金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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21-25:最近読んだ漫画

2023-02-10 18:04:47 | 23 本の感想
わけあって「少女漫画的王子様」の研究をするため、
積ん読してあった少女漫画を消化しはじめた。
 

 菊石森生・支援BIS『辺境の老騎士 バルド・ローエン〈1〉』

これはマンガというより、原作が、なのだろうけど、
じいさんが主人公ということで浮ついた要素もなく、
ファンタジーの世界をしっかり描こうとする気概を感じる。
絵がきれいだし、主人公が「皺を描き足したイケメン」ではなく
ちゃんと「じいさん」なのもよい。
デフォルメされた絵にやや違和感があるのだけど、
慣れたら気にならなくなるものかな・・・・・・
 
 
 
森下Suu『指先と恋々〈1〉』
 
ヒロインは可愛いし、絵もきれいだし、
ヒーローのかっこよさも伝わってくる。
でも、「たいして親しくない」以前の初対面の男の子が
頭をくしゃっ、ってやってくるところでゾッとしてしまった。
いや、わかってる、「頭ぽんぽん」とか「髪の毛に触る」というのが
男の子にドキドキするきっかけとなりえた時代があったんだって。
というか、10年くらい前は、小説でも漫画でも、
普通にこういう描写があふれていた。
 
……と、ここまで書いてこの漫画の発行年月日を見たら
2019年だった。
あれ、少女漫画界では今もありなの???
 

 
馬瀬あずさ『まいりました、先輩〈1〉~〈3〉』
 
おばさんなので、
 
1.「恋に落ちた」
2.「告白する」
3.「付き合い始めた」
4.「初めてキスをした」
 
の4段階が2話で済んでしまったことに、
「えええ~これが今どき!? 超特急~!?!?」
とびっくりしてしまった。
メインが「恋の成就まで」ではなく、
「付き合い始めてからのあれこれ」なのだということは、
読み進めていけばわかるんだけども。
ライバルが出てきて一波乱! かと思いきや、
思ったより波風も立たず、可愛いカップルを愛でる感じ。
 

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20:永井路子『姫の戦国〈上〉』

2023-02-10 17:38:55 | 23 本の感想
永井路子『姫の戦国〈上〉』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
京の公家の娘悠姫は、駿河の今川氏親のもとに嫁ぐ。
武家と公家の違い、激動する戦国の世にとまどいながらも、
今川義元の母として時代を生き抜く女を描く、歴史長篇。
 
****************************************
 
ちょうどこれを読んでいるときに、永井先生の訃報に接した。
大往生と言ってもいいご年齢だし、
もうずいぶん前に引退宣言なさっていて、
少なくともわたしの読んでいた作品に未完のものはなかった。
だから、氷室冴子先生のときのように、
「『銀の海 金の大地』も『なぎさ&多恵子』シリーズも、
 『冬のディーン 夏のナタリー』も、続きを読むことができない!
 永遠に!!!!」
とうちひしがれることはなく、ただただしんみり、
「わたしの人生を素敵な作品で彩ってくださってありがとうございます」
と感謝。
歴史小説で最初に「作者読み」したのは永井先生だったし、
最初に自分で買った一般小説も永井先生のものだったので。
『炎環』がやっぱりいちばん好きで、
熱心に読み込んだのは平安末期から鎌倉初期を舞台にした作品群だけど、
「流星」「乱紋」も好きだった。
「品切れ重版未定」が多数で、図書館にも置かれなくなっていたから、
ご存命のうちに『鎌倉殿の13人』にあわせて著作が復刊して、
たくさんの人がまた永井先生のご本に触れることになったのが、
すごくよかったなあと一ファンとして思う。
 
さて、今回のこれは初読。
後に寿桂尼と呼ばれることになる今川義元の母の物語。
 
上巻は、京にいたヒロイン・悠姫のもとへ縁談が
持ち込まれるあたりから始まり、
駿河で始まった結婚生活の中で、
京と駿河の風習の違いに興味を抱きつつ、
姑や夫との関係に悩む悠姫の姿が描かれる。
夫の隠し子が発覚してショックを受け、
知っていることを夫に告げるも、
「跡取りはお前の子で、お前が後見だよ? 何が問題?」
という夫の態度に、どうしようもないわかりあえなさを
感じたところで終了。
 
ホームドラマに終始せず、しっかり世相や
今川家をめぐる情勢・戦の様相も織り込んでいる。
織豊期以前のことは詳しくないのだけれども、
特に不自由を感じることなく理解できた。
『新九郎、奔る!』や直虎関係ぼ本で得た知識で
助けられたところもあるかもしれない。
井伊家はまだ今川に屈しておらず、侵攻してくる今川と
バリバリ戦っている時期。
 

 
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