June 16, 2005
The Palace of Auburn Hills,
Auburn Hill
Attendance: 22,076
FINAL 1 2 3 4 T
Spurs 17 19 21 14 71
Pistons 23 28 23 28 102
Game4は、はじめから飛ばしていく展開でピストンズは
容赦ありませんでした。ティフェンスのチームといわれ
ひたひたと付いていき、第4Qで一気に仕掛けるという黄金
パターンをあえて温存して、次もここでやりたくないという
精神的な打撃も与えました。それも100点ゲームで大差をつけて
の勝利です。
ただ、次の試合が月曜なので精神的にどうケアしてくるか、
ダンカンあたりは立ち直っていても、ジノビリやパーカーは
もう使い物にならないでしょう。デトロイトでは、ペネトレート
できないというのをいやというほど叩き込まれたでしょうから。
それをどうやって克服してくるか、それはポポビッチの作戦に
よります。
ハーフコートのセットオフェンスでも早い展開でも、ディフェンス
合戦でも相手の最も得意とする形でも優位にたってきたスパーズが
逆に一番得意なところを砕かれたのです。第1Qでハーフのセットオフェンスを
多用して、相手のディフェンスを凌いで点差を開かれないように作戦し
てきましたが、選手はポポビッチが予測する以上に気持ちで折れていました。
そこでチームの柱、ダンカンにボールを集めるのですが、それもピストンズは
承知していて今まではダンカンには一対一で付いていたのがすぐさま三人が
より、止めてしまいます。
この三人寄るディフェンスは、ジノビリやパーカーのペネトレートにも
使われて、ノーチャージエリアまで進めません。マクダイスなどはあえて
ファウルで立ちはだかり、普段は飛ばされてオフェンスファウルを誘いますが
それすらせず、お前らはここから入れないんだという態度です。これはかなり
精神的に作用してジノビリなどはペネトレート自体をあきらめました。
ジノビリのシュートは、直線的に突っ込むペネトレートと変則的に突っ込むものと
途中でストップしてシュートするものといずれもボールを持ってからリングに
向かって行くことでオフェンスが始まります。それが突っ込み自体をやめると
シュートにいけません。
このガード陣のペネトレートがなくなるとインサイドパスアウトも使えなくて
結局、ダンカンのインサイドかアウトサイドのシュートしか手がなく、一気に
オフェンスの幅がなくなり、チーム力が半減しました。一方のピストンズは、
ハミルトンやプリンスのジャンプシュートは相変わらず入らないのに、ハーフ
から展開するゆっくりしたオフェンスの繰り返しでしっかりと得点して行きます。
後半には、ハンターの得点が伸びていないのを見るとすかさずハンター中心に
ボールを集め連続得点させる気の使いようです。
これは結局、7人のバスケで7人でまわしていく形が完成していて、その全員が
二桁得点するという全員バスケの具現だと思います。今日もキャンベルは出て
きませんでした。最後の時間処理にすら顔を出さないのでどこか悪いのかとも
思いますがコーチの決定となっています。逆にスパーズのロビンソンが出ていない
のはベテランに気を使い、使う場面をセレクトしてたらもうでるところがなくなった
ということでしょう。ポポビッチが第1Qに本気で怒って、テクニカルを取られて
いました。
ピストンズのターンノーバーは、皆ボールを叩いてそれから速攻なのです。それが
ボールと一緒に手も叩いていてファウルなのにとられないため、叩き放題なのです。
これがホームコートアドバンテージということでしょう。サンアントニオでは逆だ
ったわけで、それにしてもなぜあれだけジノビリを走らせたり、ペネトレートは
やり放題にしたのか、それはこの日のゲームでわかるとおり精神的に追い込むためだ
と思います。惨めとも思えるこの日のゲーム展開にまたあのコートでやりたくないよと
思わせたこと。それに対抗するにはロースコアのローペースの試合をするしか
ありません。
それは誰でも思いつくことです。高さや選手層ならスパーズの方が上です。
ファウル合戦になり、出れない選手が増えればピストンズの方がすぐに
戦力差が出ます。しかし、次回それをやればディフェンスがいいのはピストンズ
という今までの教訓を新たにする結果になるでしょう。そして、サンアントニオに
帰っていくのです。月曜の試合を待ちましょう。