金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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168:長野まゆみ 『コドモノクニ』

2005-12-31 13:34:12 | 05 本の感想
長野まゆみ『コドモノクニ』(河出書房新社)
★★★★☆

ずっと敬遠していた作家さんでした。
中学生のころに読んだ『雪花草子』で気分が悪くなり、
本のあらすじを見るたびに「男の子どうしのいちゃいちゃ」を思い、
その本に偏見に満ちた視線を送っていたのですが、
これはすごく好みでびっくり!
それらしい要素もちらりと出てくるのだけど、
小学生~中学生にかけての女の子の物語で、ふわふわしたはかない雰囲気。
制服に凝った刺繍をしてみたり、チェーホフの「桜の園」を朗読してみたりと
少女なりの美意識を張り巡らした生活ぶりが楽しい。
ストーリーよりはディテールがおもしろくて、
三日かけてお風呂で読んでいました。
江國香織さんの初期の作品が好きな人にも楽しめると思う。
コメント
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