金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

159:篠田節子 『三日やったらやめられない』

2005-12-22 13:21:00 | 05 本の感想
篠田節子『三日やったらやめられない』(幻冬舎)
★★★☆☆

ずーっと昔に『女たちのジハード』『ハルモニア』を読んだだけの作家さん。
最近偶然読んだ短編がよかったので興味を持って、まずはエッセイをチョイス。
前半は、「これもまた問題集に出てきそうな文章だなあ……」という印象。
風潮批判の文章は仕事でいやになるほど読むので、
よほどひねりがないと興味を惹かれないのです。
作家の仕事についてや、作家になる前についていた職業についてなど、
プライーベートにかかわる部分はおもしろかった。
エッセイで興味を持つのはいつもそこ。
私生活を知りたがるのはワイドショー的嗜好ゆえかしら

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158:高山なおみ 『日々ごはん〈3〉』

2005-12-20 13:19:29 | 05 本の感想
高山なおみ『日々ごはん〈3〉』(アノニマ・スタジオ)
★★★☆☆

最初に④を読んでしまい、今日は図書館で③を発見。逆行して読んでいる。
木々や鳥、季節の移り変わりに目を向ける高山さんの感受性が心地よい。
季節の素材を使った自分の手料理だけでなく、
ファーストフードやコンビニごはんを食べているところにも好感が持てる。
そういうものを食べてはダメだ、体にいいものだけを食べなければいけない、と
押し付けがましく主張する人の偏った感じが苦手なので。
肩肘張らず、肩の力を抜いたような文章のトーンも好き。
もっとこの人のことを知りたいと思わせる。
ごはんもあいかわらずおいしそう。
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157:内海隆一郎 『島の少年』

2005-12-19 13:18:16 | 05 本の感想
内海隆一郎『島の少年』(河出書房出版)
★★☆☆☆

これも仕事のため借りたもの。
小学生なのに家族を養おうと働く智之のいじらしさに胸を衝かれ、
キミ子に本気でムカっぱらを立てつつ、謎の解明を心待ちにしていましたが……
謎は一つも明かされず、オチもつかない!
なんじゃこりゃ、としばし呆然。
なんなの? 続編でもあるの??
まったくと言っていいほど腑に落ちない読後感。
期待して夢中で読んでいたぶん、がっくり。

舞台設定のためか、ずいぶん昔の時代を描いた話のように思えるのだけど、
「Jリーグ」が出てきたりして激しく違和感を感じました。

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156:姫野カオルコ 『終業式』

2005-12-11 13:16:00 | 05 本の感想
姫野カオルコ『終業式』(角川文庫)
★★★☆☆

『ツ、イ、ラ、ク』はとてもおもしろかった。
『蕎麦屋の恋』『特急こだま東海道線を走る』はいまいち。
『整形美女』は最初の数十ページで挫折。
そんなこんなでいまいち評価の定まらない作家さんだったのだけど、
これはおもしろかった。
高校時代からの二十年間を手紙、ファックス、メモなどなどのやり取りだけで
綴った物語。
何が起こったのか、わずかな文章のみから想像しなければならないのだけど、
恋に破れ、結婚に失敗し、争ったり打算を働かせたりして、
それぞれが大人になっていく過程が見えて切なかったり感慨深かったり。
主人公格のふたりを好きになれなかったため、感情移入できなかったのがやや難。

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155:川上健一 『翼はいつまでも』

2005-12-10 13:14:49 | 05 本の感想
川上健一『翼はいつまでも』(集英社)
★★★★☆

これも仕事の関係で読む。
若いって、恥ずかしいね!
今では考えられないような理不尽な暴力教師に反抗してみたり、
エッチな言葉を辞書で引いてみたり、好きな女の子の前でかっこつけてみたり。
中学生の男の子のいじらしくも懸命な毎日と、
顔が赤らんでしまうようなみずみずしい初恋が描かれていて、夢中で読みました。
ビートルズ世代の人だったら、もっと胸にせまるものがあると思う。
終章でちょっとガクッときてしまったので★4つだけど、
文庫版も出ているので買ってもう一度読みたい!

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154:竹内真 『自転車少年記』

2005-12-10 13:13:33 | 05 本の感想
竹内真『自転車少年記』(新潮社)
★★★★★

いやー、よかった!おもしろかった!
昨年度の高校入試で頻出だったため興味をもって借りたのだけど、大当り。
初めて仕事と趣味がリンクしたぞ!
自転車と初めて出会った四歳の頃から二十代後半にいたるまでの、
二人の少年の青春の軌跡の物語。
スポーツものにありがちな押し付けがましさや、
偏った上昇志向みたいなものがなく、
成長する中で現実の壁にぶつかり、選ばれた人間には決してなれない、
だけど自転車が好きだ!という地に足のついた話の流れもいい。
友情ありロマンスありで、青春したいなぁ!!と思いました。
少年の成長物語の好きな人には特におすすめ!

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153:宮城谷昌光 『王家の風日』

2005-12-08 13:11:22 | 05 本の感想
宮城谷昌光『王家の風日』(文藝春秋)
★★★★★

商王室から見た商周革命の物語。
賢人でありながら(賢人であるがゆえ?)たどる悲運の道、
一個人ではなんともしがたい時代の流れのようなものが感じられて、
歴史って悲しい……としみじみ。
宮城谷氏の小説を男性が好んで読む心理が少しだけわかる気がした。
登場人物に求める「かっこよさ」が男性と女性じゃ根本的にちがうのよね……。
もちろん女性から見ても十分魅力的でかっこいいのだけれど、
女性はこういう書き方はしないし、できないだろう、
女の視点が入っちゃうだろう、と思う。
そういうところがおもしろいのだけれど。

『太公望』と重複しているためまだわかったほうだと思うけれど、
あいかわらず登場人物が多くて名前が覚えられない。
重複はしているが同一の物語ではないので、周公旦や太公望など
人物の描き方に違いがあり、そこも興味深い。

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152:乃南アサ 『ダメージ―そこからはじまるもの』

2005-12-06 13:08:54 | 05 本の感想
乃南アサ『ダメージ―そこからはじまるもの』(新潮文庫)
★★★☆☆

身の上相談の回答部分のみがモノローグ形式で書かれるエッセイ。
前半は、いやーわたしそんなに恋愛のことばっかり考えて生きてないし……
という感じだったのだけど、後半が俄然おもしろい。
後半は人間関係全般や生き方に関する話題が多く、
恋愛相談をする女同士の心理とか、愚痴ばかり言う人は人の話を聞かないとか、
頷ける部分が多かった。
いちばん「おお!」と思ったのは、
「人の幸せなんて誰も望んでない」
というところ。
短絡的に「淋しいこと言うんじゃない!」と思ってはいけない。
大事なのはだからどうする、という部分だし。
モノローグでぶっ通し、という形式はちょっと疲れたけどおもしろかったです。
おすぎさんの解説も◎。

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151:高山なおみ 『日々ごはん〈4〉』

2005-12-05 13:07:34 | 05 本の感想
高山なおみ『日々ごはん〈4〉』(アノニマ・スタジオ)
★★★★☆

料理家・高山なおみさんの日記。
テレビは「義経」と「大奥」以外ほんとに何も見ないので、
この方のことはまるで知りませんでした。
図書館で発見して、「そういえばヴィレヴァンで並んでたな……」と
思い出し、即借り(④しかなかった)。
いやー、よかったです。
途中からなのでわからない話も多かったけど読み進めるうちに見当はついたし、
なにより、ごはんが!
その日につくったもののメニューを見るだけで、よだれがでそうです。
ちくわじゃが、もやしと長葱のナンプラー炒め、塩鮭……って
名前が書いてあるだけなのに、ものすごくおいしそうなの。
ご飯の上にスライスチーズと目玉焼きを載せてしょうゆをかけてハイ終わり!
なんて食生活をしていてはいけないのよね(↑よくやります)。
旦那さんとの仲よしな雰囲気もいいなあ。①から読みたい!

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150:三浦しをん 『人生激場』

2005-12-04 13:06:07 | 05 本の感想
三浦しをん『人生激場』(新潮社)
★★★★☆

今回も笑って笑って腹筋ぴくぴく。おもしろかったです。
サッカー選手のことはさっぱりわからないが、妄想ぶりは楽しめます。
しかし、エッセイって小分けにして気軽に読めるし、面白いのも多いのだけど、
なぜか読み返したいと思わないんだよな……。
何度も読むのは江國香織さんのものくらい。
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