金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

27:村上春樹 『ノルウェイの森(下)』

2005-06-08 22:40:32 | 05 本の感想
村上春樹『ノルウェイの森 下』(講談社文庫)
★★★★★

読み終わったのは昨日だったのだけど、
すばらしいと思える本に出会ったときの常で、
読後、ぼーっとしてしまって今でも感想がまとまらない。
青春というとなんだか最近では滑稽な響きを持ってしまいますが、
本当に上質の、青春、恋愛の物語。
生と死の物語、他者との関係性の物語でもあります。
久々に衝撃を受けました。
個人的には、最後のレイコさんとのエピソードは、
ないほうがよかったんじゃないかな、と思いますが。

それと多少は時代背景を理解していたつもりだったのだけど、
みんなあんなふうに「ピース」「ピース」言ってたの?

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26:島本理生 『リトル・バイ・リトル』

2005-06-08 22:39:21 | 05 本の感想
島本理生『リトル・バイ・リトル』(講談社)
★★★★★

『生まれる森』より好き。
日常を淡々とつづった物語ではあるのだけど、
静かにゆるやかに、主人公の父親に対する認識の変化や
恋が描かれていて、おさまりのよい印象。
前向きで、記憶にそっと寄り添ってくるような物語です。
男の子が礼儀正しく、誠実で、素敵。
彼の読んだという本が那須正幹の『The End Of the World』
だということはすぐわかったのですが、
あの本は個人的に苦手。子ども向きじゃないと思う。
救いがなくて、気分が重くなってしまいましたよ。

コメント (2)
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映画:『櫻の園』

2005-06-08 22:37:21 | 映画の感想
『櫻の園』(中原俊 監督)
★★★★★

中学生の頃、地元の図書館に映画を見られるコーナーがあって、
そこでこの映画のジャケットを目にしました。
(あれはなんて言うのだろう・・・レコードみたいな円盤を
 デッキにセットして見るのです)
気になってはいたのだけど、見ることはないまま。
先日たまたま吉田秋生の原作を読む機会があったので、
借りてみました。
原作は主人公を変えた連作だったのだけど、
映画版は主人公をしぼった、かなりオリジナル色の強い物語。
とりとめのない女の子たちのおしゃべり、微妙な人間関係、
クラシックな造りの校舎に差す、明るく透明な光。
少女時代の終わりにさしかかった時期の、
そのただ中にいるときには気づかない、
まぶしいようなはかない輝きを感じます。
髪型やメイクはやっぱり時代を感じるのだけど、
それでもみんな可愛らしい。
実際のところ、中学・高校時代の女の子はこんなもんじゃない、
と知っています。
それでもやっぱり、少女時代にはこんなやさしい、澄んだ一面が
確かに存在するような気がするのです。

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