虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

創造性の発揮の仕方いろいろ

2020-10-08 18:03:47 | 子どもの個性と学習タイプ

小3のAくんが韓国ドラマにはまったと聞いて驚きました。

『トンイ』のドラマの解説本を片手に教室にやって来たAくんは、

解説本の写真を見ながら手作りしたというドラマの衣装や小道具を

見せてくれました。

といっても、ドラマの一シーンの写真が写っているだけで、

全体にうつっているところほとんどないので、想像力で

補いながら、立体にするために試行錯誤しているのです。

Aくんがもりもり工作する姿になれているお母さんも、「布を使って

服を縫い始めた時にはびっくりしました」とおっしゃっていました。

Aくんの両面テープと針と糸を駆使して作った衣装の数々に圧倒されました。

レッスンの間、Aくんはトンイに出てくる楽器が作っていました。

材料探しを手伝いながら、

「どうやって作るのかな?」と観察していると、ドラマを解説した本にある

小さな写真を必死でのぞきこんで、「ひもはどんな風に巻いてあるのかな?」と、

ひもの向きや巻いている回数なども正確に再現しようとしていました。とはいえ、

全て見えているわけではないので、見えている部分から

現物の姿を知恵をしぼって推測しているのです。Aくんさすがだな、と感心しました。

 

 

 

この日、カメラの充電が切れてしまって、いっしょにレッスンに来ていた小3のBくんの

創作風景の写真を撮りそびれたのですが、

Aくんとは全く異なる方法とはいえ、そちらもすごいな、と見とれていました。

Bくんは、お気に入りの工作本を持ってきて、作りたいものを選び、

説明を読みながら作り進めるのが好きなんです。

説明書通りに作るといっても、

必要な材料をそろえ、本にある通りのサイズに

さまざまな材料をカッターやはさみで切っていき、

最後まで作り上げるのは本当に難しいことです。その都度、新しい技術を

学ぶ必要もあります。説明文を読んで、わからないところは、私にたずねたり、

自分で考えたりして解決していきます。

子どもの創造性の発揮の仕方はそれぞれ異なります。

外から見て、簡単に、こちらが良いあちらが良いと周囲が

評価できるものではなく、

それぞれの自分の手でやってみた体験を通して、

その子自身の内面に宿っているすばらしいものを育てているだな、と感じています。

写真は別のグループの3年生のCちゃんが

いらないCDを使って、回転する太陽系を作ろうとしていた姿です。

Cちゃんは面白い形や面白い動きを自分で見つけ出して

独創的な作品を作るのが好きな女の子ですが、

こうした工作をして帰った後で、「宇宙が始めに生まれる前は何があったの?」

といった質問をして、自分でもずっと考えていたそうです。

 

子ども達、それぞれ算数の力もしっかり身についてきました。

とても頼もしいです。