2歳9ヶ月のAちゃん、3歳0ヶ月のBちゃん、3歳1ヶ月のCくんのレッスンで。
教室に着くなり、Bちゃんが「ピッピッピで遊ぶ」と言いました。
Bちゃんのお母さんは何のことやらわからず、
「ピッピッピってなあに?」と聞き返していました。
「Bちゃんのピッピッピは、これのことでしょう?」と、レストランで注文を聞き取る
機械のおもちゃをだしてくると、Bちゃんは目を輝かせてそれで遊びはじめました。
そこでBちゃんと、レストランの注文ごっこ。
「熱い、熱いコーヒーをください」と頼むと、Bちゃんがボタンを押す真似をしました。
「コーヒーを入れるカップがいるね」と、紙コップにモールで取っ手をつけました。
Bちゃんいわく、取っ手ではなく、「コップのお耳」。
ままごと机の引き出しのミーキーの取っ手は氷のボタン。
ミニーの取っ手は熱いコーヒーが出てくるボタンということにして、
ボタンを押して、コーヒーを作ってもらいました。
「あったかーいあったかーい熱いコーヒーをちょうだいね」と頼むのに、
Bちゃんはわざと氷のボタンを押して、「ガラガラガラ~」と氷を入れて
冷たいコーヒーばかり作って、ケラケラ笑っていました。
「Bちゃん、もう秋だよ。風がびゅうびゅう吹いて、寒くなってきたよ。
暑いね、暑いねって海やプールで泳いだ夏は終わってしまったのよ。
秋がきたから、氷のいっぱい入ったコーヒーは冷たいよ。
あったかいあつあつコーヒーをくださいな」と言うと、
Bちゃんいわく、秋になったのを知っているそう。
もちろん、わかっています、わかっています……というように
大きくうなずいてから、いたずらっぽい笑みを浮かべて、再び、氷のボタンを押して
「ガラガラガラ~」。
Bちゃんのお気に入りの注文用の機械をかまぼこ板ふたつで作りました。
テープで貼って、開いたり閉じたりできるようになっています。
ついでに、飲み物が出てくる機械も作りました。
色画用紙に切り込みを入れて、折ったらできあがり。
ボタンを押して、裏からひもやビー玉などを注いで遊びます。
Bちゃんが、「靴が作りたい」と言いました。
そこで段ボールに足型を取って、ひもをつけて、サンダルを作りました。
サンダルをはいて歩きまわりながら上機嫌のBちゃん。
今度はお人形の足型を取って靴を作ってあげよう、ということになり、
紙でピンガ(ピングーの妹)のサンダルを作りました。
猫とAちゃんとAちゃんの妹とお弁当箱をぺったんテープでひっ付けた
電車を手に、Bちゃんの靴屋さんごっこを真剣な表情で観察していたAちゃん。
「Aちゃんの猫ちゃんにも靴を作ろうか?」と声をかけると、
身を乗り出してうなずきました。
猫の靴は、ペッタンテープでペタリ。
「あれっ、猫の足は、1,2,3,4だから、靴が1,2,3,4……4いるね」
と言うと、Aちゃんも数えてから、「4いるね」と言いました。
数についてよくわかっているようです。
その後、Aちゃんはお母さんといっしょに自分の足型を取って、
サンダルを作ってもらっていました。
「Aちゃんの足は、1、2……2だね。Aちゃんの靴は2いるね。
猫の足は、1,2,3,4……4だね。猫の靴は4いるね。どうしてだろうね」
と言うと、横からBちゃんが、「どしてか、わからないよ!」と茶目っ気たっぷりに
言って笑いだしました。
「夏は終わったね。秋が来たね」と言いながらごっこ遊びをしていたら、
Bちゃんが、夏の遊びを思い出したようで、「浮輪、作る」と言いました。
そこでピンガの浮輪を作ってあげたところ、Bちゃんは自分の浮輪にしたかったようで、
自分の腕に通してから、胴体を通すことができないことに怒っていました。
Aちゃんが、Bちゃんとわたしの浮輪作りの一部始終を目を皿のようにして
見つめていたので、Aちゃんの遊んでいた人形にも浮輪を作ってあげました。
3歳前後の3人さんを夢中にさせていた手品の小道具。
中に入れた人形が消えた瞬間、口をぽかんとあけて目を見開いて驚くので
おかしかったです。
「普通はどうなるか」(箱の何か入れたら、再び開けてもそれが入っている)
という常識がしっかりわかるようになったからこそのびっくり顔なのでしょう。
想像力豊かでとってもおしゃべりなCくん。
お母さんといっしょに電車の駅を作って遊んでいました。
新幹線が大好きなので、新大阪の駅を通る時は、入場券を買って、
新幹線を見学しに行っているそうです。ちょっとしたマークの違いや
駅のアナウンスなどよく知っています。
ブロックで駅の階段を作っていたので、ブロックのお人形で、
「ママ、ママ、階段をのぼるのしんどいよう。おんぶしてよう」と子どものお人形に
言わせてはお母さんの人形におんぶさせてのぼるシーンを見せていたら、
子どもたちがみんな集まってきて、何度もこのシーンで遊んでいました。
「階段、のぼるのしんどいよう」と人形に言わせてから、「Cくん。どうしよう。
しんどくて階段のぼれないんだって。どうしたらいいのかな?」とたずねると、
一生懸命頭をひねっていたCくんは、「牛乳飲んだらのぼれるよ」と答えました。
ポパイのほうれんそうじゃないですけど、牛乳はCくんの
パワーアップのもとのようです。
そこで、新幹線内の販売用ワゴンということにして遊んでいた
おもちゃに牛乳を乗せて人形に届けました。
お片づけも兼ねて算数タイム。
「1、2、3……と数えながら、1台、1台新幹線たちをお片づけ。
「向きの違い」や「向きをそろえること」に敏感な時期のようで、
わざと反対方向に置いてみせて、笑ってから、正しい方向に
置き直していました。
「あれあれ、こっちが前かな?こっちかな?こっちにも顔がある。
おしりのほうにも顔がある!」と言うと、
前後ろが同じの電車について、首をかしげて悩んでいました。
ここでも、Bちゃんは、「わかんない~!」と茶目っ気たっぷりに言って
笑いだしました。
10台ずつ列車を入れてふたをしめるようにしていると、
Cくんがもう一台入れたがりました。
「10、11!11になっちゃうよ」と言うと、みんな真剣な表情で見守り、
「10より多くなってしまう、どうしよう。11でもいいか、11入れようか」
という展開では、訳知り顔にうなずいていました。