
★★★★☆3.5
【Amazonの内容紹介】
やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――
幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?
斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?
斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
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この作家さん、デビュー作も、
『私が大好きな小説家を殺すまで』も読んだのに、
ブログに記録が残っていない。なぜ??
なぜか、主人公&ヒロインが某ラブコメのキャラクターで再生されてしまい、
困った(作品の雰囲気は全然ちがうのに……)。
いじめとか自殺、殺人の描写が多く、
決して楽しい話ではないのだけれども、
テーマにもストーリーにも、「この作家さんにしか書けない」という
オリジナリティが感じられてすごい。
主人公達の世界・視野がどんどん狭まっていくうえに、
切実さの演出がうまくて、
リアリティのなさを意識させない作りになっている。
以下、ネタバレを含みます。
ヒロインの魅力・カリスマ性があまり伝わってこず、
特に彼女のために罪を犯した小学校時代の同級生の女の子の
言ってることには「とってつけた」感があり、
「そういう設定なのだ」と自分に言い聞かせるしかなかった。
そこだけは残念。
でも、独自のムードがあって、
「なぜヒロインが主人公に執着したか」の一つのアンサーも
(事実かどうかはおいておいて)作中で示されていたのがよかった。
最後に出てきた消しゴムは、ヒロインが主人公に恋していた証拠でもあり
(消しゴムに関するおまじないの話が出てきていた)、
主人公へのいじめの始まりでもある。
好きだったし、それゆえに支配したいと思っていたけれど、
小学校時代に殺されてしまった男の子と同様に、
途中で思い通りに動かなくなったから始末されそうになった……と
わたしは解釈した。
読み返すには長すぎて再読はしないけれども、
読み返したら印象も変わるかもしれない。