金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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7:小川洋子 『沈黙博物館』

2008-01-29 16:12:20 | 08 本の感想
小川洋子『沈黙博物館』(ちくま文庫)
★★★☆☆

依頼を受け、博物館を建てるために
技師としてある村にやってきた主人公。
依頼人は奇妙な容貌をした辛辣な老婆。
老婆が作ろうとしていたのは死者たちの形見をあつめた博物館。
老婆の娘だという少女とともにコレクションの整理をしつつ
老婆に代わって形見を盗み集めることになった主人公だが、
村では若い女性たちの乳首を切り取る殺人事件が
連続して発生し―――。

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小川洋子は最近読み始めたばかりなので
傾向といってもいまいちよくわかっていないのですが、
主人公が男性だったのがちょっと新鮮な感じ。
幻想的な世界観や顕微鏡にまつわるエピソードなどが
どことなく長野まゆみに通じると思ったのですが
どうなのでしょうか。

グロテスクでほのかにエロチックな雰囲気は
苦手なような、心惹かれるような。
もやもやっとしたまま、いまいちすっきりしない読後感では
あるのだけど、それもふくめて雰囲気は好み。


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