フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月21日(土) 晴れ

2013-12-21 21:31:54 | Weblog

   8時、起床。

   パン+チーズ、サラダ、コーヒーの朝食。珍しく朝からコーヒーなのは、紅茶が切れてしまったため。

    NHKのBSの画面に契約確認の文字が出ている。これを消すためにNHKのカスタマーセンターに電話をして、BS放送の契約確認をしてから、家にある一台一台のテレビのICカードの認識番号(20桁)を申告する必要がある。WOWOWの場合は、一台のテレビでしか受信できないが(複数のテレビで視聴するためには追加の契約をしなくてはならない)、NHKの場合は一世帯一契約で家の中にある複数のテレビで視聴できる。それはありがたいのだが、作業としてはなかなか面倒だ。機械に疎い老人世帯で、電話口でオペレーターとやりとりしながらの作業はなかなか大変ではなかろうか。

    昼食を食べに出る。目の前を自転車に乗った少年の一団が走りすぎる。「子どもは風の子 元気な子」という歌詞が頭に浮かぶ。なんていう歌だっけ?

    さて、どこへ行こう。「俺はいま何を食べたいんだ」と井之頭五郎のように自分の胃に聞いてみる。答えはすぐに出た。「越中屋」の定食だ。しばらく行っていないから、年を越す前に顔を出しておこうという気持ちもあった。行きつけの店、馴染みの店には、そういう気持ちが働くものである。これから大晦日までの10日間は、いろんな店に顔を出すことになるだろう。

    壁に貼られたメニューを見ながら、ししゃも(200円)、卵焼き(150円)、納豆(70円)、豆腐の味噌汁(100円)、ご飯(170円)を注文。〆て690円なり。

    女将さんがごみ出しかなにかで外に出て、なかなか戻って来ないので、多少の不安を感じながらご主人に会計をお願いしたら、「ありがとうございます。690円です」ときっぱりと言われたので、ちょっと驚いた。まだまだしっかりしているのだ。失礼しました。

 

    食後のコーヒーは「あるす」で。ここも10月の末にW君と行ったのが最後で、それ以来である。

    店内にはクリスマスの飾り付けがされていた。

      モカを注文。

     ご夫婦でよく来られる方がいて、その奥さんが「あるす」の庭になる柚子を使って作ったというジャムを味見させていただく。とても美味しいのでパンにつけて食べようとトーストを注文したら、自家製のパンがありますからどうぞと言って出してくれた。干葡萄と林檎の入ったパンである。いつものことだが、ここはカフェというよりも、親戚のおじさん、おばさんの家のようである。

    店の斜向かいが駐車場になっているため、お昼の12時半から2時間ほど、店内に陽光が差し込む。冬の季節、「あるす」に来るならこの時間帯が一番いい。

    今日はマダムと食べ物の話をいろいろした。マダムは自称「食いしん坊」である。ならば朝ドラ「ごちそうさん」のファンだろうと思ったら、朝ドラは見ていないそうだ。そもそも自宅にはテレビがないのだという。数年前に、買って3年しか経っていないテレビが故障して、電気屋に修理を依頼したら、新しい製品の購入を勧められ、マスターがその対応に腹を立てて、以来、テレビのない生活を送っているそうなのだ。昼間は店に出ているし、夜は、7時のニュースをラジオで聞いて、9時頃には寝てしまうので、テレビがなくてもとくに不便はないそうだ。もちろんインターネットなどはやっておられない。まるで昭和戦前期のような生活であるが、マスター夫妻と話をしていると、そいういう生活も悪くないなと思えてくる。

     紅茶をいただく。一度淹れた紅茶を、私が注文したモカを淹れたフィルターに通したもの。コーヒー風味の紅茶だ。これもマダムの工夫。

    お土産に柚子をたくさんいただく。家でも柚子ジャムを作ってみようかしら。

    帰宅して、年賀状の文章を考える。カット(妻が描く)+新春の俳句+文章というのがいつもの私の年賀状のパターンである。文章のキーワードは2つ。「還暦」と「単純な生活」だ。

    俳句は来年の干支にちなんで、馬が登場する何か新春らしい句はないかと探して、漱石の「馬の背で船漕ぎ出すや春の旅」に決める。

    夕食は鶏鍋。

     夜、年賀状の宛名を印刷する前に、住所録の整理。喪中の方にチェックを入れ、亡くなった方や住所不明で戻ってきてしまう方などを住所録から削除する。年賀状を出す方の大部分は、年賀状だけのやりとりで、今年一度も、いや、何年も、会っていない方である。


12月20日(金) 小雨のち晴れ

2013-12-21 11:33:52 | Weblog

    7時、起床。

   「ごちそうさん」の後の「朝イチ」に悠太郎役の東出昌大がプレミアムトークのゲストで出演していた。「あまちゃん」の後番組は大変だろう、気の毒にと誰もが思っていたが、そうした空気を見事に払拭して、いま、「ごちそうさん」は朝ドラに期待される役割を見事に果たしている。朝ドラに期待される役割とは、視聴者が明るい、前向きな気持ちで一日のスタートを切れるということ、そして、ドラマの内容について他者と語り合える(語り合いたいと思う)ということである。「朝イチ」はそうした場所としていち早く機能している。朝ドラを(録画でなく)リアルタイムで観ることの利点は、「朝イチ」とセットで観られる(朝ドラの楽しみが増幅する)ということである。

   スコーン(昨日、「まやんち」で購入)とホットミルクの朝食。

   11時に家を出て、大学へ。

   神楽坂で途中下車して、「SKIPA」で昼食。チキンカレーを注文。

   常連客同士が宙太さん、のんちゃんを介して言葉を交わす。年末は29日まで営業とのこと。それまでにもう一度くらい来ると思うので、「よいお年を」の挨拶はしないでおく。

    4限は講義「ライフストーリーの社会学」。

    5限・6限はゼミ。4年生はゼミ論の提出。18名全員が無事提出。これからゼミ論集の編集が始まるが、その段取りについて説明する。

    引き続き教室で、毎年恒例、4年生・3年生・(来年度ゼミに入ってくる)2年生によるゼミ合同懇親会。ゼミ論執筆でヘトヘトの4年生に代わって、3年生が中心となって準備をし、2年生は招待。

    最初にニューカマーである2年生に初々しい(下手くそな)自己紹介をしてもらってから、乾杯(ノンアルコールです)。飲食、懇談の途中で、ゼミの中核である3年生の(2年生へ向けた)自己紹介。それが終わってスイーツタイムをはさんで、4年生の「ゼミ論を書き終えて、後輩に一言」。

    最後に3年ゼミ長のN君の締めの言葉があり、「先生も一言・・・」と振られたので、少しばかり話をする。感受性が強いのか、涙腺が弱いのか、泣き出す学生もいた。卒業式か(笑)。

     空は晴れて、明るい月が出ていた。明日は青空だろう。

    蒲田に着いて、小腹が空いたので、「吉野家」で牛すき鍋膳を食べる。新商品で、店にいた客の8割はこれを注文していた。「吉野家」の久々のヒット商品になるのではないか。

          ところで、TVのCMでは、客の宮川大輔が生卵を溶いで鍋の上からかけていたが、あれはどうでしょう。鍋には火がついているので、卵とじみたいになってしまうのではないか。やはり鍋から箸でとった肉を生卵につけて食べる方が美味しい(割り下の濃い目の味がマイルドになる)と思うのだが。私の向かいの客がTVのCMどおりにするのを見て、そう思った。


肉は大盛り、ご飯は軽めで注文(680円)。


12月19日(木) 雨

2013-12-20 11:02:41 | Weblog

   8時半、起床。

   ご飯(十五穀米)、卵の味噌汁、鱈子の佃煮の朝食。

     「まやんち」では今日から3日間(だけ)、クリスマスケーキがメニューに出る。食べにいかなかくちゃ。

     11時半の開店だが、自宅を出たのは11時40分ごろ。まだ満席ということはないと思うが、自然と速足になる。でも、呑川沿の道を歩いているときに川面に浮かぶカモメやカモたちの姿に立ち止まる。今日は寒い。川の水はいかにも冷たそうだ。彼らは寒くないのだろうか。

     今年の「まやんち」のクリスマスケーキは、キャラメルクリームのブッシュドノエル(胡桃とプルーンが入っている)。綺麗なケーキだ。

    昼食をとる時間はなかったので、蒲田駅の売店で崎陽軒の赤飯弁当を買っていく。

    電車の中で『安住敦全句集』を開く。『まずしき饗宴』、『木馬集』、『古暦』、『暦日抄』、『午前午後』、『柿の木坂雑唱』、『柿の木坂雑唱以後』。

       しぐるゝや安住敦に七句集

      東京駅の改札を出たところで、号外を配っていたので受け取る。すでにテレビ・ラジオ・ネットで周知のニュースで、わざわざ号外を配る意味はなんだろうと思いながら、裏面を見たら新聞の販売広告になっていた。そうか、広告なのかと合点がいった。

      3限は大学院の演習。「まやんち」で買ってきた焼き菓子をつまみながら、Oさんの修論の進捗状況を聞く。来週、もう一度、進捗状況の報告に来てもらうことにする。

      研究指導を終えてから、遅いお昼を食べる。

      夕方、来年度私の代講でAさんに担当していただく演習「個人化の社会学」の件でAさんと打ち合わせ。

      5時に大学を出る。ますます寒い。

      『phono kafe』に顔を出す。こんな寒くては客足も悪いだろうと思ったが、案の定、私が10人目の客だった。紅茶とクリスマスクッキーを注文して、本日最後の客として大原さんとおしゃべりをする。このクッキー、トナカイはトナカイに見えるが、雪の結晶は亀に見えなくもない。樅の木はスルメイカに見えなくもない。

    7時過ぎに帰宅。夕食のメインは回鍋肉。


12月18日(水) 曇りのち雨

2013-12-19 11:29:13 | Weblog

    8時半、起床。

    マフィン+ハム、紅茶の朝食。体調は回復期に入ったようである。    

     10時半に家を出て、大学へ。大学全体は休業日で授業はないが、戸山キャンパスは会議日。

     11時半から大学院の社会学コース会議。ふだんならお弁当を頼んでおくのだが、お腹の調子がどの程度もどっているかわからなかったので、キャンセルしておいた。

     12時を回った辺りで、途中退席して、教務委員会へ。

     教務委員会が1時頃終わり、それから「五郎八」へ昼食をとりに行く。冬の日の午後の一時の蕎麦屋かな(俳句っぽい)。

     揚げ餅うどんを注文。これから温かいうどんを食べる機会が増えそうだ。私はうどんはあたたかいもの、蕎麦は冷たいものを好む。きっと蕎麦好きな人は一年を通して蕎麦を食べるのだろうが、私は夏場は蕎麦、冬場はうどんを注文することが多い。「五郎八」は同じ名前のメニューで蕎麦とうどんがあり、さらに温かいものと冷たいものができる。     

     本格的な冬になった。曇天の下の街路の冬木立(俳句というほどではない)。 

    馬場下の交差点の鯛焼き屋で薄皮鯛焼き(小倉)を一匹買って、研究室で食べる。甘味が食べたくなるのは体が回復してきた証拠である。 

      2時から教授会。あれこれの議論も冬の会議室(俳句っぽい)。5時ごろ終わる。

     研究室に戻って雑用。6時過ぎに大学を出る。

     帰りの電車の中で雑誌『MONKEY』を読む。職場からの帰りの電車の中(あるいはカフェ)で読むのにいい雑誌だ。「あなたがいたい場所」というテーマ(質問)に12人の人が回答した文章、なかなか面白かった。たとえば、糸井重里は「公園」と答えているが、もちろんそれだけでは平凡な回答で、そこに+アルファの説明が付く。

        (前略)ちなみに、ぼくはじぶんの公園を持っています。/それは世間では「有栖川公園」と呼ばれていますが。/あれは、ぼくのなんですが、ひとりでじぶんの公園にいてもおもしろくないし、管理のことなんかもたいへんなので、開放して人々に自由に使ってもらっています。ぼくがたまに行っても、/「あっ、この公園の持ち主だ」と気づく人はいません。/そのほうが、公園らしくていいですものね。/これからも、だれでも自由に、あの公園をたのしんでほしいものです。/小魚釣りとか、ザリガニ釣りとか、ぼくに気をつかわないでやってていいですよ(132頁)。

        この種のアンケートの場合、自分の回答(文章)が他の人の回答と並べられるわけなので、おのずと文章の腕を競うという意識が生まれてくるのだろう、糸井のように機智という変化球を混ぜて答える人もいれば、真向直球勝負という人もいる。たとえば「仕事場」と回答した映画監督の西川和江なんかはそうで、長い文章なので、ここでは紹介しないが、いい文章だ。書店で実際にこの雑誌を手に取って読むことを勧める。

    7時半、帰宅。夕飯のメインはサーモンのソテー。ご飯は十五穀米。前に五穀米と書いたら、妻から「五じゃなくて、十五よ」とダメだしがあった。けっこうちゃんと読んでいるのね。

     『リーガルハイ』最終話をリアルタイムで観る。もう来週から『リーガルハイ』が観られないのかと思うと淋しい。この淋しさを年の瀬のあわたたしさでわぎらわそう。そろそろ年賀状の準備をしなければ。

     一文の卒業生で、いま、日本テレビのディレクターをしているSさんからメールが届く。1月12日(日)深夜に彼女が担当した大島渚の一周忌追悼のドキュメンタリーが放送されるので観てくださいとのこと。前に会ったときにその企画の話は聞いていたが、いよいよ放送ですか。楽しみにしています。


12月17日(火) 晴れのち曇り

2013-12-18 10:22:31 | Weblog

   8時半、起床。

   体調はいまひとつ。今日は午後に授業が2つある。どちらも演習で、発表のスケジュールがタイトなので、休講にするわけにはいかない。

   おかゆ(鮭フレークをトッピング)の朝食。

     12時前に家を出て、大学へ。

     3限は選択基礎演習。グループ発表(フィールドワーク)2本。大型家電量販店と寄席。面白く聴かせてもらったが、身体がだんだん冷えてくるのがわかった。みんな寒いのか、私だけ寒いのか。

     研究室に戻って、ポタージュスープを飲む。身体が温まる。これが本日の昼食なり。

     4限の演習には研究室で防寒着にしているユニクロで購入した武骨なデザインのジャンパーを着ていく。

     今回の発表(自伝分析)は、ジェリル・サンドバーグ、高橋歩、はるな愛、飯島愛の4本。

     授業が終わってから、論系室に卒業研究論文2本(OさんとO君)を受け取りに行く。内容はこれからみるわけだが、とりあえず提出されたことを確認する。一安心。

     論系室でケーキをごしそうになる。ブッシュドノエルだ。クリームはココア風味のバタークリームで生クリームより甘味が強い。紅茶を2回お替りする。

      テーブルの上に出来上がったばかりのチラシ(現代人間論系主催の講演会)があった。論系ホームページより一足先にここで宣伝しておく。

           講師 砂川秀樹氏(レインボーアライアンス沖縄代表/文化人類学者)

           講演タイトル 「多様な私たちが多様に生きられるために~ゲイ・アクティビスト&文化人類学者としての挑戦~」

           司会 草野慶子(文学学術院教授)

            日時 1月16日(木)15:00-17:00

            場所 戸山キャンパス34号館452教室

            対象 学生・教職員・一般(予約不要)

     東の空の低いところに雲のかかった月が出ていた。

     地下鉄に乗る前に、あゆみブックスで以下の本・雑誌を購入。

        柴田元幸責任編集『MONKEY』新創刊(特集:青春のポール・オースター)Switch Publishing

        酒井順子『ユーミンの罪』(講談社現代新書)

        渡辺京二『近代の呪い』(平凡社新書)

        岡田尊司『回避性愛着障害―絆が稀薄な人たち』(光文社新書)

     7時半、帰宅。夕食は親子丼。

    深夜、ゼミ4年生たちにゼミ論の書式の確認のメールを送る。提出まであと3日。最後のひと踏ん張りですよ。