金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

242:松井優征『逃げ上手の若君〈2〉』

2021-08-04 21:16:15 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

北条家の生き残りを捜す信濃守護の小笠原貞宗が、
諏訪大社の催し「犬追物」に乱入! 
半ば強引に弓矢勝負を仕掛けられ、
直接対決に挑むことになった時行だが、
貞宗の弓術は達人級の腕前である…。
容赦ない猛攻を躱しながら、
時行は反撃する術を編み出せるのか――!

*************************************

うーむ、今回も安定しておもしろい。
めっちゃ地味な実在の人物・地方を扱ってるのに
これはすごいのでは。
情報の処理もうまいんだよ。

大塔宮護良親王登場。
この漫画では貴重なイケメン枠なのに、
すでに負けの気配濃厚なのが切ないが……。
尊氏の圧倒的ラスボス感よ。

解説で「武士は頭が良くないので」って
断言してるのに笑ってしまった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

241:尾脇秀和『氏名の誕生――江戸時代の名前はなぜ消えたのか』

2021-08-04 21:13:18 | 21 本の感想
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

私たちが使う「氏名」の形は昔からの伝統だと
思われがちだが、約150年前、
明治新政府によって創出されたものだ。
その背景には幕府と朝廷との人名をめぐる
認識の齟齬があった。
江戸時代、人名には身分を表示する役割があったが、
王政復古を機に予期せぬ形で大混乱の末に破綻。
さらに新政府による場当たり的対応の果てに
「氏名」が生まれ、それは国民管理のための道具へと
変貌していく。
気鋭の歴史研究者が、「氏名」誕生の歴史から、
近世・近代移行期の実像を活写する。

******************************************************

戦国時代に、国司でも何でもないのに地方の武士が
「和泉守」だの「但馬守」だの勝手に名乗っていたとか、
藤原氏も枝分かれしていくに従い、
「九条」やら「徳大寺」やら「冷泉」やら
藤原姓とは別にファミリーネームで区別するようになったとか、
昔から諱を避けて官位等で呼ぶ風習があったとか、
私が知っていたのはそのあたりまで。
江戸時代の「個人を識別するための言葉」は
思った以上に複雑。
しかも、同じ名称でも、幕府側と朝廷側とでは
指しているものが違うとか。
まさに「もうわけがわからない!」。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

240:長江優子『サンドイッチクラブ』

2021-08-02 22:17:31 | 21 本の感想
長江優子『サンドイッチクラブ』 
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

珠子はダブル塾通いをする小学6年生。
ぼんやりむかえた夏休みに、
無心に砂像を作るヒカルと出会う。
強烈な個性をもち、成績もトップクラスのヒカルは
「戦争をなくすためにアメリカの大統領になる」という。
家庭環境も性格も異なるふたりの少女が、
たがいを受け入れ、まっすぐに世界と向きあっていく姿を
さわやかに描く。

******************************************************

今年度の読書感想文コンクール小学校高学年の部の
課題図書。
今度はサンドアートか~。
児童文学も、差別化のために
マニアックな題材を発掘してこなくちゃいけなくて
大変だね。
小中学生の生活からかけ離れると
読者がついて来られないものだから、
結局メインストーリーは、その題材ならではのものではない
友情とか親子関係とか将来の夢とかにせざるをえず、
取材の大変さとか、題材をストーリーに絡める工夫のわりに
題材自体が印象に残らないという……。

ヒカルが、
「そりゃ友達おらんし、嫌われるわ」
という面倒くささで、それが結局最後まで
たいして改善されず、
きれいごとで終わらないところはよかった。

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする