さていよいよ転送かと思いきや、また転送しないと言うのだ。今度の理由は「意識状態が悪い」から医師の同乗がないと運ばないというのだ。たった今、自分たちは現場からこの病院まで「医師の同乗なし」で搬送してきたわけだが、一度病院に到着したあとは、医療従事者の同乗がないと運ばないというのだ。彼らの理論は「自分たちは医療者ではない。救急搬送上必要な応急手当(医療行為ではない)は最低限するが、病院に一度きたらその後は救急搬送に当てはまらない」というのだ。患者さんの根治的治療は開始されていないにもかかわらず、一度、どんな病院でも経由すると以降は救急搬送ではないというらしい。これは法規なんだそうだ。