金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

6:H.G.ウェルズ 『透明人間』

2011-01-20 21:17:33 | 11 本の感想
H.G.ウェルズ『透明人間』(偕成社文庫)
★★★☆☆

真冬のアイピング村の宿屋に、顔を見せない奇妙な男がやってきた。
宿の部屋にこもって何かの実験をはじめた男の正体は、
からだを透明にすることに成功した科学者・グリフィン。
みずからの体を実験に使い、透明人間になったグリフィンだが、
透明人間の生活はあまりにも不便でつらく、
彼の心はやがて悪意と憎しみに満ちていく。

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訳は雨沢泰。
前半が退屈すぎて、途中で挫折していたのだけどようやく読了。
ケンプが登場し、捕獲作戦が始まるところからは
なかなかスリルがあっておもしろかったな。
摂取した食べ物を消化する過程が見えてしまうとすると、
完全に透明になって姿を消すのは無理なんじゃないかなあ。
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5:山本文緒『アカペラ』

2011-01-20 00:10:28 | 11 本の感想
山本文緒『アカペラ』(新潮社)
★★★★☆

「アカペラ」「ソリチュード」「ネロリ」の三篇を収録。

表題作「アカペラ」は、ちょっと勘弁……みたいなところが
あったのだけど、キャラクターはよかったな。
姥山がよい。
そして決してハッピーで終わらない、冷酷な展開と意地悪な視点が
山本文緒という感じ。

三篇の中で最も意地悪でないのが「ソリチュード」なのは、
主人公が男性だからなんだろうか。
女二人の視点で進む「ネロリ」は、結構意地悪い。
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