King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

春着々

2009年03月20日 23時54分53秒 | 日々のこと
昨日から猛烈に暑くなり、開きかけた花も次々に
咲き出しました。
この時期、沈丁花の隠微なイメージの香りが立ち込め
水仙の地味な花が咲き、もくれんが卒業式のイメージを
募らせていくというスケジュールも最近は狂い気味です。

それもいきなり、25度という日が続いて、今までの重いコート
からいきなり半袖の陽気となったからです。今週は、土曜から
ずっと休みなく走り続けていたので、今日の雨は休足日と
しました。かなりの勢いで降っていたのも、午後にはすっかり
あがっていたので走る気なら走れたのですが、休みも必要
なので走りに行く代わりに行きたいと思っていたところを色々散歩
しました。

折から20日は昔からなじみの神社の縁日で、お昼をいつもの
うどん屋で食べた後、歩いてみました。

その前にひとつ検証したいことがあり、雨上がりの道を車ででかけ
たところがあります。それは、生川の水場というところで、
武甲山登山口の手前にあります。平成の水百選に選ばれた武甲山の
伏流水ですが、実際に汲めるところは市内にいくつかありますが
なぜか発表されてから道の駅の水が注目され、みんな毎日汲んでいます。
とはいえ、汲んでいるのは地元の人達ではありません。

前にも書いたとおり、市民はベルクのただの浄水器の水を汲み、
他県ナンバーの車などが道の駅で水を持ち帰るのです。道の駅の水は、
流しぱなしですが、地下水などの湧き水ではなく、秩父の水道水です。
できた当時は、おいしい秩父の水をどうぞという市長のコメントが
あり、前の市長の名前が書かれており、その後どうするのかなあと
思っていたら、今はその説明文の文字は風化して見えなくなってその
ままです。

意識的にそうしたのか、ただ年とともに消えたのか謎ですが、
平成の名水と謳うこともなく、ただとうとうと流しつづけられている
のです。汲んでいる人たちは、武甲山の伏流水として汲んでいるので
しょうが、確かにこの位置で武甲山の伏流水の井戸水は容易に掘出す
ことはできますが、どうぞ飲んでくださいと当時書いていた以上井戸水
のはずはなく、秩父のうまい水道水だったと思います。喜んで皆さん
汲んで帰るのであえて否定しませんし、正しい表記をすべしという
気もありません。

私が、生川の水場を見てみたいと思ったのは、全国の名水という
本に、秩父の水場というところに生川の水場が載っていたからで、
そこは知らなかったからです。その記述によると無料で汲むことが
できるが、人の手により整備されており車も止まれるとなっていた
ところで、名水ブームになったときに有名な秩父の水場は皆有料に
なったのに、そんなところもあるのかと思ったので是非一度確かめ
に行きたかったのです。

そして、そこまでは車で行けるとなっており、もともと武甲山の
登山口であり、いつも芝桜のシーズンが過ぎた後、横瀬の駅から
登山姿の人があるって行く姿を見かけますが、その途中に水場が
あったのか見てみたくなったのです。

私は過去二回武甲山には登山しており、それも全て学校行事にて
のもので、今でも市内に残る武甲マス釣り場の案内看板があり、それ
が登山口の入り口であり、かなり市内からあるってそのマス釣り場
にたどり着いた記憶があります。そこまで施設らしいものはなく、
お茶とマス釣りの施設をかねた店は、登山客には格好のオアシスだった
様に記憶しています。それがつぶれたという記述やうわさは耳にし
ていたのですが、そんなことを確かめることもなく今日に至って
いました。

その後、バブル期には秩父にも不動産ブームが起き、山の斜面を
別荘地として売買する取引が活発化して、私が大手不動産業者に
就職してからもその当時手に入れた物件を売ってほしいという依頼
をいくつも受けました。ただ、その手の物件はどれも住むには不適格
なもので、当時は夢の不動産としてアプローチの道路も周りも整備
され立派な雰囲気があったのでしょうが、私がそのような相談を
受けるようになってからは、もう人の手が入らない山の状態に
戻っているものがほとんどでとてもまた人が別荘としたいという
ものではありませんでした。

ですから、依頼を受けても現地に行くのさえためらわれましたし、
車で現地にたどり着けるかというところもたくさんありました。
そんな別荘地のひとつがこの武甲山の入り口にあり、かなりの
価格で当時取引され、異例なのは、その不動産会社が秩父にあった
というもので、当時住友とか三井とか財閥系の不動産会社の系列か
のような不動産会社が競って山の斜面に無理やり作った別荘地を
分譲しておりましたが、今でも残るその分譲地の看板の会社に
電話してもひとつもつながりません。

もしつながっても関係ないとしらを切られてしまいます。そんな
会社はみんな都内の番号でした。しかし、この武甲山の分譲会社は
地元に事務所を構えていたので珍しいなと思って記憶に残って
います。私も何度か電話で話していますが、その後のバブル崩壊
により会社は整理され分譲地はその後も中古で取引された様ですが
場所も知りませんでした。

今回そんな思い出の地をふたつ期しくも訪ねることになってしまい
ました。つまり、生川の水場は容易には見つからず、車で行き止まり
のところが水場であるとそのガイドブックにはあるのですが、実際は
もっと上まで車でいけるのです。写真の鳥居のところにはかなり広く
駐車場があり、その上に民家があり、そこまでは車で来れる様です。

中学生の時に学校の行事で登山した時には、この鳥居をくぐったはず
であり、秩父の人間なら武甲山の神様と秩父神社の神様が年に一度
市役所裏の亀の子石の所で逢引するのが秩父夜祭だと知っていて、ここ
に鳥居があるのもなんら不思議ではないのですが、まったくこの鳥居
には記憶がありません。こんな立派な鳥居があったなんて。

それに引き換えそのすぐ上にある干上がった池を見てすぐにそれが
今は亡き武甲マス釣り場であると気が付きました。ここまであるって
来ても水場らしいものはなかったのです。不思議に思って引き返すと
舗装の切れた山道の所に一台の車が止まっています。ゆっくりと通り
ながら山側を見ると多くのポリタンクに水を汲んでいる人がいました。

ここがその水場だったのです。

来る時には、舗装が切れて急な山道になり、道も狭くなったため
いつスリップして立ち往生しかねないと4駆に入れて慎重に上った
ので、山の中まで見なかったのです。水場にはひしゃくまで吊り
下げられていて、道もいくらか広くなっています。これはすれ
違い用の退避場かと思っていたのですが、まさかそこが目的地などと
はまるで気が付きませんでした。

その後また舗装が復活して、かつての分譲地が見えて鳥居と駐車場
が現れたのでした。

これでは始めてくる人には車で来れるからととても勧められるもので
なく、山道も苦にしなくてオフロードにも慣れている人でないとちょっと
たどり着けないでしょう。

やはりお気軽に道の駅で水道水を汲んでいるのがいいと思います。
いやどうしても武甲山の伏流水を飲んでみたいというのであれば、
武甲酒造の井戸の水とか妙見の井戸では味わうことができます。
どちらも見学ができますし、普通に車でアクセスできます。
ただ、私は水の味ということで言えば、小鹿野で売りにだしている
毘沙門水や延命水のほうがいいように思います。

ちなみにこの毘沙門水も名水100選に選ばれており、水汲み場も
整備されています。
コメント
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