金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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199-201:長谷川法世 『マンガ日本の古典 源氏物語』上・中・下

2020-09-04 19:32:09 | 20 本の感想
長谷川法世 『マンガ日本の古典 源氏物語上・中・下』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

空蝉、六条御息所、夕顔、藤壺、末摘花、朧月夜、若紫―。
さまざまな女性との恋愛を通して、
たぐいまれなる美貌と才能を発揮してゆく光源氏の青春時代。
吹抜屋台、逆遠近などの伝統描法を大胆に取り入れて描いた
平成版源氏物語絵巻。
平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。

********************************
 
漫画。読み放題にて。
これはちょっとびっくりした。
源氏物語絵巻風の引目・鉤鼻のキャラクターデザインで、
ところどころ画面の構成も絵巻物風。
引目・鉤鼻といっても、絵柄がかなり洗練されていて
デザイン性が高く、現代の感覚でもちゃんと美醜がわかる。
建物や調度なんかもしっかり描いてあって、
絵を見るのがすごく楽しかった。
子どもの絵が可愛いよ~!!

ただ、ストーリーはダイジェストで不親切。
「これで源氏物語の内容を押さえよう!」という人には向いていない。
たとえば、頭中将はずっと頭中将ではなく、
「内大臣」になったり「致仕大臣」と呼ばれたりするようになるのだけど、
それについて「前に出てきたあの人と同じ人ですよ」という説明が
たまにしかついていない。
源氏物語の原作自体がそうなので、その点でも原作に忠実なのだけど、
名称が固定されないと初心者は話を追っていけないよね。
そういう点でも、「話を知っている人が楽しむ漫画」という感じ。
当時の風俗に忠実で、
「女性たちを識別できるように描き分けよう!」
というキャラデザにもなっていないし。

わたしはとても好き。





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192-198:最近読んだ本

2020-09-04 19:31:35 | 20 本の感想
五味文彦『中世社会のはじまり〈シリーズ日本中世史 1〉 (岩波新書)

知らないことがいっぱいあった。
「平安時代」「鎌倉時代」と時代区分はされるけれど、
その境目でがらっと社会の様相が変わるわけじゃなく、
平安後期から中世への移行は始まっているのだなあとわかる。



王朝物語秀歌選 (上) (岩波文庫)

上巻は定家の「物語二百番歌合」と「風葉和歌集」。
下巻は「風葉和歌集」と「源氏物語歌合」。
こういう形で、今はもう存在しない散逸物語の痕跡が
残されていることにロマンを感じる。

三條凛花 『365日のとっておき家事: もっと暮らしやすい家と時短のしくみづくり (単行本)

「自分もやってみよう」とは思わないんだけど、
やっていることがすてきだし、
本のデザインが好き。



藤田素子 『和宮内親王』

漫画。読み放題にて。
和宮と家茂がただただひたすらに可愛い。
天璋院はじめとする脇役も、
キャラや関係性がきちんと立っていてよし。

森園みるく/川田弥一郎 『まんがグリム童話 平安京の検屍官 検非違使・坂上元継の謎解き帖』

漫画。読み放題にて。
なぜ「グリム」なのか謎だが、検非違使が主人公というのに惹かれて。
ちゃんと「謎解き」はしているのだが、エロ要素が合わなかった。
絵柄の問題もあるのかしら。

大竹直子 『花洛夢がたり 源平紅雪綺譚』

漫画。読み放題にて。
前に「美しい絵だなあ」と思っていた漫画家さん。
ベースはBLなのだけれども、あからさまではないので
そこまで抵抗も感じず。
ドラマ性が高く、ムードがある。

山下京子 『MASAKO 北条政子 その波乱の一生』

描かれているのは数日間のできごとのみなのに、
「一生」と銘打っているのはこれいかに。
歴史に詳しくない人が描いているのだろうなあ……というのは
端々から感じられて、ツッコミどころ満載なのだけど
(個人的には「国民」がいちばんひっかかった)、
漫画としてはおもしろい。
キャラやテンポがいいんだよね。
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