「トランプ起訴」の是非は、民主党支持層と共和党支持層で激しい意見対立を生んだ。さらに対立を深めかねない人工妊娠中絶をめぐる問題がアメリカで浮上している。 パリス・ヒルトン、まさかのコスプレが最高すぎて…! すでに「10年以内に米国で内戦が発生するだろう」とする意見が4割にも上っているが、本当に内戦状態に突入するのか。 前編『「トランプ逮捕」と「妊娠中絶」がとどめを刺して…アメリカの「二度目の内戦」が避けられないといえるヤバすぎる理由』では、アメリカが直面する深刻な事態について紹介した。 本稿では、いまのアメリカの内戦の危機を冷静に分析したアメリカ政治学者の予言を、紹介していこう。
「格下げ」される白人の怒り
アメリカですでに生じている「アノクラシー」Photo/gettyimages
日本でも「米国で内戦が起きるのでは」との懸念が高まる中、このほど『アメリカは内戦に向かうのか(日本語版)』(東洋経済新報社・2023年3月)という物騒なタイトルの書籍が出版された。アメリカではすでにベストセラーになっている。 アメリカを代表する政治学者による憂国の書だ。 著者のバーバラ・ウオルター・カリフォルニア大学教授(政治学)は、世界の内戦に共通する要因を見つけ出し、米国が内戦の危機の瀬戸際にあることを論じている。 ウオルター氏が見つけ出した最初の要因は“アノクラシー”という政治形態だ。アノクラシーとは「部分的民主主義」と訳されるが、民主政が専制政に移行する過程などを指す。 ウオルター氏によれば、2021年1月に発生した連邦議会襲撃事件により米国はアノクラシーの状態に陥ったという。 アノクラシーとともに内戦を引き起こす共通の要因は「格下げ」だ。 格下げとは、社会の支配的階層にあった人々(土着の民)がその地位を失い、二級市民に転落していく現象のことだ。 米国では今でも白人がマジョリテイーだが、2012年に新生児に占める非白人の比率が5割を超え、全人口ベースでも2045年に非白人の比率が過半数になると予測されている。