虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉っ子 と トラブル解決法 6

2012-12-22 14:00:40 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

折り紙を半分に折って、片面にピタゴラスイッチという文字を

書いてもらった☆くん。

「見て見て!」といったかと思うと、斜面からころがっきたビー玉がぶつかると、

ピタゴラスイッチの文字が倒れるところを実演してみせました。

 

その時、●くんは警察署のドールハウスの牢屋に屋根をつけたがっていました。

今、「お手本をみせて教える」のが☆くんのマイブームです。

 ですから●くんが同年代のお友だちから「教えてもらう」体験をする

ちょうどいいチャンスだと思いました。

 

そこで、「☆くん、☆くん。●くんがね、警察の屋根が作りたいんだって。

そのピタゴラスイッチの折り紙みたいに、はんぶん、はんぶんって折る方法を

教えてくれる?」とたずねました。

☆くんは、「いいよ。こうやるんだよ」とご機嫌です。

 

でも●くんは、わたしが「☆くんに屋根の作り方を教えてもらおう」と誘っても、

●くんのお母さんが、「☆くんが教えてくれるよ。ほらっ、教えてもらいに行きなさい」と

 

誘いかけても、あれこれ言われるのを振り払うように奥に引っ込んでしまいました。

そんな●くんの様子を見て、●くんのお母さんは、

「ほら、教えてもらったら?」と繰り返し説得していました。

 

●くんは、まだ「教えてもらう」という体験が

ほとんどありません。

 

ですから、「教えてもらったら?」という言葉だけでは、

どの場所で、どのような態度で、どのようなタイミングで何をすればいいのか、

確かなイメージがないのでしょう。

 

ですから、こんな場合、言葉だけで指示するのは●くんを不安がらせるでしょうし、今後、そうした言葉を避けたがる原因になるかもしれません。

 

周囲の大人が

●くんの代わりに「教えてもらう」役をして、教えてもらうというのが、

どういう態度で行うのか見せるだけでいいのかもしれません。

また、教える側がそっと場所を移動して、

●くんのすぐ近くで、そうした「教える」「教わる」が見えるように

するくらいでもいいのかもしれません。

 

そんな時に、大人の目から見てのできるできないにかかわらず、

(近くにいれただけでも)「ちゃんとお話聞けたね。☆くんが教えてくれたから

●くん、わかったよね。●くんよかったね。ちゃんと教えてもらったから屋根ができるよ」と

●くんに自信や勇気を持たせるような言葉をそえるといいかもしれません。

 

コミュニケーション能力を育むには、会話する力を伸ばすことの他にも、

お友だちに、「これとこれとこれのうち、どれがいい?」と選んでもらう役をすることや、

選ぶ役をすること、

プレゼントをあげること、プレゼントするものを相手を思い浮かべながら選ぶこと、もらうこと、

貸してあげること、貸してもらうこと、

遊びに誘うこと、入れてもらうこと、教えてあげること、教えてもらうこと、

なぞなぞやクイズをだすこと、答えること、相手を笑わせること、いっしょに笑いあうことなど、

さまざまな体験があります。

そのひとつひとつを気持ちのいい楽しい雰囲気の中で、

たくさん体験させてあげたいと思っています。

お母さんに手伝ってもらって屋根を作った●くん。

警察の護送車も折り紙で覆いました。

 

●くんが帰った後で、わたしにはひとつ反省したことがありました。

というのは、いつもより場に打ち解けることができていなかった

●くんに、前回まで喜んでいた「お肉列車」や「ブロックのドアホン」を

出してあげるのを忘れていたことです。

 

今回作っていた警察の屋根や護送車の覆いにしても、

これから先、●くんの緊張を和らげて、遊びの世界に誘うきっかけになるはずなのです。

そのための記録でもあるのに、

●くんが不安そうにしている場合を想定して、

いくつか解決法を用意していなかったのは、ちょっとまずかったな~と感じました。

 

 

 


ブロック講座の様子をブログの記事にしていただきました

2012-12-22 08:54:24 | 幼児教育の基本

キープキレイde心を磨こう ミルクココアさんが

ブロック講座の様子を記事にしてくださいました。

 

虹色教室のブロック講座に行ってきました ①

虹色教室のブロック講座に行ってきました ②


自閉っ子 と トラブル解決法 5

2012-12-21 22:26:29 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

話がタイトルから少しずれていっていますが……。

 

★くんに文字を教えていく上で困った点がいくつかありました。

というのは、★くんがいつも強く関心を寄せているのは

物の仕組みや動きであるのにも関わらず、

その物自体については名前を知らなかったり

関心が向かなかったりすることなのです。

 

たとえば、★くんが好きな「ビー玉」の絵カード、写真カード、文字カードなどを

作るにしても、

ビー玉を指しながらも

お母さんやわたしに向かって「見て見て!」と振りかえって

自分から共同注視を求めてくる時の関心事が、

「大きい、小さい」だったり、「転がる」「ガチャッとつかまえる」「穴に入れる」

だったりするのです。

 

もちろん、「大きい小さい」といった形容詞や「転がる」「つかまえる」などの動詞を

文字カードにすればいいのでしょうが、

基本である対象物の名前とイラストが一致していない状態で、

そうした言葉と絵を一致させていくことは難しいようにも感じました。

 

★くんはもともと人とコミュニュケーションを取ることが上手で

やりとりする遊びも楽しめる子です。

 

ですから、文字のカードを作る前に

一方のページに文字、もう一方のページにシンプルで★くんが好みそうな

イラストが描いてある「あいうえお」の本をめくりながら、

文字と絵を指しながら名前を言って、

そのたびに本人が喜びそうな抱き上げる仕草などをして

文字や絵を大人といっしょに注視することを楽しめるようにしていくことが大事なのかもしれません。

また、文字を見ながら、「つんつんのつ」でつつく真似とか、「ん~!ん~!」と踏ん張る真似など、

おふざけや手遊びをするのに慣れていくと、記号と読み方の関係が少しずつわかってくるのかもしれません。

 

今、★くんに何が必要なのかな、と考えると、

イラストでも写真でも、たくさん見分けることができるようになることと、

★くんが「何をどれくらい理解している」のか

「もう少しでできるようになりそう」なことが何か

できるだけ正確に把握しておいて、

身近な大人が★くんの最近接領域の課題を根気よく繰り返し

提示していくように努めることじゃないかと思いました。

 

この日、わたしが折り紙の裏に「あ」と「つ」の文字を書いて★くんに見せていたところ、

このところ急に字を書くことに関心を持ちだした☆くんが

「★くんにぼくが教えてあげるよ」と言いました。

数枚の折り紙に一文字ずつひらがなを書いてから

★くんに見せようとしますが、自分の遊びに忙しい★くんは見ようとしません。

 

すると、☆くんは急に訳知り顔になって

「そうだ!★くんにはさ、まだ字は早いんじゃない?」

と明るい声で言いました。

 

次回に続きます。

 

 


ブロック講座 11日目 (午後の部) 洞窟、牢屋、火山、ジャングル、むかで&さそりロボット、すてきなお家

2012-12-21 16:52:23 | レゴ デュプロ ブロック

午後のブロック講座は男の子3人に女の子ひとり。

午前とはうってかわって、洞窟、警察署の牢屋、火山、ジャングル、むかで&さそりロボット……

と作りたがるものも作るものも、男の子の好きそうなものがオンパレードでした。

上から吊下がったロープによじのぼるサルたち。

足の動く虫型ロボットの作り方を学んでもらっているところです。

きちんと説明を聞いて、教わった通りに組んでいく作業が

苦手な★くん、☆くん。

でも、作りたい気持ちの方が強かったようで、

「きちんと見本を見て、説明を聞いていてちょうだい」と言うと、指示に

辛抱しいしいしたがっています。できあがると、「やったー!」と満面の笑顔。

スライドするドアがポイントの牢屋。

ジャングルや恐竜の世界をテーマにして作っている子らがいたので、

ついでに火山の噴火を重曹とクエン酸で再現しました。

ひとりだけの女の子☆ちゃん(4歳の男女のふたごちゃんのひとりです)とわたしの

合作のお家です。

☆ちゃんは、何段にも重ねたケーキを作るのに夢中でした。

午前の部の子が残していった様式トイレがお気に入り。


ブロック講座 11日目 平面を組み合わせて立体を作る

2012-12-21 13:08:28 | レゴ デュプロ ブロック

 

 

年中さんと年長さんの女の子たち4人の作品です。

『クリスマスシーズンのお家と水族館』

お家の壁やクリスマスツリーは

平面の同じパーツを4つ作って

放射線状に組み立てて作ります。

今回、参加した子たちはどの子もコツコツ作ることが大好きな女の子ばかりだったので

基本の作り方を覚えると、

どんどん応用して作品を作っていました。

2階建ての家、家具類、プール、花が咲いている木、公園の遊具、クリスマスツリー、プール

使用している光ファイバーは100円ショップのものです。

光ファイバーを包むために

ブロックの新しい組み方を習った子らは、それを他の

曲線にも利用してとても喜んでいました。

 

女の子たちは、キラキラ光るものが大好きですね。

さまざまなライト類をブロックで作った部屋に設置したり、

映像がくるくる回る仕掛けを作ったりして楽しんでいました。

 

算数タイムではブロックを使った計算やIQゲームなどをして

遊びました。

 

上の写真は82個のブロックです。

「あといくつで、100になるでしょう?」という問題。

間違えながらもきちんと理解できていました。

 

ブロックで計算ゲームを作る方法や

スクエアスピリットというゲームと似た遊びをする方法なども学んでもらいました。

 

 

↑スクエア・スピリット


自閉っ子 と トラブル解決法 4

2012-12-20 15:43:44 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子 と トラブル解決法 3 の続きです。

★くんは5歳。自閉症の子ではありません。

未熟児で生まれた後遺症から

まだ言葉のない世界で生きています。

人懐っこく好奇心の強い性質で、身振りでなら

「ちょうだい」「こっちにきて」など自分の意志を伝えることができます。

 

ユーフォーキャッチャーのようなからくりのあるおもちゃで遊ぶ時、どの順序で操作したらいいかや

玉の大きさの違いによって穴に入ったり入らなかったりすることを承知しています。

 

★くんは身体の機能の問題で幼い時期に

声を発することに困難を抱えていました。

そのため、身体の問題はなくなったとされる今となっても

コミュニュケーション能力が言葉の発達と結びつきにくいところがあるようです。

 

今後も、言葉の育ちを応援しつつも

文字を教えるなどして

他の方法で会話する方法を探っていきたいと考えています。

手話やベビーサインを取り入れるのもいいのかもしれません。

 

そこで、遊びの合間に★くんの絵カードや形を見分ける力や記号への関心を

少しずつ調べていました。★くんのお母さんの話では、

★くんはまだ電車のような好きな数点以外は、

イラストとして描かれているものを見分けるのは難しいようです。

写真なら、理解しているし

興味も示すようです。

 

わたしは、紙に「あ」と「つ」の文字を書いてから、

「つ」の字を指さして、指で「つ」の形を作って、

「つんつんつんのつー」と言いながら、★くんの手をつつく真似をしました。

 

が、★くんは目新しいおもちゃを探しに行くのに忙しくて、

書かれた文字を見ることも、つつかれていることを面白がって笑うこともありませんでした。

 

★くんのお母さんのお話やそうしたうまくいかなかった場面から、★くんにこれから

文字を教えていく上で、

「どのようなことをしていったらいいのか」という課題や教える上での注意点などが

見えてきます。

 

次回に続きます。

 

 

 


1歳児さんの知恵遊び 2歳児さんとのおしゃべり

2012-12-20 13:31:42 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

1歳2ヶ月の☆ちゃんと1歳4ヶ月の○くん、1歳9ヶ月★ちゃん、2歳4ヶ月の●ちゃんのレッスンから。

 

☆ちゃんと○くんは、好奇心にそそられて同じことを繰り返しするうちに、

推理力や理解力が育ってくるという時期です。

 

扉を閉めた状態で

上のふたつの穴のどちらかに動物の木札を入れてから、

扉を開けて、「あったあった」と木札を取り出す遊びをしています。

 

☆ちゃんは、すぐに遊び方をのみ込んで、木札を入れてみては

扉を開けてみて、札を見つけるとニコニコして取り出していました。

でもまだ、右に木の札を入れたら、右側に札があって

左に入れたら左にあるというのはわかっていなくて、

どちらの扉も開けてみて「あったあった」といううれしそうな笑顔を振りまいていました。

何度も何度も繰り返し遊んでいますから

しまいに、自分が入れた穴と

札が出てくる部屋の関係に気づくことでしょう。

そこで、☆ちゃんのお母さんとお家用のおもちゃを作りました。

☆ちゃんは1歳のお誕生日を迎えたばかりとはいえ

なかなかおませな女の子で、お外に行く雰囲気を察知すると、上着や靴を取りに行くそうです。

「何歳ですか?」とたずねると、

一の指を作って、お返事します。

○くんは、上の投入口からお人形を入れた後で、

扉をあけるとお人形が出てくる仕組みを喜んでいました。

○くんには、長い筒の中に入れた固めのスポンジの円柱が

押されてポコポコ出てくるおもちゃ。

 

どちらも何か働きかけてみて、結果がどうなるのか期待する気持ちを育んでいます。

1歳後半の★ちゃんのごっこ遊びは

かなり一人前の様になるものになってきました。

かき混ぜたり、焼いたり、並べたり、お料理の手順を上手に

再現していました。

「椅子を取ってきてね」といった頼みごとをすると

途中でトラブルが起きたり、気をそられるものがあっても

最後まで椅子を取りに行くことを忘れず戻ってきていました。

一度失敗すると、次にはそれを回避する工夫をして

行動する知恵がついてきています。

2歳の●ちゃんは、機械や働く車のような

ちょっと男の子っぽいものが好きな女の子。

「もうすぐクリスマスだから~しよう」といった少し先のことをイメージした

おしゃべりをするようになっています。

機械の仕掛けなどを穴があくほど真剣に眺めている子なので、

「どうなるのかな?」「どうしてだろう?」

と先を予測したり、理由について考えるおしゃべりを

たくさんするといいのだろうなと思います。

 

少し話が脱線しますが、

昨日たまたまつけていたテレビで、女の子はお人形セットのように完成しているおもちゃで

遊ぶ子が多く、男の子はブロックや積み木のような未完成なおもちゃで遊ぶ子が多いのは、

世界で共通してみられる現象……といった話題がのぼっていました。

何でも、男の子が未完成なおもちゃが好きなのは、疑問を持ったものについて

興味を持ち、それを解明したい、という気持ちが強いからだそうです。

 

そういえば、虹色教室でも女の子と男の子では

探究心に少し違いがあるように感じます。

一方で、女の子も工作やブロック遊びのような未完成なものと

親しむ遊びをよくしている子は

「なぜ?」とよく口にして、自分でその理由を探究していこうとする姿勢を持っている子が

多いな、とも思いました。

また、男の子でもお母さんのお世話が多いと、

不思議に思った物事を自ら解明したい、という男の子によくみられる強い意志のようなものが弱くなって

いるのも見かけます。

 

●ちゃんは女の子なのですか、少し男の子っぽい気質なので、

答えがわかっていない未知の事柄に関しては、

真剣なまなざしで見つめて、何とか解明したい、という意欲をみせるのに、

お母さんが共感を求める声かけを続けていても

しょっちゅう無視してスルーしています。

おしゃべりの内容を「あっ、~があるね。」「あっ~だね」といったすでに見えていて

わかりきったことばかりにせずに、●ちゃんの心が集中している事柄を察して

先を推理したり、理由について考えるものにすると、もっと親子の会話が楽しいものになるのかもしれません。

 

 

 


お正月におすすめのゲーム

2012-12-19 20:34:49 | 虹色教室の教具 おもちゃ

「お正月に遊ぶオススメゲームはありませんか?」という質問を受けることが

ときどきあります。

初めてボードゲームを買う場合、まず雑誌の付録のすごろくなどで遊んだ上で

子どもの理解力や喜ぶレベルをわかっておく

といいかもしれません。

 

お正月用の子ども雑誌には、高価なボードゲームと変わらないくらい

楽しめるものがけっこうあります。

子どもの知能もしっかり伸ばしてくれます。

 

今月発売している小学1年生のすごろくゲームは

幼児にも楽しめる

魅力的な作りでした。

 

もうひとつの付録、磁石でひっつく計算用教具は

扱いやすくて、思ったよりずっと質がいい品物でした。

 


事務Kより【レッスン日連絡】

2012-12-19 18:08:09 | 連絡事項
こんばんは、お久しぶりです。
もう花粉症(?)になっている事務Kです。

アレルギー性の鼻炎やらで顔が大変なことになっています(泣)

さてと、本題です。
先生から何件か【通常レッスンの日程の連絡】を承りましたので、いつも通り、ヤフーメールで送信させて頂きます。

本日、docomoのアドレスに二件ほど送ったのですが、ヤフーメールの調子が悪い(?)らしくメーラーデーモンで返送されています。
ご連絡に数日かかるかもしれませんが、なんとかご連絡致しますのでメールのチェック等お願い致します。


これは、募集ではありませんのでご注意下さい。


自閉っ子 と トラブル解決法 3

2012-12-19 14:38:44 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

☆くんの汽車を何度も取りに行く●くん。

 

●くんに、他の子の物を取ってはいけないことを教なくてはならないし、

「今日は取ったら注意され、今日は取っても見過ごされる」とコロコロ態度を変えていたら

善悪がわからなくなるかもしれません。

 

それでも、この日の●くんの行動の仕方を思うと、

「これこれしたらダメよ」と注意する以上に、

お互いに同じものを欲しがって衝突しかけている機会を捉えて、

どちらも納得するような面白い解決法を示して見せたり、

たがいの距離が縮まって、遊びにつながるような解決に結びつけてあげたりする

必要を感じました。

 

問題のある行動は、軽くスルーするようにして、

本人の欲求が満たされるより良い行動に変換させていくのです。

 

こんな場合、ついつい、☆くんのおもちゃを取ろうとしたんだから、

☆くんに「ごめんね」って謝らせなきゃ、とか、

他人のものと自分のものがわかっていないから、わかるように教え込まなきゃ、

という思いに心が奪われていると、

大事なタイミングをのがしてしまいます。

 

それよりも場合によっては、大人が「ごめんね、☆くん」と●くんの代わりにオーバーなくらいに

謝りつつ、楽しそうに、こんな声をかけるのもいいです。

「☆くんの列車いいよね。先生にちょっとだけ触らせてよ」

「だめ~!」

「じゃぁ、指の先っぽでえんとつ触るだけならいい?」

「だめ~!」

「あ~ざんねん。それはけちんぼだわ。

そんなけちんぼしたら、●くんも、☆くんの列車で遊びたいよ遊びたいよってなっちゃうな~。

だって、☆くんの列車はかっこいいえんとつがついているんだから」

といったやりとりをして、☆くんと●くんの間にあった緊迫した雰囲気を和らげることもできます。

 

●くんはまだ自分から☆くんに話しかけていくための

会話のレパートリーが

ほとんどないのです。

ですからできれば、大人が☆くんの気持ちをほぐして、

☆くんが●くんに対しておおらかな態度で接して、

ふたりの間に自然な親しみが生じやすいようにしてあげなくてはならないと

感じていました。

 

●くんが自分から積極的に動くのは、

どのように動けばいいか理解できている範囲です。

おそらくこの日、新しいお友だちが参加していたのと、

☆くんが不機嫌そうに自分の遊びを続けているので、

その場面での「わかりやすい自分の言動」が見当たらなかったのかもしれません。

 

次回に続きます。