『遺伝子』の中にも遺伝子ドービングして資格はく奪される話が出てきます。
そして、それと同時に先天的に遺伝子異常で造血作用が人一倍強い人とか
もでてきます。ドラマ『インハンド』という家人が好きで付き合いで見ているドラマの
テーマも遺伝子ドーピングでした。しかし、強い違和感が残ったのです。科学番組でも
ある酵素が遺伝子のある特定のパターンの所で切りそこに新たに修正したパターンを入れるという
治療を行えるようになったというニュースを流しています。今年の初めに中国の医師がHIVに
かかりづらい遺伝子治療をしたと発表しました。
それは受精卵の状態で行われたので理解できますが、ドラマでは成人男性であり、それが
遺伝子治療で筋肉増強を目論むわけですが、誤って違う所を切り分けてリンパ腺にガンを発症すると
いう設定のようでした。我々アマチュアスポーツの世界でもサイクリングやマラソンの大会に出るのに
ドーピングといいながらやたらとスポーツ飲料やら栄養ドリンクを飲みまくるという事をする人もいます。
それはオリンピックとか世界記録に関係ない人にはドーピング検査もないし、誰も注目してないところで
せめて自己ベストをいくらかでもあげたいという切ない努力です。よくマラソン選手は高地トレーニングとか
低酸素トレーニングをしますが、これなどは体の改造であり、環境で高地の国とか地域がマラソンに強いことから
日本で始まったものです。同じ理屈で手っ取り早いのは自己輸血があります。これは違反で禁止されています。
しかし、ドラマの中で主人公が何でダメなのかという問いをするのですが、遺伝子の本の中でも先天異常はよくて
後天的に遺伝子をいじるのは禁止というのは果たして公正なのかという疑問がありました。
人間以外では筋肉が多い牛とかタイとか作られていますが、今後どうなるか解りません。
日本ではこの遺伝子組み換えに違和感を持つ人が多く、アメリカでは当たり前の大豆の組み換えも
日本人は受け入れないためわざわざ日本向けに組み換えでない大豆を作っています。
しかし、品種改良として自然にできた品種通しの掛け合わせで同様なことは行われていて、遺伝子を
組み替えなくても突然変異という組み合わせをずっとして利用してきたわけです。それと何が違うのか
はっきりした区分けも法の整合性もない世界に今後、なりはしないかと大変心配します。
今回のドラマこで特に疑問に思ったのはその遺伝子の切り貼りをした細胞というのはどのくらいの
物だったのかという事です。人間の細胞は何兆もの数に上り、さらにそれに寄生する生物の細胞は
その十倍だといいます。つまり600兆もの細胞があるのにそのいくつかの細胞の遺伝子を改変したところで
人間の個体に然程の影響が出るのかという事です。これは受精卵という単一の状態の時にやるから
効果があり、成人した人間には使えないのではないかと思います。
最近の治療ではIPS細胞を使った脊椎治療が有名ですが、それも他人の細胞を使うらしいことから
他人の細胞には異なる遺伝子が入りそれらはどのような影響があるか解りません。これなどは
どう捉えられているのでしょうか。いずれにしろドラマのように簡単に遺伝子ドーピングなどできないと
いう事は確実でしょう。逆に高濃度酸素の吸引とか直前にやって効果のありそうなことは今後
増えていくのではないでしょうか。