虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

プラ板のドールハウス と  ひらがなを楽しく学ぶ

2020-01-16 22:57:59 | 国語

年少のAちゃんと年中のBちゃんのレッスンで。

プラ板で遊びました。

お家の形の型紙を作ってから、プラ板上で型紙をなぞって

作りました。

↓Aちゃんのお家。とてもすてきです。

 

Bちゃんもせっせとお家作り。

Bちゃんは、お家のそれぞれの面のパーツがどの部分に

あたるのかやその面にどんな絵(ドアなど)を描けばいいのか

よく理解していました。

プラ板は四分の一くらいに縮みます。縮んだ後、

工作用ボンドで立体になるよう貼りあわせました。

 

ひとつめのお家ができるとすぐに次の作品作りにチャレンジしていました。

Bちゃんが作ってきてくれた本を紹介します。

文章はBちゃんが考えて、お母さんが文字にしています。

絵はBちゃんです。

すてきな絵本ですね。

 

Bちゃんのお母さんから「ひらがなの練習を始めたのですが、嫌がるんです」という

お話しをうかがったので、この日は「ひらがなと仲良くなる」ことを学びの

テーマとしました。

 

教室ではA4の半分のA5サイズのコピー用紙を

使って、学習クイズのカードにしたり、解答用紙にしたりして

います。そのA5サイズの紙を使って名札を作ることにしました。

(このサイズは、初めてする文字の練習やひっ算の練習などの

意欲を高めてくれるんです)

最初に「し」や「く」といった書きやすい文字を練習した後で、

お父さんやおばあちゃん、お友だちの名前など

大好きな人の名前を紙にのびのびと書いて

名札を作りました。

名札はパンチで穴を開けて、ひもを通しています。

名札の下の部分にかわいい形のパンチで穴を開けていいことに

していると、喜んでたくさん名札を作りました。

難しい文字のある名前も積極的に練習して、上手に書けるようになりました。


作文を書く力を育てる遊び

2019-04-23 15:31:55 | 国語
写真は 小学1年生入学準備号のふろくのかるたで遊んでいるところです。
学校での生活シーンのイラスト満載で作文指導に役立ちます。

遊び方は まずカードを見てひとりがイラストの説明をします。
 
レッスンでは、6歳の女の子が左上のカードを指して
「しずかちゃんが掃除しています。」と言いました。
そこで 私は「しずかちゃんが ほうきでお掃除をしています。
ほこりがもうもうと立ちました。」と 少し文を長くして言い直しました。
すると女の子は「しずかちゃんが ほうきで教室を掃除しています。
ほこりが立ちました。目が少し痛くなりました」とさらに文を
くわしくしました。
 
次は私の番です。
「掃除の時間です。しずかちゃんは ほうきで教室を掃除しています。
ほこりがもうもうと立ちました。目や鼻がむずむずとかゆくなりました」

そんな具合に 文を少しずつ膨らませたり くわしい表現に変えながら
文章作りのトレーニングをしています。

いきなり作文用紙を与えるよりも
まずスラスラ言葉が組み立てられるようになる方が文章は上達します。
あまりルールに縛られずたくさんヒントを与えてあげながら
遊んでくださいね。

文字作りゲーム 楽しみ方いろいろ

2018-05-30 20:19:44 | 国語

年中、年長グループで、文字カードゲームを作って遊びました。

それぞれの子が、画用紙を切って作ったカードに自分の書ける文字を書きました。

文字を書くことができない子は、薄い紙になぞり書きをしてカードを作りました。

文字カードの隅には、1や2や3など好きな数字を書きます。

 

 <遊び方>

作ったカードを表の状態で場に置きます。

順番に場からカードを選らんで言葉を作ります。

写真の「いす」でしたら、カードにある数を足して、

「3+2=5」とし、5つチップをもらいます。

たくさんチップを集めた人が勝ちです。

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カードに書く数を自由にしていたら、200や1000の数を書く子もいました。

チップの代わりに子ども銀行のお札を使ってゲームをしました。

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『メークワード』という古い古いゲームが、教室内で流行っています。

このゲームを手に入れるのは難しいでしょうが、

お家にひらがなカードがあれば作れるので、

興味のある方はいらなくなったカードを再利用して遊んでください。

 

教室では、本来のゲームのルールを少し変えて遊んでいます。

(その方がゲームの流れがスムーズになったり、計算の答えが大きくなったりして、

ゲームが面白くなるので)

 

◆教室で遊んでいるルール。

たて、よこ、ななめに文字を作っていきます。

クロスワードのように置いた文字が成り立たない場所ができなくても、

ひとつの文字ができればOKという甘めのルールです。

 

かんばん→かんばんとう(ばんとう)→かんばんとうがらし(とうがらし)

 

と文字を下に続けていくのはOKだけど、

必ず、自分が置いた文字が最後の一字(他の文字につながらないところ)

になるよう置きます。

 

文字カードにはそれぞれ異なる数が書いてあります。できた文字にある数を足して

得点にします。

最後の文字を置いた場所が、「2倍マス」「3倍マス」なら、

文字を足しあわせたものを2倍、3倍にします。

 

(お家にあるひらがなカードでゲームする場合、ボードを作るのは大変なので、

紙の一部「2倍」「3倍」と書いておき、その部分にカードが重なった時に

かけざんするルールでも遊べます。

 

文字が、同時にふたつ以上できた場合(たて、よこで二種類読める時など)

(2+3+5+6+1)×2+(3+3+5)×3

のような計算になります。

 

得点のチップをもらえるとなると、子どもはこうした暗算を

とても楽しくおこないます。

 

高学年の子らとこのゲームをする時は、

「形容詞と動詞だけで、文字を作る」時間、

「固有名詞がOK」の時間、

「形容動詞と名詞だけで、文字を作る」時間などを設けると、

とても面白かったです。

30とか100といったある得点が貯まった時に

交換するグッズを用意しておくと、得点計算が楽しくなります。


作文が一行も書けない想像力に困難を持つ子たちと

2018-04-06 22:00:17 | 国語

「作文が一行も書けないようです」と相談を受けていたもうすぐ2年生になるAくんとBくん。

どちらも想像力が極端に弱い凹凸のある子たちです。

「何を書けばいいのか、さっぱり思いつかない」という話でした。

 

そこで、A5サイズの小さな紙をたっぷり用意。

その日の活動(工作やゲーム)を通して、作文の練習をすることにしました。

作文練習の仕方はこんな具合です。

 

Aくんは、工作をしたがりました。牛乳パックを切ってライオンを作ろうとしています。

わたしは、A5の紙に赤で「したこと」と書きました。

「ここには、したことを書くのよ。今何してる?」とたずねると、

「牛乳パックで、ライオンを作ってる」と言いました。

「Aくん、それなら、したことの紙に、やったことを書いてね」と言うと、

「ぎゅうにゅうのはこで、らいおんをつくりました」と書いていました。

 

そして、Bくんに向かって、「Bくんは、今、何を見てる?」とたずねると、

「Aくんが、工作してるの見た」と答えたので、

別の紙に「見たこと」と赤で書いて、「自分の目で見たことがあったら書いてね」と言いました。

それから別の紙に「聞いたこと」と書きました。

Bくんは、自分の目で見たことを書いてから、「ぼくは工作したくないよ」と言いました。

そこで、別の紙に「思ったこと」と書いて、「ここに思ったことを書いてね。工作したくないって心で思ったら、

ここに書いたらいいよ」というと、いつもいろいろと不満の多いBくんが、

思ったことの紙をいくつも作って、書いていました。

「気持ち 感じたこと」も書きました。

そこで、「りゆう」と書いた紙も作って、「どうして、工作がしたくないの?理由を教えて。

別の遊びがしたいからとか、今日は工作をする気分じゃないからとか、理由はいろいろあるよね」と言うと、

「今日はね、おなかがすいているんだよ。だから、工作をする気分じゃない」と言いました。

「それなら、そう書いてね」と言うと、Bくんは、何枚も何枚も思ったことや理由を書いてから、

「ぼくは、もうこれから作文が簡単になっちゃった」と言いました。

すると、Aくんが、「ぼくBくんの弟のCくんのこと書いてもいいかな?」とたずねました。

「もちろんよ。どんな名前か。どんな子か。どんなことをするのか、書いてね」というと、

「ぼくも弟のこと書きたい」とBくんが言いました。

「真似しだ」とAくんが文句を言い、「ぼくの弟だから」とBくんが怒りました。

その後、AくんとBくんといっしょに「もしも」の作文を書きました。

上の写真は、「もしもタイムマシーンにのってうみのなかにもぐってさめのうえにのったら」と書こうとしている

Aくんの作文です。

 


国語のテストで0点近い点数を取ってしまうことが……(発達の凹凸のある子のレッスンで)

2016-07-04 09:50:56 | 国語

 

発達に凹凸のある小学1年生の★くん、2年生の☆くんのレッスンの様子です。

 

★くんのお母さんから、このところ国語のテストの文章が長くなってきたので、

読むのが面倒なのかテスト自体を放棄してしまうため、

0点近い点数になってしまう……という相談をいただきました。

そこで、今回の学習時間には、前回に引き続き

国語の長文問題を解いてもらうことにしました。

(国語の話題は後から書かせていただきますね)

 

★くんも☆くんも、工作が大好きです。

ふたりとも「こういうことをしよう」とイメージしたり、

どのような手順で取りかかるのか計画したり、状況を把握しながら

柔軟に物事に取り組んでいくことをかなり苦手としている子たちです。

でも工作に親しむうちに、

工作やブロック遊びの中では、目標に向けて計画を立てて、準備から完成まで

自分の力でやり抜く力がついてきました。

 

☆くんは1年生の後半くらいまで、

ちょっとでも手間がかかりそうだったり、頭を使わなくてはならないような

活動を嫌がって、ゴロッと横になったり机につっぷしたままになってりして、

「え~やりたくない~」と言い続ける癖がありました。

 

自分の好きな遊び以外、何をするにも消極的なものですから、

「やりたくないからやらなくて、やらないからできない、できないからやりたくない」

という悪循環に陥っていました。

 

それが、1年生の終わり頃から、

工作やブロック遊びがだんだん楽しくなってきて、お家でもよく作るようになり、

学校でも先生やお友だちから「工作上手」と一目置かれるようになってきました。

 

工作に関して、自信がついてきた○くん。

急に、それまで嫌がって避けていたことも積極的にやりたがるようになってきました。

ゲーム類もそのひとつ。

「ゲームをしようか?」と誘うと、初めてする少し難しそうなゲームでも

「する!する!」と大乗り気でした。

 

 

今回は、えれめんトランプとマティックスという計算ゲームをしました。

どちらも初めてのチャレンジですが、楽しく遊べました。

 

↑★くん、☆くんの自信の源となっている

「自分の中でイメージしたものを、アウトプットできる」という技能です。

今回は、戦隊物のカードを作っていました。

 

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それでは国語の学習の様子を……。

 

★くんは知力が高く語彙力もある子です。

ですから1年生のテストが全然わからない、ということはなさそうです。

 

ただ★くんの能力には大きな凹凸がありますから、

国語のテストの形式が★くんの凹にあたる苦手な作業を含んでいることが

考えられました。

★くんは、何でも白黒つけたがるところがあります。

何をするにも0か100かで両極端。

 

「難しそう」「面倒くさそう」と感じた時点で、取り組むのを放棄して

白紙に近い答案を出しているのかもしれません。

 

そこで、★くんと☆くんに最レベの国語問題集の小学2年生の最高レベルの問題を

プリントして自分たちで解けるところまで解いてもらうことにしました。

 

どうして国語のテストを白紙で出してしまう★くんにまで、

2年生の難しい問題を用意したのかというと、

ある程度、読む文章が長くて、問われていることの種類が多彩でないと、

どこでどのようにつまずいているのかはっきりしないし、

解き方のコツが身につきにくくもあるからです。

 

ただ漢字については習ってないものはできませんから、先に教えておきました。

 

☆くんは少し前まで語彙量の少なさが気になっていた子です。

前回のレッスンでそうした語彙量の少なさを補うために、お家でする取り組みについて

☆くんのお母さんと話しあいました。

 

<前回のレッスンの様子です>

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 1

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 2

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 3

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 4

国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること 5

 

このレッスンから2ヶ月半ほど、毎日ではないものの

公文式の小学ドリルの『文章の読解』と

『ちょっと難しい1000の言葉』をお家でしているうちに、

語彙の意味を推測する力がついてきて、

国語の問題が解けるようになってきたそうです。

 

確かに、☆くんは今回テストした国語の読解問題を解く時も、

以前はつまずいていた「どこで」や「なぜ」や「だれと」といった質問に対して、

ちゃんと正しい答えを書きこんでいました。

 

★くんにしても、最初はどこから読み始めたらいいのか、どこから手をつけたらいいのか

混乱していたのですが、

解いていく時、どこを読めばいいのか、わからない時どんなことをすればいいのか

話合った後からは、自分で最後まで解いていました。

 

普段の会話では

自分の思っていることを的確に表現することができる★くん。

長文の読解問題も1学年上のものでも

これといったわからない問題はないようでした。

 

でも、いったん「わからない、わからない」と言いだすと、

「問題を読み返せばいいんだな」とか、

「わからない問題は飛ばして、次に進めばいいんだな」といった判断が

できなくなって、パニック状態に陥るところはありました。

 

そうかと思うと、「わからない時は、どうすればいいんだった?」

「どこらへんに問題の答えがあると思う?」と問うと、

「ここらへんを……」と言って、問題文を指したかと思うと、

「わかったわかった」と続きを解き始めます。

 

★くんは、知的な能力は高い子なのですが、見本通りに図や文字を写していくといった

アウトプットしていく力が極端に弱いことは、

病院で受けた知能検査の結果からも指摘されています。

 

そうした凸凹ゆえに、頭では理解できていても、できない、ということが

あれこれあるのです。

でも学校に支援をお願いしても、凸凹の凸部分の知能の高さを理由に

困り感に対応してもらえずにいるそうです。

外からは、「できるのに怠けているだけ」「わかっているのに反抗しているだけ」

にしか見えないのですよね。

 

虹色教室でも、すぐに効果がでるようなサポートはできないのですが、

「実際に長文問題を解いてみてできた」とか

「わからないと思って、困ってしまったけれど、落ち着いて、

こういうふうにしたらできた」といった成功体験を積ませて、

見ただけで拒絶することがなくなるように導いていこうと思っています。

 

 


「しりとり」遊びレベルアップ

2016-04-14 19:16:45 | 国語

ひらがなカードを使って文字遊びをすると楽しいです。

文字が書ける子でしたら子どもが書いたひらがなを適当なサイズに切ったものや、

親がその場で子どもに求められる文字だけを書いてあげたカード(全ての文字がそろわなくてもOK)でも十分です。

 

上の写真は、まんなかの文字が「い」になる

言葉を作って遊んでいたところです。

 

あたまの文字が「あ」になる言葉作りや

前から読んでも後ろから読んでも同じになる言葉作りなどで遊びます。

 

言葉作りで本格的に遊びたいなら、

ワードバスケットというカードゲームがお勧めです。

 


国語の学習につまずきがある子に教える時に気をつけていること

2015-10-23 14:54:50 | 国語

 国語の学習につまずく子の多くは語彙量が少なくて「言葉」をあまり知りません。

 

子どもとしゃべっていると、

「短い」鉛筆も、「浅い」池も、「ゆるやかな」坂も

「少ない」量も、「小さい」とか「あれ、あれ」という言葉で済ませるなど、

意味は通じるけれど、それはちょっと……という言葉の使い方をしていることが

よくあります。

 

しょっちゅう訂正していたのでは

しゃべること自体を嫌がるようになるかもしれませんから、

楽しくおしゃべりのキャッチボールを続けながら

少しずつ間違いが修正されて、語彙量が増えるようにしてあげることが

大事だと思っています。

 

 

たとえば、子どもが作った新聞紙でできた剣を見ながらする会話でしたら、

こんな感じです。

 

<形容詞の理解が乏しい子との会話>

わたし 「この剣、かっこいいね。えいって振ったら、高い高いたか~い木も

スパッスパッて切れるよね」

子   「うん」

 

わたし 「木をね、剣で切ったら、どうなると思う?」

子   「ドテッてなる」

 

わたし  「そうよね。ドテッとね、倒れる。木が倒れるよね。雷が落ちた時みたいに」

子    「かみなりはね、こわいよ~ガラッガラバリンだよ」

 

わたし 「木はどうなるの?」

子   「ガシャガシャってね、壊れるよ」

 

わたし 「ああ~幹のところが、真っ二つに割れて、枝が1本1本、ポキンポキンと

折れて落ちるよね。火が燃えて、煙がもくもく舞い上がるかもしれないね。

かみなりは、どこから落ちてくるの?」

子   「上」

 

わたし 「上って、天井のところ?」

子   「ちがうよ。空のくものところだよ」

 

わたし  「空から地面まで落ちてくるのよね。すごくすごく遠いよね。

空と地面は遠いからね」

子    「遠くても、落ちるんだから、落ちる時はすぐなんだよ」

わたし  「滑り台を滑る時といっしょのことね。滑る時は人間も速いもんね。

新幹線みたいに。かみなりも落ちてくるから、速いのね」

 

『ちょっと難しい1000のことば』という本は

語彙が少なかったり、自分流の言葉の使い方が多くて、耳にした言葉から類推して

「だいたいこういう意味じゃないかな?」とピンとくることがあまりない子の学習に

とても役立ちます。

 

毎ページ5問ずつの線つなぎのクイズのように

楽しく取り組めるようになっています。

 

①いんぼうをたくらむ

②お母さんが先生にめんかいする。

③いちかばちかやってみよう。

 

といった聞いたことがありそうで、どういう意味かわかりにくいことばを、

短い解答と結び付けていきます。

 

A  人と会うこと。

B  うまくいくか失敗するかわからないが。

C  よくないことを計画すること。

 

★くんにこうした問題を出したところ、どれも正解することができました。

それほど言葉を知っているわけではないのでしょうが、類推するのが上手な

勘のいい子なので、五択になっている問題だと、「どれが答えに近そうか」が

ピンときたようです。

ただ、★くんがこの問題を解く姿を見て、文字を読む力のたどたどしさが

気にかかりました。

読み間違いや読み飛ばしが多く、たった二行の短い文でも

自分の読む力の危うさが原因で、何が書いてあったのか記憶に残っていないようでも

ありました。

今回の学習では、読みでつまずきかけるたびに、少し読み方のフォローをしていたので、

自分ひとりで読んで問題をすると、とたんにできる問題が減るようにも感じました。

 

理解力や考える力は高い子なので、

文字を読む際のつまずきを無くしていってあげれば、

今、国語でつまずいている状態から脱することができるのかもしれません。

 

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先の会話を読んでいただくとわかるように

語彙量の少ない子は、おしゃべりが楽しくなってきて言葉数が多い時にも、

「ドテッ」とか「バラバラ~」など擬音語だけでしゃべりながら、

手を振り回したり、身体ごと前のめりにこける真似をしたりして

言いたいことを伝えがちです。

そんな時、言いなおさせるのではなくて、

「そうよね。ドテッとね」と子どもの言葉をそのまま受け取ってから、

「倒れる。木が倒れるね」など、正しい言い方で言いなおすようにしています。

できるだけ短い言葉で言い直し、

後から主語をつけた形でも言い直すようにしています。

 

「倒れるのと、ぐらぐら揺れるだけなのと、どっちが怖い?」といった質問をして、

今、学んだ言葉を使う場面を設けるのもいいですね。

 

語彙の少ない子は相手の話を聞くこと自体に無関心なことがよくあって

話している最中にもプイッとよそ見をして、

自分の遊びに没頭しはじめることがあります。

 

無理のない形で、「おしゃべりをしている間は、相手の顔を見て、最後まで聞くのよ」

といったルールを繰り返し教えることも必要かもしれません。

また子どもがもっとしゃべりたい、面白い、楽しい、と感じるような

話題で会話をすることも大切だと思っています。

 

「国語の読解問題の答えは問題文の中にある」ということが

なかなかピンとこない子がいます。

 

「はなさんのお誕生日は何曜日だったでしょう?」

 

「うさぎさんは、どうして泣いていたのでしょう?」といった設問に対して、

 

問題文も読まずに、

「火曜日?」「ちがうの?じゃ、水曜日?」といった答え方をしたり、

 

「痛いから泣いてたと思う」と文章の内容とはかけ離れた、

泣いているから連想した考えを述べたりするのです。

 

そこで、「文の中に書いてあるから、文章をよく読んでね」と言っても、

文字の上を視線が上滑りに滑っていって

読んでいるのか、読んでいないのかはっきりしない時もあります。

 

そんな時に便利なのが、

クーピーペンシルや色鉛筆といったアイテムです。

 

設問の「どこで」や「どうして」「だれが」「いつ」といった部分に

色をつけてから、

文中の中からその答えになる部分を探しだして同じ色を塗るのです。

 

色を塗るという視覚的にわかりやすい行動をつけくわえてはじめて、

設問の答えって自分で思いついたことを言うんじゃなくて

文章の中に書いてあるのか、と身体で気づく子たちがいます。

 


『虹色教室文庫(仮名)』の編集長が決まりました♪

2015-05-01 15:37:37 | 国語

これまで教室では、子どもたちといっしょに、

ポップアップ絵本、図鑑、読み物、マンガ雑誌、

『ピッケのつくるえほん』のアプリで作った絵本、

実験や工作の手引き書、音読カセットつき教材など、

さまざまな本作りを楽しんできました。

教室に来る際、手作り本を持参してくれる子たちもいます。

こうした子どもたちが作った本の数々は、教室中の子らに読み継がれて、

「わたしも作りたい」「ぼくもこういうの作ろうかな」という意欲につながっています。

 

 

そこで教室での本作り活動や読書活動の質をさらに高めて

たくさんの子たちと共有できるように、

教室内に『虹色教室文庫(仮名……編集長らに自分たちで名前をつけてもらいます)』

という「ごっこの出版社」を作り、

小4のAちゃんに編集長になってもらうことになりました。

Aちゃんは教室の子らに大人気のシリーズものの本を作っている

広報活動にも熱心な女の子です。

 

それでは、新しい本の紹介を……。

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小3のBくんが作ってきてくれた『ことわざピッケ』。

絵にも添えられている言葉にも味があって、何度読んでも面白いマメ知識本です。

この本のすばらしさは、実際、ことわざや慣用句をもとに

絵本を作ってみないとわからないかもしれません。こうした絵本を作るには、

想像力やセンスが思った以上に必要ですから。

 

 

 

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アメリカに住んでいる新小1のCくんが作ってきてくれた『1ねんせい』の雑誌。

Cくんに初めて会ったのは、シアトルの幼稚園で開かせていただいた、

工作のワークショップです。当時、Cくんは3歳。

カリフォルニアから参加してくれました。

 

Cくん作の『1ねんせい』は、かなり分厚さ。どのページもびっしり書き込まれていて

アイデア満載です。

『かけるくんVSドラエモン』と『ドラエモンがやってきた!』いうマンガ。

『かざんのひみつ』という特集では、火山に仕組みを数ページに渡って

解説しています。

『おたよりコーナー』『らくがきページ』『えをかいて』という自由ページ

『イラスト紹介ページ』『ぼくのこわいもの』

『こんげつ号はー』という未来の絵のコーナー、

『テレビマガジンおもしろい』という雑誌の宣伝ページなど

本当に盛りだくさんです。

 

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<速く走る動物順に並んだパタパタ絵本>は、年長のDくんの作品です。

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年長のEくんの<ホッチキスで自分で製本したビジュアルブック>

 

Eくんのイラストも貼られています。

それにしても、色合いがすてき♪

 

DくんとEくんに、ブロックで問題を作って出したところ、

何度も何度も作りなおし、

しまいに自分でも問題を作って楽しんでいました。

物作りを通して、自分が取り組んでいることに深く関わり、

それを心から楽しむ力が育っているのを感じました。

年長になった今、こうした知恵遊びや算数の学習のように

本気で頭を絞る活動にワクワクする喜びを味わっているようです。

 


『10才までに覚えておきたい ちょっと難しい1000の言葉』 2

2014-10-27 19:13:04 | 国語

 

『10才までに覚えておきたい ちょっと難しい1000のことば』  1 の続きです。

 

 

『10才までに覚えていきたい ちょっと難しい1000のことば』をリレー方式で

子どもたちに作ってもらうようになって以来、

家でも「これはどういう意味?」という質問したり、

「この言葉は……」と説明したりする姿が増えたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだまだ続きます。

 


『10才までに覚えておきたい ちょっと難しい1000のことば』

2014-10-21 20:21:29 | 国語

『10才までに覚えておきたい ちょっと難しい1000のことば』

(アーバン出版局)を参考に、教室のみんなで作っています♪

 

どういう意味かたずねると、「あきあきする」は「秋みたいになること」といった

トンデモな答えが返ってくることがしばしば……。

子どもたちが言葉の意味を間違えたものを整理していってます。

こうした活動をしていると、子どもたちの言葉に対する感受性が高まっていくのを

感じます。