今日は京都府宮津市成相寺にある成相寺(なりあいじ)を紹介します。
成相山の中腹にあり、西国三十三所第28番札所として有名な成相寺です。願い事が必ずかなう(成り相う)お寺としても知られています。
慶雲元年(704)に真応上人が創建したと伝えられています。身代り観音とよばれる聖観世音菩薩がご本尊で美人観音としても有名です。
「今昔物語」「群書類従」「梅沢古本説話集」「覚如上人旅日記」などに登場する古刹です。貞和4年(1348)立ち寄った覚如上人の旅日記によると諸堂宇も完備し、荘厳きわめたと記されています。
餓死寸前の僧が食べ物をお恵みくださいと本尊に祈ると堂の外に猪が倒れていたそうです。その腿の肉をそいで飢えをしのいだそうです。後日堂内を見ると本尊の左右の腿が切り取られていたそうです。観音様が身代わりとなって助けてくれたのです。これよりこの寺を成相と名付けたそうです。
撞かずの鐘です。鐘が鳴らずに三回も作り直しをして寄進を求めました。鋳造中に、長者の子供が誤って坩堝に転落して亡くなってしまいました。この母親は寄進を断るために子供を差し出すと言っていたのです。完成した鐘を撞くと子供の泣き声が聞こえ、それ以来、その鐘は撞かずの鐘になったというのです。
雪舟筆「天橋立図」にも描かれた五重の塔は平成12年(2000)に完成し平成五重塔と呼ばれ趣を添えています。
本堂は正面に千鳥破風を持つ入母屋造りで、天文17年(1548)に落雷のため焼失し、その後に再建されました。本堂内陣には左甚五郎作の「真向きの龍」といわれる龍の彫刻があります。境内には「底無しの池」などもあります。
下記のサイトにもお立ち寄りください!
http://ogino.okoshi-yasu.com/