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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

『9歳の壁』でつまずくか つまずかないか を左右する抽象概念の理解力 4

2019-07-01 16:07:29 | 思考力

ユースホステルでの晩の勉強会で、

遊びや日常のどんな場面で、数学的な考え方に触れる機会があるか話しあいました。

子どもいっしょにとさまざまな考え方に親しむアイデアを共有しました。

 

その時期、その時期、子どもにヒットすることや、子どもがしつこいほど繰り返したが

ることは、その子の能力を最も成長させてくれるものであることがほとんどです。

 

先の記事で書いた「絶対、違うに決まっているでしょってことでも、

ちがうよ、こうだよ、と説明しても、少しすると、また同じことばかり言う」という

自閉症のAくんにしても、こちらが、特性によるこだわりだと一蹴せずに、

「抽象的な意味を伴う言葉の意味をわかった、そういうことか、と自分の中に落とし

こめるような体験を欲している」「言葉に対して敏感になっている」という

受け止め方をして、気になる言葉をさまざまな場面で目で確認し、体感できるように

してあげることは知力の大きな成長につながると考えているのです。

 

Aくんにとって、「大切」とか「重要」という抽象的な言葉は、耳で聞くだけでは

わかりにくいものです。

でも、Aくんが大切にしているものを、「大切だね。これは大切」と言いながら、

大切に扱うボディーランゲージをし、ゴミとして捨てるものを、「大切じゃない。

こんなの大切じゃない。」と言って、ぞんざいに扱う真似をするすると、

Aくんの中に、具体的な大切という言葉のイメージが蓄積されていくかもしれません。

重要などもそうです。

お母さんの話にあった鳥の羽根の話も、

「人が落としていったハンカチは拾いに戻るけれど、鳥が落としていった羽根は

拾いにもどらない。なぜなら、人間が大切じゃないなとポイッとゴミ箱に捨てたものと

同じで、鳥にとってもういらないものだから。

それに鳥は落としたことに気づいていないかもしれない」といったことをテーマにした、

ごっこ遊びや人形劇遊びをするとAくんが今敏感になっていることに寄りそうことに

なるのかもしれません。

 

発達の凹凸がない子たちは、Aくんのようにひとつのことにこだわって

同じ言葉ばかりを繰り返すようなことはありませんが、

その時期、その時期で、非常に敏感になっている思考のあり方があるし、

月齢ごとにより抽象化した概念に関心を寄せるようになっていることを

遊びや会話の中で感じます。

 

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本を出させていただきました♪


『9歳の壁』でつまずくか つまずかないか を左右する抽象概念の理解力 3

2019-07-01 15:42:07 | 思考力

前回までの記事にこんなコメントをいただきました。

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今回のユースホステルありがとうございました。

かわいい子ども達と出会い、とても楽しかったです。

毎日、仕事で子ども達と遊び、工作などをくり返す中で、

数学的思考が発達の凸凹のある子ども達にとって、社会を生き抜いていく中で、

重要な鍵になるのではないか‥‥と考えていました。

発達の凸凹のある子ども達は、あらゆる刺激の強さから、一対一対応でしか物事を

認識できないこと‥少しでも違いがあると別の物として認識してしまうことが

多くありますよね。様々な物が全く違った物として個別に存在しているので、

分類遊びは自然発生的には、なかなか出てきません。

例えばよくある事例では、

・Aちゃんを叩いてしまった時、注意を受けてとても反省していても、

Bちゃんは叩いてしまう。また注意を受けると「Bちゃんは叩いたらダメって言われて

ないもん!」と言う。

・「まっすぐ家に帰りましょう。」と言われると「そんなの帰れない!」と言い、

なぜか聞くと「曲がらないと帰れないから。」と言う。

こういった彼らの性質上の特性として片づけられてしまっている事も、

刺激の強さから抽象概念をとらえられず、遊びの中で充分に育まれにくい事から

起こるのではないか‥と感じていました。

物事を抽象的にとらえられる様になると、帰納的な考えや類似的な考え、

統合的な考えなどにつながりやすく、そういった考えは勉強だけでなく、

人間社会に多くある暗黙のルールをとらえられやすくなったり、変化に対する耐性や

柔軟さもでき、学校生活や社会生活の不安が少なくなるのでは‥と感じています。


発達の凸凹のある子ども達はくり返す事で(くり返すと思っていても、彼らには全く

違うことなんでしょうね。自転車が毎日、場所が1ミリも、角度が1°も違わず置いて

あることなんて、ないですもんね。違った状況を何度も照らし合わせて、

様々な角度から擦り合わせていく事で)意味として、獲得していくんでしょうね。

そこに、彼らの苦手とされる抽象的な表現や変化やユーモアなど取り入れると、

一対一対応ではなく大きな意味を持ったものとして、獲得していけるんだな‥‥と強く

感じました。

心と身体を解放して、全身で自分が何が好きか、何が心に響いているのか‥‥を

表現する子ども達。そんな子ども達に触れられて、とても幸せな2日間でした。

ご一緒させていただいたご家族のみなさん、ありがとうございました。

また、お会いできるの楽しみにしています。

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通常、ユースホステルのレッスンは、

幼児中心の日、小学生の女の子中心の日、小学生の男の子中心の日、

発達に凹凸のある子たちが中心の日などで分けて募集しているのですが、

今年は、十分な日程を確保できなかったため、発達に凹凸のある子、一般的な子、支

援の仕事をなさっている方のお子さんたちで年齢の高いお兄ちゃん、お姉ちゃん……と、

さまざまな年齢のさまざまなタイプの子らが参加することになった日を

設けることになりました。

こうした特別な日を作ると、

「発達の凹凸のある子のお母さんが相談したり気持ちを打ち明けたりしにくくなるの

ではないか?」「それぞれの子の学習時間がきちんと取れるのか?」

「まとまりのある体験ができるだろうか?学びを共有できるだろうか?」

「つまらなかった、参加しづらかったという子は出ないだろうか?」と気を揉むことも

多いのですが、心配のほとんどは杞憂に終わり……

結果良ければ…じゃありませんが、特別な日は特別な日にしかないかけがえのない時間を

参加した方々と共有することができました。

 

晩の親の学習会では、発達に凹凸のある子にも一般的な子にも

とても大切だと感じている日常生活や遊びや親子の会話の中で、

「抽象概念の理解力」と「さまざまな数学的な考え方」をどのように育んでいくかに

ついて話しあいました。

 

この記事の初めに、「難関突破経験と子育ての実態」の調査で、

子どもの自主性や思いや意欲を大切にして、遊びの主導権を子どもに与えることの

大切さが示唆されたという話題を紹介しました。

子ども自身が考える余地を与えるような援助的なサポートをする

共有型の関わりが大事であることや、遊びの量より質が重要であることも書きました。

 

でも、実際、子どもの遊びを見守る段になると、

「考える余地を与えるようなサポートってどんなこと?量より質っていったい何を

どうすればいいの?」と疑問でいっぱいになったかもしれません。

 

虹色教室では、子どもたちの遊びの質を高めるためのさまざまな試みをしているので、

何がどのように子どもの思考する姿勢に影響を与えるのかよく把握しているつもりです。

 

子どもと遊ぶ時に、あれやこれや知識を与えようとするのは

子どもを考えることから遠ざけてしまうこともあります。

遊びながら知識をインプットしようとするのではなく、

子どもの中に形成されつつある数学的な考え方の芽を育んでいくことが、

考える力の土台を作っていく上で大切だな、と感じています。

また、日々の暮らしの中で抽象的な言葉の理解を深めていくことも重要だと思います。

 

数学的な考え方には、

『数学的な考え方を育てる課題&発問集/鈴木正則著(明治図書)』を参考にすると、

 

帰納的な考え方  類推的な考え方  演繹的な考え方

統合的な考え方  発展的な考え方

記号化の考え方  数量化、図形化の考え方

集合の考え方   単位の考え方

抽象化の考え方  単純化の考え方  一般化の考え方

特殊化の考え方  表現の考え  操作の考え

アルゴリズムの考え  概括的把握の考え 基本的性質の考え

関数の考え    式についての考え

 

などがあります。

言葉だけみると、大きくなってから数学の世界で学ぶように感じられる考え方も、

まだ2、3歳という幼い時期から、ざっくりと考えに触れたり、使ってみたり、

扱う中で洗練させたりしているものがたくさんあります。

幼い子向けの絵本や児童文学の世界でも、こうした考え方は多用されているものです。

 

たとえば、

数学的な考え方のひとつの帰納的な考え方というのは、

いくつかの場合を調べて、それらに共通するルールや性質を見いだし、

それを元に推測し、推測したことが正しいか新しいデーターで確かめていくことです。

 

帰納的という言葉こそ難しそうですが、

子どもたちが親と楽しそうにおしゃべりする様子を聞いていると、年少の子らでも、

「あれとあれとあれは、こういうところが似ているね。ということは、

あっちは、こうなるのかな?」と、共通に見られるルールに着目したり、

それをもとに予測したりすることを心から楽しんでいる子はけっこういるのです。

そういう子は、文字や計算のプリントを早い時期からするようなことはありませんが、

1を聞いて10を知るような利発さがあって、考えることを心から楽しんでいるのです。

 

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本を出させていただきました♪


『9歳の壁』でつまずくか つまずかないか を左右する抽象概念の理解力 2

2019-07-01 08:15:39 | 思考力

Aくんが半分という言葉に関心を抱いていた姿を見て、

朝食後のレッスンで「抽象的な言葉にはどんなものがあるでしょう?

具体的な言葉にはどんなものがあるでしょう?」というクイズを子どもたちに出しました。

 

聞き慣れない言葉に、最初はキョトンとしていた子どもたちも、

「具体的な言葉は、目で見て形がわかる言葉よ」と言ってから、

近くにあったホッチキスを指して、

「ホッチキスは具体的な言葉よね。この黄緑のホッチキスは、目で見て、

これって形がわかるわよねそれから、消しゴムも○くんの靴下も目で見て確かめられる

具体的な言葉よね。

抽象的な言葉は、あいまいでこれって指さして確かめられないような実態のない言葉よ。

勇気、重要、理想、正義……どれも、これだよって指さして見ることができないね」

と説明すると、小1のBくん、Cくんがわくわくした表情で、

部屋中の物を指しながら具体的な言葉を挙げてから、

「色は抽象的な言葉?」「理解は抽象的な言葉?」と質問しはじめました。

神妙な顔で考え込んでいた小3のDくんも、

「自然は抽象的な言葉?夢は抽象的な言葉?」とたずねては、

「そうよ。よく気づいたね」と言うと、心底うれしそうな笑顔浮かべていました。

 

そこで、子どもたちの前に1つのコップをかかげて、

「このコップは、ただの紙コップだけど、よく見るといろんな言葉が隠れているよ。

外側、内側、底、オレンジ色……」と言うと、

子どもたちから、「丸」「形」「白色」「薄い」といった声が上がりました。

わたしが、「円周、縁」と言うと、Dくんが、「安物!」と言いました。

「それは名称や色や形やサイズとは違う、意味を伴う新しい表現の仕方だね。

それじゃ、リサイクル可能、影」と言うと、子どもたちはこんな楽しいことはないと

いう様子で、思いつく限りに言葉を挙げていました。

 

言葉というのは、本当に面白いのです。

4歳のEくんが、「ぼく、タコが作れるよ」と作った作品は、

さっきまで眺めていた紙コップを材料としているけれど、

わたしたちからそれまでとは別の言葉を引き出してくれます。

「これは何でしょう?」

「タコ」

「どうしてタコだとわかるのかな?どうしてタコに見えるのかな?」

「下の部分、いくつも切っているでしょ?足に見えるから、タコってわかる」と

Cくん。

「Eくんがタコだって言ったから、タコってわかるよね。作者が言うんだから」

とわたし。

「全部見たら、ほら、頭の部分から足みたいなところまで形を見たら、

タコに似ているでしょ。だからタコってわかる」とBくん。

 

その場では黙っていた小5のFちゃんが、お母さんの耳に何かささやいていました。

後から聞いたところ、「欲望も抽象的な言葉」と言ったのだとか。

欲望というちょっと刺激的な言葉に、Fちゃんの周りで笑いが起きました。

それを小耳にはさんだDくんは、

「希望も願望も抽象的な言葉だ」とつぶやいていました。

実はEくん、お母さんからうかがった話では、算数は得意だけれど、

国語は苦手とのことでした。

Eくんが、抽象的な言葉についてずっと思いを巡らせているのを見て、

「Eくん。国語のいいセンスしているね。国語もきっと得意になるよ」と言うと、

Eくんは、うれしそうに照れ笑いを浮かべていました。

 

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本を出させていただきました♪


『9歳の壁』でつまずくか つまずかないか を左右する抽象概念の理解 1

2019-07-01 08:14:31 | 思考力

20代の子を持つ親(1040名)を対象に実施された

「難関突破経験と子育ての実態」に関する調査によると、

いわゆる難関突破した経験のある子の親とそうでない親の間に

子育てスタイルに大きな違いがあることがわかったそうです。

その違いとは、難関突破した経験のある子の親は、そうでない親に比べ、

遊びを重視する傾向があることです。

 

就学前の遊ばせ方の特徴として、

 子どもの自主性、思いや意欲を大切にして遊びの主導権を子どもに与えています。

また、親もいっしょに遊んだり絵本の読み聞かせなどで、

ていねいに関わっていたお家が多いようです。

 

こうした調査をしているプロジェクトのメンバーである

お茶の水大学名誉教授・内田伸子先生は、

<今回の調査から、大学受験や資格試験などの難関を突破する力や夢を実現する力と、

就学前の遊ばせ方には相関関係があることが示唆されました。

子どもは、五感を使うことで脳が発達するため、

ちゃんと遊んでいないような子どもは“9歳の壁”に突き当たりやすいのです。>

とおっしゃっています。

 

9歳の壁とは、学習内容が具体的なものから抽象的なものへと変わる9歳の時期に、

勉強がわからなくなる子が増えることから呼ばれる言葉です。

調査結果を長年にわたり研究している内田先生によると、

難関突破経験者の親の3人に2人が、子ども自身が考える余地を与えるような

援助的なサポートをする共有型。

逆に難関突破未経験者の半分以上が、大人目線で介入し子どもに指示を与えてしまう

強制型の子育てスタイルなのだそうです。

このことから、「遊びは量よりも質が大事で、特に親との関わり方は大切」

とのことです。

 

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話が少し飛ぶのですが、普段のブログで遊びの大切さはさんざん書いているので、

今回は、抽象概念の理解力についての話を……。

 

 

 ユースホステルでのレッスンでこんなことがありました。

朝食時に5歳の自閉症のAくんが、「なおみ先生、なおみ先生」と繰り返しながら、

わたしのそばにやってきました。もう食事はすませた様子。

 

わたしがお尻をずらして席を半分あけて、

「Aくん、ここに座る?椅子の半分をあけたよ。ここに座る?」とたずねると、

わたしの隣に座っていた他の子のお母さんも反対方向に身体をずらして、

「Aくん、こっちにも半分、席があるよ。半分座る?」と、

茶目っ気たっぷりにたずねました。

 

わたしが、Aくんの目の前に半分ずつできた椅子の隙間を順に指さして、

「半分と半分、あっ、ひとつになっちゃった!」と告げると、

Aくんの表情が好奇心と喜びでパッと輝きました。

そこで、Aくんをその半分席に座らせて、朝食のソーセージを半分に切り分けて、

それぞれをフォークにさしてみせました。

「半分と半分……あっ、ひとつになっちゃった!」と言いながら、

切り分けたソーセージを元の一本に戻すと、Aくんはゲラゲラ笑いながら、

「半分、半分」と繰り返しました。

Aくんの心に、「半分」という言葉と概念が強く響いているようだったので、

皿にあったハッシュポテトでも「半分と半分、あっ、ひとつになっちゃった!」を再現。

それから、塩の小瓶を手にして、「半分だねぇ」と告げました。

 

白い塩の粒が瓶の半分ほどを占めているのを目にしたAくんは、

そこにできた空白部分と白い部分と半分という言葉のつながりに気づいたのか、

深く感動したようでした。

塩の小瓶を持って、「半分、半分」と言いながら、

他の子や親に見せてまわっていました。

 

 Aくんについて前日の勉強会で、Aくんのお母さんからこんな話を伺っていました。

 

「とにかく同じことを何度も何度も言い続けます。

絶対、違うに決まっているでしょってことでも、ちがうよ、こうだよ、と説明しても、

少しすると、また同じことばかり言うので、返事をするのもうんざりしてしまいます。

他所の家の前に自転車が置いてあると、Aが「忘れているの?」と聞くので、

「忘れているんじゃなくて、置いているんだよ。あそこのお家の人の自転車だよ」と

説明するのに、

それからもその家の前を通る度に、毎回、「自転車、忘れているの?」と聞くんです。

それとか、道に鳥の羽根が落ちているのを見て、

「鳥が落としていったのね」と言うと、「取りに来る?」とたずねるので、

「鳥は落としていった羽根を、人間の落し物みたいに取りに戻ったりしないよ」

と説明しても、何度も何度も「取りに来る?」と聞くので、もう、どう答えたら

いいのかわからなくてイライラして、きつい言い方で返してしまうんです」とのこと。

 

「あきらかに間違っていることを何度も何度もたずねられる場合、

どう答えたらいいんでしょう?」という質問もいただきました。

 

「わたしは毎回毎回、初めて聞いたみたいに対応しています。

自閉の子の望む答えは決まっていることが多いですよね。

自分の言う通りに答えてもらいたがったら、相手の要望にそのまんまに答えつつ、

毎回、少しだけ返事のバリエーションに変化を加えて、

こちらの伝えたいことを目でわかる形で示すようにしています。

すると、うんざりするくらい同じことばかり聞いていたかと思うと、

ずいぶん経ってからですが、あれっと驚くほど、

コミュニュケーション能力や語彙の理解力のステージが一段上がったのを

感じる瞬間が来るんですよ」と返事をしたところ、

いっしょに勉強会に参加していた支援級の補助のお仕事をしておられる方が、

相槌を打ちながら、こんなことをおっしゃいました。

「その通りですよ。わたしも、何度も何度も同じことを聞いてくるのに

本人の望むように答えながら、少しだけ新しいことを加えて返事を工夫するように

しているんですが、半年、同じことを言い続ける時期もありますが、

そうやって対応していると、ある時、劇的な変化の瞬間を迎えるんですよ。

本当に!」

 

その晩は、他の年齢の自閉っ子のお母さんとも、

ただのこだわりだと一蹴したくなる質問にも、毎回ていねいに答えることと、

そうした同じ質問だからこそ、こちらも知恵を絞って、

プラスαに創意工夫を加えてみることの大切さについて、話が盛り上がりました。

(詳しくは別の機会に書きますが、この回のユースには、次に食べたいものと

その値段の話題ばかり繰り返す自閉っ子の小2の男の子が参加していたのですが、

いつもいつも繰り返す食べ物と値段の話題にその子の望む返事をしつつ、

消費税の計算や場合の数の考え方など算数の世界の新しい話題を少し加えて応えて

いると、その都度、新しい算数の問題に思いをめぐらすことに夢中になっていました)

 

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本を出させていただきました♪