虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

文字作りゲーム 楽しみ方いろいろ

2018-05-30 20:19:44 | 国語

年中、年長グループで、文字カードゲームを作って遊びました。

それぞれの子が、画用紙を切って作ったカードに自分の書ける文字を書きました。

文字を書くことができない子は、薄い紙になぞり書きをしてカードを作りました。

文字カードの隅には、1や2や3など好きな数字を書きます。

 

 <遊び方>

作ったカードを表の状態で場に置きます。

順番に場からカードを選らんで言葉を作ります。

写真の「いす」でしたら、カードにある数を足して、

「3+2=5」とし、5つチップをもらいます。

たくさんチップを集めた人が勝ちです。

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カードに書く数を自由にしていたら、200や1000の数を書く子もいました。

チップの代わりに子ども銀行のお札を使ってゲームをしました。

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『メークワード』という古い古いゲームが、教室内で流行っています。

このゲームを手に入れるのは難しいでしょうが、

お家にひらがなカードがあれば作れるので、

興味のある方はいらなくなったカードを再利用して遊んでください。

 

教室では、本来のゲームのルールを少し変えて遊んでいます。

(その方がゲームの流れがスムーズになったり、計算の答えが大きくなったりして、

ゲームが面白くなるので)

 

◆教室で遊んでいるルール。

たて、よこ、ななめに文字を作っていきます。

クロスワードのように置いた文字が成り立たない場所ができなくても、

ひとつの文字ができればOKという甘めのルールです。

 

かんばん→かんばんとう(ばんとう)→かんばんとうがらし(とうがらし)

 

と文字を下に続けていくのはOKだけど、

必ず、自分が置いた文字が最後の一字(他の文字につながらないところ)

になるよう置きます。

 

文字カードにはそれぞれ異なる数が書いてあります。できた文字にある数を足して

得点にします。

最後の文字を置いた場所が、「2倍マス」「3倍マス」なら、

文字を足しあわせたものを2倍、3倍にします。

 

(お家にあるひらがなカードでゲームする場合、ボードを作るのは大変なので、

紙の一部「2倍」「3倍」と書いておき、その部分にカードが重なった時に

かけざんするルールでも遊べます。

 

文字が、同時にふたつ以上できた場合(たて、よこで二種類読める時など)

(2+3+5+6+1)×2+(3+3+5)×3

のような計算になります。

 

得点のチップをもらえるとなると、子どもはこうした暗算を

とても楽しくおこないます。

 

高学年の子らとこのゲームをする時は、

「形容詞と動詞だけで、文字を作る」時間、

「固有名詞がOK」の時間、

「形容動詞と名詞だけで、文字を作る」時間などを設けると、

とても面白かったです。

30とか100といったある得点が貯まった時に

交換するグッズを用意しておくと、得点計算が楽しくなります。


やる気と本気のスイッチが入るもと それぞれ 

2018-05-30 20:18:36 | 通常レッスン

自分の書いた本が虹色教室内でベストセラーになっていると聞いて、

物書き魂に火がついた小3のAちゃん。

前回のレッスンでは、ベストセラー書の続編を書くために、

帰り支度をする数分の間も惜しんで書いていました。

1冊目よりも長い話にしたかったらしく、家に持ち帰って続きを書くことにし、

今回、仕上げて持ってきてくれました。

と、さっそく同じグループの子らの間で回し読みが始まりました。

それを見て、俄然やる気が出たAちゃん。3冊目を書く決意を固めて、

本にする紙の束を持って帰りました。

 

教室では本の他にマンガ雑誌も作っています。

なめこ図鑑 と 虹色教室の月刊マンガ雑誌

マンガ雑誌の編集会議に寄せられたマンガ原稿

 

カセット付き絵本と音読教材も作っていますよ。

旅のスクラップブックと音読教材 1

旅のスクラップブックと音読教材 2

 

やる気と本気のスイッチが入るもとは、人それぞれですよね。

子どもも同じです。

何がモチベーションになるか、ひとりひとりの子の違いは見ていて面白いです。

将来もきっと、そうしたやる気と意欲のもとが、

仕事や日々の暮らしをいきいきさせてくれるのでしょうね。

 

わたしにしても、今、心から楽しいと思えるものはどれも、

子どもの頃にワクワクした体験と根っこのモチベーションはいっしょですし、

うちの子らにしても、赤ちゃん時代も二十歳を過ぎた今も

やる気を本気スイッチが入るもとは、変わってないな~と感じます。

 

百人一首をした時のこと。

勝ち負けのあるゲームに参加をするのをしぶるAちゃんは、札を読む役を買ってでました。

98枚の札(2枚なくなっています)を全て読み切ったAちゃん。

「負けるんじゃないか」「上手くできないんじゃないか」と思うと

すること自体にしりごみしがちなAちゃんですが、実際、実力があるし、

やり始めたことを根気よく続けていくエネルギーは誰にも負けないのです。

長距離走を完走しきったような興奮の後で、

算数の学習では、他の子らが手を着けなかった問題を力技で解き切りました。

 

 


小学1年生の子たちの高い視点からの気づき

2018-05-28 21:14:17 | 工作 ワークショップ

子どもはどの子も基本的に自分のアイデア、自分の考え、自分の興味関心、自分の愛着などを

中心に工作をするのが好きです。

その時、ちょっとした工作技術を教えると、子どもの心に深く響く時があります。

何が強く響くかは個性にもよりけりですが、年代によっても特徴があります。

小学1年生の子らは、それより年下の子たちとちがって、

工作技術を教えた時に、「そういう原理だったのか!」「そういう仕掛けだったのか!」「そういう意味が

あったのか!」というより高い視点からの気づきのようなものがあります。

上の写真は、1年生の子が作った『電子レンジ』です。

この子はボタンをテープで貼って、自分のアイデアに大満足でした。

その時、「とびらのボタンを取り付ける時、穴をあけて、とびらの裏から短く切ったモールを通し、

次にボタンの穴に通し、再びとびらの穴に通して、とびらの裏でモールをテープを止める」という

方法を教えました。

すると、1年生の子たちは、

上からテープでボタンを貼り付けるよりずっときれいで、強度が増すことに

心から感動していました。

それより幼い子たちだと、きれいにできあがったことに喜ぶところで、

一本の短いモールが、こんなすごい働きをすること、

知恵を使うことの面白さに感動しているのです。

 

 

この1年生のグループで、こんなシーンもありました。

クレープやアイスクリームのコーンを作るための

簡易コンパスを作ったところ、

どの子もクレープやアイスクリームができあがるということ以上に

ふたつの穴が円を描くことに驚き、感激していたのです。

簡易コンパスは、食品の発砲トレイ、楊枝、半径サイズに穴を開けて

切った厚紙を用意したらできあがりです。

この同じコンパスも2年生の子たちに見せた時は、別の場所に穴を開けると

どうなるのか、ということに関心が向かっていました。


大人気 ATM カードガチャのしかけ

2018-05-24 21:15:16 | 工作 ワークショップ

教室で大人気のATMとカードガチャ作りのしかけです。

基本はラップの芯などに輪ゴムを巻くだけ。

カードが出てくる口を細長く切ります。

ゴムを巻いたラップの芯をくるくる回すと、カードやお札が

箱にあけた出口から出てきます。

 

 


個性的な資質を伸ばすのに大切な3歳児 (もう少し大きくなった子の親御さんも読んでくださいね)

2018-05-23 10:33:09 | 幼児教育の基本

 

個性的なその子その子の資質を伸ばしていく上で、
とても大事だな~と感じているのは、3歳の時期です。

1,2歳から親子レッスンで、子どものお世話をさせていただいている場合、
親御さんの考えと私の考えに微妙なずれが生じやすいのも、
この時期でもあります。

3歳の子というのは、
2歳のころの「大人の言うことや環境からの刺激を
吸い取り紙のように何でも吸収する姿」がまだ残っている上に、

「本人の意志でやりはじめること」は、
折り紙でしたら、ぐちゃぐちゃっとして、
名前をつける程度の
大人からすれば目を引かない……見栄えのよくない行動が多いのです。

3歳の子に、英語を習わせたり、音楽を習わせたりすると、
家に帰ってから習った英語を真似てみたり、
楽器を弾いたり、本人も楽しそうだし、親御さんも次はどんなことをさせてみようかとわくわくするようです。
また、幼児用のプリントを与えると、喜んで何枚もしたりして、
このまま学習習慣をつけてあげたいとも思うようです。

こんな風に3歳になったとき、
さまざまなことに積極的に集中してチャレンジできるのは、
2歳の時期に、目と手を協応させて、
遊びにじっくり関われるように育んできた結果でもありますから、
「いろいろやれる」のだから、無理強いはせずに「いろいろさせてみる」のは
何の問題もないように
見えるかもしれません。

私にしても、「これはまだ教えるのは早い」とか思うものはなく、「いろいろさせてみる」こと自体には何の問題も感じていません。

それなのに、親御さんと私の間に考え方の「ずれ」が生じるのは
なぜかというと、
親御さんが3歳の時に感動してあれもこれも伸ばしたいと注目しているポイントが、植物でいうと子葉の部分……つまり、3歳までの子の特有の長所に注目していることが多く、

私は、3歳ごろから芽を出し始めたばかりの
植物でいうと本葉の部分を見ていて、
まだ目立たない個性的な資質のあらわれを、守って、磨きをかけ、
大事に育んでいきたいと考えていて、

そこで、どちらに重点をおくかで、何度か話し合いになることがあるのです。

もちろん、どちらも大事にしていくことはできますし、私もそれを目指しています。
気をつけなくてはならないのは、
3歳という時期は、
「あまり重要でないもの」が立派に見えて、
「その子にとって重要なもの」は、生まれたばかりで目立たない
ということなのです。

この「重要でない」「重要」の差は、
写し絵と、本物の絵のちがいのようなものです。
まだ上手に絵が描けない子に、写し絵ばかりさせて褒めていれば、
何だか立派なものができたというパフォーマンスにはなっても、
絵を描く能力を衰えさせていくのは目に見えていますよね。

これは写し絵をさせてはダメだということでは、ありません。
写し絵をして伸びるかもしれない、手先の巧緻性を無意味だと
言っているわけでもないのです。

「重要でない」ことをさせて良いかどうかの問題ではなく、

「重要」なことは、他の何に気持ちが奪われていても
無視してはいけない

ということなのです。

3歳の時期、子どもの遊びは、
だんだん「意味」と「目的」を持ったものに
変化しはじめます。
遊んでいるうちに、「こうしたいな」「ああしたいな」と思いがふくらんだり、
前にうまくいった方法を発展させて何かしようとしたりします。

写真では、3歳の★くんが、ビー球が転がる先に鉄琴を置いてみて、
音を楽しんでいます。
その前に、鉄琴の上にいろんな物を落としてみて、音を面白がっていたのです。
それで、ビー球を転がしている時に、
それを思い出して、「転がったボールが鉄琴に当たるとどうなるだろう?」と
考えたようなのです。

3歳の時期には、

どんなことがやりたいか見つける(自分がやったら楽しいものがわかっている)
「こんなことがしたい」という思いを持つ

遊びながら工夫して、「さらにこうしたい」「こんなこともためしたい」と思いがふくらんでいく

前の経験を思い出し、今の遊びに活用する

ということができはじめます。

2歳の頃なら、ただ絵を描くだけだったのが、
いろいろな経験の幅を広げてあげると、
絵を描いたあとで、
「飾ってほしい」と言ったり、「切手を貼ってポストに入れよう」と言ったりします。

他の人のアイデアと、
自分のアイデアとに、ものすごく大きな興味の違いをしめすときでもあります。
他の人がすることよりも、
自分がすることは、「すごくてすばらしくて大満足!」
という時期でもあります。

面白いなと思うのは、3歳児の描いた何だかよくわからないプリキュアの
絵を3歳の子たちに見せると、
大人の描いた上手な絵よりも感心して、
「じょうず~」「りぼんじょうず~」と絶賛したりすることです。
この時期の子は、「自分でできそうだ」ということに
心が揺さぶられるようです。
 

3歳の時期、親御さんの考えと「ずれ」が生じる時があります~と書いたのは、
ちょうどこの頃から、
「難しいことはさせていないので、楽しくやらせているので、
~~をさせても大丈夫ですよね?」とたずねられることが増えるからです。
内容は、
ピアノや文字のワークや英語やリトミック、体操などです。

どの内容なら良いのか、どれくらいするのなら良いのか、さまざまな意見があるので、迷うそうです。

私が、う~ん、と返事に悩んでしまうのは、

子どもって、1歳でも、2歳でも、3歳でも、「楽」なことなんてしないで、
自分の能力の限界まで力を出しきっていろんなことをしているな、と感じているからです。
1歳児は懸命に歩こうとするし、2歳児は手を使う仕事に一生懸命です。

3歳児はというと、記憶したことを取り出したり、
自分で選んだり、
決定したり、目的を定めたり、自分の気持ちを言葉にしたり、
経験したことをごっこ遊びのなかで再現してみたりと、
自分の頭を使うことになら何でも真剣そのものです。

そのどれもが、録音、録画機能のある機械にも、計算機にも、ロボットにも
できないことばかりです。

そうした3歳児が「自分の頭を使いたい」と思っていることに
理解のある親御さんたちは、できるだけ子どもの言葉に耳を傾けて
周囲よりのんびりと生活しています。

子どもが上手にしたら、「上手に自分で達成できた事実」を、教えてあげています。

失敗したら、子どもが自分で気づくように見守っています。
あれこれすることを指示するのでなくて、
子どもがやりたい、達成したいと思う内容を
自分で見つけて
探求していくのを支援しています。
のんびりペースで、5歳、6歳を迎えると、想像力豊かで、思考力が高く、手先も器用で、意欲的な子に成長しています。また個性的なその子しかない才能は、その頃にはもう輝きだしています。


前の話題にもどって、
私が何をう~んと悩むのかと言えば、

3歳の子は、まだ自分の頭で考えることを始めたばかりですから、

しょっちゅう、考えるのを中断されたり、

自分で選んだり、決めたりできない場所でいろいろ指示されて真似することを繰り返したり、

自分の考えを実行に移すよりも
大人の求めるものを真似した方が褒められる体験をしていると、
「考えること」自体をやめてしまうからなのです。

集団でリトミックや英語などを体験するのが悪いわけではないのです。
大人の価値を置くものが外に向いていて、
お家でも、移動中も、お外でも、
あまりにも幼児の「頭で考える」時間が奪われている場合、
問題なのです。

脳の基本の操作がきちんと実行できるように、
この時期の子にはこの時期の子の
やっておかなければならない大切な仕事がたくさんありますよね。

見たり聞いたりしたことを、
遊びの中で再現しなおして、
記憶したことを、きちんとアウトプットできるようにしたり、
手で何か作ることで、
イメージしたものをアウトプットすることもそのひとつですね。
 
知的な課題が好きな子に育つお母さんの態度 嫌いな子に育つお母さんの態度



小学生と話していると、
「マンガを読むのもめんどくさい」
「ゲームをするのもめんどくさい」という子がけっこういます。
遊ぶのもめんどくさいし、何をしようかと考えるのもめんどくさいそうです。
以前、児童館でボランティアをしていたとき、
児童館の館長先生が、
「多くの子どもが、おもちゃで遊ばず、おもちゃを壊す、崩す、蹴ることばかりするのは、
どうしたものか……」と嘆いていたことがあります。

子どもたちの姿を見ていると、
どんなことをすれば自分が楽しい気もちになるか、それが持続できるかが
わからない様子でした。

子どもは、3歳くらいから、ひたすらそれを探求しはじめます。

どんなことをすれば自分が楽しい気もちになるか、それが持続できるか
は、探求すればするほど、
遊べば遊ぶほど、豊かになり、洗練されていき、
自分の個性的な潜在能力と結びつきます。

人は自分が最も得意としていて、
伸びる可能性のあることに
本気で取り組んでいるとき、一番楽しい気持ちになるし、
いつまでもそれをしていたいと思うからです。

幼児は、全身全霊をかけて自分の潜在能力探しをし続けている
と言っても良いくらいです。

大人がそれを手助けしようと思うなら、次のようなことが大切です。

★ まだ上手に言葉にできない部分を助けつつ、よく話やアイデアを聞いてあげること

★ 問題にぶつかったとき、自分で切り抜けられるように見守り、
適度に手をかすこと

★ 子どもの興味をより広い世界につなげてあげること

★ 大人が「ここは干渉しない方がいい」というタイミングを知り、我慢できること

★ 子どもが必要なもの(紙や描く道具やはさみやブロックやシンプルなおもちゃなど)と、前回の経験が生かせるような忙しくない生活リズムが確保されていること

年長さんたちの算数レッスンと小2のお兄ちゃんの知恵

2018-05-22 20:30:37 | 算数

年長のAちゃんとBちゃんの算数レッスンの様子です。

ハムスターの人形をきれいに並べていく作業は子供たちに大人気です。

10ぴきずつ、5列並べた後で、Aちゃんに、「何びき?」とたずねると、10,10,10……と塊ずつ数えていって、

「50ぴき」と答えました。

「50ひく1は?」

「49」

数についてよくわかっています。

たくさんの数を眺めるのはわくわくするようです。

 

 

 

年長さんたちのグループに小学2年生のお兄ちゃんのCくんも参加していました。

ハムスターを10ぴきずつ並べようと思うと、1ぴき多かったり、1ぴき少なかったり

したので、その都度、「+1」「ー1」と列の横に紙を置いていきました。

 

Cくんは算数の規則を発見するのが大好きな子です。

「このたくさんのハムスターをいちいち1ぴきずつ数えなくても、何びきいるか

わかる?」

とたずねると、少し考えてから、いいことを考えてくれました。

 

ハムスターは15列です。もし、全部、10ぴきずつ並んでいたら、150ぴきいるはずなんです。

Cくんは、まず、+1とー1のカードを合わせて、消していき、ー1だけのカードの

上に余ったハムスターを乗せていきました。

そして、「10ずつなら150だけど、それより、引くカードが4になるから146だよ。でも、

ハムスターの列の前にも2ひきハムスターがいるから、答えは148ぴき」と言いました。

Cくんは、こうした計算方法などのアイデアを練るのが大好きです。

学校では、こうした算数のセンスを持っている子が、「そんな能力があってもまったく無意味で、

優しい問題をミスなく早く解くことだけが大事なこと」と叩き込まれるので、

だんだん自分に自信を失ったり、学ぶことに興味をなくしたりしていくので

とても残念です。

難しい問題をじっくり考えることが好きな子や

独創的な解法を思いつく子が、勉強嫌いにならないような

授業のあり方を望みます。


時間内に正解しなかったことを褒める時

2018-05-20 20:10:03 | 算数

1年生の女の子たちのグループレッスンで。

どの子もこの半年ほどで考える力がとても伸びてきました。

『最レベ問題集』を解いている時、こんなことがありました。

 

Aちゃんは言語能力や理解力が高くややこしい文章題も、自力で解いていく子です。

が、この日解いたのは、水を大きさの異なる容器に移し替えた時に、

水の中に立てた棒が濡れる高さがどう変化するか選ぶものや

棒に針金を巻き付けた絵がいくつかある中から2番目に短いものを選ぶ際、

違いが微妙なもの。

どちらも言葉を介さず考える問題だったため、何を基準に判断したらいいものか

困ったようです。

「これかこれ」というところまで答えを絞った段階で、

どうも腑に落ちない様子で首をかしげたり、

「ああでもない、こうでもない」と迷ったりしていました。

 

よく似たいくつかの答えから正しいと思うものを選んで丸をつける時、

たいした根拠もなく、「これかな」と丸をつけてみて、大人の表情を見て、

「ちがってそう、やっぱりこっちかな」と変える子や

「ほかの子は何を選んだのかな」と隣の子のプリントを覗き見て

丸をつける子は多いです。

点数や評価にこだわる子や、「時間内に正解しなくてはならない」

「間違えてはいけない」という気持ちで問題を解く子は、特にそうなりがちです。

 

Aちゃんは大人のいうことをよくきく真面目な優等生タイプの子なので、

少し前までは、何かするごとに、良い成果を出さなくてはならないと思うあまり、

わからない問題にぶつかると、考えて納得するより、先に書いたような困った態度に

陥ることがたびたびありました。

でも、この半年ほど、自分の頭で考えることに自信がついてくるにつれ、

時間内に正解しようと焦らず、「何がどうわからないのか、どのような理由で迷って

いるのか、何に納得していないのか」を言葉にして考えを練るようになりました。

 

Aちゃん、よく悩んだので、

「棒に針金を巻き付けた絵がいくつかある問題」の場合、何となく直観的に

長短を比べるのではなく、巻きつけるスタート地点になっている部分と

巻き付け終わりの地点のそれぞれを慎重に見比べて判断することを理解しました。

こんなふうに、判断の根拠を理解した上で正解すると、今後、どんな応用問題が出ても

大丈夫でしょう。

もし適当に選んだものが正解してしまうと、今日の成績は良くても、

応用問題の引っかけにかかってしまうかもしれません。

 

「水を大きさの異なる容器に移し替えた時に、

水の中に立てた棒が濡れる高さがどう変化するか」の問題は、

Aちゃんだけでなくほかの子らも混乱していました。

そこで、実際にサイズの異なる容器で問題をシュミレーションしてみたり、

みなで「こうじゃないか」「ああじゃないか」と話しあううちに、

「わかった!」とひらめいた子らが一生懸命、ほかの子らに説明しようとしていました。

 

でもAちゃんは、どうしても腑に落ちない部分があったようで、

「こうだし、ああだし……」と言いながら、考え込んでいました。

その言葉から、Aちゃんは、家に帰ってもじっくりこの問題を考え、

近いうちに、心から納得する瞬間を迎えるに違いない、と思えました。

 

そこで、時間内に正解した子らを褒めたのはもちろんなのですが、

Aちゃんが、時間内に正解せず、腑に落ちない部分を何としても突きとめて分析して

答えようとがんばっていた姿勢を褒めて、

「家に帰ってから、お風呂で実際に試して、答えを出してね」と、

その問題は答えを書きこまない状態で持って帰るように勧めました。

Aちゃんの表情には自信と意欲がみなぎっていました。

 

キラキラしたものが大好きで、鉱物図鑑を持ってきていた子がいたので、

化石や鉱物を発掘する絵本を作ることになりました。

 

 

化石は、古生物や恐竜の骨のフィギアや本物の貝殻を

紙の下に敷いて、クーピーペンシルでこすって型を取っています。

 


「競技プログラミングがやってみたい!」

2018-05-18 18:27:00 | 算数

 小学3,4年生の男の子たちのグループレッスンが終わりしばらくした時のこと、

子どもたちと親御さんが忘れ物をしたとのことで、教室まで戻ってきました。

ちょうど息子がいたので、軽い雑談をするうち、息子が熱中している競技プログラミングの世界について

子どもたちにちょっと触れさせてあげよう、という流れになりました。

 

 最初に、子どもたちと、

カシギの数え方』 おねえさんといっしょ! みんなで数えてみよう!

 という動画を見せてあげると、年長の弟くんまで、かじりつくように見ていました。

「組み合わせ爆発」という言葉が、小学生たちのツボにはまっていました。

そして、最後の「現在のアルゴリズム技術を使うと……」のくだりで、

子どもたち全員、歓声をあげて喜んでいました。

息子が競技プログラミングについて、説明すると、小4のAくんは、「やってみたい!!」と

真剣な顔で言っていました。

 

競技プログラミングについて

プログラミングをやったことがないという方にもわかるようにていねいに解説してくれている初心者向けのサイト

息子に教えてもらいました。

 

コードを書いてみて、すぐに試してみることができるサイト

教えてもらったので、わたしもちょっとずつ勉強してみようかと思っています。

 

 

 

 


年少と年中さんのごっこ遊びと工作

2018-05-16 13:29:02 | 通常レッスン

年中のAちゃんとごっこ遊び。

椅子の100円ショップのベールをかけて、お人形たちのベッドにしています。

年上の子らの作った焼き鳥の屋台でお店もしています。

プリンカップをさかさまにテープで作るとパフェ用の容器ができます。

こちらの写真は年少のBくんとCくんの屋台の様子。

フランクフルトを作っています。

たこの姿焼きも作りました。

せんたくばさみと割ばしで作るトングは人気のある工作です。

割りばしで、せんたくばさみの出ている針金部分をはさんで、せんたくばさみと

割りばしをセロテープでとめたらできあがりです。

焼き鳥のくしは、おりがみを斜めに巻いて作ります。

折り紙を何度も半分に折っていくと、くしに刺す肉や野菜ができあがります。

 


恒例の虹色アルバイトで盛り上がる

2018-05-14 18:35:46 | 算数

小学1年生のグループの算数レッスンでアルバイトごっこをしました。

やりたい仕事を選んで、何時から何時まで働くのかと時間給を決めます。

どれも本人の自由ですが、時給の設定を誤ると計算が大変です。

AくんとBくんは、1時間1000万円で10時間とか12時間働いて、

一日で、1億以上稼ぎました。

ここの遊びで午前と午後をまたぐ時間の計算がしっかりしてきます。

 

くわしい遊び方と課題の問題は、

http://nijiiroonline.moo.jp/senden/

虹色オンライン算数の『虹色算数』のコーナーに載せていますので、

こちらをご購入いただいた方は、覗いてみてください。

 

教室の1年生たちとは、他に『算数工場遊び』(大きな数の計算)をします。

2年生以上の子たちとは、『商売』(仕入れ値 売値 利益の計算)をします。

割りばし鉄砲作りで盛り上がる1年生たち。