金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

131:甲田学人 『Missing 神隠しの物語』

2008-12-19 16:03:02 | 08 本の感想
甲田学人『Missing 神隠しの物語』(電撃文庫)
★★★★☆

蔵書整理のため、再読。
最後にライトノベルを読んだのがずいぶん前だったせいか、
本文の合間にイラストが入っていることにすごい違和感。
絵が邪魔だ……。
好きなタイプの絵じゃないからかもしれないけど。

「硝子のような」なんて陳腐な表現にはげっそりするし、
主人公(?)の設定すべてにうんざりしてしまうのだけど、
それを差し引いても面白い。
オカルトや民俗学の知識とインターネット、MIBの組み合わせも
新鮮だし。
ただ、確か、シリーズ後半から冗長に感じられて
興味を失ってしまい、
著者の次の作品は読むのをやめたんだった。
人にあげる前にとりあえず全13巻再読の予定。
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130:はやみねかおる 『都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸 下』

2008-12-14 20:51:51 | 08 本の感想
はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸下』(YA! ENTERTAINMENT)
★★★★☆

正直、頭脳集団が出てきたあたりから、
「なにそんなおおげさぶってんの?」
とイマイチ入り込めなくなってたのだけど、
今回は単純にお話としておもしろかったな~。
お約束のオチもあり、意外な展開もあり、
楽しんで読めました

お父ちゃんズの話は気恥ずかしくてしょうがなかった。
特にイラスト。
そして「おまけのおまけ」では、「真田って誰だっけ」状態。
シリーズものは前巻から間が空くとよくないね。
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129:はやみねかおる 『都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸 上』

2008-12-14 16:57:35 | 08 本の感想
はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸上』(YA! ENTERTAINMENT)
★★★★☆

ネット上の掲示板で目にした栗井栄太からのメッセージに応じ、
「IN塀戸」のお披露目に参加するため、塀戸村にやってきた
内人と創也。
命の危険はないはずが、謎の人物Xに殺されかける二人。
Xは誰なのか? 
そして岩と岩の間から見えた空飛ぶ円盤は本物なのか?

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おもしろかったんですが、おばちゃん、
もう内輪ノリについていけません……
ファンだったら楽しめそうだけど。

『バオー来訪者』って、この本のメイン読者層は
まったく知らないのでは?
ちなみに『バオー~』は、『ジョジョの奇妙な冒険』の
荒木飛呂彦氏の、20年以上前の作品です。

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128:小野不由美 『くらのかみ』

2008-12-14 15:25:18 | 08 本の感想
小野不由美『くらのかみ (ミステリーランド)』(講談社)
★★★☆☆

真っ暗な部屋の四隅に四人の人間が立ち、壁伝いに歩いて
次の子の肩を叩きながら部屋をぐるぐる回る。
四人では成立しないはずのそのゲームを始めると、
四人が五人に増えている――。
後継者選びのために「本家」を訪れた子どもたちが
その遊びを始めたら、四人が五人に増えていた。
そんななか、後継者選びにかかわる事件が起こり、
「なぞの一人」を含めた子どもたちは事件解決のために
推理を始めるが……

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ファンタジー要素がないと成り立たないミステリーなので、
真剣に推理しようとしながら読んでいた人は怒るだろうなあ……。
小野不由美はほかに『東亰異聞』『屍鬼』しか読んでいないのだけど
(十二国記には食指が動かず)
個人的には可もなく不可もなくといったところ。
登場人物をもっと少なくできないのだろうか。
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127:よしもとばなな 『サウスポイント』

2008-12-14 10:13:50 | 08 本の感想
よしもとばなな『サウスポイント』(中央公論新社)
★★★★☆

偶然訪れたスーパーで耳にしたハワイアンの調べ。
その歌詞は、自分が幼いころ初恋の男の子「珠彦くん」に送った
手紙の一節だった。
大人になり、キルト作家となっていたテトラは、
その歌い手「ユキヒコヨシムラ」にメールを送り、
会うことになるが、現れたのは「幸彦」であり、
「珠彦」はすでにこの世にいないという。
「珠彦」のキルトを作るため、テトラは
彼の住んでいたハワイに向かうことになる。

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宗教とかインドとか、ばなな作品ではよくある家族環境なので
「またか~」くらいにしか思っていなかったのだけど、
「マオ」って名前で気づきました。
『ハチ公の最後の恋人』ね!
懐かしいなあ

初恋の回想に胸キュンだけど、
冷静に見れば、確かに気持ちの悪いストーカーレベルの執着だ
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126:江國香織 『神様のボート』

2008-12-13 19:07:26 | 08 本の感想
江國香織『神様のボート』(新潮社)
★★★☆☆

「あのひと」と「骨ごと溶けるような恋」をし、
「あのひとのいない場所にはなじむわけにいかない」と
娘を連れて引越しをくり返す葉子。
そのかたわらで「パパ」の話を聞かされながら
成長していく娘の草子。
草子が成長するにしたがい、母娘の関係は徐々に変化し、
現実を知るようになった娘は母や旅する日々から
離れていくことになり……

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蔵書整理のため再読。
だいぶん前に買った雑誌に、書評家たちが
女性作家の恋愛小説から作家別にベスト3を選ぶコーナーがあり、
それを読み返して、古本屋で買ったまま放置していたのを
思い出した次第。
個人的には、つまらなくもないけれど、
特に好きでもないといったところ。
はっとするようなフレーズはいくつかあるけれど。

ちなみにその雑誌で挙げられていた江國香織のベスト3は

①『号泣する準備はできていた』
②『神様のボート』
③『間宮兄弟』
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125:星亮一 『奥羽越列藩同盟』

2008-12-12 19:24:15 | 08 本の感想
星亮一『奥羽越列藩同盟』(中公新書)
★★★★★

会津藩救済を目的として発足した列藩同盟は、
明治天皇を抱く薩長新政府に対抗して
輪王寺宮公現法親王を擁立し、
東日本政府樹立に向かって結束を固めていくことになった。
戊辰戦争における仙台、米沢、会津、庄内、秋田、長岡
各藩の事情と人物、敗戦後の顛末を追う一冊。

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読後、陰鬱な気分に陥ってしまったけれども、
おもしろかった!!
どんな単位の集団であっても、
利害関係や権力争いってあるよね……。

ところで、この本を読んで初めて気づいたことが。
南部藩といえば浅田次郎の『壬生義士伝』。
大野次郎右衛門って架空の人物だったのか……!
多少の創作は入っているにしても実在の人物だと思ってたよ!
実在の家老・楢山佐渡をモデルにしたようだ。
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124:辛基秀 『朝鮮通信使の旅日記』

2008-12-11 18:41:13 | 08 本の感想
辛基秀『朝鮮通信使の旅日記―ソウルから江戸 「誠信の道」を訪ねて』(PHP新書)
★★★☆☆

江戸時代260年を通じ、12回派遣された朝鮮通信使。
ソウルからプサン、対馬に下関……江戸までの1年に及ぶ
旅の道程を追いながら、各地にまつわるエピソードを紹介し
友好と文化交流の歴史を探る一冊。

タイトルから、朝鮮側の文献資料を数多く紹介しているのだろうと
思ったのだけど、そうでもない。
原典の引用はほとんどなく、素人にもわかりやすいように
やさしい言葉で書かれている。
しかし、研究者の間では常識(?)だからなのか、
重大な事件について説明もなくスルーされているのは
気になるところ。
「国書改竄事件」とか「崔天宗殺害事件」とか、
いやいやそこをくわしく……!と思うところが
多々あり、もやもやしました。

著者は秀吉の文禄・慶長の役が腹立たしくて腹立たしくて
仕方ないらしく、秀吉の話になるとやたらと感情的。
そして、ここでも登場、「鸚鵡籠中記」の朝日文左衛門。
この人のお調子者っぷりは笑える。
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123:歌野晶午 『魔王城殺人事件』

2008-12-05 11:31:40 | 08 本の感想
歌野晶午『魔王城殺人事件 (ミステリーランド)』(講談社)
★★★☆☆

小学生の翔太たちは、同じ班のkaz、おっちゃんとともに
探偵クラブ「51分署捜査1課」を結成した。
デオドロス城と呼ばれる町はずれの西洋館にまつわる
数々の噂の真偽をたしかめるべく、
デオドロス城に潜入した三人は、「ゾンビ女」に遭遇。
しかも「ゾンビ女」は庭にある小屋の中で消失。
あらたなメンバー2人を迎えつつ、
再度デオドロス城に潜入したことで、翔太たちは
殺人事件に関わることになるのだった。

******************************************

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と
いう謳い文句で、ミステリー作家たちの書く
子供向けの作品を発刊している「ミステリーランド」。
このシリーズを手に取ったのは初めて。
まあ、本当に子ども向きという内容で
1時間で読み終わりました。
小学生たちのやり取りにほほえましいものを感じます。
が、特にそういうキャラづけもされていない小学5年生が
「人間の『視点』の介在を暗示している」
なんてしゃべるかなあ。
そういう点でのツメの甘さが気になりました。

館モノのトリックはちっとも興味が無いので
「ふーん」って感じ。
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122:網野善彦・宮田登 『歴史の中で語られてこなかったこと―おんな・子供・老人からの「日本史」』

2008-12-05 10:48:56 | 08 本の感想
網野善彦・宮田登『歴史の中で語られてこなかったこと―おんな・子供・老人からの「日本史」』(洋泉社)
★★★★☆

歴史学者・網野善彦と民俗学者・宮田登の対談集。
「おんな・子供・老人からの~」とあるけれど、
女性の話が3分の1、子どもと老人の話は
ほんのちょこっと、という印象。
これまでの男中心・コメ中心の歴史観に疑問を呈する一冊で、
小難しさも感じず、楽しめました。

壮大なものを前にしたときのぼんやりしてしまう感じ、
あれに似たものを読後感じましたことよ。
日々のせせこましい生活から乖離した世界であることは
ファンタジーと同じ。
網野先生の新書版あとがきに、宮田氏が他界されたことが
書かれていたのだけれど、網野先生もすでにこの世になく、
そのことになんだか茫然としてしまいます。
本文中に清水三男についての話があったけれど、
研究者って、学問って、「知」って……という果てしない感じ。
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