2023年の映画⑨『神は見返りを求める』(𠮷田恵輔 監督)
★★★★☆
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
主人公・イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は、
合コンでYouTuber・ゆりちゃ ん(岸井ゆきの)に出会う。
田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、
田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、
まるで「神」の 様に見返りを求めず、
ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。
アクセス数 がなかなか上がらないながらも、
アクセス数 がなかなか上がらないながらも、
前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていく。
そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉⻯也)の紹介で、
そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉⻯也)の紹介で、
人気YouTuber(吉村界人・淡梨)と知り合い、
彼らとの“体当たり系”コラボ動画により、突然バズって しまう。
イケメンデザイナ一・村上アレン(栁俊太郎)とも知り合い、
イケメンデザイナ一・村上アレン(栁俊太郎)とも知り合い、
瞬く間に人気YouTuberの仲間入りをしたゆりちゃん。
一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。
一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。
良い人だけど、センスがない...。
恋が始まる予感が一転、物語は“豹変”するーー!
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Amazon primeにて。
事前に得た情報から、一人で見るにはしんどい内容だと判断して、
友人宅で「つらい……!」と何度も言いながら見た。
パッケージやあらすじのポップさから想像できないほど、
胸くそ悪く、そして苦しいのだ。
全然好きじゃないのだけども引き込まれて、
「なんか、すごいものを見た……」
と視聴後に呆然としてしまう映画だった。
ユーチューバー全盛期の雰囲気の記録としても
価値ある作品になるんじゃないだろうか。
最初こそ、
「この子(ヒロイン)、これでユーチューバーになろうとか、
よく思えるよね……鋼のメンタルじゃん」
と思っていたのだけども、一度承認欲求が満たされてから
ヒロインがどんどんおかしくなって主人公を疎ましく思い、
小馬鹿にしていくのも、
見返りを求めなかった主人公が、関係を絶てばいいのにそれが出来ず、
どんどんヒロインに執着して人生を狂わせていくのも、
「わかる」のだった。
共感はしないけれど、人間ってこういう心理ってあるよな……と
納得ができる。
ヒロインが自分を取り巻く状況に疑問を抱いて躊躇しはじめるのも
流れに不自然なところがなかった。
「ありがとう」を何度も再生するところで、めちゃ泣いてしまった。
本当、欲しかったのは感謝と敬意だったんだよな~!
保証人になって借金を背負わされ、金の無心をしたときも、
ヒロインが親身になって話を聞いてくれたら
あんなふうにこじれなかったはず。
(関係が悪くなっていた上に、恩着せがましいことを言って
金の無心をしてきたら、反感持つに決まっているのだが……)
良い方向に向かうような空気を出しながらも、
主人公・ヒロインの双方がひどい目に遭い、
決してハッピーエンドではない。
それなのに救済のようなものも感じさせる
不思議なラストだった。
途中のしんどいパートが結構長いので
かなり人を選びそうだけども、
心に爪痕を残されたい人にはおすすめ。