フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月19日(土) 晴れ

2006-08-20 00:15:18 | Weblog
  午後、遅い昼食(ざるうどん)を食べながら、甲子園大会準決勝第二試合、早稲田実業対鹿児島工業の試合を観ていたら、妻が「あっ、いまアナウンサーが『鹿児島実業』って言った」と言った。私は気づかなかったが、そう言ったかもしれない。最近のことはよく知らないが、私などの世代では、高校野球で「鹿児島…」と言えば、元巨人の定岡投手の出身校「鹿児島実業」である。おまけに対戦相手が「早稲田実業」だからな…。そんなことを考えていると、妻が「あっ、また『鹿児島実業』って言った」と言った。私が「そうだったかな」と言うと、「うん、絶対に言った」と言う。こういうとき、妻は絶対に譲歩しない。「いま、NHKには抗議の電話が殺到しているわ」と何やら嬉しそうである。注意して聞いていたら、三度目は「鹿児島工業」と言った。「やっとディレクターからの注意が届いたのね。誰かがアナウンサーの背中を指でツンツン突いて、メモを渡したに違いないわ」と妻が解説してくれた。なるほど、情景が目に見えるようである。「ほら、今度は、『鹿児島工業』『鹿児島工業』ってやたらに言うようになったでしょ。これまでの間違った分をこれで帳消しにしようとしているのよ」。妻にはすべてがお見通しである。絶対に浮気は出来ないなと、唐突に私は思った。もし何かの拍子に間違って妻を浮気相手の名前で呼んだりしたら、妻は鋭くそれを指摘し、執拗に追求し、私はたちまち全面自供に追い込まれてしまうに違いないと。
  夕方、自転車に乗って、池上にある島忠家具センターまでコピー用紙(プリントアウト用)を買いに行く。A4判一束(500枚)261円を三束購入。帰り道、コンビニに立ち寄ってガリガリ君(マンゴー)を買い求め、店頭で頬張る。先日のフィールドノートにガリガリ君(マンゴー)はレアものと書いたが、あれは間違い。8月14日に季節の新商品として発売されたので、いまどこのコンビニでも売っている。でも、これは信じてほしいのだが、14日に私がガリガリ君(マンゴー)をジムの帰りにコンビニで買い求め、夜、そのことをフィールドノートに書き込んだときには、赤城乳業のホームページに新商品ガリガリ君(マンゴー)の件はまだアップされていなかったのだ。たぶん担当者がアップし忘れていたに違いない。たまたま私のフィールドノートを読んでそれに気づいた関係者が、担当者の背中を指でツンツン突いて、大あわてでアップさせ、事なきを得たのだ。そうに違いない。自分の立てた仮説に深く満足した私は、その後、もう一軒、別のコンビニに立ち寄り、ガリガリ君の定番であるガリガリ君(ソーダ)を買い求め、店頭で頬張った。「お久しぶりね」とガリガリ君(ソーダ)は女のような口調で言った。「マンゴーのことはただの浮気だ」と私は努めてそっけなく答える。

          
                 自転車に乗って西へ走る