金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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82:乙武洋匡 『五体不満足』

2007-06-26 13:04:16 | 07 本の感想
乙武洋匡『五体不満足』(講談社青い鳥文庫)
★★★★☆

これも小学生の子が持ってきてくれました。
いわずと知れたベストセラー。
「スーパービート板」のところだけ仕事で既読。
全体を読んだのは初めて。

「あえて書かなかったこと」は多いと思う。
書かなかった理由を考えられるかどうかで、
個々の人々がこの本に抱く印象も変わるのではないかな。
問題があるとすれば、自分の人生の外にあることまで
断定してしまう書き方。
(やはり人格以外の問題で、人を遠ざけてしまう人々だって
 いるのだと思う)
しかし、より多くの人にあることを伝えようとすれば、
言葉の「わかりやすさ」「単純さ」は必要なわけで、
反面、それが誤解や反発を招くことになるのは避けられず……難しい。

単純に読み物として見てもおもしろく、
直接行動に結びつかないとしても、
読んだ人間の意識への働きかけという点で影響力は大。
……ああ、でもこれを読んだ子どもは、感想文に、
「乙武さんは障害があるのにすごいなあと思いました」
とか書いちゃうんだろうな。なんの疑いもなく、悪気もなく。

コメント
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