フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

8月15日(金) 晴れ

2014-08-18 13:01:31 | Weblog

7時、起床。

トースト、サラダ(炒り卵、トマト、レタス)、牛乳の朝食。

春学期の科目関連でで残っていた作業(明後日がデッドライン)を片付ける。

昼食は釜飯の出前をとる。五目、うなぎ、牛肉、しらすの4種類をとり、4人でシェアして食べる。味付けが濃いめなのは最後に茶漬けで食べることを推奨しているからで、ポットに入った出し汁がついてきた。私は最初から茶漬けで食べた。

 

 

夕方、「phono kafe」へ行く。娘に声をかけたら行くというので一緒に行く。

暑い一日だったが、雲は秋の雲である。

私も娘も梅ソーダを飲む。初めて飲んだ娘は気に入ったようである。

大原さんが、「以前いらしたときはお父さん似だと思いましたが、今日はお母さん似のように思います」と言う。二つの顔を持つ女なんです。

これから渋谷で人と会う約束があるという娘は30分ほどいて先に店を出た。被っているのは、先日、「鎌倉帽子店」の全品半額セールのときに一緒に買ったハンチング帽である。

父に似た大きな頭夏帽子  たかじ

今日は六郷の花火大会。駅前の六郷土手行のバス乗り場には長蛇の列が出来ていた。私はまだ行ったことはないが、地元では人気がある。自宅の3階のベランダから大きな打ち上げ花火であれば見ることができる。

夕食はお好み焼き。私の出番である。

まず鉄板の上に生地を流す。生地には何も混ぜない。クレープ状に直径20センチくらい。厚すぎず、薄すぎず。

牛肉(豚肉や海老もOKだが、ミックスにはしない)をたっぷりと敷き詰める。浅葱をパラパラと。

イカのフライ(お菓子)を適度な大きさに砕いて敷く。たんなる揚げ玉よりもこちらの方がお勧め。

千切りにしたキャベツをたっぷりのせる。中心に窪みを作って、そこに生卵を落とす。

つなぎ用の生地を上からかける。多すぎず、少なすぎず。感覚としては「少ないんじゃない?」というくらいがちょうどいい。かけすぎると後で内部にぐちゃぐちゃした感じが残ってしまう。

ヘラを使ってひっくり返す。空中分解にしないように初心者は注意(つなぎの生地が不足だとそうなりやすい)。

裏返した状態でしばらく焼く。手持無沙汰だからといって、へらで上から押しつぶしたりするのは厳禁。内部をじっくり蒸し焼き状態にして、ふっくらと仕上げる。食べた時の口当たりが全然違う。手持無沙汰の時間は、鉄板の空いているスペースを使って、牛肉を砂糖醤油で焼いてつまむといい(豚肉の場合は生姜焼き)。私は飲まないが、ビールのおつまみに最適。

人数分に切り分ける。たいていこの段階ではまだ内部にぐじゅぐじゅした部分が残っているので、押しつぶすのではなく、風通しをよくしてやって、切り分けた状態でもうしばらく焼く。「早く食べたい。もう待てない」という周囲の気配、殺気にも、超然としていなくてはならない。

再度、ひっくり返して、クレープ状の皮の部分をパリッと焼く。箸を出そうとする者がいたら、「ここまで待ったのだ。もう少しだけ待ちなさい」と叱る。

最後に、表の部分を上にして、銘々の皿に取り分ける。どうです、このふっくら感!

マヨネーズ(推奨)。

おたふくソース(必須)。

青海苔と鰹節粉(推奨)。

さあ、召し上がれ!

私は自分の分を食べるのは後にして、次の一枚にとりかかる。お好み焼きの作り手は献身的かつストイックであることを求められる。

食事が済んだら、後始末は手早く。鉄板は熱いうちに拭け。


8月14日(木) 曇り、一時驟雨

2014-08-17 14:03:46 | Weblog

8時、起床。

長野土産の「つるや」の酒饅頭と紅茶の朝食。

旅行から帰ったばかりだが、今日は昼から卒業生のMさんと会う約束がある。本当は、旅行に行く前に会うことになっていたのだが、Mさんのご親族にご不幸があり、今日に延期されたのである。

旅行から帰ったばかりの私と会うことのMさんにとってのメリットは、旅の土産のおすそ分けにあずかれるということである。松本のギャラリーカフェ「Gargas」でやっていた展示会(森はともだち)で購入した小澤夏見さんの作品をさしあげる。小さなビンの中に小鳥のフィギアが入っていて、ビンの内側の側面に森が描かれている。

Mさんは私の馴染みのカフェでの食事を希望されていたのだが、日程が変更になったため、今日はあいにく馴染みの店はどこもお盆休みか定休日である。こういうときに駅ビルに入っている飲食店は便利である。「銀座アスター」でランチのコースを食べる。

  

  

食事を終え、腹ごなしに蒲田の街を散歩しましょうかと外に出てみると、ものすごい雨になっていた。傘のない人はもちろんだが、傘を持っている人も、あまりにすごい降り方なので、足止めをくらっている。今年の夏は本当にスコールのような雨が多い。

雨が止むまでカフェでお茶をしましょうということで、「テラスドルチェ」に行ったがお盆休みだったので、「カフェドコバ」に行ってみる。ここはやっていた。

しばらくおしゃべりをする。30代半ばのMさんにとって、40代になったときの自分がどうなっているかということは大きな関心事である。これは誰の場合もそうだが、30代、40代、50代・・・どの年齢も本人にとっては初めて経験するものである。私もつい最近60代になったわけだが、59歳の次は60歳であることは確実にわかっていたし、58歳から59歳への移行と59歳から60歳への移行に大きな違いがあるとは思わなかった。しかし、実際に60歳になってみると、60歳の風景というのはこういうものなのかと初めて知ることがけっこうあった。それは単純に私の内部での変化の反映ではなく、周囲の私を観るまなざしの変化の反映でもある。私は「60歳になる」だけでなく、「60歳にされる」のである。たとえば、わかりやすい例を出せば、映画のシニア割である。この恩恵を得られることは60歳になることの数少ない楽しみの一つであったが、一度、これを行使したとき、私は「自分は60歳になったのだ」と強く自覚したし、映画館のもぎりの女性は私を60歳(以上)の人間として対応したわけである。59歳になったときにはこういうことは一切なかったのである。年齢に関連する社会規範は10歳刻みないし5歳刻みでとくに強く作用する。私たちの年齢意識(心理的年齢)は、身体的年齢と社会的年齢の双方から影響を受けているのである。

で、話をMさんの場合に戻すと、40代になったときの自分と言うものを考えるとき、そこには理想のモデルと反理想のモデルが存在する。前者は「ああなりたい」というモデルであり、後者は「ああはなりたくない」というモデルである。誰もがそうした二種類のモデルを振り子の両端に意識しながら人生を生きているのであるが、Mさんの場合、話を聴いていて感じたのは、後者のモデルを少々意識し過ぎではいないかということである。つまり振り子のバランスが後者に傾いている。理想のモデルを実現しようとする実現指向よりも、反理想のモデルを回避しようとする回避指向が強く働いている。物事にはバランスというものが大切で、実現指向に傾くにしろ、回避指向に傾くにしろ、アンバランスであることは好ましくない結果を招きがちである。たとえば、(これはMさんとは関係がないが)子どもの頃に親から暴力を振るわれた人は、それを反理想の家族モデルとして、結婚をして自分が築く家族はそうあってはならないと強く意識する。ところが、強過ぎる回避指向はちょっとしたこと(子どもを強く叱ったり、思わず手が出てしまったり)にも過敏に反応して、「ああ、駄目だ、自分は自分の親のようになってしまっている」と自己嫌悪に陥り、子どもや配偶者との関係も悪くなる。反理想モデルを回避しようと強く意識することで、かえってそれに接近してしまうという逆説である。そうなりたくてそうなるのではなく、そうはなりたくないのにそうなってしまうのである。家庭内暴力の世代的連鎖はこうして生まれる。反理想モデルが実在するときは、それと釣り合うような理想モデル(観念のレベルでの反理想モデルの裏返しではなく、実在の理想モデル)をもつことが大切である。

雨も止んだようなので、「ぶらり途中下車の旅」的気分で池上本門寺界隈を散歩した。でも、途中からまた雨がパラパラと降ってきた。

 

 

Mさんは大森方面にお住まいで、池上本門寺にもたまに散歩に来るそうであるが、池上会館の屋上のこの展望台の存在は今日初めて知りましたとのこと。ここは、桜の季節には、満開の桜の中に五重塔が見える絶好のポイントですよ。

池上会館を出て、呑川に沿って歩いて、堤方橋のところでMさんとは別れた。Mさんは池上通りを大森方面へ、私はさらに呑川に沿って蒲田方面へ。「雨の堤方橋の別れ」というのは風情がある(といえなくもない)。

今日、名古屋から息子が帰省。夕食は息子のリクエストで餃子。餃子を大皿に何皿もひたすら食べる。

 


8月13日(水) 晴れのち曇り

2014-08-16 14:34:26 | Weblog

6時半、起床。

7時過ぎに最上階(12階)のレストランに朝食を食べに行く。今日も雨は大丈夫そうである。

昼食が和食の予定なので、和洋バイキングの中から洋食風の構成にする。ここは食事が美味しいとネットで評判だったが、その通りだと思う。ネットの評価を参考にして宿を決めるようになって、ハズレがほとんどなくなった。早めの昼食(11時)を考慮して軽めの朝食にするつもりだったが、ついついお替りをしてしまった。

Tさんとは10時40分に善光寺の山門で待ち合わせる予定だったが、私が駅に荷物を預けていて遅れ気味だったので、早めに山門に着いていたTさんが参道を下って、大門南の交差点あたりで合流。彼女が予約を入れておいてくれた「鳥蔵別邸東屋」に行く。立派な料亭である。偉い人たちが会食をしたり、大人の男女が人目を忍んで会うのに適した場所である。

私は彼女のお勧めのカフェで会うつもりでいたのだが、どうやら彼女の職場の上司のアドバイスで、わざわざ大学時代の「恩師」が東京から来られるのだからというので、営業で「接待」のときなどに使うこの店を選んだようである。

個室に案内される(全部個室のようである)。和室だが、テーブルとイスが置かれている。向かい合って座る。

店には予約の時間(=開店の時間)より少し早目に着いたので、ロビーのソファーで部屋の準備ができるまで少し待った。そのときにTさんの卒業から今日までの4か月半の生活の概略は聴いた。希望通り地元のテレビ局に就職できたのはよかったが、希望していた制作ではなく、営業に配属が決まり、女性は彼女一人という職場で、多忙な毎日を送っている。営業という部署は会社の中の一種の特殊部隊で、残業は当たり前で、土日もさまざまなイベントが入ってくる。5月には20連勤(20日間休日なし)なんてこともあったらしい。在学中はスキー部で鍛えたTさんだが、1人での営業活動の始まった6月には、さすがに体調を崩したという(でも、病院へ行った翌日には出勤した)。

今日も彼女はお盆休みではなく、上司の許可を得て、お昼休みを長めにもらって出て来てくれたのである。

「大変だな。大丈夫か?」と私が尋ねると、「はい、頑張ります」と精一杯の笑顔を見てくれた。

松本で買った手土産をTさんに差し上げた。「開運堂」の栗甘納豆(これを一粒食べるとドラゴンボールの仙豆のように元気が出る、かもしれない)と、「coto.coto」で購入したyanyanという作家の手になる刺繍の入った小さなポーチ(これに栗甘納豆を入れて営業で外回りをするときには携帯してほしい)。気に入ってもらえたようでよかった。

さあ、美味しいものをたくさん食べようではないか。私は東屋彩り弁当。Tさんは信州黄金シャモ親子丼重箱弁当を注文。

 

お弁当が運ばれてきた。

Tさんのお気に入りの信州黄金シャモ親子丼。なるほど、美味しそうだ。

デザート三種と抹茶。

私が何も言わないのに、写真用のポーズを決めるTさん。健気である。

「鳥蔵別邸東屋」にはゆっくり1時間半ほど滞在した。

Tさんが会社に戻らなくてはならに1時までにはまだ30分ほど余裕があったので、参道を散歩する。

彼女のお気に入りの小物の店「十二天」。 

長野のお土産として彼女が一押しの「つるや」の酒饅頭。家族への土産に購入した。

藤屋旅館(結婚式場)の前で。この純白のドレスを着る日もいずれ来る(かもしれない)。

Tさんとは彼女の会社の前で別れた。またいつか明るい、そして無理のない、笑顔を見せてください。

13時5分長野発のしなの号に間に合いそうなので、駅への道を急ぐ。

松本には14時ちょっと前に着いた。昨日の松本散歩の続きだ。

 

昨日は歩かなかった女鳥羽川の向こう岸の縄手通りを歩く。湿気がなくて風が気持ちいい。

四柱神社。

「じゅけむ」という茶屋でひと休み。アイスゆずドリンクを飲む。

通りから脇へ入って、ちょっとディープな場所を歩く。こういうところが面白いのだ。

「パンセ」という名前のパン屋さん。

昨日も訪れた蔵シック館の「尾形祐美・和則展」を再び訪れる。

ポスターに昨日はなかった「姉弟」の添え書きがされている。夫婦だと誤解されないためだろうが、なんだか可笑しい。

松本に来たときは必ず訪れる陶器の店「GRAIN NOTE」は今日は定休日。

昨日が定休日だったギャラリーカフェ「Gargas(ガルガ)」へ。今日、長野から松本に戻ってきたのはここに行くためである。

とりえあえずリンゴジュースで喉を潤す。

2階がギャラリーになっている。松本を活動拠点とする6人の女性作家のユニット「pom pom」の作品展「森はともだち」(8月末まで)。

小沢夏見さんの作品と本とポストカードを購入。

階下に戻って、チキンカレー(小)を注文。早めの夕食なり。

18時35分松本発あずさ32号で帰京する予定なので、それまでにあと1時間半ほどある。

駅までの道はゆっくり歩いても30分。

最後にもう一度(いや、三度目だが)、中町通りを歩く。

「Gargas」でチキンカレーを小にしておいたのが、「竹風堂」の栗ご飯を食べるためである。

食事処は店舗の奥にある。

山里定食(1000円)を注文。山菜をおかずに栗ご飯を食べる。写真ではわかりずらいが、栗がたくさんはいっている。ふんだんに、おしげもなく、入っている。駅弁などでみかける表面だけトッピングのように栗がのっている栗ご飯とはわけがちがう。素朴だが、純度の高い定食である。信州旅行の〆に食べるにふさわしい。

本当の〆は、デザートに注文した栗羊羹と昆布茶。

旅行の最後にゆったりとした時間をもてた。

18時に店を出て、松本駅へ向かう。商店街の街灯に昼間見たのとたぶん同じ(場所が同じだったので)セキレイの姿があった。「いい旅だったな」と思った。

新宿には21時ちょっと過ぎに到着。到着の直前にTさんから今日のお礼のメールが届いた。「今度はカフェに行きましょう」と書かれていた。


8月12日(火) 雨のち曇り、そして晴れ

2014-08-15 02:58:45 | Weblog

6時、起床。雨の音がする。それもかなり強い雨だ。風はないので、横なぐりの雨ではないが、細かな滝のように垂直に地面に降り注ぐ雨である。信州旅行=晴れというパターンがついに崩れた。連勝記録はいつか止まる。それはしかたがない。雨の日には雨の日の楽しみ方があるだろう。

安楽亭の朝食は信州旅行の楽しみの1つである。庭で獲れたトマトがふんだんに使われている。

 

 

 

朝食の後、傘を差して、近所を散歩する。雨に煙る里山や、雨に濡れる石仏たちの写真を撮る。雨の日の写真は雨の日でないと撮れない。

写真を撮っているときは気づかなかったが、安楽亭に戻ってみると、全身がかなり濡れていることに気づく。体が冷える。「あきれた人ね」とK夫人に言われる。Kは黙って笑っている。老犬のシローはもうほとんど耳が聞こえない。

10時に安楽亭を車で出発。

小淵沢の駅に寄って、列車の時刻を確認してから、蕎麦屋「眞」へ。3人とももりを注文(+焼き味噌)。K夫婦は2枚で、私は1枚。朝食をしっかり食べたこともあるが(普段の私は朝食は軽く済ませることが多いし、抜くことも珍しくない)、これから先のことを考えてもいた。旅の楽しみの中心的な部分に「食べる」ということはあり、あれもこれも食べたいので、一回の食事は控えめにしておくのが旅の心得である。

小淵沢12時11分発のあずさ55号に乗って松本へ向かう。K夫妻と次に会うのは11月になるだろう。お世話になりました。

朝はあれほど降っていた雨だが、しだいに雨脚が弱まってきた。もしあいかわらずの強い雨であれば、松本で途中下車するのはやめて、今日の宿泊地である長野まで行ってしまおうかと考えていたのだが、当初の予定通り、松本の街歩きをすることにした。

まずは「たくま」で腹ごしらえ。チキンカツカレーを注文。「眞」で食べた蕎麦は前菜みたいなものだった。トンカツではなく、チキンカツを選択したのは少しでもカロリーを抑えるためである。今日はまだ先が長い。

さて、松本散歩開始。松本は工芸の街で、そういう店を見て歩く(買い物もする)のが楽しみである。

中町通りを歩く。もう雨は止んでいる。

トイレを拝借するつもりで入った「蔵シック館」で、たまたまやっていた尾形祐美という作家の展示会がよかった。ご本人がいらっしゃたので、少しばかり話をうかがう。原画は手が出なかったのでポストカードを購入する。

 

「coto.coto」は必ずのぞく小さなギャラリーである。陶芸の作家の展示会をやっていた。

女鳥羽川の川岸の道を歩く。

「おきな堂」で一服。二階席に案内され、コーヒーとプリンを注文。

16時5分松本発のしなの15号に乗って長野へ。だんだんと雲が薄くなって、空が明るくなっていく。

長野に着き、ホテル(チサングランド長野)にチェックイン。部屋はシングルだが、ベッドはダブルで、室内もゆったりしている。

時間は5時を少し回ったところ。夕方から善光寺の参道でお花市という催しがあるというので、出かけてみることにする。けっこうな人出である。

お盆用のお花を売る市というのが本来なのであろうが、さまざまな露店がたくさん出ている。

仁王門を通過。

山門を通過。盆踊りの櫓が組まれている。

本堂に到着。

お参りをすませて、いま来た道を引き返す。

仁王門前の「長門屋」でかき氷を食べる。氷イチゴが270円とはずいぶんと庶民的な店である。クーラーを入れていないところもいい。

夕闇が迫ってきた。

夕食はこの店でとることにした。看板に書かれた「ステーキ丼」の文字に惹かれる。『孤独のグルメ』シーズン4第3話で登場した箱根宮ノ下の「いろり家」のステーキ丼を思い出したのである。信州牛であるが、美味しい牛肉というのは全国どこで食べても美味しいものである。

築100年の映画館「相生座」。本日最後の上映はすでに始まっている。

新田町交差点の広場では、コンサートが行われていた。

ホテルの部屋に戻り、そろそろ寝ようかという頃、卒業生(論系ゼミ4期生)のTさんからメールが入る。「長野へようこそ」。地元のテレビ局で働いている彼女とは明日昼飯を食べる約束をしているのだが、さきほど目にしたコンサートの手伝いを今日はしていたそうである。


8月11日(月) 晴れ

2014-08-14 12:20:18 | Weblog

ブログは一日の終わり(就寝前)か、一日の始まり(朝食前)に当日あるいは前日のことを書くことにしているのだが、旅行中はブログの更新はしない(できない)ので、旅行中のことは旅行から帰ってきてから書くことになる。

8月11日から13日まで、2泊3日で信州小旅行に行ってきた。茅野に高校時代以来の友人Kの別荘(安楽亭)があって、そこを年に3回、春夏秋に訪問することがここ数年の習慣である。冬に訪問しないのは、寒い(寒すぎる)からである。

年に3回の訪問というのは、多いような気もするが、春の高原、夏の高原、秋の高原はそれぞれに魅力的であることと、Kとは会えるときに会っておきたいという気持ちが働いているのだと思う。安楽亭訪問を可能にする条件の1つは健康である。私が健康であること、Kが健康であること、それぞれの家族が健康であること(少なくとも大きな病気や怪我を抱えていないこと)というのは、普段は当たり前のように思っているが、いや、思うことさえ忘れがちだが、全員の健康がそろうというのは一定の確率の下でのことであり、その確率はこれから先、しだいに小さくなっていくことだろう。だから会える機会があるときには会っておきたい、と思うのである。そして、これは相手が自分と同じ、あるいは年上の場合だけの話ではなく、年下の場合もそうである。人は年を十分にとってから死ぬとは限らない。また、生死とは関係なく、何かの事情で遠く(空間的に、あるいは心理的に)離れ離れになることもある。会えるときに、会いたいときに、会っておくというのは、人生の大切な心得である。

旅は日常からの脱出である。しかし、脱出した先は必ずしもカオスではない。ゆきあたりばったり、波瀾万丈の旅というものもあるだろうが、年に3回の信州小旅行は反復される非日常的なパターンから構成されている。具体的に言えば、馴染みの場所へ行き、馴染みの人に会い、馴染みの風景を見て、馴染みの料理を味わうということである。日々の日常的パターンとの違いは、出現の頻度であり(年に3回だけ)、パターンの選択性(押し付けられたものではなく、自分の好みで選択したものであること)である。だから信州旅行は一種のユートピアの反復的構築なのである。

旅への出発は新宿発10時ちょうどのあずさ11号と決まっている(帰りの列車は不定)。あずさ11号に乗るためには家を9時に出ることになる。9時に家を出るためには8時に起きることになる。8時というのは、普段の平均的な起床時間である。午前中の時間を有効に使うために(早く現地に着くために)普段より早起きをするという発想は自分にはない。そんなことをしたら、日中、寝不足気味で楽しくないからである。往きの列車の中で眠ればいいという考えもあるだろうが、列車の中はすでに旅なのであり、私はこの時間がとても好きで、眠って過ごすなんてもったいない。

台風一過の雲一つない青空というわけにはいかなかったが、前日までの天気を考えたら、お天道様に感謝しないわけにはいかない。信州旅行=晴れというのもパターンの1つである。

予定よりも10分ほど遅れて、12時15分茅野着。

出迎えてくれたK夫婦の車で高原の蕎麦屋「香草庵」へ。初日に昼食はここと決まっている。注文するのも基本的に私は冷やしにしんそばで、K夫婦はせいろ。

食後のお茶は「グリーン・エッグ」で。これもいつものコース。お茶といいながら、ケーキセットの他にベトナム風焼きそばを一皿注文して3人でシェアして食べるのもいつものこと。

蓼科自由農園で夕飯の食材を購入してから、安楽亭へ。

村営の温泉に出かけるまでのひと時、横になったり、(飼い犬のシローと一緒に)近所を散歩したり。 

 

最初、露天風呂のある樅の木荘に行ったが、ハイ・シーズンで別荘にたくさん人が来ているようで、駐車場はほとんど満杯。これでは入浴も芋を洗うような状態ではないかと思い、別の温泉に行くことにした。

その前に樅の木荘のそばにあるカフェ「魔法屋JIN」に寄って行く。奥さんが「申し訳ありませんでした」というので、なんだろうと思ったら、1年前に来たときに釣銭を間違っていたことを当時のノートを見返して、はっきりと思い出したそうだ。差額の50円とお詫びの印のティーパックをいただく。律儀な方である。

安楽亭のすぐ近くの望岳の湯という村営の温泉に行く。ここは別荘の住人たちはほとんど来ない。ゆっくりつかる。

安楽亭に帰ってきて、さて、夕食。K夫人の手料理をいただく。ソーメンは私の希望。「それと野菜の天ぷらがあるといいですね・・・」と申し上げたのだが、それだけにとどまらなかった。どれもこれも美味しい。食べ過ぎはしかたがない。歩かねば。

 

 

 

 

11時、就寝。TVのニュース番組で、明日明後日は長野県全域が雨の予報。おやおや、雨がひどいと、歩き廻れないではないか・・・。