虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

初めて会って意気投合。「はねのある恐竜」作り。

2018-09-05 20:38:55 | 工作 ワークショップ

年中のAくんと年長のBくん。

物静かだけれど芯が強くて独特の美的なセンスを持っています。

二人は今回初めて会ったのですが、たちまち意気投合していました。

 

AくんもBくんも、絵を描いたり物を作ったりするのが大好きです。

Aくんが好きなのは排水設備と算数タイム(毎回、算数タイムが終わる際に、

もっと長くやってほしいと必死に頼まれます。)、

Bくんが好きなのは、武士と恐竜と忍者とだんじり。

 

 Aくんはどんな作品を作る時も、

模様を書き込んだり、カラフルな色を付けたりするのを怠りません。

Aくんの作品は誰にも真似できないような不思議な美しさがあります。

 

Aくんは最初、飛ぶ恐竜の脚を4本描いていました。

「翼のある生き物はこんな風に足が4本ついていないよ。

うちの鳥さんたちを見てみる?」とたずねると、AくんもBくんも「見たい、見たい」と

鳥かごの前に集まって、鳥の脚を確かめて、目を丸くしていました。

おそらくぼんやりとはわかっていたのでしょうけど、注意して見ていなかったようです。

 

すると、鳥を見ていたBくんが、慌てて恐竜図鑑のところに戻って、

飛ぶ恐竜の羽根についた前脚を指さして、「ここが(鳥と)ちがう」と言いました。

↑写真が見えにくくてごめんなさい。翼に指がついています。

興味のある方は「飛ぶ恐竜」で検索して画像を見てください。

爪の生え方が興味深いです。

 

AくんとBくんはそれぞれ翼に爪をつけていました。Aくんはつける位置を

間違えてしまったのですが、「このままでいい」と言っていました。

 

Aくんがかわいいふくろのラムネを少しだけ入れて持ってきました。

二人でおやつにしたあとで、袋で風を送る道具を作って、

舟を動かして遊びました。Bくんもカイロの袋で同様の道具を作りました。

 

算数タイム。

生き物や化石のリアルなフィギアを数えながら置いています。

めずらしい種類のサメのフィギアが人気でした。

15+1は?

20-1は?

といった問題を出しながらどんどん置いて、50まで。

それからいっきに、「50、49.48、47……3,2,1、0!」と

数えていきながらフィギアを片付けました。

 

カードの課題通りに積み木を積むゲーム。

カードには、難易度によって、1、2、3といった得点がついています。

それぞれ自分が取ったカードの得点を足して計算しています。

 


古生物作り と 1年生の女の子たちの算数レッスン

2018-09-03 20:17:22 | 算数

 

Aちゃん、Bちゃん、Cちゃん、小学1年生の女の子たち3人のレッスンでの出来事。

(この日、小3のCちゃんのお姉ちゃんのDちゃんも参加していました。)

 

まず、古生物の話から。

教室では、今、

リアルサイズ古生物図鑑 古生代編 http://bunshun.jp/articles/-/8402

という本がとっても人気です。図鑑を見た子たちが、次々に、

古生物を粘土で作っていました。

写真は、Dちゃんの作ったコエルロサウラウ¨ス。

これまで知られている脊椎動物の中で最も初期に空を飛んだもののひとつで、

翼を折りたたむこともできる。

Dちゃんは、「折りたたむ」仕掛けに関心のある子で、

2年前のレッスンでも、こんな作品を作っていました。

基礎的な発見 2 <折りたたむ>

で、Dちゃんの工夫を見ることができます。

この翼を折りたたむという生物にとても興味が湧いたようです。

今回は粘土で制作したため、つばさを折りたたむ仕掛けに作れなかったのですが、

次回は紙で作ってみるのもいいかもしれません。

Cちゃんはイノストランケウ¨ィアというペルム紀の古生物を作っていました。

尖った石があったので、それを牙にすることを思いついたのです。

 

Aちゃんはプテリゴトゥス・アングリカスという

ウミサソリの仲間を作っていました。Aちゃんは形にとても興味がある子で、

台形を貼り合わせて、丸みのある形を作るなど、いつも形の世界をたんきゅうするような

工作をする子です。

 そんなAちゃんが、Dちゃんが工作で使っていたバランを見て、

「これって、24652465~って並べていたのと同じね」と言いました。

24652465~というのは、ユースホステルのレッスンの日、

Aちゃんより年上の子たちが学んでいた規則性の問題のことでした。

Aちゃんいわく、23452345とは、上の写真のように

バランの山が規則的に並んでいるということに気づいたそうなのです。

写真は、バランを切って、Aちゃんが説明してくれたものです。

そこで、算数レッスンの時間に、Aちゃんの発見を問題にすることにしました。

バランが、山山山半分の山というつながりでできているとします。(半分とはいいがたいですが、

ここではちょうど半分ということにしました)

 

「バランが2つだと、山はいくつになるでしょう?」 答え7

「バランが4つだと、山はいくつになるでしょう?」 答え14

「バランが8つだと、山はいくつになるでしょう?」 答え28

こんな問題です。

最初はわからなかった子たちもテキパキ答えていました。

 

バランについて考えた後で、ユースでした規則性の問題を子どもたちに

たずねると、しっかり(数え上げてですが)解いていました。

という絵本を読んで盛り上がりました。

この絵本は子どもたちに大人気です。

絵本の中で、60秒になった時、「何分でしょう?」と聞くと、

「1分」と答えていたので、

 

65秒は何分何秒?

70秒は何分何秒?

100秒は何分何秒?

 

と問うと、みんな喜んで答えていました。


大型フェリーで佐賀から神戸港へ  と 両替ゲーム

2018-09-02 09:25:36 | 通常レッスン

年中の★くんと☆くんのレッスンの様子です。

最近、「船にはまっている」という★くんと

大型フェリーを作って遊びました。

 

☆くんは宇宙と学校の怪談ブーム。

37歳になったら、宇宙まで続くエスカレーターを作るそうです。

今はペットボトルと紙コップで

宇宙衛星作り。

 

 

ブロックの扱いに慣れている★くんは、少しだけ作り方のコツを教えると

自分のアイデアも混ぜながらどんどん作っていました。

 

↑の写真は、「ひもを引っ張ると車を乗り込ませるための扉が上がる仕組み

です。

作り方は、簡単です。

写真のようにひもを下の部分にはさんだブロックの扉を

ブロックで作った枠に取り付け、ひもを上部に引っかけてから

ブロックでとめるのです。

子どもがとても喜ぶ仕掛けです。

★くんはできあがった船に大満足、「佐賀港を出発して大分経由で神戸港に着く」

というストーリーで、

船の検査をしたり、車や乗客を乗り降りさせたりして遊んでいました。

遊ぶうちに、半分泣きそうになって、

「家でもこんな船が作りたい!おんなじのが作りたい!

家でもこれで遊びたい!」と言いました。

 

★くんの話では、デュプロは家にもたっぷりあるけれど、

お家にはブロックの基礎板があまりないということでした。

 

そこで、家でも大型フェリーが作れるように

色画用紙を船の床部分のサイズに切ってあげました。

画用紙を床にした船作りは☆くんが手伝ってくれました。

でも★くんは船を作るだけでなく

動かして遊びたかったようなのです。

そこで、画用紙に輪ゴムを貼って、船の形の枠に装着できるようにしました。

これなら、自由に動かして遊べます。

 

とはいえ、基礎板で作るより難しい上、作る時も遊ぶ時も心地よさが

少し劣りはします。

★くんは少し不服そうにしていましたが、

何とか納得して色画用紙の船の床を持って帰りました。

算数タイムの両替遊びの様子です。

黄色1枚と赤2枚が交換できます。

赤1枚と青2枚が交換できます。

 

黄色を3枚ずつもらって、よりたくさんの青を手に入れる遊びです。

 

この遊びに初めてチャレンジする★くん、☆くん。

 

最初はルールがよく飲みこめない様子で、

黄色いコインを差し出して、「赤いコインを3枚ください」

などと、自分の好きな要求を出していました。

が、失敗を重ねるうちに、両替の意味がきちんとわかってきました。

だんだん面白くてたまらない気持ちになってきたようです。

溜めこんだ青を数えるふたり。

 

全て青に交換できてうれしくてたまらない様子の★くんと☆くんは、

「次は緑や白のコインも入れて遊びたい」と言いました。

そこで、少しややこしいルール。

 

赤1枚と黄色3枚を交換。

黄色1枚と白2枚を交換。

白1枚と緑3枚を交換。

 

交換してもらうには、交換したいコインを差し出して、

必ず欲しいコインの色と枚数を言わなくてはなりません。

 

赤いコインを3枚ずつもって、できるだけ多くの緑のコインを手に入れます。

せっせと溜めた大量の緑のコイン。

 

ふたりともがんばって数を数えていましたが、途中で疲れてしまった★くんが、

あー疲れちゃったというリアクションをしてから、

「ぼくは数えるのはやめるよ。数えないよ」と☆くんとわたしに宣言しました。

 

「じゃあ、★くんはゼロ枚ね。

数えないと数がわからないから、ゼロ枚取ったことにするね」

と言うと、

すると★くんは大慌てで、「1,2,3,4……と数え始めました。」

がんばって最後まで数えて、大満足。

もう帰る時間が来たというのに、★くんも☆くんも満面の笑みを浮かべて、

「もう1回やりたい」と言っていました。