虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ドラムが作りたい

2019-06-27 22:05:33 | 年中、年長

小学1年生のAくん。

教室に着くなり、「ドラムが作りたい!」と意気込んでいました。

何でも間近でドラムをたたいている人を見る機会があったのだとか。

Aくんは体験したことや目新しく見聞きしたものを

工作で再現するのが大好きで、それは細かいところにまでこだわります。

足で踏むと、ドラムを打つしかけを真剣に作っていました。

できあがった作品はこの通り。

 


子どものやる気がない時、おふざけがすぎる時、乱暴な時 2

2019-06-22 17:30:45 | 3、4歳児

 前回の続きです。

この日、Cちゃんは普段なら率先してやりたがる工作に

力が入っていませんでした。

クレパスを紙に塗って、水玉を移動させる遊びをしている最中も、

いつもならストローで水玉を移動させたり、水玉同士が合体したり、

風を送る道具で水玉を動かしたりする作業に夢中になるであろうCちゃんが

遠くから眺めているような心ここにあらずの参加の仕方でした。

 何に誘っても気乗りしない様子で、レッスンの時間が半ばすぎた頃、

Cちゃんが、「なおみ先生!パパとママがCちゃんのお工作

ぜーんぶ、ぜんぶ捨てちゃったんだよ」と不満げに言いました。

Cちゃんのお母さんの話では、Cちゃんの創作物がたまりにたまって

部屋が散らかっていたので、「これはいくらなんでもひどいから」とCちゃんが寝ている間に

夫婦でそっと捨てておいたそうなのです。この半年ほどのCちゃんは、目につくものを手あたり次第、切ったり貼ったり

したり、絵を描きこんだりして、工作に明け暮れていました。それこそ毎日毎日、両手に抱えきれないほどの

創作物をこしらえていましたから、それを全部、捨てずにおいておくなど

考えられないことです。

捨てるのは当然、仕方のなかったことでしょう。

「Cちゃん、工作で作ったものをぜーんぶぜーんぶおいていたら、部屋の中が

それでいっぱいになって、散らかり放題になっちゃうよ。ものだらけで

遊んだり、歩いてまわったりできなくなっちゃう。

作ったものを写真に撮って、時々、さよならしようよ」と言うと、

Cちゃんがすかさず、「でもね、大きな箱に入れておけばいいの。捨てるのはだめなのよ」と

言いました。

それからも、私がCちゃんを説得しようとするたび、Cちゃんが真剣な表情で、

工作物は捨てたらだめだということと捨てなくてもいい方法があると

さまざまな言葉で訴えてきました。

「Cちゃん、今回のことでかなり傷ついているようですね。

工作物は捨てないわけにはいきませんが、捨てる時のCちゃんの心の痛みに向き合いながら

捨てる方法を探っていくのが大事でしょうね」とCちゃんのお母さんにお伝えすると、

Cちゃんのお母さんも、「こんなにCが傷ついているとは今まで気づきませんでした。

そういえば、あんなに毎日、大量に工作していた子があれ以来、1回も工作してないです。

捨てなくてはならなかったとしても、作ったCへの敬意とか、

Cのつらい気持ちへの配慮などが足りなかったと思います」と反省しておられました。

他の教室の子らも、大の工作好きの子が、

親御さんが工作物を捨てたことをきっかけに、

「どうせ、作っても捨てるし、工作したくない」と言って、

1年近くものを作ろうとしなかったこともありました。

 こうした時の対応をネットで検索すると、

「写真に撮って残しておいたらいい」とさらっと書いてあるのですが、

それは、「子どもの思い出をきれいな形で残しておきたい」という大人側の満足いく

解決法で、子どもにすれば、納得できない場合も多いのです。

Cちゃんは工作自体も好きですが、作ったものについて解説するのも大好きです。

他の人から見たら丸いものをひっつけただけに見えるところも、「ここはのぞくと遠くまで見ることができるところで、

ここをこうやって広げると、玉が飛び出すの」「これはカメラで、これは字が書ける機械」いった説明がつらつら飛び出して、

Cちゃんにすると、さまざまな思いがあるようなのです。

 

この日、Cちゃんは、どの活動にも熱のこもらない参加の仕方だったのですが、

転機となったこんな場面がありました。

Cちゃんはドールハウスのはしごの周りに積み木で囲ってはしごを立たせようとしていました。

となりにはブロックのお家の壁を置いていました。

はしごは二階の床に引っ掛けて立たせるタイプのものですし、

はしごを囲った積み木は簡単に動くので、何度、立たせようとしてもうまくいきませんでした。

本来、こだわりが強くなくて柔軟に気持ちを切り替えるCちゃんですが、

この日は工作を捨てられたことでかたくなになっていたためか、

癇癪を起しそうになりながらはしごを立てようとしていました。

「こうやって、積み木を周りにおいたら、こういう風に立つんだよ!」と

自分の説を主張するものの、積み木が勝手に動くので腹が立ってたまらないようでした。

「Cちゃん、後ではずすことができるマスキングテープで積み木やはしごを床に貼っておいてもいいよ」

と言うと、「でもね、こうやってはしごの周りをするの!」と自分のアイデアを繰り返しました。

「それなら積み木じゃなくてブロックなら、動かないようにブロックとブロックをひっつけてことができるかもね」

と言うと納得して、長めのブロックではしごを囲いました。

すると、カチッとブロックの端と端がかみあって、はしごはきちんと立ちました。

そのとたん、Cちゃんの顔にいきいきしたいつもの元気が戻ってきました。

 

それから少し経ったとき、AちゃんとCちゃんが

何かを取りあってケンカし始めました。

見ると、小学生の女の子が作って贈ってくれた

「なおみせんせい、ありがとう」というメッセージカードでした。

最初に手にしたAちゃんがカードを手放そうとしなかったので、Cちゃんを呼んで、

「Cちゃん!ちょっとの間、教室のお友だちが作った本を貸してあげようか?

本屋さんになる?」とたずねると、手描きの絵と文字を目にした

Cちゃんの表情がみるみる輝きました。

「これも!これも!」と満面の笑みで、

手作り本を抱えていました。

 

 

 

AちゃんもCちゃんも既製品のおもちゃやテレビで宣伝しているような

できあがったものでなく

自分たちが手でこしらえたものに魅力を感じ、想像力でおぎなって

遊んだり作ったりすることを心から楽しめる子に育っているのです。

 

工作は作る時も作った後も、部屋が散らかる大変さと隣り合わせです。でも、

そんなことは気にならなくなるほど多くの恩恵も与えてくれると感じた出来事が

先日ありました。

幼児~小学3年生の子どもたちといっしょに『しろあと歴史館』に

行ったときのことです。

ぐるっと見て回るだけなら数分で見終わるような展示物が少ない小さな地味な施設でした。

入り口付近に大名行列の様子を再現したジオラマがあったので、

「教室の人形たちに小道具を持たせて、こんなの作りたいねぇ」と言うと、

子どもたちは目をきらきらさせて、「あれ、作れそう!」「あんなの作りたいなぁ」

「今すぐ作りたい!早く、教室で工作したい」「昔のかごが面白い」

「木も作ろうよ」「団子屋さんの屋根は何で作ればいいのかな?」と大盛り上がりでした。

派手な催しものや展示物がなくても

自分たちの想像力を使って、どんなものからも楽しさやおもしろさをいっぱい

引き出すことができるのです。

私が、こんな小冊子を400円で購入していたのをちらっと目にした男の子が、

「先生がすごく面白そうな本を買ってた!3000円もしてたけど、ほしいほしい」と

お母さんに告げに行き、みなどんな本かと大騒ぎしていました。

3000円は別の本の値段の見間違いで400円だったと知り、みんなほっとしていました。

どんな本なのか中を見たとたん、どの子もすごくほしくなったようなのです。

 それで、帰りはこの本を見ながら『まちかど遺産』を探して、

全員、どんな遊技場に行くよりも楽しそうに帰宅していました。

 

Cちゃんの後日談。

Cちゃんはお母さんに「工作で作ったものをすてないで」という長いお手紙を

書いてきたそうです。辛い気持ちも

創造的な方法で乗り越えていくCちゃんをたのもしく思いました。

 


子どものやる気がない時、おふざけがすぎる時、乱暴な時 1

2019-06-20 08:15:43 | 3、4歳児

3歳のAちゃん、Bくん、4歳になったばかりのCちゃんのレッスンでの出来事。

1年ほど前からレッスンに参加している3人さん。

教室に通い始めた当初は、おやつを食べたりただうろうろしたりする時間が多かったこの子たちも

 いつの間にか、工作やゲームや算数の活動にしっかり関わるようになってきました。

 

でも、時々、そんな好調子が大きく崩れる時があるんです。

だらだらとやる気がなかったり、いつまでもふざけていたり、お母さんやお父さんんを荒っぽく叩いたり。

そんな時、親御さんの頭には少し前までの「ちゃんと、しっかり」できていた姿が

残っていますから、(ちゃんとできるのに)という思いが先だって、

つい厳しい口調で注意することが増えがちです。

 

 

この日は、これまで午前のレッスンだったのが午後のおやつ時に変わったこともあって

3人とも、いつになく落ち着きがない様子でした。

Aちゃんはお友だちとふざけたりちょっかいを出しあったりして、

工作にもゲームにも乗り気でありませんでした。そんなAちゃんに

お母さんが注意すればするほど、Aちゃんのふざけもお友だちとのちょっかいの出しあいもひどくなって

いました。

 

そこで私はAちゃんのお母さんにこうお願いしました。

「しっかりがんばっている時のAちゃんを見ると、

それが当たり前の基準になってしまいがちですが、Aちゃんはもともと

やんちゃな性質ですし、集団での活動はできだしたばかりの幼い子です。

きちんとできている時は、それは『特別がんばっている時の姿』としてとらえて、

まず『普段のAちゃん……それほどがんばっていない時、リラックスしている時のAちゃん』を基準にして、

『がんばりすぎて、悪い方に針が触れてしまった時のAちゃん』と、

『しっかりしだしたAちゃん』との間に、行きつ戻りつしていい振れ幅を作ってください。」

 

Aちゃんのお母さんが了解して、ちょっとやりすぎに見えるAちゃんに対して

余裕を持って接しだすと、

Aちゃんはそれまで「やらない」というそぶりを見せていた

積み木を並べ始め、大きな枠を作りました。

 

 それは私が見せた見本より何倍も大きな枠でした。

途中で投げ出さずにどんどん大きな枠を作っていきました。

「Aちゃんっていつもすることがダイナミックですごいなぁ」と感心していると、

今度はやぐらを組み始め、どんどん高く積んでいきました。

Aちゃんの背を超えても、どんどん積んでいき、しまいには

椅子に乗って、作業を続けました。

こうした子どもの本気のがんばりは、がんばることを期待するばかりでは

決して生まれません。

子どもは自分から「がんばりたい」という意欲のスイッチが入った時に力を出し切って、

また普段の自分に戻ったり、頑張りすぎたら、ちょっと後戻りしたりもします。

そうした上がったり下がったりを繰り返しながら、少しずつ、「普段の自分」の基準が

上がっていくんです。

成長していく中でそうした自分の成長のリズムを感じ取って

自分で自分を高めていく力を身に着けてほしいと感じています。

 

次回に続きます。

 


おもちゃで遊んで、飽きて、おしまい……とならないように

2019-06-19 20:31:09 | 日々思うこと 雑感
虹色教室にはさまざまな種類のたくさんのおもちゃがあります。
そのひとつひとつのおもちゃについて、
「遊んだらそれでおしまい」「ちょっと遊んだら飽きちゃった」という結果で終わらないように
いろいろな工夫を凝らしています。
今回は、教室でどんな工夫を凝らしているのか
書いていこうと思います。
工夫 その1
 
おもちゃで遊んで興味を持ったら、易しいシンプルな作り方で
そのおもちゃを工作で作り、
その原理がわかるようにしています。

「どんな形をしているのか。どんな仕組みで動いているのか。
そっくりに作るにはどうすればいいのか。どんな素材を使えばいいか。うまくいかない時にはどうやって解決するのか」
おもちゃをよく観察して、身近にある材料で再現しています。


子どもが興味を持つものはさまざまです。先日もこんなことがありました。
工作タイムになっても、
「警察署のドールハウスで遊びたい」と言っている子がいたので、
「それなら警察署を作ってみる?」とたずねると、こっくりしました。
といっても、それほど大がかりなものを作るわけではなく
本人がこだわっていた
スライドさせて開け閉めする牢屋のドア部分を再現すると
満足していました。
今でこそ教室には多種多様のおもちゃがそろっていますが、わが子が幼い時は
ほとんどおもちゃらしいおもちゃは家に置いていませんでした。
その代わり、今と同じように、デパートのおもちゃ売り場で見かけたおもちゃが面白そうなら
それを手作りし、(なんちゃって手作りで、適当な出来上がりです)
いっしょに遊園地等に出かけた後は、子どもたちが自ら遊んできたアトラクションを
紙で再現して遊んでいました。そのためおもちゃはなかったけれど、
世界中のありとあらゆるボードゲームやおもちゃで遊んだなぁ~という懐かしい思い出があります。
おもちゃを選ぶ時、質の良いおもちゃか、安価なおもちゃか、たくさんある方がいいのか、少なくていいのか、
迷うことと思います。話の途中ですが、おもちゃ選びについて書いた過去記事を貼らせていただきます。
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子どもの個性に合わせたおもちゃ選び


おもちゃを選ぶとき、木製などの質の高いものを
与えなければならないか…というと
必ずしもそうではないと思います。
子どものタイプによって、おもちゃの質より遊び方や自由度が大切で、
100円グッズや紙があれば十分…という子もいるのです。

うちの子たちもそうでしたし、特に息子は、紙とえんぴつとハサミさえあれば
満足している子でした。教室の2~3歳の子にもこうした子はいて、
おもちゃの扱いは少し雑なのですが、
自分のこしらえた工作物は、
宝物のように大切にしています。
目で見るものより、想像したことや見立てたこと、アイデアやルールに惹かれるようです。

前回紹介した質のよいおもちゃにじっくり取り組むことも、
材質よりもその背後にある想像の世界に遊ぶことも

どちらも優劣つけがたいことです。

どちらが良いかでなく、子どもの個性と気質と学び方によっておもちゃ選びのポイントはずいぶん変ってくると思います。

お金のかかり具合も、雲泥の差ですが…。

感覚が優れていてクオリティーの高い材質やデザインのものに惹かれる子は、
1歳、2歳の子でも、ヨーロッパ製の木でできた教具を
何度も何度もやりたがったりするのです。

その繰り返しのなかで、ほんの少しのペグの高低や、
木製ビーズの形のちがいを見分けるようになります。
まるで指先に目がついているようで、そうした子の遊ぶ姿を眺めていると、
いつも、強い感動を覚えます。
そうした子は、遊ぶごとに数学的な感性が高まっていくようです。遊びながら科学の法則を学び取っていきます。

(幼児は幼いほど材質の違いに敏感なので、
まだ自分で選べないような小さな子に知育玩具を買い与えるときは、
できればプラスチックではなく、材質もデザインも色の配色も優れたものを
選ぶ方が良いように思ってます。)

一方、おもちゃの材質ではなく、
目に見えない価値に惹かれる子には、
おもちゃを与えるより、道具やアイデア(博物館や人形劇、工作物の展示会などに連れて行ったり、作品集やカタログなどをたくさん身近においておく)
や自由な時間や手助けや褒め言葉、いっしょに遊びに付き合ってあげることなどが大切だと感じています。
お金がかからない分、労力や配慮はたくさん必要です

写真は小学生の頃、息子が手作りしていたゲーム類(モノポリーらしい)の一部です。ゲーム好きなので、人生ゲームとかモノポリーなどを
気の遠くなるようなエネルギーを注ぎ込んで作っていました。
何百枚というカードの全てに、従来のゲームを参考にしながら…
自分で考えたさまざまなアイデアを盛り込んで
書き込みをしているのです。

息子にとっては、おもちゃの質よりも
自分の頭のなかのアイデアと作る過程に魅力があったのだと思います。

おもちゃの与え方について考えさせられるこんな話があります。

17回現代日本美術展大賞を最年少で受賞し、
テレビ番組の『ウゴウゴルーガ』や
音と光を奏でる楽器『TENORIーON』などを手がけ、
絵本の『100かいだてのいえ』の作者でもある岩井俊男氏の子どもの頃のお話です。
あるとき、母親から「もうおもちゃは買いません」と言われたのだそうです。
かわりに工作の道具や材料を与えられたことから
ものづくりに目覚めたのだそうです。

高価なおもちゃを買うもよし…。
おもちゃを与えないもよし…。

どちらにしても想像力と創造性に満たされた
家庭内の空気が大切なのでしょうね。

 

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工夫 その2

 ひとつのおもちゃでいろいろな遊び方を考えます。

 

たとえば、↓のリンクは「くもんのキューブ積み木」というおもちゃを使った遊び方の工夫です。

遊びだけでなく、小学校受験問題や小学生の算数の教具などにも活用しています。

 

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 1

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 2

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 3

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 4

 

このようにどんなおもちゃもいろいろな使い方をして遊んでいると、子どもの思考力や発想する力が高まってきます。

 

また、「新しいおもちゃがほしい」と思った時に、お家にすでにあるおもちゃに

少し手を加えたら、その遊びができることがよくあります。

 

例として、「豪華なドミノ」がほしかった場合、レンガ積み木とブロックを使って遊んだ時の様子と」

「カナヤック」のゲームを、「生き残りゲーム」を使って遊んだ時の様子を紹介します。

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ドミノは楽しく遊びながら、数に強くなったり、
指先の巧緻性が高まったりするよいおもちゃです。

おうちにあるドミノをさまざまな仕掛けのある
豪華な…??ドミノにする方法を紹介します。

デュプロで作る段差です。

台になるブロックを写真のように少しずつずらすことで、
安定した台ができます。

小さいサイズのブロックだとだとさらに細かいしかけも作れると思います。

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ハバ社のイヌイットの魚釣りをモチーフにした☆「カヤナック」
とうゲームがあります。
以前、おもちゃコレクターの方から、教室にお借りしていたのですが、
とても魅力的で子どもたちが大喜びで遊びました。

ただこのゲーム、つり竿が大きくて、先がとがっているので、
つい夢中になって他の子のしているのを覗き込もうとしたり、
つり竿を振り回したりすると危険なので、ヒヤヒヤ……。
それと、魚の代わりの金属の玉が、あまりに小さいので、
遊んでいるうちに無くしやすいという難点もありました。

そこで、生き残りゲームの盤とジオマグの磁石を使って、このゲームを再現。
イヌイットの世界の素朴な美しさはほぼ皆無……ですが、
子どもたちには大盛況でした。

100円ショップで売っている「ジオマグもどき」と、
お家の空き箱でも楽しく遊べるので、おすすめです。

魚釣りの竿にジオマグの棒を使うと、
かなり短い状態で遊べる上、
長い竿として使っているときも、磁石でついているので、危なくありません。

幼い子の魚釣り遊びにぴったりだと思いました。

子どもは魚釣り遊びが大好きですが、
おもちゃのつり竿は転んだり取り合うと危険なので、
安易に渡せないですから。


また、釣ったとき、金属の玉が磁石に引っ付いてくるのを、
子どもは喜んで数えます。
「落ちそうで、落ちない……」のって、ドキドキして面白いですよね。

生き残りゲームでカヤナック遊びをする場合、
金属の玉を穴の中に落として、仕掛けておき、(くぼみがあるので、きちんとおさまります)
自分の番のときに、レバーを動かして、魚を探しつつ
魚釣りを楽しみます。
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工夫 3

 

まだその遊びをするのは難しい月齢の時には、ルールを「赤ちゃん向け」「幼児向け」に変えて、

子どもが楽しめるレベルにしています。

 

★ブロックを買ったものの、ひっくり返して「おしまい~」です…

★ウルトラマンカードの遊び方♪

★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 1
★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 2
★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 3
★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 4

★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 5

★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 6

 

 


虹色教室の大人の方向けの講座にいらっしゃる方に連絡です!

2019-06-17 21:26:42 | 生徒募集 イベント参加募集

虹色教室の大人の方向けの講座の日時が、

G20大阪サミット

の6月27日(木)~30日(日)にかかることを心配しています。

もし8月や9月の日程との変更を希望される方は、

コメント欄にお名前とハンドルネーム、希望曜日などをお書きください。

(近辺の方でその日のままで構わないという方は

講座は開いています。)

できるだけ希望に沿う形で変更させていただこうと思っています。

 

 


小2の女の子たちのレッスンで  (工作と算数の世界のつながり)  

2019-06-15 18:12:03 | 算数

幼児期はリボンや綿で食べ物を盛りつけたり紙コップ人形を飾り付けたりする工作を

満喫していた女の子たち。

今回も、「お家が作りたい」「ポップアップ絵本が作りたい」と

これまで何度か作りたがっていたものを作ったのですが、

「(マスを数えるだけで垂直に線が引けて、きれいな立体が作れるから)

工作用紙って大好き!」と言いながら展開図を描いて工作していたところと

折り目に筋を入れてきれいにしあげることを心がけるようになったところが

「2年生になったな~」と感心したところでした。

 

Aちゃんのお家に8ぴきもアオムシがいるそうで、ちょうちょになるまでさなぎをささえる

円すい型のポケットがいるという話でした。

コンパスを使って工作用紙に円を描き、円すいを作ったAちゃん。

「これにピンクの色画用紙を貼りたいけどコンパスの幅がわからなくなっちゃった」と

困っていました。

「円すいのこの部分(母線にあたるところ)をコンパスで測り取ったら

さっきと同じ円が描けるよ」と言うと、

それからよく形を観察して、「あっ、そうか!」と手品の種明かしでも

されたようにびっくりしていました。

 

算数の時間にサピックスの『きらめき算数脳 2、3年生』のおそうじロボの問題を解きました。

かなり難しかったのですが、全員、解き終わっても少し余裕があったので、

工作用紙を使って、かけ算と面積図の問題と等差数列の問題のクイズを出しました。

 

まず初めは、かけ算クイズ。

1センチの1マスを「1」とします。

「これは何かける何でしょう?」

「7×10」とBちゃん。

他のさまざまな形をかけ算の形で言った後で、

5×20と10×10を見せて、どちらの数が多いかたずねると、みんな「どちらも100だから

同じ」と答えていました。

こうしてかけ算を形でとらえるクイズをしていると、

かけ算がさまざまな形に変形できることがわかってきました。

 

また、「1日3びきずつまいにちアオムシがうまれます。7日たつとアオムシはなんびきに

なるでしょう?」といった問題を面白がって答えていました。

 

子どもたちが特に興味を持っていたのは等差数列の和の問題です。

1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=

という数の階段をふたつ作ってがったいさせると、

(1+10)×10になることがわかった後で、

2+4+6+8+10の階段をふたつ作ってクイズを出したり、

「1から100まですべての数をたしていくと

いくつになるでしょう?」

というクイズを出したりすると、みんなきちんと正解していました。

 


4年生の男の子たちの工作

2019-06-11 14:23:16 | 工作 ワークショップ

 4年生の男の子たちの工作作品を紹介します。

何も見ずにちょいちょいっと作っていたのに

上は、すごい完成度でとてもびっくりしたAくんのボクシングの試合風景。

 

下はBくんの武将と馬です。Bくんはお家でも暇さえあれば工作をしているそうです。

写真が良くないのですが、馬に乗っている武将です。力作です。

 


なぜかコンパスの作図が流行中

2019-06-10 13:16:14 | 通常レッスン

虹色教室での活動は基本的に子どもの「こんなことやってみたい!」という旬の希望を

中心にしています。

これまで忍者屋敷、ガチャガチャマシーン、お城、宇宙、電子工作、マンガ雑誌などを作ったり、

化学実験や各種のボードゲームや頭脳パズルで遊んだりするなど、

さまざまなものが流行してきました。(その都度、マイペースに自分独自の好きを追い続ける子もちらほら)

 

最近、なぜか、コンパスで作図をして小箱を作るのがブームです。

「こんなのどう?」「あんなのどう?」とたずねても、「どれもやりたくない」という

子らが、「それならコンパスを使ってする工作はどう?」とたずねると、

「やってみたい!」と好奇心を示すのです。

???

ブームっていろいろありますね。

 

とはいえ、コンパスでの作図は手間がかかるので、

「やりたい!」と始めても、できあがるまでかなり大変で、

普段の工作のように、やっているうちに楽しくなってきて盛り上がるという感じではなく

やると決めたからには投げ出せないからと、うんうん苦しみながら仕上げる子が続出。

それを見て、次に「やりたい」と言う子には、

「それがなかなか大変で、やってるうちに、疲れて嫌になっちゃうかもしれないよ。

これまで作った子らもへとへとになっていたよ」と脅すようになったのですが、

それでも……というか、かえって「やりたい!」という子らが増える始末。

人気のお花の形に作図して作るお菓子箱。

 

 

3年生の女の子たちは五角形から星の形の作図にチャレンジ。 

 

 

 2年生の子も五芒星の箱にチャレンジ。

こううした工作をした日の算数は

まわりの長さや角度や面積といった図形問題を学んでいます。

図形について体感して納得した後は、

受験問題レベルの少し難しいものまで

パズルを解くようにみんなで真剣に解いていると

(目で見て、「そんなの当たり前、簡単だ」と感じることと、

頭の中でじっくり考えることの組み合わせ)で

理解が深まって算数が好きになってきます。


「木を育てるように子どもを育てる」こと と 長所と短所は紙一重という話

2019-06-08 08:59:37 | 年中、年長

都留文科大学副学長の福田誠治氏の記念講演会のレポートを読みました。
テーマは、PISA(国際学習到達度調査)で常に好成績を獲得している
フィンランドの教育事情についてでした。

簡単にまとめさせていただきますね。
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福田誠治氏は、PISAの結果を分析してなぜフィンランドが上位であり続けるのか、何度も現地を訪問して調査したそうです。

そこで、
PISAの結果がよかったからといって、現地の子の授業量は多いわけではなく、
PISA用の参考書や問題集があるわけではないことが
わかったのだとか。

義務教育期間中、クラス内の小テストはありますが、成績を比較するためのテストはありません。
フィンランドではテストがなくても、子どもたちは自発的に学んでいるのだそうです。

「木を育てるように子供を育てる」というように、フィンランドでは、長い目でみた子育てをしています。
大人は促しはするけど、強制はせずに子どもが学ぶ気がおきるまで
待っているのです。

フィンランド学校の雰囲気はのんびりまったり。
それにもかかわらず元教育大臣は、「もっとゆったりさせたい。人と会話するなかでも相手にも考えさせる時間を与えるという人間関係をつくってほしいから」と言うので、福田氏はびっくりしたそうです。

教育の重点を人とコミュニーケションをとることに置いていて、
背景にはEUがあるそうです。

27ヶ国4億9000万人からなるEUは、文化も言語も異なる人種がいます。
すると、考え方や正解を1つに定めるのではなく、
コミュニケーションを取りながら
異なる意見を組み合わせ、よりよい解答を見いだそうとなります。
そのコミュニケーションに必要となる読解力や想像力、考える力をつけるように子どもたちを導こうとしているのです。
                   (えるふ vol.27より)
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フィンランドの教育を、安易に子どもに「ゆとりをもたせよう」とする
スローガンだけで
取り入れるのは無理があるのかもしれません。

しかし、ますます国際化していく日本の子どもたちにとって、
コミュニケーションを主とする真の地頭力を育む教育が
これから求められているのも事実ではないでしょうか。

日本の親や教師たちの子どもへの接し方って、
「何度、鍵をかけても、心配になってもう一度確かめないと気がすまない」
「何度手を洗っても、汚れている気がして洗ってしまう」
といった不安からくる強迫的な行為を繰り返すのに似ていたりもします。


子どもが、ゆったりくつろいでいるだけで、
もういてもたってもいられなくなって、「はやくはやく」と
勉強とかピアノのレッスンとか何か有意義なことをさせておかないと、

他の子に遅れをとって取り返しがつかないことになると思っているようです。

幼稚園の子の親御さんからも、小学生の親御さんからも、
ちょっとゆったりと考え事をしながら、
子どもがボーッとしている時間がたまにある……というだけで、
「どうすればいいでしょう?」「何をさせればいいでしょう?」
「どうすればもっとテキパキしてくれるのでしょう?」と相談をお受けすることがよくあるのです。


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以前、ストレングス・ファインダーという
かなり本格的な自分の強みを調べるテストをしたことがあります。


テストは180項目もあって、
私はひとりでのんびりボーッとすることが好きなので、たびたびそういった内容にチェックを入れることがありました。
すると、ただの「のんびり屋のだらだらした性質」かと思いきや、
「内省」というそれなりの強みの名前がついて、悪いものではないんだな、
これはこれで自分の成長の種だったんだなと気づきました。

フィンランドの教育のように、人と人が響きあったり、
ひとつのことをじっくり考えることができるような余裕があれば、
子どもそれぞれの欠点のように見えるものからも、
その子固有の資質の輝きが育ってくるのかもしれません。

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<内省>

あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、縦横無尽に頭を働かせることが好きです。あなたが頭を働かせている方向は、例えば問題を解こうとしているのかもしれないし、アイデアを考え出そうとしているのかもしれないし、あるいは他の人の感情を理解しようとしているのかもしれません。何に集中しているかは、あなたの他の強みによるでしょう。一方では、頭を働かせている方向は一点に定まっていない可能性もあります。内省という資質は、あなたが何を考えているかというところまで影響するわけではありません。単に、あなたは考えることが好きだということを意味しているだけです。あなたは独りの時間を楽しむ類の人です。なぜなら、独りでいる時間は、黙想し内省するための時間だからです。あなたは内省的です。ある意味で、あなたは自分自身の最良の伴侶です。あなたは自分自身にいろいろな質問を投げ掛け、自分でそれぞれの回答がどうであるかを検討します。この内省という資質により、あなたは実際に行っていることと頭の中で考えて検討したことと比べた時、若干不満を覚えるかもしれません。あるいはこの内省という資質は、その日の出来事や、予定している人との会話などといったような、より現実的な事柄に向かうかもしれません。それがどの方向にあなたを導くにしても、この頭の中でのやりとりはあなたの人生で変わらぬものの一つです。 

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こうした内容を読んだとき、
今の子たちのほとんどが、「内省」という強みを持って生まれても
それを伸ばすのに必要な静かな時間を与えられていないことに
心が痛みました。

『教育』について、より高い視点からの理解が、
求められる時代だと感じています。


ほしいものは作って遊ぶ

2019-06-06 20:56:03 | 年中、年長

 

年長のAくんとBくんのレッスンで。

持っていないけれどゲーム機にあこがれがあるAくん。

お友達のお家で見たドラえもんの月面探査機のゲームを作ることにしました。

紙を引っ張るとゲーム画面が動きます。

途中でAくんは青いチップを画面上に並べて、「これを取ってもらえることにしていい?」と聞きました。

「青いチップは算数の勉強に使うものだからあげるわけにはいかないけど、

青いシールをあげるから自分で作ることができるよ。

ドラえもんがちゃんとチップを取れるように磁石とかで工夫してみたらどう?」

とたずねると、了解しました。

ドラえもんの裏に磁石をつけて、青いチップにクリップをつけると

ゲーム上のドラえもんがチップを取るしくみができました。

チップは画面の紙に貼った透明フィルムのポケットの中に入れました。

 

するとAくんが、チップを取ったら数字が大きくなっていくようにしたいよ。

ここにカウントするところがついているんだよ」と言って画面の右上を指さしました。

そこでAくんと相談しながら数字が変わっていく仕組みを作ることにしました。

丸い形に切ったプレートの真ん中に穴を開けてクリップを通してくるくる回転するようにしました。

上に四角い穴を開けた窓を取り付けました。

丸い形を回すと数字が変わります。

簡単だけど面白いしくみです。

 

工作の間に、AくんとBくんはせっせと子ども銀行のお札を数えていました。

 

算数の時間、最れべ1年生の問題を読んで、問題通りに人形や小物を並べて

答えを考えているところです。

 

14人の子どもにえんぴつを1本ずつ配ったら

2本足りませんでした。

えんぴつは最初に何本あったでしょう?


という問題を考えているところです。

まずえんぴつは配らずに答えを考えてみました。

Bくんは「12本」と答えました。

Aくんは考えるよりまずえんぴつを配ってしまいたいようでした。

「ちょっと我慢して、先に考えてみて」と言うと、悩みながら正しい答えがわかりました。