金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

3:湯浅誠 『どんとこい、貧困!』

2011-01-18 10:31:15 | 11 本の感想
湯浅誠『どんとこい、貧困!』 (よりみちパン!セ)
★★★★☆

ずっと「あるのか、ないのか」が議論になってきた、見えない
オバケのようなもの。それが「貧困」。
みなが見えないふりをしてきたために、
どんどん日本社会の中で大きくなってきた貧困に
まっすぐに向き合って、貧困とは何か、
そして現代の貧困を生み出した社会的背景とは何かを
教えてくれる一冊。

著者は社会運動家で、「年越し派遣村」の村長を務めていた人物。
本の中では「溜め」と表現されているけれど、
生まれたときから決まっていること、
生まれ育った環境によって制限されることって確かにあるよね。
仕事の関係で、それまで想像でもできなかったようなお金持ちの生活を
垣間見る機会の多くなった今日このごろ、この「条件」が親から子へ、
子から孫へと再生産されていく仕組みをひしひしと感じていたので、
考えさせられることが多かった。
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映画:『愛のむき出し<下>』

2011-01-07 12:35:13 | 映画の感想
映画:『愛のむきだし<下>
★★★☆☆

父とカオリが結婚することになり、
ヨーコと兄妹になってしまうユウ。
ユウを毛嫌いするヨーコだが、電話でサソリ(実はユウ)に諭されて、
表面上はユウと打ち解けようとする。
かつて自分たちを盗撮しようとしたユウと出会い、
彼に興味を持っていた新興宗教・ゼロ教会の幹部コイケは、
ユウとヨーコの学校に転校してくる。
そして自分をサソリだと思わせることに成功し、
ヨーコの心をつかむと、家庭の中にまで入り込んでくるのだった。
コイケに自分の変態行為を暴露され、家を出るユウ。
盗撮技術を見込まれ、盗撮ビデオの撮影で活躍するが、
家に帰ると、父もカオリもヨーコも行方不明になっていた。

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上下巻で分かれていて、二回に分けて見たせいか?
いまいち入り込めなかった下巻。
これは……愛なの?
愛っていうか、欲望とか執着といったほうが
ふさわしい気がするな。
そして、最後にヨーコがなぜああなったのか、
さっぱりわからない。

顔って大事だなあ……と思うんだけど、
主役の西島くんの顔が可愛いせいで、
盗撮にいそしもうがヨーコのパンツを盗もうが、
「気持ち悪い!!」という印象がない。
演技が光るのはコイケを演じる安藤サクラ(奥田瑛二の娘だそう)。
宮台真司が出てくるとなぜか笑ってしまう。

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2:豊島ミホ 『夜の朝顔』

2011-01-04 18:21:18 | 11 本の感想
豊島ミホ『夜の朝顔』(集英社文庫)
★★★☆☆

田舎の小学校に通う女の子・センリを主人公にした連作短編集。
クラス内の人間関係にハラハラしたりうんざりしたり、
男の子やおしゃれに対する興味が薄く、そのことでなんだか
バカにされているような気がしてモヤモヤしたり。
小学校時代の教室の中や、女の子社会には、
確かにこういうところがあったな~……と、
なんだか胸の中にいくつも小石を投げ込まれたような
ズーンと重い気分になってしまう。
最後の表題作はきれいすぎて、他の話とはちょっとムードが
ちがうのだけど、これはこれで好き。
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1:信田さよ子 『ザ・ママの研究』

2011-01-04 18:04:23 | 11 本の感想
信田さよ子『ザ・ママの研究』(よりみちパン!セ)
★★★☆☆

この人の名前、どこかで聞いたことがあると思ったら、
『母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き』の人か。
本屋で見かけただけで未読ですが、インパクトのあるタイトルで
印象に残っていたのでした。

さてこの本のコンセプトは、
母との関係に悩む娘たちに贈る、
母に関する「傾向と対策」。
母親を7タイプに分類して、
それぞれの特徴と付き合い方を提案している。
読みやすさを重視しているためか、
個人的には内容的にちょっと物足りないのだけど、
虐待や教育の問題が取り沙汰される今、こういう内容の本を
子ども向けのレーベルに入れるのは意味のあることではないかしら。
今となっては「喉元過ぎれば暑さを忘れる」だけれども、
思春期の頃のわたしにとっても、友達と同じくらいの頻度で
母親が悩みの種になったもんなあ……

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