金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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29:杉森久英『天皇の料理番〈上〉』

2017-02-14 22:14:20 | 17 本の感想
杉森久英『天皇の料理番 (上)』(集英社文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

小さいときから強情でいたずらっこだった篤蔵は、
福井の大庄屋の次男坊。
高等小学校の時、ひょんなことから
鯖江連隊の田辺軍曹からご馳走になった“カツレツ”の味に仰天。
彼の運命が大きく変わることに―。
その後、家出同然に東京へ行き、西洋料理の世界に裸一貫で飛び込んでいく。
明治生まれの若者が、日露戦争以降の東京で、
激動の時代と共に、力強く成長していく立身出世の物語。

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なんかドラマになってたみたいね……という程度の
前知識しかない状態で読み始めた。
ナレーション部分で、「筆者も~」と作者の語りが入る小説、
久しぶりに読んだ気がする。
明治時代の洋食事情は知らないことだらけで楽しく読めたけれども、
どうにも主人公が好きになれない。
勉強熱心だし、人をよく観察して抜け目なくふるまうのは賢さゆえだけども、
この人、結構自分勝手なんだよね。
華族会館を辞めることになったのも、相手が悪いとしているが、
まずお前が悪いだろ!
そして、現代とは倫理観がずいぶん違うのだろうが、養子に入った先で、
嫁いできた奥さんを置いて失踪、死産してほっとする主人公は、
リアルなだけに腹立たしい。



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