金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

85:斜線堂有紀『恋に至る病』

2023-04-14 20:13:30 | 23 本の感想
斜線堂有紀『恋に至る病』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――
幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?
斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!
 
****************************************
 
この作家さん、デビュー作も、
『私が大好きな小説家を殺すまで』も読んだのに、
ブログに記録が残っていない。なぜ??
 
なぜか、主人公&ヒロインが某ラブコメのキャラクターで再生されてしまい、
困った(作品の雰囲気は全然ちがうのに……)。
いじめとか自殺、殺人の描写が多く、
決して楽しい話ではないのだけれども、
テーマにもストーリーにも、「この作家さんにしか書けない」という
オリジナリティが感じられてすごい。
主人公達の世界・視野がどんどん狭まっていくうえに、
切実さの演出がうまくて、
リアリティのなさを意識させない作りになっている。
 
以下、ネタバレを含みます。
 
 
 
ヒロインの魅力・カリスマ性があまり伝わってこず、
特に彼女のために罪を犯した小学校時代の同級生の女の子の
言ってることには「とってつけた」感があり、
「そういう設定なのだ」と自分に言い聞かせるしかなかった。
そこだけは残念。
でも、独自のムードがあって、
「なぜヒロインが主人公に執着したか」の一つのアンサーも
(事実かどうかはおいておいて)作中で示されていたのがよかった。
 
最後に出てきた消しゴムは、ヒロインが主人公に恋していた証拠でもあり
(消しゴムに関するおまじないの話が出てきていた)、
主人公へのいじめの始まりでもある。
好きだったし、それゆえに支配したいと思っていたけれど、
小学校時代に殺されてしまった男の子と同様に、
途中で思い通りに動かなくなったから始末されそうになった……と
わたしは解釈した。
読み返すには長すぎて再読はしないけれども、
読み返したら印象も変わるかもしれない。
 
 

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おでかけの記:なごや文具の博覧会

2023-04-14 19:48:15 | おでかけの記

松坂屋名古屋店にて。

以前から、すてきだなあと思ってフォローしていた活版印刷のお店が

出店を告知していて知った催し。

 

栄に行くとたいてい迷子になるのだけども、

久しぶりに行ったら知っている店が結構な割合でなくなっていて、

以前なら迷わずに行けたところにも行けないありさま。

店を目印にして位置関係やルートを把握してたから……。

 

さて、松坂屋の催事場でやっていた「文具の博覧会」。

平日の日中にもかかわらず、結構な人出。

ポストカードやレンタ―セット等の紙小物が中心だけど、

スタンプやマスキングテープも多かった。

「うおー!可愛い!!!!」という興奮と、

「でも使わないよね」という自制の繰り返し。

merinomiさんのトレーシングペーパーがとっても可愛かった。

可愛い箱に好きな紙を詰められるカードビュッフェは大人気。

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76-84:最近読んだ本

2023-04-14 19:47:45 | 23 本の感想
すべてkindle unlimitedにて。
 
 齋藤孝『最強の人生時間術』
 
1分一秒でも有効活用するべきという
若い時期のあり方だけじゃなく、
時間が余る定年後の過ごし方まで視野に入れているのが
新しい。

 
下河辺優子『時短家事の始め方』
 
目新しさはないけれど、
スマホに手が伸びる瞬間を意識する、
というのは取り入れられそう。

『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』
 
日本アゲの激しさに居心地が悪くなってくるが、
自分も好きな地方に行ったときは、
何もかもが素晴らしく思えるからな.......。
「あ、それは日本の特色だったのか」
と気づかされることもあって楽しかった。

 『きょうも、わたしは機嫌がいい Vloggerの心が軽くなるおうち習慣』
 
編集方針にもよるのかもしれないけれども、
なんか、「よい暮らし」が画一化されてきたなあ……。
多様性がないというか……。
登場する人の名が目立たない作りになっていて、
ひとごとの区切りを見落としやすくなっているのだけど、
別の人に替わったということにしばらく気づかないくらい。
 

 主婦の友社『自分らしく、ひとりで暮らすということ』
 主婦の友社『自分らしく暮らす人の「家時間」』
 主婦の友社『ゆるミニマリストのものの減らし方心の満たし方』
 
「インスタグラマー」に加えて、「ブイロガー」というジャンルも
もうすっかり確立されているのね~。
 

 ふじのくに倶楽部『沼津・三島・富士 カフェ日和 ときめくお店めぐり』

 Marie『今日の自分を肯定する 箇条書き手帳術』
 
バレットジャーナルで困っていることは特にないのだけども、
確かに繰り返す予定については、書くのが面倒くさいなあと
思うことがある。

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おでかけの記:bistro La vie

2023-04-14 00:27:14 | おでかけの記

東京から一時帰省した友だちと一緒に、

久々にちゃんとしたお店でディナー。

池下駅から歩いて2分ほどのところにあるビストロ。

 

とってもおいしかったけれど、

料理名はちゃんと覚えていないので、間違っているかも。

スパークリングワイン。

 

サーモンのマリネ&オレンジサラダ。

サーモンが好きなので、とてもおいしい。

 

シャルキュトリー(ハムやソーセージ類)。

パン類と一緒に。

 

鴨とフォアグラのパイクルート。

前菜だけでおなかがいっぱいになってしまった。

 

このあと、ホワイトアスパラのグリルも食べたのだけど、

写真を撮り忘れ。

]

コーヒー。

小さなカヌレ付き。

 

おなかがはちきれそうなほど食べて、

一人あたり6000円強。

 

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75:植村直巳『青春を山に賭けて』

2023-04-12 10:28:06 | 23 本の感想
植村直巳『青春を山に賭けて』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
植村直己はいかにして冒険家になり、
いかにして「世界のウエムラ」になったか?
ひとりの腕白少年が、大学へ進んで美しい山々と出会い、
無一文で日本を脱出、ヨーロッパに渡りアルバイトをしながら、
ついに五大陸最高峰のすべてに登頂を果たす。
さらには南極大陸単独横断という目標めざして、
アマゾンのイカダ下りなど過酷なまでの試練に次々と挑戦する――。
大自然の中の「何か」に挑まずにはいられなかった冒険家が、
みずからの型破りな青春を語り尽した感動篇。
 
****************************************
 
仕事で読んだもの。
「お金がない、言葉もわからない」という状況で、
「お金が貯まってから/言葉を学んでから行く」のではなく、
とりあえず行ってから何とかする、という姿勢、
真似できないわ~。
無謀は無謀なのだけれども、
メンタルが強くないとできないことだよ。
 
現地の人々が、警察や軍人にいたるまで
理解があり、親切に便宜を図ってくれることに驚く。
筆者の人柄のなせるわざもあるのだろうけれども、
自分にはできない冒険を応援したいという思いも
世界共通で存在するのだろうな。
 

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74:永井路子『銀の館〈下〉』

2023-04-11 14:37:00 | 23 本の感想
永井路子『銀の館〈上〉』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
世が乱れに乱れた室町後期、
将軍足利義政の正室として「権力」を握った日野富子。
ともすれば悪評高い彼女の意外な実像と、
当時の庶民を生き生きと描いた傑作長篇。
 
****************************************
 
ゆうかと蘭之介は、
やっぱり富子の物語にはたいして絡まないままだったけれども、
彼らがいることによって富子が関心を寄せない御所の外の世界――
庶民の暮らしや世相、合戦が起こるまでの空気が描かれるので
「室町後期という時代」を描くという点ではよかったと思う。
ゆうかは、永井作品に出てくる女性の登場人物の中では
いちばん好き。
 
富子視点だからそうなるのだろうが、
無能なだけでなく、拗ねたり横槍を入れたりして
邪魔してくる義政が大変に腹立たしい。
富子が悪女扱いされる原因だと思われる「政治への介入」も、
この話の中では「我が子を守るため」と
「義政が役立たずなのでやむなく」ということになっている。
富子の母としての愛が、息子にとっては、
独りよがりのうんざりするものである、というのも、
それを当人からぶつけられて富子がショックをうけるのも、
永井作品らしさを感じるところ。
 
面白かった。

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73:伊東玉美『宇治拾遺物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 』

2023-04-11 13:17:00 | 23 本の感想
伊東玉美『宇治拾遺物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 』
★★★★☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
「こぶとりじいさん」や「鼻の長い僧の話」など、
とんでもなくて面白い鎌倉時代の説話(短編物語)集。
総ルビの原文と現代語訳、わかりやすい解説とともに、
やさしく楽しめる決定的入門書!
 
****************************************
 
「亀を飼って解き放った話」って、出典はこれだったのか。
漢文かと思ってた。
 
「主格や連体格を表す助詞『の』に比べて『が』は、
 軽い扱いを表す傾向があった」
とか
「播磨国は陰陽師の本場というイメージも形成されていた」
とか、
「へ~! 知らなかった~!」と感心するところも多かったし、
全体的に面白かったのだけども、
終盤で孔子のことを「『論語』の著者である」と書いているのを見て
この本に書いてあることの信憑性が一気に下がってしまった……。
著者じゃないのでは……??(そんな新説があるんだろうか)
これがなければ★5だった。
 

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68-72:宮下英樹『センゴク外伝 桶狭間戦記〈1〉~〈5〉』

2023-04-09 17:10:29 | 23 本の感想
宮下英樹『センゴク外伝 桶狭間戦記〈1〉~〈5〉』
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
戦国時代最高の軍師・太原崇孚雪斎(たいげんすうふせっさい)。
駿河の庵原家に生まれた太原崇孚雪斎は、幼くして仏門に入り、
僧として生きる事を定められた。
ところが雪斎27歳の時、駿河国主・今川氏親(いまがわ・うじちか)の懇願を受け、
雪斎は今川家の五男坊・方菊丸(ほうぎくまる)の教育係を任ぜられる。
この“問題児”との運命的な出会いによって、
雪斎は乱世へと一歩を踏み出すことになるのだった――。
戦国史上最も有名な合戦を描く、超絶歴史エンターテイメント!!
 
****************************************
 
友だちに教えてもらった本。
大河ドラマ関係の話題で
よく作品名が上がってるな~という程度の認識だったのだけど、
めちゃくちゃいっぱいシリーズ展開してるのね。
 
第一印象は「作画コストが高い!!」。
劇画調(青年誌に多いイメージ)なので、合戦の場面とか
描くの大変なのでは……。
 
「歴史に詳しくなかった」という後書きに驚くほど、
「戦国時代」になった背景や戦国大名の成り立ち、
経済の重要性をストーリーにからめて描いていて、
読み応えあり。
キャラクターも、キャラ同士の関係性もしっかり立てていて、
今川・織田双方に思い入れを持たせつつ、
勝敗の決した最後も今川の格を落とさなかったのがよかった。
 
 
信長と生駒の方の恋も印象的。
濃姫が名前しか出てこず、
生駒の方との関係だけに焦点を絞ったのはなぜ??
と思っていたのだけども、
「惚れた相手を殺してしまう」
というところにもっていきたかったのか……最後で納得。
 
まったく知らなかったけど、生駒の方の「類」という名前、
ちゃんとそういう伝承があって、それを踏まえたものだったのね……。
「吉乃」の名の根拠になっている「武功夜話」が
実は昭和になってから書かれたもので、
偽書扱いされているのは知ってたけど。
 

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アニメ:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1~12話

2023-04-09 16:45:41 | 2023年に見たドラマ・アニメ

友だちのおすすめにより、Amazon Primeにて。

 

わたしはガンダムについては、

高校時代に友だちから借りた「W」と「G」しか見ておらず、

まったく思い入れがない。

そのため、ガンダムシリーズの世界観とかテーマとか

よくわかってないし、ロボットは見分けがつかない。

 

ただひたすら、

百合っぽいの、イイネ!!

が「水星の魔女」の第一印象。

「ヒロインがお嬢様の婚約者になる」とか、いいよいいよー。

 

ミオリネちゃん、本編ではまだツン:デレが19:1くらいの割合だが、

OPとEDの笑顔が可愛いし、ビジュアルがとっても好み。

チュチュも「ホントは人のいい田舎のヤンキー系ギャル」で

たいへんよろしい。

 

序盤、嚙ませ犬として登場したグエルくんが、

負けても偉そうなのが愛しい……と思っていたけど、

どんどん可哀想なことになってる。

第12話とか、ひどくない??

なぜ彼ばかりこんな目に……。

 

シャディクとミオリネの間の「取り返しのつかない」感じも好みだけども、

男女の間の恋心は、要素がちりばめてあるわりに印象が希薄。

百合風味もほんのりだけども、第12話が不穏すぎる終わり方をしたので

やっぱり人間関係の主軸はヒロインであるスレッタとミオリネなのよね……?

学生たちの関係よりも、ガンダムにまつわる謎とか

地球VS宇宙のほうが気になるんだけども……。

 

2期も見るつもりだけど、リアルタイム放送は時間的に難しいことが多いので

アマプラ待ちになるかも。

 

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67:澤村伊智『ずうのめ人形』

2023-04-08 23:57:24 | 23 本の感想
澤村伊智『ずうのめ人形 比嘉姉妹シリーズ』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
オカルト雑誌で働く藤間が受け取った、とある原稿。
読み進めていくと、作中に登場する人形が現実にも現れるようになり……。
迫りくる死を防ぐために、呪いの原稿の謎を解け。
新鋭が放つ最恐ミステリ!
 
****************************************
 
ホラーは全然好きじゃないんだけども、面白かった!!
 
「話を聞く/読むと〇日後に死ぬ」
「怪異がだんだん近づいてくる」
という設定は、これまでに読んだホラー系作品の中でも使われていたし、
作中でも登場する「リング」もそうなんだけども、
今作はミステリーの要素が強く、そちらに惹きつけられた。
作中の小説の中で不自然に感じられたところが
ちゃんと伏線として機能していて爽快。
(いろんな点で、めちゃ後味悪いんだけど……)
 
難を言えば、
「原稿を送ってきた動機」がとってつけたようだったことと、
「どんでん返し」であったと思われる「お母さん」の登場が、
意外ではあったものの「そうですか……」程度にしか
感じられなかったことくらい。
(伏線はあったけど、やや弱め)
 
「お父さん」が自分勝手すぎるし気持ち悪いし、
何をされるかわからない恐怖というものが
しっかり伝わってきて、怪異以上に恐ろしい。
終盤で明かされる「小説で伏せられていた事実」も。
面白さは★5だけど、好み度は★3、という複雑な読後感。
 

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