フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月26日(木) 曇り、一時雨

2013-12-27 10:18:32 | Weblog

    9時、起床

    昨夜は食べ過ぎたので、朝は紅茶のみ。 

    昼から大学へ。年内は最後の登校(たぶん)。

    昼食は「たかはし」の肉豆腐定食。年間を通してあるメニューだが、冬場がとくに美味しい。甘味があって温かい。

    「よいお年を」の挨拶をして店を出る。

    大学院の研究指導。修士論文の提出は冬休み明け早々の8日、9日なので、今日が(提出前の)最後の指導となる。執筆中の論文を抱えての越年は気分が重いだろうが、寝不足と風邪には気をつけて。


行く年来る年

    夕方、卒業生のTさんが、お願いしていた書を持って来てくれる。「単純な生活」。 裏打ちをして、掛け軸の体裁にしてくれた。ドアのところに掛けてみる。書体は篆書(てんしょ)。印鑑(篆刻)などでおなじみの古代の書体である。私は「単純な生活」と書いてほしいとお願いしただけで、書体についてはお任せしたが、Tさんはすぐに篆書体で書くことをイメージしたそうだ。原初的な力強さを感じる作品だ。そうしたオーラは、たんに書体のためだけではなく、先月上旬からフリーランスになったTさん自身が志向している生活でもあるからだろう。

    単純な生活とは、夾雑物をできるだけ排除し、自分にとって大切なもの、本質的なもののみで構成される純度の高い生活のことである。それは単調な生活とは似て非なるものであり、いわんや退屈な生活とは無縁のものである。

        研究室でしばらくおしゃべりをしてから、「五郎八」へ食事に行く。

 

 

     店の方に「よいお年を」の挨拶をして、食後のコーヒーは「カフェ・ゴトー」で。

     店に入るなり、「大久保先生じゃありませんか!」と大きな声を掛けられる。同僚のK先生である。すっかりできあがっていらっしゃる。「カフェゴト―」に来たつもりが、「居酒屋ゴトー」に来てしまったようである。「早稲田の先生ですか?」とKさんが小声で私に尋ねるので、「そうです」と答える。冗談と駄洒落のオンパレードをしばし楽しんでいただく。K先生が店を出て行かれて、いつもの静寂が「カフェ・ゴトー」に戻った。     

        マスターに「よいお年を」のご挨拶。年内は30日(月)まで営業されているそうだ。


12月25日(水) 晴れ

2013-12-26 11:31:25 | Weblog

    9時、起床。

    マフィン(+ハム)と紅茶の朝食。食後にリンゴを一個。

    昨日、京都のUさんから届いた大量のホタテを捌く(妻が)。Uさんにお礼のメールを出しがてら、ホタテのお勧めの料理を尋ねたら、刺身、フライ、バター焼きと定番の回答だったが、フライの応用的食べ方としてホタテフライカレーを勧められた。それはやったことがありません。「お節もいいけどカレーもね」+ホタテフライ、娘が好きそうだ。試してみますね。

    昼食はアンまんと肉まん。

    年末の大掃除に着手。まずは一階(母の居住スペース)の窓ガラスの掃除。和室が2つ、洋室が1つ。去年までは息子の担当だったが、今年は(今年から)息子がいないので、私の担当となった。窓ガラス(+網戸)がきれいになるのは、皿洗い同様、気持ちのよいものではあるが、皿洗いよりもものが大きいだけにけっこうな労力である。室内だけで作業はできないから、寒くもある。おまけに昨日の久しぶりの筋トレの後遺症で力を入れてガラスを拭くとう腕や肩や胸の筋肉がキシキシと痛む。大掃除初日はここまでね。

    夜、妻と「phono kafe」に食事に行く。限定3組のクリスマスディナーである。今夜はフロアー係として大原さんの旦那さんが動員されていた。    

    天然酵母の自家製パン(胡桃入りとナッツ入りの2種)。私はパンが好きなので、最初の料理が運ばれてくる前に食べ始める(オリーブオイルと塩で)。いつもよりも美味しく感じくのは焼き立てだからである。

     ひえのテリーヌ、春菊と胡桃のサラダ添え。春菊はサラダ用のもの。

     南瓜のスープ。

     蓮根のフリット(左上) オートミールと野菜のミートローフ風(左下) 柿と紅芯大根のマリネ(右下)

     きのこのリゾット。

     クリスマスケーキ、フルーツとクッキー添え。白はお豆腐、黒はチョコレート。最初の白を食べて、途中で黒と交換。飲み物は紅茶をチョイス。写真で見るよりもボリュームがあり、食べ切れなかった(パンを食べすぎました)。残ったケーキ(半分)は持ち帰る。

     普段のメニューにないものをたくさん食べられて楽しかった。とくにキノコのリゾットはぜにまた食べたい(来年まで待たずに)。

    他の二組はアルコールを飲みながらなので、私たちよりペースが遅い。「ごちそうさまでした」と大原さんに挨拶をして、店を出て、9時前に帰宅。


12月24日(火) 晴れ

2013-12-25 12:56:49 | Weblog

    7時半、起床。

    昨夜の残りのピラフの朝食。

    母の分のクリスマスケーキ(一階の仏壇の中で一晩を送った)をもらって食べる。たいていいつもこうなる。朝からケーキ。酒飲みにおける朝酒みたいなものだろうか。

    午後2時を回った頃、ジムに行く用意をして家を出る。

     「ムッシュのんのん」で昼食。看板メニューのナポリタン(+食後にコーヒー)を注文。

     日誌を書く。一日一頁タイプの日誌だが、(日誌をつけなかった)空白のページが何頁かあるので、その頁を使って、「2013年を振り返る」シリーズ、と自分で呼んでいる書き込みをする。(1)(2)(3)・・・といくつかのトピックスについて1トピック1頁で書いていく。

     切のいいところで、「よいお年を」とマスターに挨拶して、店を出る。

    「シャノアール」に入って、「2013年を振り返る」シリーズの続きを書く。

    アイスカフェオレ+バタートースト一切れ。「シャノアール」は秋からメニューが変わったが、変わったことのひとつがトーストが一切れ単位(50円)で注文できるようになったことである(別途飲み物を注文のこと)。 


「ラオックス」が撤退して「マツモトキヨシ」が入った。

     久しぶりに(12月2日以来)ジムへ行く。年末だけに人が少ない。筋トレ2セットと有酸素運動40分(10キロ相当を走り、560キロカロリーを消費)。久しぶりだから疲れるかと思ったが、案外、疲れなかった。

     夕食はテイクアウトの寿司。パックから取り出して皿に並べれば、それなりになる。 

      夜、印刷を終えた年賀状に一枚一枚簡単な添え書きをする。書き終えて、3時。夜道を近所のポストに出し行く。オリオン座もだいぶ西の空に傾いている。シリウスが、さすがにシリウスという感じで、煌めいている。そのシリウスよりも明るく、高い場所に輝いているのは木星である。

      いつもより一日遅れて、今日更新されたNさんのブログは思いつめた文章で綴られている。子育てをめぐる悩みは、ありふれた悩みといってしまえばそれまでだが、人生の問題のかなりの部分は親子の問題(自分が親の場合+自分が子の場合)ではないかと私は思う。夫婦の問題がこれに加わり、それと連動して義理の親子の問題が加われば、人生の問題の7、8割を占めることになるだろう。卑近な問題は必ずしも解決しやすい問題ではない。指先の切り傷が治りにくのは指先を始終使っているからである。現在の家族の問題というのは、これまでの人生において経験してきた家族の問題の集積の上にある。また家族の問題というのは、家庭の外側の領域(自分や配偶者や子供の学校・職場・友人関係など)の問題と連動している。家族の問題という一見小さな問題の背後には、そうした時間的かつ空間的広がりがある。こうした問題の広がりを意識するとき、気軽にアドバイスというのはしにくい。

      でも、するけど(笑)。ブログに書くか、メールに書くかは、ちょっと考えてから。

      ブログといえば、たまに更新される坂井先生のブログはいつも共感しながら読ませていただいているのだが、最新記事である「K氏を悼む」には心打たれた。


12月23日(月) 晴れ

2013-12-24 12:36:49 | Weblog

     9時、起床。

     鱈子の佃煮でお茶漬けの朝食。

    お昼前に家を出て、ゼミ生のSさんが出演するジャズ・リサイタルを聴きに、新宿へ。新宿は大学からは近いのだが、通勤のルートが違うため、めったに来ることがない。人が多いが、年末だからということはなく、いつもこんな感じなのだろう。

    会場は「SOMEDAY」というジャズクラブ。新宿一丁目にあり、師走の新宿の街をしばらく歩く。

    Sさんのバンド「おまめカルテット」の出番は12:40-13:20。20分ほど前に到着し、前のバンドの演奏を聴く。ピアノの演奏がなかなか見事だ。今回のリサイタルはSwing&Jazz Club という大学のサークル主催のもので、3年生たちの引退リサイタルである。ドリンク券でコーラを、追加でソーセージのピザを注文。

    いよいよ「おまめカルテット」登場。Sさんはアルトサックス。いつも教室でみている彼女とはずいぶん雰囲気が違う。いささか緊張しているようだ。

    最初の曲「Jig-A-Jug」の演奏が始まった。びっくりした。サックスの音色がとてものびやかで安定している。「おまめカルテット」の「おまめ」とはサークルの中でのSさんの愛称で、それは彼女がとても小柄だからだが、サックスから流れ出る音色はそれをまったく感じさせない。

    1曲目が終わって、Sさんのトーク。「斜め前のテーブルに私のゼミの先生がいらしていて、プレッシャーです(笑)」。あっ、トークのネタに使われた。客たちの視線を感じたので、軽く会釈をする。まあ、これで彼女の緊張がほぐれるならばよしとしよう。「先生の講義はとても面白いです。ライフストーリーの社会学とか。ぜひ聴講してみてください」。アホか、論系のオリエンテーションか。場違いな話をしているんじゃない。

    2曲目は「Smoke Gets In Your Eyes」(煙が目しみる)、3曲目は「Satch&Diz」。

    そしてラストの曲は「Danny Boy」(ダニー・ボーイ)。演奏前の曲の紹介のとき、「この曲は元々はアイルランドの民謡で、ええと、何という名前だったかな・・・」。忘れちゃったみたいである。「ロンドンデリーの歌」だよ。「おまめカルテット」はスローなしっとりと聴かせる曲が得意のようである。

    40分の持ち時間はあっという間に終わった。素敵な演奏だった。これで引退はもったいないなと思っていたら、「楽しく演奏できました。これからも(ジャズを)やっていきたいという気持ちになりました」とSさんは言った。拍手が起こった。

 

      「おまめカルテット」の演奏が終わって、そばのテーブルの女性客に挨拶をされた。「娘がお世話になっております」。Sさんのお母様だった。「ガラケー先生のお話は娘からよく聞いております」。「ガラケー先生」ね(笑)。ゼミでガラケー(旧タイプのケータイ)を使っているのは、この夏まで、私とSさん2人だけで、ガラパゴス同盟を結んでいたのだが、秋学期になって、彼女は私の知らないうちにスマホに買い替え、ライン同盟に寝返ったのである(笑)。誰も時代の流れには逆らえない。でも、私はもうしばらく、少なくともいまのケータイが使えるうちは、「ガラケー先生」でやっていきます。

      会場にはゼミ長のN君やもう一人のN君も来ていた。演奏の終わったSさんと記念撮影。楽しいひとときをありがとう。

      昔蒲田の花屋「サッチモ」のご主人で、ジャズ好きが昂じて、早稲田でジャズ喫茶を始めた「ナッティ」のマスターのAさん、元プロのジャズ奏者でいまはご近所のカフェ「あるす」のマスターのYさん、中学の同級生でジャズマニアのW君、私の周りには「ジャズ」つながりの人が何人かいる。Sさんに「ナッティ」を知っているかと聞いたら、もちろん知っています(行ったこともあります)とのことだった。「ジャズ」は世界をつなぐ。      

    「SOMEDAY」を出て、新宿駅へ。靖国通りをサンタの一団が、トナカイならぬバイクに乗って走っていた。メリークリスマス。

    途中で、脇道を抜けて、紀伊国屋に寄って行く。以下の本と文具(フリクションペン)を購入。

      桜木紫乃『蛇行する月』(双葉社) *著者サイン本

      宇野重規『民主主義の作り方』(筑摩選書)   

    蒲田に戻り、「テラス・ドルチェ」で一服。

     『en-taxi』40号を読む。面白い読み物がいっぱい。

     重松清が山田太一にインタビューしてまとめた「この人についての一万六千字(連載第7回) 山田太一「深くあきらめた人の、なおあきらめない思い」」は小説家らしい視点で描かれた山田太一論。山田の家族的経験については初めて知った。

     坪内祐三が石原新太郎にインタビューしてまとめた「石原慎太郎 東京五輪決定について思うこと」。今回の東京五輪開催決定のことだけでなくて、それと関連させながら、昭和の文壇についても話は及ぶ。石原をして「あなた、いろんなことを知っていて面白いね」と言わしめた坪内はさすがである。インタビューというのはインタビュアーの力量に左右される。「こいつは話すに足る相手」と相手に思ってもらえたらしめたものである。

     特集「『風立ちぬ』の時代と戦争」も、たぶん面白いのだろうが、私はまだあのアニメ作品を見ていないので、読むのは控えた。

    6時過ぎに帰宅。風呂を浴び、夕食。明日は妻が仕事で帰りが遅いので、一日早いクリスマス・イブ的メニューだ。


12月22日(日) 晴れ

2013-12-23 11:09:01 | Weblog

    7時半、起床。

    昨夜の鶏鍋の残りで朝食。

     墓参りに行く。年末の墓参りは、女たちも子どもたちも忙しいので、たいてい私一人だ。

     昼食はお寺の近くの蕎麦屋「川しま」で。一人での墓参りの後はたいていここで蕎麦を食べる(家族や妹夫婦が一緒のときは上野広小路の「人形町今半」ですき焼き弁当を食べることが多い)。

     鴨つくね蕎麦を注文。炙ったつくねが香ばしい。

     入谷ー(日比谷線)→茅場町―(東西線)→神楽坂。今日は冬至で、戸山キャンパスの向かいの穴八幡神社で一陽来復のお札を自宅の分と妹夫婦の家の分をもらってくるというミッションがある。いますぐ行っても大変な混雑(行列)なので、神楽坂で途中下車して、馴染みの店に「よいお年を」の挨拶をしがてら、夕方まで時間をつぶすことにする。     

   まず、「花」へ行く。御汁粉(田舎)を注文。「御汁粉」を注文したら、「男の方はみんな田舎よね」と女将さんに言われて、「はい」と答える。本当は御前汁粉のつもりだったのだが、そう言われると、「はい」と答えざるをえない。上品な甘さで、お餅も美味しい。 

    続いて「SKIPA」へ。アイスチャイを注文。日曜日に来ることはめったにないが、さすがに日曜日はお客さんがけっこう入っている。

    「梅花亭」で花びら餅とみたらし団子を購入(夕食のあとで食べる)。 

     4時頃、穴八幡神社に到着。まだまだ大変な混雑だが、実は、お守りの頒布所は二か所あって、こちらは正面の階段をあがったところにある頒布所で、私が行ったのは裏手の道から入ったところにある頒布所で、そちらは空いていた。

     境内から戸山キャンパスを眺める。いくつかの研究室の窓には灯りが点いている。日曜日も研究室で仕事をされている先生方である。

     私も研究室に寄って雑用を片付ける。

    7時、帰宅。柚子湯に入る。夕食の膳には南瓜の煮物があった。