金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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210:西山秀人 『土佐日記』

2020-09-28 23:11:23 | 20 本の感想
西山秀人 『土佐日記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

平安期の大歌人、紀貫之が侍女になりすまし、
帰京の旅をかな文字で綴った紀行文学の名作。
国司の任期を終えて京へ戻る船旅は長く苦しい日々の連続であった。
土佐の人々に温かく見送られ出発したものの、
天候不順で船はなかなか進まない。
おまけに楫取はくせ者。海賊にも狙われる。
また折にふれ、土佐で亡くした娘を想い悲嘆にくれる。
鬱々としながらも歌を詠み合い、
ひたすら都を目指す一行の姿が生き生きとよみがえる。

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ビギナーズ・クラシックスシリーズ。
これは全訳。

「ダジャレが多い」というのは、高校の古典の授業で読んだときから
わかっていたけれど、下ネタがひどいね……
「オイ、じいさんよォ!」と文句をつけたくなる。
貫之は、女性になりきろうなどとは思っておらず、
身バレ前提でネタを仕掛けている……と寸評に書かれていたけれど、
これは素だろ……。
ネットでも文章でも、他人になり切るのは難しく、
どうしたって人格がにじみ出てしまう。

話自体はそこまでおもしろいだけではないのだけども、
国司になると利益を得るから、任国へ行くときよりも
帰ってくるときのほうが人が親切にしてくれる(返礼目当て)、
というのが国司経験者ならではのリアリティだなあ。

コメント
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