フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月29日(火) 晴れ

2006-08-30 01:51:23 | Weblog
  青空が戻ってきた。歯科での治療を済ませてから、「日本の古本屋」で購入した本の代金を振り込みに、駅とは反対方向にある住宅街の中の郵便局(ここはいつも空いている)まで自転車を走らせる。

          
                  ひさしぶりの青空

  夕方、母の散歩につきあって、やはり駅とは反対方向にある観音通り商店街を歩く。なかなかの賑わいである。駅からある程度離れていた方が商店街の自律性が高まるのであろう。私の散歩はたいてい本屋をめざして歩くので、必然的に駅の方向に行くことになるのだが、純粋に散歩を楽しむのであれば、こういう商店街を歩く方がよい。

          
                  ひさしぶりの夕焼け

  午後11時過ぎ、書斎で清水幾太郎『社会学入門』(1959年)を読んでいたら、ケータイが鳴った。メールではなく電話である。こんな時刻に誰だろうと表示を見ると、この3月に大学を卒業して外資系の証券会社に就職したAさんからである。出ると、何やらかしこまった声で、お願いしたいことがあるのですがと言う。時刻から考えて、結婚式のスピーチとか、留学の推薦状とか、大学院の受験とかではなさそうである。何だい? と努めてフランクな調子で尋ねたところ、メディアの利用状況に関する統計資料を探していて、それはどこを探したらよいかという質問であった(子ども電話相談室か!)。上司から今日それを揃えておくように指示されて、明日の9時までに提出しないとならないのだが、どうやって探したらいいのかわからなくて困っているというのである。職場からかけているのである。明日までということは、本屋とか図書館とかではなく、インターネットからダウンロードできる資料でないとならないわけだ。となれば総務省の情報通信統計データベースである。ということで、この件は一件落着したのだが、それにしても、いつもこんな調子で仕事をしているのと尋ねたら、そうなんですと言う。今日もあと2時間くらい仕事をしてから帰るそうだ。しかも明日は朝イチだ(大変だなあ…)。めげてるのかい? と単刀直入に尋ねてみたら、いえ、まだ大丈夫です、という返事が返ってきた(「まだ」大丈夫か…)。時間ができたら研究室の方に顔を出しますと言ったので、こんな調子ではとてもそんな時間はないだろうとまぜっかえしたら、Aさんはちょっと笑って、いえ、大丈夫ですと言った。電話を切ってから、『社会学入門』の続きを読む。心持ち気合を入れて読む。

          
            学生時代に読んだ最初の社会学の本