金木犀、薔薇、白木蓮

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154:飛田良文 『明治生まれの日本語』

2019-09-28 14:30:32 | 19 本の感想
飛田良文『明治生まれの日本語』(淡交社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

恋愛、新婚旅行、個人、権利…
今日あたり前に口にしていることばのうち、
明治時代に生まれた新語を「明治生まれの日本語」と名づけ、
それらが造られた事情や背景を、
膨大な文例をもとに「辞典の泰斗」がするどく斬り込む!

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開国を機に西洋の事物や概念が持ち込まれたため、
明治時代にできた言葉は多いのだろう……と思ってはいた。

「年賀状」も「常識」も「世紀」も
明治にできたのね~という意外性は
あったのだけど、それよりもよかったのが、
西洋の概念を日本語で表すためにいろんなアイディアが生まれ、
それが競り合いながらひとつに集約していく様子。

英語の「ステーション」は「鉄道館」「鉄道寮」「停車場」等々の
訳が試みられ、「駅」は旧来「宿場」を指していたから
避けられていた。
「時刻」を表す「~時」も、「明け六つ時」等、
それまでの不定時法との混乱を避けるため使われず、
代わりに「字」を使っていて、
これもまた文字数と混同された。

そんなふうにさまざまな案が出ながらも、結局、
政府が出す法令や教科書に採用されることで
その言葉が市民権を得るようになった……というパターンが多く、
言語の変革ってやっぱり国家レベルで働きかけないと
急には変わらないんだな、と思う。



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