最終回の1歩手前、45分拡大版。
周りにいた重要な登場人物がどんどん退場していき、
栄一の人生もドラマ自体も、閉じる方向に向かっているはずなのに、
イベント起こりすぎだよ!
栄一の人生自体がこうだったんだろうな~。
実業界を引退することにした栄一。
ナレ「辞職した会社は60以上」。
関わりすぎ!
名誉会長とかそんなものが大部分だったとしても、
一人でこれだけやるの、超人すぎるでしょ。
そのうえ、アメリカでの日本人排斥運動を踏まえ、
民間外交のために渡米。
90日以上かけてアメリカを横断し、各地を回り、
講演を行う超過密スケジュール。
あの~、この人、最近死にかけてたんですけど……??
(しかもこの後、中国に行きたいとか言ってる!!)
伊藤博文が栄一と会って
「ハルビンに行かねば」
って言った時点で、
見てるこっちは「わああああ!!!!」だったよ……。
案の定、ハルビンで暗殺されてしまう。
(誰にやられたか、不自然なくらい言及しなかったね……)
アメリカで伊藤死去の報を聞き、打ちひしがれる栄一。
「これまでに実に多くの友を亡くした」
という「友」の中に、岩崎弥太郎も入ってるんだなあ。
排斥運動が盛んなサンフランシスコでの講演、
中止したほうがいいと止められるが、強行。
伊藤の暗殺、そしてこれまでに起こってきた幕末の争いを、
アメリカとの友好につなげる名演説。
これまでの人生の総括にもなっているし、
ここで「そうだそうだ、戦争はダメ! 平和が一番!!」と
最終回にもっていければどれだけいいか……。
実際は戦争の時代に突入するし、ドラマの上でも
日本は第一次世界大戦に参加。
「あなたほどの減らず口がなぜ黙っているのか」
「口を開いたら嘘しか言えないからだ」
「なぜ80近くにもなって首相をやっているのか」
大隈にズバズバ言う栄一だけど、本当にもう、
かつて新しい国を一緒に作ろうとしていた仲間は
どんどん死んでしまって、大隈にこういうこと言える人は
いなくなっちゃったんだろう。
「維新の尻拭いをしている」という大隈の叫びも悲痛。
そして、喜作と慶喜が穏やかに死んでいったのとは対照的に、
井上馨が「参戦☆ イエーイ☆」って興奮して死んだの、
ほんと、幕末から変わらない病という感じで
容赦ないね……。
渋沢家もめっちゃくちゃ。
篤二は家を出て芸者と所帯を持ち、うたちゃんがワーワー文句。
栄一は、篤二を廃嫡することに。
栄一なんか、お妾さんを妻と同居させとったぜ?
と思うが、篤二の奥さん、いいとこのお嬢さんだからね……。
千代は百姓の娘だからええんか……と腹も立つが。
栄一がいちばんアカンのは、篤二の尻拭いをその子である孫に
させようとしたところ。
孫は虫が好きで農学をやるってうきうきしてるのに、
「法科に行って、跡をついで実業界を支えてくれ」
って土下座して。
「篤二の心を理解してやれなかった……」って言った、
その舌の根も乾かないうちにこれ!
決して命令ではない、って言うけど実質命令じゃん!!
「栄一が、家庭人としてはほんとダメ」っていうの、
これまでにずっと一貫して描いてきているから、
「やるよね、こういうこと。この栄一はやる……」
という変な諦めがあるわ……。