★★★☆☆3.5
【Amazonの内容紹介】
しっかり者の杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が働くのは、
駅ビルの六階にあるごくごく普通の書店・成風堂。
近所に住む老人から渡された「いいよさんわん」という
謎の探求書リストや、
コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪した母を
捜しに来た女性に、
配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真……。
杏子と多絵のコンビが、成風堂を舞台に
さまざまな謎に取り組んでいく。
元書店員ならではの鋭くもあたたかい目線で描かれた、
初の本格書店ミステリ。シリーズ第1弾。
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題材や謎は、書店という舞台ならではのものだし、
書店員さんの仕事を垣間見る楽しみもある。
でも、ほっこり系だと思っていたので、
予想より悪質な事件や重い事情に
なんだか暗い気分になってしまった。
最終話の「ディスプレイ・リプレイ」も、
最後に救いはあるにしても、
「だからって、みんなを嫌な気分にさせて
いいわけじゃないだろう」と思ってしまう。
五編のうち、ただひとつ、「六冊目のメッセージ」は、
そういう重さがなく好き。