金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

18:いしいしんじ 『ポーの話』

2006-01-21 13:49:49 | 06 本の感想
いしいしんじ『ポーの話』(新潮社)
★★★☆☆

この人も読んだのは初めて。
子どもに読ませるにはダークな部分も多いのだけど、童話の雰囲気。
どうやらわたしは童心をすっかり失ってしまっているようなので、
児童文学にはあまり触手が動かない(「ヤングアダルト」本は好きだ)のだけれど、
『ゲド戦記』あたりが好きな人には楽しめそう。なんとなくだけど。
混沌とした世界の中にうもれた美しいものやさしいものをすくいあげるような、
そんな印象の物語。
装丁が素敵

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17:伊坂幸太郎 『チルドレン』

2006-01-21 13:48:00 | 06 本の感想
伊坂幸太郎『チルドレン』(講談社)
★★★★★

直木賞候補等々、あちこちで話題になっていた作家さんであるにもかかわらず、
読んだのははじめて。
語り手の異なる短編集という形をとっているけれど、
同じ登場人物が出てきて話もリンクする連作。
おもしろかった!
リアルな物語ではないけれど、リアルなだけが小説の価値ではないしね。
陣内くんのキャラクターがおかしくて、何度も笑わせてもらいました。
雰囲気が好きなので、別の本も読んでみたい。

コメント (2)
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映画:『男と女』

2006-01-18 13:46:16 | 映画の感想
『男と女 特別版』(クロード・ルルーシュ 監督)
★★★★☆

妻に自殺されたレーサーと、スタントマンの夫を亡くした女のロマンスを描いた
フランス映画の名作。
写真集のような映画でした。
言葉による説明がほとんどない。
表情や仕草が、亡き夫への想いや互いに惹かれあっていく過程を物語っている。
会話の少ない物語が好きなので、この雰囲気は本当によかった。
そしてヒロインを演じるアヌーク・エーメの美しいことといったら!
しっとりした大人の女性の魅力全開です。

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16:平安寿子 『素晴らしい一日』

2006-01-18 13:44:57 | 06 本の感想
平安寿子『素晴らしい一日』(文藝春秋)
★★★☆☆

男に貸した20万を取り返すため、男とともにお金を借りにまわる一日を描いた
表題作「素晴らしい一日」はデビュー作とのこと。
おおらかで、気持ちがなごやかになるような短編集。
特に、ノスタルジーを感じさせる「おいしい水の隠し場所」が好きでした。
読んでいるときはおもしろいのだけど、個人的には
何度でも読み返すタイプの本ではないな……というわけで★3つ。

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15:乃南アサ 『女刑事音道貴子 花散る頃の殺人』

2006-01-17 13:43:28 | 06 本の感想
乃南アサ『女刑事音道貴子 花散る頃の殺人』(新潮社)
★★★☆☆

短編集。
音道貴子シリーズはもうこれで全部なのかしら?
「あなたの匂い」がすごく気持ち悪くて怖かった!
出すゴミって、たしかに人に見られたら恥ずかしいものばかり。
それを暴かれる恥ずかしさや怒りはよくわかる気がする。
コギャルの出てくる「雛の夜」も面白かったです。
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14:乃南アサ 『鎖〈下〉』

2006-01-16 13:41:53 | 06 本の感想
乃南アサ『鎖〈下〉』(新潮文庫)
★★★★★

個人的には、乃南作品で一番おもしろかった!
またろくでもない男が出てきてムカムカしましたが、
『凍える牙』ではあんなにいやな親父だった滝沢が、貴子を案じてかばい、
必死になっているのが泣かせる。
貴子がストックホルム・シンドロームに陥ったあたりではハラハラしましたが、
警察官としての彼女の気持ちを引き戻したのが滝沢なのもいい。
合言葉を決めるときのシーンで大爆笑でした。

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映画:『蒲田行進曲』

2006-01-15 13:40:31 | 映画の感想
『蒲田行進曲』(深作欣二 監督)
★★★★★

蒲田駅の音楽を聞くたび思いを馳せたものだが、ようやく見られた!
スターの銀ちゃんから妊娠した恋人・小夏を押し付けられた大部屋役者のヤス。
ヤスを中心とした三人の悲喜劇が描かれる。
唖然としたラストだったけど、芝居というものをよくあらわしている気がした。
それにしても、銀ちゃんってどうしようもない男だよな!
小夏が惹かれ、思い切れない気持ちはなんとなく想像ができるのだけど、
ヤスがどうしてあんなに彼に心酔してるのかは、さーっぱり。
松坂慶子は、溌剌としてて光っていた。
ヤスの実家へ行ったときの、髪を束ねて白地の浴衣を着ている姿が特にきれいでした。
そして何よりも平田満。
うだつのあがらない、甲斐性なしの男をやらせたら、
彼の右に出るものはいないとわたしは信じている!(褒め言葉です)
彼に最高にときめいたので、★5つ。

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13:乃南アサ 『鎖〈上〉』

2006-01-15 13:38:56 | 06 本の感想
乃南アサ『鎖〈上〉』(新潮文庫)
★★★★★

『凍える牙』は動物好きでないこともあって、
今一歩のめりこめないところがあったのだけど、
今回は最初からぐいぐい引き込まれて、
眠いのにすぐさま下巻を読み始めてしまった。
むかつくとは聞いていたが、本当に腹が立った。なんだこの男!
でもいるよね、こういう人って……。
『ヴァンサンカンまでに』でも思ったけど、乃南さんは
女性の心理描写だけでなく「小物」な男を描くのもうまいと思う。

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12:竹山道雄 『ビルマの竪琴』

2006-01-14 13:36:34 | 06 本の感想
竹山道雄『ビルマの竪琴』(新潮文庫)
★★★★☆

きちんと通して読んだのは初めて。
戦争の愚かさも描かれているのだけど、鮮やかな色彩の異国情緒もあいまって
内容はおとぎ話のように美しい。
タイトルだけで、すでに強いイメージを喚起される。
子ども向けに書かれたものだということもあって、話の流れがゆったりしている。
文体は柔らかすぎるように感じた。
時代背景の問題もあるし、後半はかなり観念的な話題が扱われているので
現代の子どもにはやや難?

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11:乃南アサ 『未練―女刑事音道貴子』

2006-01-14 13:35:29 | 06 本の感想
乃南アサ『未練―女刑事音道貴子』(新潮文庫)
★★★☆☆

間をすっ飛ばしちゃってるけど短編集なのでいいか!と思ったのだが、
やっぱり発刊順に読むべきだった……
いつのまにか恋人ができていてびっくりしたよ!
表題作「未練」はすっきりまとまっていて、面白かった。
「未練」「聖夜まで」以外の話は、短編として独立したものではなく、
物語の側面をほんの一瞬、いくつかの角度から切り取って見せたような趣向に
なっている。
全体的に後味はあまりよくなかったな……。

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