金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

75:平岩弓枝 『源太郎の初恋―御宿かわせみ〈23〉』

2005-08-11 20:41:52 | 05 本の感想
平岩弓枝『源太郎の初恋―御宿かわせみ〈23〉』(文藝春秋)
★★★★★

主人公ふたりのプライベートに大きな波。
いろんなところで子どもがメインの一冊でした。
「立春大吉」だけは尻切れトンボな印象がぬぐえなかったのだけど、
あとはいつものようにおもしろく読めました。
表題作「源太郎の初恋」は可愛かったなあ。
歯を抜かれるのを心配したり、お参りに連れていってあげようとしたり。
七歳ながらに身分のちがいをわきまえていて、花世に対しても
きちんと敬語を使ってるところがいじらしい。

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74:狗飼恭子 『愛のようなもの』

2005-08-10 20:40:34 | 05 本の感想
狗飼恭子『愛のようなもの』(幻冬舎文庫)
★★★☆☆

まどかとなつみ。
対照的な女子高生のふたりが出会い、恋をして、徐々に心を通わせていく物語。
ふたりの視点で交互に話が綴られていくのだけど、
まどかはこれまでに読んだ狗飼さんの本には出て来そうもないタイプで新鮮。
桜井亜美の描く女子高生みたい。
一方のなつみの章は、少し前の少女小説のような感じ。恋に落ちるシーンとか。
個人差はあるのだろうけど、中高生ぐらいの「恋」って
こういうふうだったかもしれないなあ。
一生懸命に恋する自分に酔ってたり、
相手の意外な素顔を見てしまって幻滅したり。
UFOの話はすっきりしないところもあったのだけど、おもしろく読めました。

狗飼さんの本では『忘れないからね』『おしまいの時間』が好きです。
あとは、『冷蔵庫を壊す』に入ってる「月のこおり」。
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73:石田衣良 『アキハバラ@DEEP』

2005-08-08 20:38:40 | 05 本の感想
石田衣良『アキハバラ@DEEP』(文藝春秋)
★★★★☆

自ら開発した革命的なサーチエンジンをめぐって、大企業と戦うオタクたち。
社会不適合者としてそれぞれ問題を抱えていた彼らが、
勇気を出して立ち上がる姿に思わずホロリ。
マンガ的ではあるし、クライマックスも
「そんなにあっさりでいいの!?」って感じでしたが、
わたしは石田さんのライトな、やさしい(甘い?)世界観が好きなので、
問題なし。
けっこう分厚いですが、さらりと読ませる勢いもある。
ひと昔前の映画みたいな、シンプルだけどワクワクさせる物語です。

それにしても、オタク文化ってすごいなあ…!


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72:銀色夏生 『遠い島々、海とサボテン―つれづれノート〈4〉』

2005-08-05 20:36:23 | 05 本の感想
銀色夏生『遠い島々、海とサボテン―つれづれノート〈4〉』(角川文庫)
★★★☆☆

旅行中の日記が大半を占めている。興味のない部分は飛ばして読む。
なので、物足りない感じ。
個人的な好みの話なのだけど、わたしは旅行記にはまったく興味がない。
これから行く場所についての旅行記も読みたくない。
読むとしたら、自分が行った場所に関するものだけ。
旅行も読書も、自分がどう感じたかがいちばん重要だと思っていて、
人の感じたこととのちがいにだけ興味がある。
他人が旅行先で撮った大量の写真をおもしろそうに見ている人は、
義理でやっているのだと最近まで信じ込んでいた。
わたしが偏屈なだけだった…

旅行に関係ない所感のような部分はあいかわらずおもしろい。
拉致被害者の話がそれとなく書かれていて、どきっとした。
この本が出た当時(平成7年)、わたしは拉致の存在をまったく知らなかった。

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71:平岩弓枝 『清姫おりょう―御宿かわせみ〈22〉』

2005-08-03 20:35:01 | 05 本の感想
平岩弓枝『清姫おりょう―御宿かわせみ〈22〉』(文藝春秋)
★★★★☆

表題作「清姫おりょう」のラストの描き方は、このシリーズでは異色。
なんだかおどろおどろしい事件が多かったような気がするのは気のせい?
よそに東吾の子どもが…という話は、読んだ記憶があるのだけど、
すでに忘却のかなた。
思い出せないと落ち着かず、一巻から全部読み返したくなってしまう。
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70:『ナナイロノコイ―恋愛小説』

2005-08-03 20:33:40 | 05 本の感想
『ナナイロノコイ―恋愛小説』(角川春樹事務所)
★★★☆☆
またアンソロジー。最近読んだもの、すべて江國香織の作品が入っている。
今回も一部感想。

角田光代「そしてふたたび、私たちのこと」
おもしろかった。
仲のいい友だちがいれば恋愛は不要、と思ってしまう気持ちはよくわかる。
ずっとそのままでいられたらいいのだけれど、なかなかそうはいかないもの。
特に女の子は恋愛の占める優先順位が高いので。

藤野千夜「ビルの中」
ひさしぶりにこの人のお話を読んだ。
『少年と少女のポルカ』ではじめて知って、その後に読んだ本で挫折。
今回はいたって日常的な(?)恋愛が描かれていて気楽に読めました。

ミーヨン「くらげ」
なんだかものすごく読みにくくて、入り込むことができなかった。
ベースになってる言語がちがうからなのかなあ。
読んでいるあいだじゅう、不思議な違和感を感じていた。

唯川恵「手のひらの雪のように」
これからひとひねりあるのかと思ったら、あっさり終わってしまって拍子抜け。
ナオと俊太郎の距離感みたいなものは好きでした。

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69:『Friends』

2005-08-02 20:31:57 | 05 本の感想
『Friends』(祥伝社)
★★★☆☆

ひとりアンソロブーム?
恋愛未満の友だち、あるいは女どうしの友情がテーマの短編集。
一部感想。

谷村志穂 「青い空のダイブ」
王道だけど、幼馴染の恋愛に弱いのです。
気心が知れていて、適度な緊張感もあって。
出てきた友達たちが、本当「出てきた」だけなのはちょっと物足りなかった。

前川麻子 「恋する、ふたり」
母と娘と、母の恋人のお話。
かわいいなあ。ほのぼのしててやさしい気持ちになれました。
この人の文章を読んだのは初めて。

横森理香 「Chocolate」
チョコレートが食べたくなった。
BABBIは先日セントレアで初体験。えらく高いジェラートを食べました。
チョコレートもすみっこにおいてあったのだけど、メインはウェハースチョコだったのね…。
次回空港に行く機会が会ったら買ってこよう。
きっと自分もヒロインと似た行動をとってしまうのだろうけど、都がかわいそう。

唯川恵 「彼女の躓き」
おもしろかった。
女どうしのドロドロって、身につまされるところもあり、リアリティが感じられてドキドキする。
結婚した男性に対してヒロインたちが「こんなはずじゃなかった!」と思うように、
男性のほうもまた同じような後悔を相手に対していだいているんだろうなあ。


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68:銀色夏生『さようならバナナ酒―つれづれノート〈5〉』

2005-08-01 20:30:21 | 05 本の感想
銀色夏生『さようならバナナ酒―つれづれノート〈5〉』(角川文庫)
★★★★☆

シャランQについて(この本の初版は平成8年)、
「ボーカルの人の世間によごれきってるって感じが好き」
と書かれているところに笑う。
成功とストイックさの関係について、常々思っていたことを
言葉にしてもらったようで、ふむふむと納得。
この人のお金の使い方には、最初の頃は唖然としていたけれど、
最近では爽快にすら感じる。
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67:銀色夏生『つれづれノート〈2〉』

2005-08-01 20:29:02 | 05 本の感想
銀色夏生『つれづれノート〈2〉』(角川文庫)
★★★☆☆

ときどき、はっとするような言葉がある。
生活スタイルや人間関係について考えさせられる。
「人にあれこれ言われたくない」というのはわがままなようだけれど、
親がしりぬぐいしてくれる子ども時代ならともかく、大人になれば、
その人の行動や行き方についてはその人以外誰も責任が取れない。
求められてもいない忠告やアドバイスは意味がないし、
そしてそれらはきっと、相手のことを純粋に考えて出た言葉ではない。
昨晩、自分に関係ない他人のすることについて異をとなえてしまい、
それを思い出して反省しました。

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