金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『男たちの大和』

2006-01-12 13:33:31 | 映画の感想
映画の感想:『男たちの大和』 (佐藤純彌 監督)
★★★☆☆

映画館を出て最初に出た言葉は、
「反町くん、演技うまくなったねえ……」でした。

戦争の悲しみも描いているのだけど、反戦メッセージというよりは
滅びの美学というか、ある種のロマンチシズムを感じるお話でした。
何度も涙ぐみそうになったのだけど、主役以外の人物の描き方が
表面的だったのがおしい。
渡哲也、勝野洋等々、豪華キャストを活かしきれなかった感じ。
ほっと深く掘り下げて描いてくれたら、またちがった感想を抱いたと思う。
戦闘シーンは凄まじかった。
見に来ていたのは年配の方が多かったようだけれど、
戦争体験者の方はどう思われたのかしら……。
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10:奥田英朗 『最悪』

2006-01-11 13:31:58 | 06 本の感想
奥田英朗『最悪』(講談社文庫)
★★★☆☆

分厚すぎてブックカバーに入らなかったよ!

鉄工所社長の川谷、銀行員のみどり、ヤクザに追われるチンピラの和也。
追い詰められたそれぞれの人生が交差して、犯罪への道を転がりはじめる。
3人が出会ってからは、スピード感もあっておもしろいのだけど、
それまでが長いのなんのって……。
特に川谷が追い詰められていく過程は丁寧に描かれていてリアリティも感じたのだけど、
3人の物語が交互に描かれるのでぶつ切りの印象を与えてしまうのです。
終盤は、エゴむき出しの姿に思わず眉をひそめつつ、
きちんと救いのある終わり方にほっとしました。
おもしろかったけれど好みではなかったので★3つ。

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9:辻村深月 『子どもたちは夜と遊ぶ(下)』

2006-01-10 13:30:39 | 06 本の感想
辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ(下)』(講談社ノベルス)
★★★★☆

だ、 だ ま さ れ た ー !!

上巻から言い回しに不自然なところは感じていたのだけど、
まさかこう来るとは……
お兄ちゃんにべったりすぎるよ!
納得はしきれない……が、確かに誰も明言はしていないのであった。くくく

「i」の正体については、ひと昔前にはやったわたしの嫌いなパターンのオチで、
特別驚きもしなかったのだけど、グロテスクな描写・設定のなかにも
乙女チックな甘さ・やさしさが満ちていて、そこがよい感じ。
子ども好きなヒロインなんて絶対気が合わないと思っていたけど、
お葬式での紫乃とのエピソードにはホロリと来てしまいました。
少々極端ではあるけれど、確かに女の子どうしってそういうところあるなぁと思って。
デビュー作も読んでみたい。


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8:辻村深月 『子どもたちは夜と遊ぶ(上)』

2006-01-09 13:29:01 | 06 本の感想
辻村深月『子どもたちは夜と遊ぶ(上)』(講談社ノベルス)
★★★★☆

籐子ちゃんのおすすめ。
いやー、おもしろかった! 一気読み!
最後は「えっ、まさか!?」と思いながらも、
「いやいや、まだまだ中盤だし、だまされるな!」と思いなおしてみたり。
ゲームのような連続殺人と、登場人物の過去に気分が悪くなりましたが、
はりめぐらされた伏線に期待大。
数多い登場人物の意味づけをどうしていくのかが気になります。
オチがわからないので、とりあえずは★4つ。
下巻はこれからすぐに読みます。

読む前から聞いてたけど、確かに登場人物が美男美女ばかりだ……

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7:平安寿子 『くうねるところすむところ』

2006-01-07 13:27:33 | 06 本の感想
平安寿子『くうねるところすむところ』(文藝春秋)
★★★☆☆

自分を助けてくれた鳶職の男に一目ぼれした梨央と、
離婚によって工務店を継ぐことになってしまった姫。
土建屋の世界に飛び込んだ素人の女性二人の視点で綴られる物語。
深刻さやドロドロしたものが描かれず、軽いタッチで話は進む。
その点薄いような印象もあるのだけど、さわやかで前向きな雰囲気がよい。
家を建てるのに、こんなに数多くの業者がかかわり、
こんなに多くの問題が発生するのだなあ……と
業界をわずかに垣間見た気もしておもしろかった。

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映画:『リトル・ダンサー』

2006-01-05 13:25:57 | 映画の感想
『リトル・ダンサー』(スティーヴン・ダルドリー 監督)
★★★★★

ちょっぴり泣いてしまった……!
偶然レッスンを見たことからバレエに魅了され、
ダンサーへの道を歩みはじめる男の子の物語。
主役の男の子の可愛いことといったら! 
踊る姿もきれいで、バレエも魅力も断片的ながら想像できました。
先生との関係や、友達の男の子とのやりとりにときめき。
そしてなにより、お父さんの決断にホロリ。
すべてがハッピーエンドで終わるのではなく、
解決されない労働者階級の悲しみもきちんと描かれていて好感が持てる。
映画館で見たかった……!

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6:平岩弓枝 『閻魔まいり―御宿かわせみ〈10〉』

2006-01-05 13:24:20 | 06 本の感想
平岩弓枝『閻魔まいり―御宿かわせみ〈10〉』(文春文庫)
★★★★★

シリーズ中いちばん好きな「源三郎祝言」が入っているので、
もうそれだけで★5つ。
ちょっぴり唐突な印象はぬぐえないのだけど、いい話。
宗太郎がまだ登場していなくて、東吾・七重・るいの微妙な三角関係を
なつかしく思ったりしました。
表題作「閻魔まいり」と同じような、地味な娘と派手な娘の取り合わせは、
後にも出てきましたね。なんだっけ……また忘れてしまってる

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5:平岩弓枝 『狐の嫁入り―御宿かわせみ〈6〉』

2006-01-05 13:22:59 | 06 本の感想
平岩弓枝『狐の嫁入り―御宿かわせみ〈6〉』(文春文庫)
★★★☆☆

再読。
あんなに夢中で読んだのに、意外と内容を覚えていないものね……。
「師走の月」以外はほとんど忘れてました。
読んだのは8年前だから、無理ないことかもしれないけど。
おとせがやってきた顛末もさっぱり覚えていなくて、
こうなると1巻から読み直さなきゃいけないような気分になって困ります。

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4:金沢創 『他人の心を知るということ』

2006-01-04 13:21:33 | 06 本の感想
金沢創『他人の心を知るということ』(角川Oneテーマ21)

ずーっと前に仕事のために買ったもの。
コミュニケーション論にはもうかなり食傷気味、
もともとあまり好きじゃないし、目新しさは感じられなかった……のだけれど、
これはわたしの個人的な事情。
身近な例をあげてわかりやすく書かれた本なので、
この類の本を初めて読む人にはおもしろく読めるんじゃないでしょうか。
筆者のまえがきを読んでいると、当時は日本人のコミュニケーションについて
書かれた本は少なかったようです。
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3:永井路子 『乱紋(下)』

2006-01-03 13:20:26 | 06 本の感想
永井路子『乱紋(下)』(文春文庫)
★★★★☆

もう大野時代のおごうさまには戻れないのね……

二人めの夫・秀勝に先立たれ、秀忠に嫁ぐことになったおごう。
もともと感情を表に出さない人物として描かれていたのだけど、
下巻になって急に存在感が薄くなってしまったような気がする。
結果として意地の悪い姉たちをしのぎ、勝利者になったわけだけれど、
十年前に読んだときには感じなかったこの悲しさは
いったいなんでしょうか……。

三姉妹の仲の悪さがよい感じ。
幼くして波乱の生涯を送ってきた姉妹どうし、
血の絆みたいなものがありそうなものだけど。
皮肉やあてこすりにまみれたやり取りがおもしろくも悲しい。

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