虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

1歳児さん、2歳児さんと工作を楽しむコツ

2019-03-22 22:09:07 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

1歳児さんや2歳児さんと工作を楽しむコツを紹介します。

 

1歳児さんや2歳児さんと工作をする時は、

① テーマ選び

② 道具と材料の工夫

③ 子どもが「自分で作れそう」と思えるレベルのわかりやすい手本を示す

の3つが大切です。

 

テーマは、「最近、子どもが夢中になって見ていたもの。触りたがっていたもの。」

にするのがいいです。その子の個性と好みについて、日頃からよく観察して理解しておくと

関わりやすいです。

完成度の高いものより、できれば一部分だけを再現したようなものが

最適です。

 

散髪屋さんのくるくるまわるポールが気に入っていたら、

「トイレットペーパーの芯を棒などに通してくるくる回るようにするだけ」など。

 

紙箱を「連結」「連結」と言いながら、

布テープで貼っていくのも喜びます。

 

一部分だけ、本人が納得するような作りになるように手伝ってあげたら、

後はどんな塗り方をしようと、切り刻もうと

自由に作らせてあげます。

 

 

 

子どもが素材と触れ合うのを楽しめるような材料を用意します。

ねんど、小石、ビー玉、濡らした紙、シール、ストロー、輪ゴムなど。

紙コップ、トイレットペーパーの芯、ティッシュ箱は作りやすい材料です。

描く道具やはさみやテープは、扱いやすいものにします。

 

↑の写真は100円ショップで売られているつるつるした小石です。

冷たくて適度に重たいので幼い子たちがとても喜びます。

 

紙コップに穴をあける時は、鉛筆のようなもので強く押してあけるようにすると、

「力を込めて穴をあける」という行為が

自分でできることをとても喜ぶ子は多いです。

穴の中に小石やビー玉などを入れていって

楽器や下から出てくるおもちゃなどを作ります。

 

セロテープも子どもが大好きな材料です。

「何から何までテープで貼りまくりたい」という時には、思う存分、貼らせてあげます。

物を貼りつける時に、子どもの力でもはずれないような

作品を作るのにはガムテープが便利です。

 

輪ゴムを貼るだけでカスタネットのような楽器ができます。

 

 

子どもはコロコロ坂道を転がってくる小石やビー玉が大好きです。

トイレットペーパーを貼っただけのトンネルや

紙で坂を表現しただけの滑り台なども、

子どもに自分で作ったという満足感を抱かせて、「次は、おすな(砂場)つくる~」

といった意欲につながることもあります。

ヨーグルトなどのコップを空き箱に貼って、

『ポケット』といった工作も1,2歳児さんにとって

魅力的でわかりやすい作品作りです。

 

工作遊びでは、たとえ本人が作らなかったとしても、

大人が物作りをする様子を観察して、

「手本を見る」ことを学ぶのも大事です。

「かんかんかん、作って!」と、自分が作ってほしいものをイメージする力を

育むのも大事です。

物を作る時間を楽しみ、自分のお気に入りがなくなっても、

新しく作ることができることを見せていると、情緒が落ち着いてきます。

 

「自分で」できた時に自信がついてくるので、

きれいな作品作りを目指すのではなく、

たとえぐちゃぐちゃになって終わっても、本人が「できた」「自分でやった」という

満足を得るような工作の時間にします。

作ったものをビリビリぐちゃぐちゃしはじめたら、思い切りビリビリぐちゃぐちゃさせてあげて、

「どろんこね」「雨」「ビリビリさん」「ゆきだるま」など本人が知っている言葉を

かけて、見立てるのを楽しみます。


カードゲームと算数学習

2019-03-21 19:58:53 | 算数

小学3年生のAくんのレッスンで、『死ぬまでにピラミッド』という

ゲームで遊びました。

形の描いてあるさいころを振って、より大きな二等辺三角形を作っていくという

シンプルなゲームですが、いざ遊びはじめると秩序のある形を作っていく

気持ちよさにはまります。

ゲームをした後、2、3年生の子らとは、規則性に関する

クイズをしています。

上から1段、2段、3段、4段と

縦に数字を書きだしてから、

隣に段ごとの一番小さい三角形の数を書きだしていきます。

子どもたちはすぐに、三角形の数が4ずつ増えていることに気づきます。

 

<三角形の数>

1段めは、

2段目は、6  

3段目は、10

4段目は、14


それでは、6段目の時には、2に何回4を足したでしょう?

 という問題。

答えは5回。2段目の時は1回足して、3段目の時は2回足して、4段目の時は3回

足しているんです。

Aくんは、最初は首をかしげていましたが、

「わかった。〇段目より1ずつ少ないでしょ。」と気づきました。

 

それでは、100段目の時の小さい三角形の数はいくつでしょう?

 Aくんはちゃんと当てることができました。

 

 


「虹を作りたい!」

2019-03-20 21:14:01 | 工作 ワークショップ

年長のAちゃんが、教室に来るなり「虹を作りたい!」と言いました。

そこで、光を使った実験の道具や材料が入っている箱を開けて

いっしょにいろいろ試しました。

いらないDVDの裏に懐中電灯の光をあてて

虹を作る方法が気に入ったAちゃん。

丸いチーズの空き箱にDVDを貼って、ねんどで作ったゆきだるまをつけました。

実際の虹は写真の何倍もきれいです。

 

ごっこ遊びが何より好きだったAちゃんですが、年中の半ばごろから

ボードゲームやカードゲームで遊ぶのも大好きになってきました。

今日はポーション・エクスプロ―ジョンで遊びました。

得点計算でははりきってたくさんの数を数えていました。


虹色文庫の新作です♪

2019-03-19 18:56:38 | 虹色文庫出版局

小学3年生のAちゃんが『とりとりまんが』を描きました。

ぞくぞく新しい出版物を送り出している虹色教室のごっこ遊び出版社の

虹色文庫の新作です。

かなりぶあついです。

オカメインコのカー子ちゃん、セキセイのまりんちゃん、めろんちゃんも

中学校の生徒や先生になって登場します。

教室に来た子はぜひ読んでくださいね。

 

Aちゃん作の移動販売車

 


発達障害に似ているけれど、発達障害ではない子 ちがいの決め手

2019-03-17 21:53:24 | ハイリーセンシティブチャイルド(HSC)・敏感な子

『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』(十勝むつみのクリニック院長 精神科医 長沼睦雄 )

によると、感覚刺激に対する過敏性を持った「HSP」(非常にセンシティブな人)

自閉症や多動症という発達障害と呼ばれてきた人々(現在は社会の中で生活できる人も多いことが判明したため

神経発達症群と呼ばれるようになったそうです)

はとても似ているところがあるそうです。

不安が強く敏感すぎるHSPは自閉症に、

好奇心旺盛で新しいもの好きのHSS(遺伝的な気質のひとつで、新しくて強い刺激や激しい刺激を求める

タイプで、HSPであり、HSSでもあるという人はけっこういるそうです)

平面が苦手で立体に強い学習症は、HSP・HSSに似ているところがあるそうです。

 

発達障害(神経発達症)もHSPやHSSも

生まれ持った神経の特性で、生まれた後の影響を強く受け、客観視が弱く、

主観的なものの見方が強く、対人関係やコミュニケーションに弱さを持つところが共通しているのだとか。

 

でも、明らかに違うところもあるそうです。

それは共感性をつかさどるミラーニューロンシステムの働きや感情や感覚に使われ方が、HSPでは強く、自閉症で弱いことだそうです。

 

さまざまな神経ネットワークの結びつきHSPでは強く、自閉症で弱いことが予想されるそうです。(HSPと発達障害を合併しているような子もいるそう)

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ほとんど引用ばかりの文章で申し訳わけありません。

関心がある方はぜひ先に紹介した著書を手にとってみてくださいね。

 


問題を解くのが上手な子 問いを作るのが上手な子

2019-03-16 09:07:07 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

同じサイズの2匹の恐竜。

向かいあわせてライトを当てると2ひきの恐竜の影。

そこで、子どもたちに問題。

 

2匹の恐竜をひっつけないで、とっくみあいをさせるにはどうすればいいでしょう?

 

ライトを左右に動かしたり、ライトを当てる角度を変えたりしても、

恐竜の影はずっと離れたまま。とっくみあいが起こるはずがありません。

 

でも上の写真のように恐竜をずらしておくと、不思議なことが起こります。

ライトを斜めから当てると、離れていた恐竜がとっくみあいを始めるのです。

 

同じような方法で、人形たちにマラソンやおいかけっこをさせるのも面白いです。

 

恐竜のとっくみあいの問題は、子どもたちと影絵遊びをしていた時、

偶然、発見したものです。

 

教室に幼い頃から通ってくれているAちゃんという小学生の女の子がいます。

この子はとても利発な子で、日常に転がっている様々な問題についても、

テストや問題集で出される問題についても、問われていることを正確に把握して、

筋道を立ててていねいに考えていき、正しい答えに行きつきます。

 

Aちゃんには、3つ違いのBちゃんという妹がいます。

Bちゃんも、幼い頃から教室の生徒です。

Bちゃんも、お姉ちゃんと同じように利発な子ですが、

興味の対象や物の考え方、活動への取り組み方などはAちゃんとずいぶん異なります。

Bちゃんは問題を解くよりも実験をするのが好きで、

じっくり何か考えていると思ったら、「~はどうしてなの?」

「~はなぜなの?」と自分の中でよく練られた疑問を口にするのです。

 

教室で、今回の

「2ひきの恐竜にとっくみあいをさせるには どうすればいいでしょう?」といった

問題を思いつくのは、教室のBちゃんタイプの子たちです。

 

お姉ちゃんのAちゃんの「答え」にたどりつくのが得意なところは、

文句なしにすばらしいことです。

でも、妹のBちゃんの「問い」を生み出すのが上手なところも、とっても魅力的だ、

と感じています。

 

青と赤の恐竜の影。


月のいえ と算数の問題

2019-03-15 20:19:43 | 通常レッスン

小学2年生のAちゃんが『つきのいえ』を作りました。

『ハウス』という珍しい建築物を集めた図鑑絵本をみて作りたくなった家です。

コンパスで月の形を作って、固めの透明ファイルでガラスの壁を作っていました。

 

棚を作っています。

とてもすてきな出来栄えです。

 

Aちゃんはいつもは教室で1学年上の奨学社の『最れべ問題集』を解いています。

教室に来始めたころは、考えるのがちょっと苦手なタイプだったのですが、

1年ほど前からめきめき力をつけて算数がとても得意になりました。

今回はいっしょにレッスンをしているBちゃんといっしょに

規則性の難しい問題にチャレンジしました。

六角形のカードを置きながら考えるのは面白かったようで夢中になっていました。

 

 


数の規則を見つけるのは面白い

2019-03-14 20:01:28 | 算数が得意?苦手?の分かれ目

 小2のAくんのレッスンで。

Aくんは将棋や数独など、じっくり考えるゲームやパズルが大好きな男の子です。

 

1+2+3+4+5+6+7+8+9=

の計算をブロックを使って考える課題では、

90÷2だから45 とすんなり正解しました。

 

とはいえ、

2の段の黄色いブロック(2+4+6+8+10+12+14+16+18)が

いくつになるかは難しかった模様。

そこで、先ほどの赤いブロックをはずして

黄色と同じ高さになるよう埋めていくことにしました。

埋め終わってから、黄色いブロックの数をたずねると、

「90?あっ90か!」と納得していました。

 

⇧ Aくんの足だけが写っています……

 

階段状に増えている数がいくつなのかパッと見てわかるようになると、

一見難しそうに見える規則性の問題も、簡単に解けるようになるかもしれません。

 

上の写真のように

右から1番目に1つ、2番目に4つ、3番目に9つ、4番目に16こというように

ブロックを並べていきます。


①10番目の一番下の段にはブロックがいくつならぶでしょう?

②10番目のブロックはぜんぶで何こならぶでしょう?

 

こういう問題、ブロックを上の写真のように分けると、

階段がふたつできることに気づくと、一番下の段は、

4番目の時は、4+3で

5番目の時は 5+4で……ということに気づきます。

 

10段目だと一番下の段は10+9で19こですよね。

 

 

こういう規則性の問題も

階段になっているものをパズルのように2つ組み合わせて考えてみると、

急に簡単に見えてきます。

 

Aくんに、100番目のぜんぶのブロックの数をたずねると、

ちゃんと101×100の半分と100×99の半分を足した数だと

理解していました。

 

三角形を重ねた規則性の問題も、

「三角形の数をブロックで表現したらどうなるか?」と考えてみると

と同じですね。

 

Aくんと『Lunar Lockout』という頭脳パズルで遊びました。

このパズルは、詰め将棋とニュートリーコ というゲームに似ている

わたしが持っているパズルの中で一番面白いと感じているものです。

残念ながら今は手に入らないようです。

よく似たパズルでも8000円以上の値がついていました。

 

すっかりこのパズルにはまったAくん。

あんまり楽しそうだったので、お家に持って帰れるように

手作りすることにしました。

 

問題をコピーして、トレーディングカード用のビニール袋に1つ1つ入れています。

 

Aくんは「絶対に答えを言わないで。答えも渡さないで」と言って

一生懸命解いていました。

几帳面なAくんはダンボールで作ったボードの下に

きれいな小箱を貼り付けて、コマやカードをその中にしまって帰りました。


ケーキの箱で、ケーキ屋さん作り

2019-03-13 08:35:44 | 工作 ワークショップ

年中のAちゃんがケーキの箱でケーキ屋さんを作りました。

<お店の作り方>

箱の上部に切りこみを入れて折り、

側面の一枚をそのまま折って、テープを貼ります。

好みでドアをつけたり、看板の形を整えたりします。

 

 

子どもは粘土を何かに詰める作業が大好きです。

ケーキは小さなテープの芯や指サックなどに粘土を詰めて、

ビーズやスパンコールを飾って作りました。

 

工作の後で、ゲームが大好きなAちゃんとさまざまなゲームをしました。

Aちゃんは何かし始めると切り替えるのが苦手な子なので、

朝の準備をさせるのが本当に大変とお聞きしました。

Aちゃんとゲームをしていると、まだやり方やルールを把握していなくて

失敗が続いて面白くないだろうなという場面でも、「もうちょっと、もうちょっと」という

表情で、きちんと覚えて楽しくなるまでやり通すのです。

頭を使う時の根気の良さにいつも脱帽しています。それゆえ、何かやりだすと、

頭も心も熱中しすぎて、大事な用事があってもマイペースに行動することも多々あるようですが……。

そんな姿を見ていると、欠点と長所というのは表裏一体だなと感じます。