金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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18:篠綾子『星月夜の鬼子母神』

2023-02-05 22:59:44 | 23 本の感想

篠綾子『星月夜の鬼子母神』(集英社文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

我が子を鎌倉殿にするために、母は鬼にでもなる──
鎌倉幕府草創期、権力闘争の時代。将軍の座をかけ、北条氏と争う。

鎌倉幕府草創期、まさに権力闘争の時代だった。
権力の中枢を担う源氏の乳母一族として比企氏は力をつけていく。
そして、比企の血を継ぐ若狭局は、鎌倉殿・源頼家の妻となり、長男を出産。
北条氏との権力争いが激化するなか、若狭は幼いころ経験した
親族の不幸な境遇から、強い決心を持っていた。
我が子を鎌倉殿にするためには、他人の子を喰らう鬼にでもなる──。
激動の転換期を描く時代小説。


*********************************************

この作者さんの本は5冊目なんだけど、

たぶん、相性が悪いんだと思う。

 

というのも、読んでいて、

「いや、そうはならんやろ」

「そんなことで??」

と思うことがとっても多いのだ。

今回だと、頼朝が河越重頼を誅殺した「本当の目的」とか、

比企尼が頼朝に持ちかけた「取引」が、

ぜんぜん納得できなかった。

無理矢理ストーリーとして作っている感じがしてしまう。

 

でも、題材が好みのものが多いから、ついつい手に取ってしまうんだな~。

今回は若狭局が主人公。

あらすじから受ける印象より権力欲は強くなく、

ただ夫を愛し、子を案じる思いが強い母、といった感じ。

比企一族の出自にまつわる設定・エピソードは

終盤にかけてしっかり機能していたし、

ラストもとてもよかった。

主人公のわりに若狭局の出番があまり多くないのはちょっと残念だけど、

比企尼から竹御所に至る「比企の女たち」の物語とすれば納得。

「比企」として出てこないから目立たないけど、この物語の序盤、

「若狭局以前」ともいうべき母親世代のパートにもあるように、

比企の女性たちは頼朝時代にも、夫や子ども・孫を死に追いやられて

結構ひどいめに遭わされているのだった。

 

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大河ドラマ「どうする家康」雑感

2023-02-05 22:36:15 | 2023年に見たドラマ・アニメ

とりあえず、第5話の段階ではまだ見ています。

 

正直なところ、第1・2話の時点では、

「それなりに気合いを入れて作っている第1話で、

 おもしろいと思えるところが一個もないって、そんなことある!? 

『西郷どん』ですら10話以上見てたのに……」

と思って脱落の気配が濃厚だったのだけど、

第3話から脚本の人の持ち味が出てきて、

ようやく面白いと思える箇所も出てきた。

 

たぶん、「脚本」と「演技」と「演出」がかみ合ってないんだと思う……。

「ギャグとかコメディに振り切れば面白くなるだろう絵面なのに、

 演技はシリアス」

とか、

「展開に音楽が合ってない」

とか、そういうところが多い気がする。

 

今日やってた第5話では、

「松ケンと山田孝之って、演技うまいんだなあ~!!」

とつくづく思った。

ちゃんとおもしろかったもん。

「大河でやらんでもいいだろ」とは思うし、

本多正信と服部半蔵の紹介&キャラ立てのために存在した回で、

たぶん、全体のストーリーの中で位置づけたら

「なくてもいい回」だったと思うんだけども。

(今回は大部分がオリジナルで、史実としては次回だけでカバーできる)

 

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