金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

ドラマ:『ONE DAY ~聖夜のから騒ぎ~』

2023-12-18 22:32:19 | 2023年に見たドラマ・アニメ
これも、夏からの中川大志くん月間の流れで、
珍しくリアルタイムで見ていた。
 
と言っても、『ボクの殺意が恋をした』があまりにひどかったため、
脚本の人に対する信頼がゼロ。
期待値がめちゃくちゃ低かったので、
「思ったよりひどくはない」という印象からスタート。
全員で同じ方向に犯人を追いかける警察の無能ぶりとか、
傷口の状態すら確認しない救急隊員とか、
部外者のキャスターを資料室に入れちゃう警察官とか、
ツッコミどころには事欠かず、
これはもう作家性なので仕方ない……と諦めていた。
過去の回の登場人物のセリフや行動を検討して
考察している人をSNSやYouTubeで見かけ、
 
「いや、『この人物を配置した意味』とか、
 『エピソード0がこうだったから』とか、
 真剣に考察しても無駄だと思う……」
 
と思っていた……。
 
実際、そうだったように思う。
意外性も特になく、痛快などんでん返しもなく、
なんか、ひねりもないまま終わってしまった。
登場人物の何人かについては、
「敵か? 味方か?」と印象を二転三転させてはいたものの、
予想外の着地をしなかったものだから、
「結局それか……」とがっかり。
 
大方の感想通り、レストラン編はほぼ時間かせぎで内容は薄いし、
キャスター編は良いところもたくさんあったのだけど、
ほぼ同じことの繰り返しで話は進まない。
メインの逃亡編で、二宮くん演じる誠司と中川くん演じるミズキの関係性だけは
光っていた。
桜井ユキさん演じる梅雨美と誠司の間の掘り下げがないものだから、
たぶん、大部分の視聴者にとっては、恋人同士の関係よりも、
親愛の情を持ちながらも騙し合わざるをえない男二人の関係のほうが
印象的だったんじゃないかしらん。
 
私もただひたすら、
「ミズキをひどい目に遭わせないでくれ~」
と思いながら見ていた。
可哀想なお坊ちゃまがあまりにも似合いすぎる中川大志くん。
そして、最終回、やっぱりミズキだけが可哀想なことになって終わった……。
結局サンタさん来なかったじゃん……。
別れのシーンのエモさだけでなんか美しく終わらされた気もするけど、
あまりにも救いがなさすぎんか???
榊原殺害も、1話で本人が言ってた通りで、ひねりも何もなかったわ……
 
しかし、これまで全く興味のなかった二宮くんの魅力もわかったし、
圧倒的ハッピーエンドのムードで終わったのはよかったと思う。
ミズキの件はもやもやするが、こちらのほうも、
それなりに収まりはついていたし。
 
【その他いろいろ】
 
・葵亭のディナー、ひどすぎだった。
 ドラマだからお客さんたちみんな受け入れてたみたいだけど、
 リアルだったら、二度と来てくれないよ、こんな店!
 あまりにも店の勝手が過ぎる。
 タダになったら許せるってもんじゃない。
 
・キャスター編は文句なしの大団円でよかったね!
 
・佐藤浩市、三つのパートに関与する重要な役かと思っていたが、
 いなくても何の影響もない役だった。
 ただ犬を探してるだけのおじさん……。
 この無意味な役に佐藤浩市をあてたの、失礼すぎんか?
 
・井之脇海くん、「おんな城主直虎」の万福役で知ったのだけども、
 すっごく人のよさそうな優しい顔してるな~。
 今回の役はほとんど賑やかしのためだけにいる男の子だったけど、
 独特の清涼感と優しさがあってよい。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

261:森崎緩『株式会社シェフ工房 企画開発室』

2023-12-16 22:02:53 | 23 本の感想
森崎緩『株式会社シェフ工房 企画開発室』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
「これを使えばあなたもシェフに」。
美味しいレシピ満載の絶品グルメ小説!

札幌にあるキッチン用品メーカーに就職した新津。
トング式ピーラー、計量お玉やメジャースプーン。
ちょっと便利なアイディアグッズが人気の会社で、
次なるヒット商品の開発に取り組むが……。
製品知識のない営業マンや天才発明家の先輩、手厳しい製造担当など、
一癖あるメンバーに囲まれて悪戦苦闘。
やがて過去の挫折と向き合う中で自分を見つめ直していき――。
読んで満腹、美味しいレシピ満載の絶品グルメ×お仕事小説!
 
****************************************
 
明るく軽やかで前向き。
嫌な人も出てこないし、重い事情もテーマもなく、
最後までライトな読み心地のまま読了。
その軽やかさゆえに、主人公の課題とその克服が
取ってつけたように見えてしまうくらいだったけれど、
個人的にはこのムードはとても好き。
単巻で見ると、恋愛要素はいらなかったのでは……と
思うけれども(これも取ってつけたようだった)、
シリーズ化を見越して付けたのかな。
 
北海道グルメもおいしそうだし、
料理グッズの開発という切り口は他にはなくて新鮮。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ:『夜行観覧車』第1~5話

2023-12-12 22:15:48 | 2023年に見たドラマ・アニメ

TVerにて。2013年のドラマ。

原作は湊かなえ。

1月ドラマにあわせ、石田ゆり子&中川大志の出演作として配信されている模様。

 

第1話のゴミを玄関に置かれた場面で「ひいいい!」となって

見るのをやめようと思ったのだけども、

嫌がらせもいじめも、絵面としてグロい方向には行かなかったので見続けている。

絵面としてひどくなくても、十分に苦しいのだが……

(娘が万引きさせられる場面は、耐えられずに飛ばした)。

 

杉咲花ちゃん、このとき高校生くらいだったのかな。

演技上手いのね。

母親やお向かいのお姉さんに対する憎たらしい表情や物言い、

学校で「友だち」からいじめにあって怯えている顔つき、

好きな男の子のことを想うときの可愛らしさ。

一人の人物の持つ多面性が違和感なく表現されていた。

鈴木京香演じる母親にイラッとする気持ちはわからないでもないけれども、

異常性すら感じる反抗期ばりばりの言動に、

「子育てって、ほんと、頑張りが報われない営みだな……」

と思ってしまう。

大声でわめき散らす娘の声を聞き、父親がその相手をしたくないあまりに

帰ってきているのに家に入らず、車の中に隠れてやりすごそうとするのも、

妻サイドから見れば腹立たしくてたまらないが、

家庭内の面倒に向き合いたくない気持ちもわかるのよね……。

こういう「見てて腹は立つが、気持ちはわかる」が多くて、

人物描写・設定が見事。

これは原作がそうなのかな。

 

【その他いろいろ】

 

・石田ゆり子、このとき40代半ばだと思うけれど、変わらずに可憐だ~!!

 きれいで上品でやさしく、実はカップラーメンが好きな奥さん、キュンだよ。

 後妻であるがゆえの闇、母としての狂気がちらちら見えているけれども……。

 

・中川大志くん(確か杉咲花ちゃんより一学年下だったはず)、

 このころから「可哀想なお坊ちゃん」だったのか……。

 

・小泉孝太郎も、お坊ちゃん役が似合いすぎる。

 

・まわりの人間、手のひら返しが露骨すぎ。もっと繕おうよ!

 

・ボスマダムな夏木マリ、演じていてめちゃ楽しそう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

株主優待の記録(2023年12月)

2023-12-09 23:32:22 | 株主優待の記録

12月9日 井村屋

やった~わたしの好きな井村屋のカステラ!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

260:永井紗耶子『女人入眼』

2023-12-09 23:25:01 | 23 本の感想
永井紗耶子『女人入眼』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
『商う狼』で新田次郎賞をはじめ数多くの文学賞を受賞。
大注目の作家が紡ぐ、知られざる鎌倉時代を生きた女性たちの物語。

「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、
玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」
 
建久六年(1195年)。
京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、
源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。
気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、
大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。
二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。
「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。
その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、
わかり合えない母と娘の物語があった。
 
****************************************
 
「大江広元の娘が主人公で、政子が毒親」という事前情報だけを得て読んだ。
 
てっきり主人公は、飛鳥井雅経と結婚した娘なのだろうと思っていたのだが、
全然違った。雅経は名前すら出てきていない。
 
これまで再三書かれてきた大姫の悲劇というものを、
こういう切り口でも描けるのか!! ……という驚きがあった。
鎌倉ものをいろいろ読んだ人にも楽しめるのではないかな。
 
 
以下、ネタバレ注意。
 
 
大姫が義高を思い続けて結婚を拒んでいる……というのが
政子が作った物語であり、彼女の意向に自分が逆らえば
周りの者たちに迷惑がかかるので、
大姫は母に逆らえず、自らの意志を示すことができない。 
 
「政子は過たない。なぜなら、過ちを認めず、誰かの責にするから」
 
繰り返されるこのフレーズの表す内容が、最後まで一貫して描かれていた
 
この時点で、北条がそこまで力を持っていたか?という疑問はあるけれども、
物語としては面白い。
「悪の一族・北条」という、割と古典的な設定ながらも、
陰湿な策謀というよりなりふり構わない実力行使だし、
悪女・政子がこれまでとはちょっと違う味付けをされている。
自ら育てた唯一の子である大姫を愛する思いは本当だが、
愛が、娘を本当に理解しようとする姿勢につながらず、
その愛ゆえに大姫が苦しみ続けるのだった。
頼家を擁する比企一族だけでなく、
三幡の乳母夫だった中原やその兄弟である大江が、
北条を脅かす政敵になりうる存在として描かれていたのも印象的。
 
宮中の女性たちの描き方も新鮮だった。
これまでかわいそうに描かれることが多かった任子は、明るく誇り高いまま。
そして、対任子では勝者として描かれることが多かった在子は、
実父の身分ゆえに不安定で、寄る辺ない立場にある女性として描かれていた。
 
義高事件の後の海野幸氏が、
事件を背負ったままの存在として登場してきたのはいいが、
主人公とくっついちゃったのはやや興ざめ。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

259:姫野カオルコ『何が「いただく」ぢゃ!』

2023-12-08 20:52:22 | 23 本の感想
姫野カオルコ『何が「いただく」ぢゃ!』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
「人生の9/10は食べ物のことを考えている」
という姫野カオルコが、食のあれこれを斬る!
アジの刺身をもっとおいしく食べる提案から、
懐かしのテレビ番組「ロンパールーム」の牛乳の謎、
「いただく」という言葉のおかしな使われ方まで、
「そうそう、あるある!」とつい膝を打つ、
痛快な食エッセイ。
※食の雑誌『dancyu』2015年4月号~2018年3月号に
掲載された連載「料理を結婚」を、
大幅に加筆修正してまとめました。
 
****************************************
 
前の記事で紅茶に興味がないと書いたけれど、
お酒にも興味ないな……とこのエッセイを読んで思った。
飲むけど、ビールやワインの味の違いもよくわからないし、
日本酒は通らないまま来てしまった。
ということで、お酒については知らないことが多く、
「へー」と思いながら読んだのだけども、
食に関するエッセイなのに「おいしそう」とか「食べたい」とか
一切思わせられない、不思議な読み心地の本だった。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマ:『OZU ~小津安二郎が描いた物語~』第6話「青春の夢いまいづこ」

2023-12-05 21:26:16 | 2023年に見たドラマ・アニメ

WOWOWオンデマンドにて。

小津安二郎の初期サイレント映画を、現代の監督・俳優でリメイクするという試み。

夏から中川大志くんの出演作をずっと見ていたので、これも視聴。

オリジナルのほうは見たことがない(小津監督の映画自体、未視聴)。

 

中川大志くん、あまりにも「可哀想な御曹司」が似合う。

途中、彼の孤独と、裏切られて打ちのめされている場面の哀れさに涙・涙。

姫野カオルコ氏が『顔面放談』で、大河ドラマに出ていた彼を

「イケメン科ショールーム属」に分類していたけど、

確かに非日常感がすごいのよ。

若社長としてのスーツ姿がとってもかっこいい。

逆に、この映画の序盤のように普通の大学生の格好とかしてる場面だと、

ぱっとしない。とても不思議。

 

リクガメの「おしげ」がストーリー上のキーアイテムになっているのだけども、

なんか、でっかくなってからの絵面がすごくシュール。

それが作品に抜け感を生んでいて、よかった。

あとからオリジナルのほうのあらすじを確認したら、

「おしげ」は、ヒロインだった。

なんだこのリメイクの仕方。めちゃ笑った。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

258:Cha Tea 紅茶教室・坂井みさき『お家で楽しむアフタヌーンティー』

2023-12-02 18:47:13 | 23 本の感想
Cha Tea 紅茶教室・坂井みさき『お家で楽しむアフタヌーンティー ; ときめきの英国紅茶時間』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
アフタヌーンティーを自宅で手軽にできるつコツを伝授。
テーブルセッティングからティーフードのレシピまで。
「ピーターラビット」「不思議の国のアリス」など一歩先の紅茶の世界へ。
 
****************************************
 
紅茶はよく飲んでるけど、
自分はたいして紅茶に興味ないんだな~とつくづく思った。
産地によって名前がついているのは知っているけれど、
どれ飲んでも「紅茶」としてしか認識できないし。
唯一、マリアージュ・フレールの「マルコポーロ」だけは、
他と明確に区別して「おいしい!!」と思ったけど、
たぶん、味じゃなくて匂いで区別してるだけ。
 
さて、この本、知らないことがいっぱいあったし、
興味深く読んだのだけども、書き方で一つ気になったところが。
「ミンミン先生」を文中でしつこいくらいに繰り返しているのだけれども、
彼女自身をフィーチャーしているかと思えばそうでもなく、
そのわりに「ミンミン先生」を連呼するので、ひどく気になった。
彼女自身のエッセイとして書くか、
完全な第三者視点で彼女のエピソードを紹介すればいいのに、
その中間みたいなスタンスで書かれているので、
最初から最後まで
「知らない身内の話をずっと聞かされてる」感があった……。
写真や紹介されているアイディアはとても素敵だったのだけど。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画:『ブラックナイトパレード』

2023-12-02 18:14:30 | 映画の感想
2023年の映画⑬『ブラックナイトパレード』(福田雄一 監督)
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
これは、本当のクリスマスの話。
コンビニ「ポーソン練間北口店」バイト歴3年。
受験、就活失敗。彼女無し。何をやってもダメな男日野三春(吉沢亮)。
世間がクリスマスムード一色で盛り上がる中、
突如、黒いサンタ服を着た謎の男・クネヒトに連れ去られてしまう。
目覚めるとそこは、クリスマスを裏で運営する「サンタクロースハウス」!!
世界中から届く子供たちの手紙、山積みのプレゼント、そして大勢のサンタたち…
なんと彼らは、悪い子にがっかりするプレゼントを贈る
超激務の“ブラックサンタ”だった。
そんな“ブラックサンタ”に就職した三春は、
強烈な個性を持つ同僚たち・北条志乃(橋本環奈)、田中カイザー(中川大志)、
古平鉄平(渡邊圭祐)と共に働き始めるが、
クリスマス滅亡を目論む怪しい影が迫る……
 
************************
 
WOWOWオンデマンドにて。
 
原作漫画は未読で、特に思い入れもないから、普通におもしろく見たよ。
原作の過激派ファンとか、「爆笑コメディ」を期待した人には
不評かもしれないが……。
 
尺の制約もあって説明不足は感じるけれども、
ストーリー上の「ここははずしてほしくない」というポイントを
ちゃんとはずさず、起伏もあって、よかったと思う。
三春に対してひどいな~と思ったカイザーの振る舞いも、
ちゃんと後から解釈をひっくり返されるし。
 
ただ、あらすじのここ。
 
>受験、就活失敗。彼女無し。何をやってもダメな男日野三春(吉沢亮)。
 
吉沢亮の外見を持っているだけで、人生勝ち組じゃん!!
と思ってしまうのだが……???
 
美男美女であるというのはそれだけですごいし、
周囲からそれ相応の対応をされて自己肯定感も高く、
悲惨なことにはならなさそうなのだが……
まあ、そこは「設定」として呑み込もう。
 
中川大志くんがイケメン枠ではないうえ、
玉木宏の顔面が一切出ない。
渡邊圭祐くんも、この映画で初めて認識したのだけども、
顔がすごくきれいなのに目立たない役。
イケメンの無駄遣い感がすごい。
 
「山田裕貴が吉沢亮の父親役」という事前情報に、
「どういうこと!?!?」と思っていたのだけども、
小さい頃に亡くなった父親なら、別に変ではなかったね……。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする