがそこにハムスターを入れて

ドアが開かなくなるように、わざわざしているのです。

 

そこで★くんの「ドアが開かない」「開かない」を

困ってるんだな、嫌なんだな、とだけ受け取って、

「だったら、ハムスターをバスに入れるのをやめなさい」とか

「ドアの近くにハムスターを入れないように気をつけなさい」と言うのは

まずいな、と思いました。

 

なぜなら、★くんはまだ人と関わっていく力がとても弱い子だからです。

 

★くん自ら、他の人に関わっていこうとするのは

皆無に等しいのです。

とすると、たとえそれがわざわざ自分で作りだしている

不満や不平であっても、相手のフィードバックを求めて能動的に振舞っているなら

そのひとつひとつが大切なものでもあるからです。

 

といっても、その対応いかんによっては、

「問題行動を起こすと注目されるという」刷り込みとなって

自閉っ子に悪い習慣をつける可能性もあります。

 

ですから、こうした時の対応は、とても慎重に注意が必要だし、少しずつ良い関係へと変換していくもので

なくてはなりません。

 

わたしはひとつひとつの訴えに

本人が望む以上でも以下でもない、そのまんまの対応を繰り返すようにしています。

 

明らかに、「わざわざそんなところに入れるからでしょ?」という状態で、

「いったい、何十回、同じ失敗(おそらくわざと)をしているのかな?」という場合でも

初めて要求された場合と同じように対応するのです。

 

それと同時に、そうした要求に応える言動が、★くんにとってわかりやすくて、

人に対する興味をそそるものとなるように工夫しています。

もしそれが難しいと感じる方はパーキング等の自動券売機のような音声が出る機械になったふりをして

遊んであげるのでもいいです。

 

★くんは、「どうして開かないのかな?」と注意深くドアの中をのぞきこみ、

「あっ、こんなところに詰まっている。ハムスターが詰まっている。」と言ってから、

ゆっくりバスをひっくり返して、

トントンと詰まった部分を叩いて、ハムスターを移動させて、

「うまくいったかなー?」と★くんの期待と自分の期待を重ね合わせるように息を合わせて

ドアを開くという一連の作業に心から満足しているようでした、

 

そうしたまるで機械のように

望んだことを望んだように返してくれる相手に

自閉っ子は信頼や安心感を寄せるようになってきます。

 

そうして信頼や安心感が見えはじめると、

強迫的な繰り返しは減り始め、自分から能動的に働きかけてくるものも増えてきます。

 

 

★くんの変化は、こんな感じでした。

初めのうちは、座り込んだまま、険しい表情でうつむいたまま、「バスのドアが開かない」と

半ばおもちゃに当たるような調子で繰り返していたのが、

だんだん、こちらを呼ぶような口調で、「ドアが開かないドアが~」とイライラした声になり、

しまいには、自分からバスを持ってきて、「ドアが開かない」と言いながら

わたしにそれを付き出すようになってきました。

そうして何とかしてほしいという様子で持ってきながら、

ちょっと甘えるような仕草をするようにもなりました。

ある時、わたしにもたれかかって、こんなものを見せてくれました。

バスにはドアの開閉ができる面と

写真のように開かないドアが描かれている面があるのです。

★くんはその開かないドアを指さして、「どうやって開けるの?」とたずねました。

おそらくどうして開かないのか、★くんはわかっているのです。

見たところ開きそうもない作りですから。

 

それでも、わたしが開けようと試みて、「うーん、開かないね。開かないドアだね」と言うと、

満足した様子で、フッと笑って、

予想したことが予想通りでとってもうれしいという態度で、

バスを抱えて自分の遊びの場に戻って行きました。

 

次回に続きます。

 

 

 


「自閉っ子のこだわり」 を「能動的に取り組む活動」へと 橋渡しする 中間の活動 3

2013-02-25 21:17:25 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

どうしてこんな電動ハブラシが教室にあるのかというと、

科学クラブの子たちが分解して何か別のおもちゃに改造するための

電池で動く機械の100円グッズをあれこれ買いだめしているからなのですが……

この手の安価な電動グッズ類が自閉っ子たちのツボにはまることって

よくあるのです。

 

たとえば、くるくるハンドルを回したりカチカチ握ったりして

蓄電してライトを灯す機械とか、

光ファイバーのライトとか

押すと音がでるグッズとか、

砂時計に似た不思議な液体や粒子が上下に移動するグッズなどです。

 

今回の電動歯ブラシは、写真のように空き箱に押し当ててスイッチを入れると

箱の上に乗せた船はまるで海を渡っているように走りますし、

毛糸の玉はもぐらや毛虫のような動きをします。

★くんと☆くんに、持ってきたおやつの空き袋で舟を作ってあげると

大喜びでした。自分の食べたお菓子、それも前回と同じように

ピクニックごっこをして、山のぼり(椅子のことです)もして、包みを開いて

食べたお菓子の袋で作ったもの、ということで、

とても気に入っているようでした。

 

舟が箱の上を動いていく様子を見た★くんは、

電動歯ブラシを手にして、自分も舟を動かしてみたり、それをおもちゃのバスやセロテープの台やテーブルに押し当ててみて、

振動が変化する様子を楽しんでいました。

 

☆くんはモールを使って、虫を作ることにしました。

★くんは毛糸を切って、妙な生き物を作るのに熱心でした。

なかなかうまくはさみが使えず苦労していましたが、「こうするの?こうするの?」と

たずねながら、根気よく切っていました。

ふたりがいろいろ試してみながら熱心に遊ぶ様子を見て、

次の機会には、他の電動の機械類を使った遊びをいくつか提案してみようと思いました。

手を打つと音に反応するロボットや

障害物を避けて進んでいくロボットなどで遊ばせてあげると、

身体を使う遊びや

積み木やブロックで障害物を作る遊びにつながるかもしれない、と思いました。

(ちょうどそれらの電子工作で作るロボット類の科学クラブ用に準備していたものです)

 

次回に続きます。