関口安義『芥川龍之介』(岩波新書)
★★★★☆
芥川龍之介の生涯と人となり、作品が執筆された背景を
追った評伝。
芥川龍之介については、国語便覧に載っているようなことと
北村薫『六の宮の姫君』で読んだことくらいしか知らなかったので、
新鮮な気持ちで読めました。
師である漱石からの励ましの手紙にはほろっときちゃうのだけど、
芥川のほうには漱石に対して、尊敬ばかりではない葛藤が
あったのだなあ。
漱石との関係、一途に文学の道へ突き進もうとする
同時代の文学者たちとの交流に、
なにやらときめきを感じてしまいます。
鴎外の影響も受けてたのね、とちょっとうれしい。
結婚前の奥さんへのラブレターは、
「ぎゃー!!」とごろごろ転がりたいほど恥ずかしいのだけど、
その恥ずかしさがどこから来てるかと言えば、
文中にやたら英語や横文字を使いたがる「西洋かぶれ」の
部分だという気がする。
これは当時のほかの文学者の作品や書簡も同様。
そして芥川最晩年の写真は、見ればみるほど館ひろしに似ている……。
追記:出口王仁三郎って「出口の現代文」の人の祖先。
出てきておどろきました。
★★★★☆
芥川龍之介の生涯と人となり、作品が執筆された背景を
追った評伝。
芥川龍之介については、国語便覧に載っているようなことと
北村薫『六の宮の姫君』で読んだことくらいしか知らなかったので、
新鮮な気持ちで読めました。
師である漱石からの励ましの手紙にはほろっときちゃうのだけど、
芥川のほうには漱石に対して、尊敬ばかりではない葛藤が
あったのだなあ。
漱石との関係、一途に文学の道へ突き進もうとする
同時代の文学者たちとの交流に、
なにやらときめきを感じてしまいます。
鴎外の影響も受けてたのね、とちょっとうれしい。
結婚前の奥さんへのラブレターは、
「ぎゃー!!」とごろごろ転がりたいほど恥ずかしいのだけど、
その恥ずかしさがどこから来てるかと言えば、
文中にやたら英語や横文字を使いたがる「西洋かぶれ」の
部分だという気がする。
これは当時のほかの文学者の作品や書簡も同様。
そして芥川最晩年の写真は、見ればみるほど館ひろしに似ている……。
追記:出口王仁三郎って「出口の現代文」の人の祖先。
出てきておどろきました。