King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『スカーペッタ』読了

2010年08月23日 23時26分26秒 | 読書
これは店頭で見つけて買っておいた本です。

毎年クリスマスに新刊が出るというアガサ
クリスティのようなパトリシア・コーンウェル
の人気シリーズです。
『スカーペッタ』といきなりがつんと
こう来たかという感じです。



実はこのシリーズも前回の異邦人ではかなり読むのに骨がおれ
この検死官シリーズも随分劣化したと感じていました。
それからしばらくクリスマスに気にならなくなり、似たように
新宿鮫や餓狼伝など新刊を楽しみにしていたシリーズも
段々劣化してもう今更という感じになっていってしまう仲間
入りかと思われました。

しかし、高村薫の合田刑事が死んでいなかったようにこの
スカーペッタもまだ死んではいないと今回は思いました。

ただ、この世の中にかなりの影響を与えた小説も今更新しい
ネタも科学的捜査も披露しづらくなって来ていて、それに
ついては、テレビの科学捜査のドラマをくさしたりして
本家であるところをアピールしています。

人間関係では、本来の読者が一番望むスタイルにただ戻して
かつてのパワーを取り戻そうとしています。

つまりは、今までの展開をリセットして元のキャラに戻す
ことでやればできるという感じにしたのです。

これはもうサザエさん化したようなものです。

普通は、人気シリーズを長持ちさせるには新キャラクター
の創造や新たな敵を作っていくのですが、どちらもうまく
行かず、死んでしまった人を生き返らせたり、とにかく
マンネリが一番面白いということに気がついて、これしか
できないという開き直りが題のスカーペッタというそのもの
ずばりの表現になったのでしょう。

ですから、これ以上はもうないし、次はあまり期待できない
という感じはします。
コメント
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