「機能不全家族の話をもう一度読みたい」とお聞きしたので再度アップします。
「検索してもうまく見つからなくて困っている」ということですが、
お探しの記事の一部「機能不全家族」の後ろに「虹色教室」をつけると
見つけやすいかもしれません。
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『機能不全家族についてもう少し 1~3』
記事内容から脱線して、自分の気持ちについて少しだけ書くつもりで、
結局だらだらと長い話になってしまった、10~16までの文章。
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 10
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 11
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 12
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 13
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 14
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 15
わがままな振舞いが目立つ子にどのように接すればいいでしょう? 16
これで終わりにしようと思っていたのですが、
機能不全家族の問題にこれから向き合いながら子育てをしていこうとしている方から
コメントをいただいたり、
遠方に住んでいる親しい人からメールで苦しい胸の内を打ち明けられたり、
レッスンの中で世代間連鎖を断ち切る難しさを相談されたりするうちに、
あれでは少し不親切な答え方だったと思い直しました。
たいした力にはなれませんが、もう少しだけ、自分が当事者としてこの問題と
関わり続けて気づいたこと、理解したことについて書いてみようと思います。
先の記事を書いている最中に、次のようなコメントをいただきました。
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いつも拝読させていただいております。
私は父がDV、母が家族に共依存しているという典型的な機能不全家族に育ち、
3歳、1歳の育児をしています。
今、実家は家族の機能不全関係が表面化した問題に直面しており、
私は、両親を手助けすれば重い依存がのし掛かってくることが予想され、
常に実家が心配で育児は上の空、という状況です。
私が親として、母の優柔不断で家族の機嫌を取ってばかりの面、父のストレスが
溜まると怒りという形で爆発する面を受け継いでしまっていないか、
自信なく子育てしてます。3歳の息子のわがままかんしゃくが、私の育ちを
投影しているのではないかという心配があること、
過去の記事から先生が機能不全家族に悩んでいらっしゃったお話を聞き、
勝手に親近感を持っていたことから、
今回の記事を興味深く読ませていただいています。
先生が、機能不全家族に悩まされながら、どのように精神衛生を保ち、
子育てをされていたのか、どのようにして、世代間連鎖を断ち切ったのか、
機会があればお聞かせ頂きたいと思っております。
先生とお会いできる機会があればとレッスンの応募を何度かしておりますが、
ご縁がなく残念に思っています。
けれど、先生の記事に出会えただけでも育児の指針、心の支えとなり、
とても有難い出会いと思ってます。これからもどうぞよろしくお願いします。
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その後、
記事を16まで書き終えた時、とてもありがたい感想をいただきました。
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先日コメントで質問をさせていただいた者です。
先生の記事、噛み締めながら拝読いたしました。
機能不全家族に悩まされたり、子育てをしながら自分の育った道を思い返して苦しむ中、
有難く、心救われる気持ちがしています。
先生の優しさと強さの源を見せて頂いた気がしました。
自分の置かれた状況を被害的に捉えてばかりで子育てに自信を失っておりましたが、
心を澄ませて自分らしく道を拓いていけたらという気持ちになりました。
心に染み入る素敵な物語のお話でした。私もいつか自分と家族の影を抱きしめて、
最後に丸い円を描けるようになりたいです。ありがとうございました。
これからも記事を楽しみにしております。
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心を澄んだ状態に整えて、自分の生き方を考えておられる姿に
息を引き取るまで共依存の状態から抜け出すことができなかった母の人生が
誰かの未来の中で活かされるようでうれしく感じました。
しかし、同時にコメント主さんの前向きで純粋な思いが、
わたしが書いた文章によってより傷つくことにならないか
少し怖しくもあって、数日間、この記事に続きを書くべきかどうか悩んでいました。
怖いという言葉をここで使うのは、残酷で奇妙に聞こえますが、
わたしの正直な思いでもあります。
今から夜の登山をしようという人や砂漠に入って行こうとする人に、
そこを抜け出せた体験を語り、方法を伝えても、
その方法とは、山を消す魔法でもなければ、砂漠から出る地図でもありません。
より過酷な状況になっても、自分を取り戻すために
一歩一歩、歩みを進めるためのエールを送ることしかできません。
それでもそれをやり抜くための知恵なら
言葉にすることができるかもしれないと思い、続きを書くことにしました。
機能不全家族という言葉を耳にすると、それは家族間の関係の問題であって、
前向きながんばりや純粋な意志や深い愛情によって、乗り越えていけるようにも
思われます。
でもその背景には、依存症の問題が隠れていて、
少し頼りない性格程度に思われる共依存のようなものであっても、
社会から敵視される薬物依存同様に
人の心や意志やがんばりだけではどうしようもないものがあることを
わたしはこれまでの数十年間の中で、心の深い部分で実感しました。
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紹介したコメント主さん同様、
父のDVやギャンブル依存、母の共依存などの多くの問題を抱えた家庭に育ちました。
わたしも妹もそうした機能不全家族の中で割り当てられた役割……
妹は「スケープゴート」、つまり「悪い子」の役を、
わたしは「プラケイター」と「責任を負う子」、
つまり親をなだめたり、支えたりする家庭内ソーシャルワーカーの役と
家庭内の混乱に秩序をもたらすために一生懸命がんばって親の期待に応える役を
担って子ども時代を過ごしました。
そのように子ども時代を子どもとして生きれなかった子は、
心に慢性的な喪失を抱えたまま、健全な自己愛や自尊心を獲得できずに
大人になっていくと聞きます。
自分を信頼し、「やれば何とかなる」といった前向きな姿勢で、
人生を切り開いていくことが難しいともいわれています。
父母の思い出話から推測するに、おそらく父の父母もその父母も、
また母の父母もその父母も、家族の関係の問題によって自分たちの人生を蝕まれて
きたのだろうと思われました。
そして、父も母も、表現の仕方ほど異なるものの、
アダルトチルドレンの特徴をたくさん持っていました。
父は、白黒、二極化した思考をしがちで、人を試す発言が多く、怒りを抑えられず、
漠然とした不安感や空虚感をギャンブルへの依存で埋めていました。
母は、自己信頼感が希薄で依存心が強く、何でも人にたずねて、
自分で判断することができませんでした。
いつも周囲に合わせばかりで、人からの頼みごとを断れず、
自分の人生に希望を抱けないまま、何となく日々を過ごしていました。
そんな両親のもとで育ったわたしは、身体的にも精神的にも脆弱な子どもでしたし、
実際に心が深く傷ついてもいたし、ずいぶん遠回りをしながら大人になりはしたものの、
幼い頃から、どんな時も、父の考えにも母の考えにも染まらないところがありました。
たとえ一時期、両親の思考のあり方の影響を受けて認知に歪みが生じていたとしても、
それに気づいて、自力でそこから抜け出す知恵も持っていました。
そして、今、生きづらさを感じずに生活しているし、わが子たちが
自己愛や自尊心や自己信頼感が成長していく過程を支えてあげることもできます。
父も母も妹も、自分の親と自分自身がプログラムした思考の罠が、自分の人生を
蝕んでいくことから、どんなにあがいても抜け出せなかったのに、どうやってわたしは
そこから出たんだろうと考えると、いくつか思い当たる理由があります。
そのひとつは、両親の伺い知らないところで、
両親や祖父母以外の、さまざまな大人たちから、自分の子どもに対するような深い
本物の愛情をかけてもらっていたからじゃないかと思っています。
また、大きくなるまで続いていた幼なじみとの心の絆も
両親との関わりに別の視点をもたらしてくれました。
続きを読んでくださる方はリンク先に飛んでくださいね。
4歳児さんを中心にした物作り 知恵遊び をまとめました。
興味のある方はリンク先に飛んでくださいね。
4歳児さんたちのゲーム、算数、ブロック、好奇心を広げるための活動
算数遊びが楽しくてたまらなくなってきました♪ カードゲーム、理科遊び、物作り
工作記事や通常レッスンの記事を年齢別の分けて探ししやすいようにしてほしい、という要望が
あるのですが、工作や知恵遊びやレッスンの内容はだいたいの年齢で分けられるものもあれば
年齢を超えて10歳くらいの子から1歳前後の子まで同じ活動を楽しんでいるものもあるので簡単に分けることができません。
年齢別のものを見たいという方には、定期的にまとめの記事を紹介していますので、
そちらからリンク先に飛んでくださいね。
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3歳児さんたちの工作や知恵遊びの様子をいくつか紹介します。
ひとつひとつの活動に集中する2歳児さん お友だちの反応を楽しむ3歳児さん
3歳半 ひとつひとつの遊びにじっくり関わり、発展させることができるようになりました
「今日、誰がやっても絶対に成功は見込めないって最悪の事態で、
思いきって積極的に動いてみたら、それなりに認めてくれる人はあるんだな、
と思ったよ」。夕食時に息子がそんなことを言っていました。
企画を考えたり、ディスカッションしたり、プレゼンテーションしたりするのが
好きな息子。
学校でそうした授業がある日は、
自分の得意なことや強みを実感できてうれしいようです。
が、短い時間内にグループごとに分かれて調べ物をし、報告書を書いて、発表しなくては
ならない授業で、息子のグループだけが話がまとまらず、調べ物も進まず、
報告書もほとんど書けていないという状態に陥ってしまったそうです。
発表の順番は刻一刻と近づいているのに、
もう何から手をつけていいのかわからないような事態にグループのメンバーは茫然となっ
ていたのだとか。
息子にしても、どうあがいても手の施しようのないのは感じたものの、
取りあえず何とかこの最悪の事態を収拾しなくてはならないし、
誰かが前に出て行かなくてはならないのはわかっていたので、
自分がその役を買ってでることにしたそうです。
まず、穴だらけの報告書をつじつまが合うよう最低限に形を整えて、失敗を覚悟して
発表に臨んだのだとか。
案の定、ほかのグループに比べて、お粗末な発表となったそうですが、
授業が終わってから、同じグループの子に、
「よくあんな滅茶苦茶な状態のものを発表できる形にできたよな。すごいな。」と
感心したように言われたのだとか。クラスで選ばれて良い内容のプレゼンテーションが
できたときと同じか、むしろそれ以上に、
結果こそパッとしないものでも、緊急事態に思いきって自分から動くことが
認められることもあるんだなと実感した様子。
娘にしても仕事先でしょっちゅう大きなトラブルに遭遇しているようですが、
逃げずにそれと真剣に向き合っていくことで、災い転じて福となるという結果に
つながっているようです。
虹色教室でも、時折、けんかやトラブルが起こることがあります。
そんな時、大人が安易に解決してしまわずに
適度な支援をしながら、自分たちで解決させていると、子どもの心がそうした負の
出来事から学び、折り合いをつけ、乗り越えながら、
たくましく成長していくのを感じています。
3、4歳児さんたちのぶつかりあい と 大人が見せる問題解決の見本
教室では、子どもたちの「こんなことがやってみたい!」の声に応えて
さまざまな活動をしています。一つのグループが始めた活動が、
次々とほかのグループに飛び火して、流行ることもよくあります。
教室で人気があったいくつかの活動の様子を紹介しますね。
濃いキャラクターのオカメインコとあまりにも設定が細かいごっこ遊び
<どうして、こんなすごいのができちゃったんだろう?>
年少さんの★くんと☆くんのレッスンです。
いろいろな素敵なアイデアを次々思いつく、物作りが大好きな★くん。
とはいえ、これまではコツコツ根気よくやり遂げることが苦手で、
「パパッと貼って、命名するだけ」とか、ブロックなら数個組み合わせて、
「これは、○だよ」と言いながら遊ぶだけ……ということが多々ありました。
それが4歳となってから少しずつ根気がついてきて、今回はモノレールの
レールに危険防止の柵をブロックで巡らせる作業を黙々としていました。
教室の端から端まで柵を付けた後で、おもむろに立ちあがると、
しみじみと自分の作り上げた作品を眺めながら、
「どうして、こんなにすごいのが作れちゃったんだろう?」とつぶやきました。
★くん、戦隊物が大好きな子ですから、
「変身してパワーアップしたからじゃない?」とわたしがたずねると、
ちょっとむずかしい顔をして首をかしげて、
「がんばったからとちゃう?」と大阪弁で返してきました。
確かに……正しい! 適当なことを言って失礼しました。
★くん、本当によくがんばりましたね。
☆くんはストローコースター作りに夢中。
太いストローの中を小さな玉が走ります。
☆くんはこの間、年上の子や年下の子と一緒にブロック講座に参加しました。
そのとき、みんなで協力しあってブロック製作をした体験がよほど心に残ったらしく、
わたしが★くんに向かって、「よくがんばったね。そんな長~いレールを作るなんて、
大変よね。すごいすごい!」と言っていると、
☆くんが横から「大変じゃないよ。お友だちがいたら、手伝ってもらったらいいんだよ。
お友だちと一緒にやったら、そんなに長いのも、すぐできちゃうんだよ」
と言いました。
そう言えば、この日、☆くんのこんな姿がありました。
☆くんは几帳面で完璧主義なところがある、
何でも自分ひとりでコツコツがんばることが好きな子です。
それは素敵な長所ではあるのですが、
お友だちに自分の作品に触れられることを嫌がったり、
自己完結して遊びの幅が広がらないところがありました。
これまでは自分の作品作りをしているときは、
ほかの子にことは気にもとめなかったのですが、
今回のレッスンではストローでコースターを作っている間もお友だちの作品を見て、
「ぼくのストローと、★くんのストローを、もう一本のストローでひっつけて、
滑り台にしたらいいんじゃない?」と言いました。
そうして作った作品がこちらです。
またこんなこともありました。
☆くんがブロックのモノレールを走らせていたら、
★くんが自分の作ったモノレールで追いかけてきて、
「連結したら?連結したらいいんだ」と言いました。
(写真は連結後のモノレールです)
いつもなら、☆くんが困った顔をするシーンです。
☆くんは色や形の整った見栄えのいい作品作りに凝るのですが、
★くんが「連結しよう」というモノレールはアイデア重視で、
何だか平べったいモノレールとは呼びがたいものだったからです。
すると、☆くんは、「そうだ!いいことがあるよ」と言ったかと思うと、
ブロックを取ってきて、
★くんのモノレールと自分のモノレールを上からとめました。
それから、ふたりで満足そうにニコニコ笑いあっていました。