金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

39:誉田哲也 『武士道セブンティーン』

2011-05-08 22:18:59 | 11 本の感想
誉田哲也『武士道セブンティーン』(文藝春秋)
★★★★☆

家の事情で福岡の剣道強豪校に転入した早苗は、
剣道部の中心的な人物であるレナと親しくなるが、
転入先の剣道部のあり方、レナの目指す剣道に
違和感を覚え戸惑う。
一方、二年生になった香織は剣道部の中心となり、
部のことを考え後輩を育てようとする。
しかし、学校の帰り道に中学の同級生に遭遇し、
彼を助けたことでトラブルに巻き込まれることに。

**************************************

武士道シックスティーン』の続編。
離れ離れになってそれぞれの地で、周囲の人々とかかわりながら
「武士道とは何か」「剣道とは何か」を考える二人。
ひたすら単純におもしろい。
頭を使わず楽しくさらっと読めてしまう。

魔性の女・河合先輩がやっぱり良い。
次の「エイティーン」には出て来ないのかなあ。
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38:清水義範 『国語入試問題必勝法』

2011-05-06 19:57:52 | 11 本の感想
清水義範『国語入試問題必勝法』(講談社文庫)
★★★☆☆

【収録作品】
「猿蟹合戦とは何か」
「国語入試問題必勝法」
「時代食堂の特別料理」
「靄の中の終章」
「ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮」
「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」
「人間の風景」

痴呆の進んだ老人の一人称で描かれる「靄の中の終章」は
なかなかに衝撃的。
他者と比較しつつ長嶋茂雄の解説について論じた
「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」は
面白いのだろうけれども、出てくる人名のうち
わたしが知っているのは長嶋茂雄と江川卓だけで、
ほかの選手や解説者のことはさっぱりなので、
たぶんおもしろさ半減。
老人たちのリレー小説を読む「人間の風景」が
いちばんおもしろかった。
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映画:『ロスト・イン・トランスレーション』

2011-05-05 19:56:31 | 映画の感想
映画:『ロスト・イン・トランスレーション
★★☆☆☆

かつてハリウッドのアクション・スターとして活躍していた
ボブ・ハリスは、日本のCMの撮影のために来日。
妻や子どもから逃げるため、高いギャラのために
日本にやってきたボブだが、
通訳がいるものの、思い通りに意思疎通ができず孤立。
一方、カメラマンの夫に同行して来日したシャーロットも、
空虚な気持ちを抱えてホテルで過ごしている。
同じホテルに宿泊していた二人は、
やがていっしょに時間をすごすようになり、
互いの抱える空虚さについて語り合う。

*****************************************

ソフィア・コッポラの作品はなんとなく、
わたしとは合わない気がする……と思っていたのだけど、
やっぱり合わなかった。
白黒はっきりつけない、言葉にしない物語は、
アメリカ映画っぽくないなあという印象。
ベタな行きずりの恋とか不倫にならなかったのは
よかったけど、正直、どこが高い評価につながっているのか
よくわからなかった。
「外国人から見た日本」というのがよかったのかなあ。
富士山が出てきたり、京都に行ったり、
「それ、ストーリー上必要?」
と首をかしげるような場面がいくつかあった。

スカーレット・ヨハンソンが若くて、
でもキャラクターとしては地味で、
初々しかったな
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ひろしま覚え書き〈2〉

2011-05-05 19:48:47 | おでかけの記
翌日は小雨。
早起きして宮島へ行く予定。
普段起きない時間に起きたので、寝ぼけていて、
友達への返信として書いたアホなメールを
間違えて偉い先生に送ってしまう。
朝早かったのに、すぐに返信をくださって
「仕事もないのにこんな時間に起きてるなんて……!」
と思う。
有能な人はちゃんと生活のコントロールができるのだ。

広島から電車で25分、宮島口からフェリーで10分、
宮島へ到着。
大鳥居が思っていたよりこじんまりしていて、
外から見る厳島神社は「ふーん」って感じだったのだけど、
社殿から海を見るときれいで、現実離れしていてよかった。
晴れていたらもっとよかったかも。
宮島には奈良公園と同じように鹿がいるんだけど、
ひどく人間慣れしていて、写真も撮られ慣れている。


広島名物もみじ饅頭は宮島が発祥の地とのこと。
あんこ以外にも変り種がいろいろ。
「クリーム」と「チーズ」はもはや定番?
ほかに見たのは、「レモン」「チョコレート」「りんご」
「抹茶」「バナナ」「レーズン」「アーモンド」。
いちばんおいしかったのは「アーモンド」だけど、
これはわたしがアーモンドクリームを好きなだけで、
カステラ生地とはマッチしてなかったかも。
ほかの味もそうだけど、焼きたてはわりとおいしいものの、
覚めるとそれほどでもない。
アーモンド味を作っている「紅葉堂」の揚げもみじはおいしかった。
これはもみじ饅頭に天ぷら生地をつけて揚げたもの。
修学旅行中らしい女子中学生が列を作っていた。

もう一つ、宮島の名物は「あなごめし」。
これを食べるために、朝ごはん抜き。
ごはんを少なめにしてちょうどいい量。
かきも名物らしいけど、食べられないのでパス。
でも最初に書いた「かきの醤油」はすごくおいしい。
もうスーパーに売っている醤油を買う気が起こらない。

天気が悪かったので、弥山には登らず紅葉谷公園まで行った。
ちょっと小雨が降っているときの山の中はいい。
宮島でいちばん好きだったのはこの紅葉谷公園までの道。
バリバリの観光地じゃなくて、こういうところに行きたい。
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ひろしま覚え書き〈1〉

2011-05-05 19:20:19 | おでかけの記
周囲の人々の話を聞いていると、広島と長崎は修学旅行の定番らしいのだけど、
わたしは一度も行ったことなし。
以前おみやげでいただいて、ものすごくおいしかった「宮島かきの醤油」が
なくなってしまったので、旅行ついでに買いに行こう!ということで
GW前半に行ってきました。

広島までは新幹線で2時間ちょっと。意外に近いのね。
GW中だけあって、新幹線は混んでいた。
朝9時半に名古屋を出発、11:45に広島着。
食べにくいけどおいしい「コンパル」のエビフライサンドを
新幹線の中で食べていたら、お気に入りの服がタルタルソースで
汚れ、テンションが下がりまくる。
わたしもカツサンドにすればよかった……

広島は晴れていて、暑いくらい。
広島に着いてから、デジカメを忘れてきたことに気づく。
読む本2冊は一週間前から準備していたのに。

広島駅から原爆ドーム&平和記念公園までは電車とバスが出ているけれど、
歩いてでもいける距離。
広島城に寄ってから、原爆ドームへ。
GW中にしては人が少なかったと思うけれど、
一番の観光スポットなので、人だかりが出来ている。
わたしがまず思ったのは、戦争や原爆の惨禍のことではなくて、
「イメージ」について。
間近で見ているのに、そのものを見ることができないということ。
刷り込まれた象徴的なイメージがあまりにも強くて、
フィルターのように目の前を覆い、
建物そのものを見たりそこから直接何か感じたりすることができない。
帰りにもう一度見に行ったけど、結局イメージのフィルターを
とっぱらうことはできず。

広島に行ったことがあるという担当の美容師さんが、
「ごはんが食べられなくなる、と聞いていたけれど、
 『これだけの打撃を食らって、ここまで復興したんだ』と
 思うことにしました」
と行くときのアドバイスをくれた広島平和記念資料館。
ごはんが食べられなくなることはなかったけど、
なんだかうわあああと叫びだしたいような気分になった。
戦争に憧れる人って、自分が戦争によってひどいめにあうことは
想像してないんだろうな。
音声ガイドで言ってることはたいてい展示物に書いてあるので
ガイドはなくてもいいと思った。
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37:穂村弘 『絶叫委員会』

2011-05-04 12:29:30 | 11 本の感想
穂村弘『絶叫委員会』(筑摩書房)
★★★★☆

友人や同僚の台詞、通りすがりに聞いたおしゃべり、
街角で見かけた広告……等々、日常の中で生まれては消えていく
言葉の数々を取り上げたエッセイ。
表紙に取り上げられているのはこの三つ↓。

「でも、さっきそうおっしゃったじゃねえか!」
「日本人じゃないわ。だって、キッスしてたのよ」
「噛みつきますから白鳥に近づかないで下さい」

揚げ足取りではなく、笑えるだけではなく、
この言葉の生まれる背景にユーモアをまじえた
考察を加えているところが良い。
やっぱりおもしろいですな、ということで★4つ。
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36:三浦しをん 『ビロウな話で恐縮です日記』

2011-05-04 12:02:19 | 11 本の感想
三浦しをん『ビロウな話で恐縮です日記』(太田出版)
★★★☆☆

久々の三浦しをん。
これはブログ日記を書籍化したもの。
その存在も知らなかったのだけれども、見てみたら
ブログはいまも更新されている模様。
短くともオチのついた笑える日記で、気分転換できました。

読む側としてtwitterが「あまりおもしろくないなあ……」と
感じられるのは、言葉が断片的すぎて
一つ一つのつぶやきに読むに値する情報が入っていないのも
あるのだけど、一番の理由は一覧できないからだという気がする。
その点ブログはある程度クリアできているのだけど、
やっぱりまとめて読むのは面倒くさい。
わたしはブログを読むときはRSSリーダーを使っていて、
これはコンスタントにチェックする分にはいいのだけど、
まとめて読みたいときはやっぱり本という形態がいちばん楽。
タダで読めるブログがあるのに、ブログ本が商品として成立するのは
そういう理由なんだな。たぶん。
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4月下旬に見たDVD

2011-05-02 18:34:12 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
以前話題になってたドラマやアニメが100円で借りられるようになったので
手当たり次第に予約してみたのだけど、テレビ放送をDVDでまとめて見るのは
あっていないと思った。
週に30分、を念頭において一話完結だったり「引き」を考えたりして
作られてるので、やっぱり週に一回見るのがいいんだな。

DVD:『Sex and the City Season1』『Sex and the City Season2
★★★☆☆

だいぶ前にはやってたね、と思い出して、
Season1と2の計5枚を借りてみた。
雑誌で見るたび「残念な顔」だと思っていたサラ・ジェシカ・パーカーが
動く映像になるときれいに見える不思議。
毎度毎度の繰り返しに、Season2のvol.1あたりで
「もういいです」って気分になったのだけど、
週に30分、気晴らしに見るのはおもしろいのかも。
シャーロットが可愛い。
そして一番のお楽しみは4人の恋愛模様ではなくて
ファッション。

DVD:『NEON GENESIS EVANGELION vol.10
★★★☆☆

テレビ版のラスト2話を映画版で補完?なの??
よくわからないけど、vol.9はテレビ版の総集編らしいので
飛ばして、映画版らしいvol.10を見てみた。
vol.8の解説によると、vol.7の後、ルートがvol.8とvol.10に分岐、
らしいのだけど、すでにvol.7の内容を忘れてしまっていたわ
そりあえず、精神的引きこもりのアニメオタクを批判していることだけは
わかった。
アニメ製作者がそれをするところが新しかったんだろうな。

DVD:『けいおん! 1
★★☆☆☆

見たことないわたしでも登場人物は知ってますよ、ってくらい
話題になってた作品ですが……
先輩が原作を買って「ものすごくつまらない」と言っていたので
覚悟はしていた。そのとおりであった。
2話しか入ってなくて助かった、と思ったくらい。
これはどこに注目して見るの? ストーリー? キャラクター? 雰囲気?
ひょっとしたらこの先おもしろくなるのかもしれないけど、
チャレンジする気がまったく起こらない。
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